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違和感
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攻略本部はドーム状の形をした建物で遠目で見るより明らかに大きかった。やはりミアの言う通り今日はゲーム内の攻略者達が数多く集まるようでちらほらと他のプレイヤーもここを目指してやってくるのが見える。
「攻略を目指す人ってこんなにいたのか」
「そりゃそうよ。生き返れるって噂がある以上皆頑張るわよ」
「なるほどな」
俺は人の多さに驚きつつミアと攻略本部に入っていく。
本部の中は部屋に仕切られておらず大広間があるだけでそこには巨大なテーブルが置かれている。テーブルの周りにはたくさん人が集まって何やら話をしているらしい。
「やぁ、君たちも攻略者かね」
振り向くといわゆる白ひげの軍人のような老人がこちらを伺っていた。図体も大きくガタイもいい。色々な修羅場をくぐり抜けてきたようなそんな雰囲気。
「そうです。私達ソロだったんですけど最近PKが流行ってるって聞いて情報を聞きにきたんです」
ミアは笑顔で答える。
「私はここ、攻略本部のリーダー、ミハエルだ。よろしく頼む」
「こちらこそ」
ミハエルと名乗る老人はううむ、と唸ると最近の現状を話し始める。
「これは酷いPKだよ。この死後のゲームにおいてはさらに残忍な行為さ。許しちゃいられんと我々は君らのようなソロプレイヤーにも協力を仰いだって訳だ。皆で対処していかなくては危険なのだ。今はこのゲーム世界の地図を並べて様々な情報を集結させPK集団を追っているとこさ」
「やはりPK...か」
「うん...」
ミアはまた不安気な顔をして俯いた。
攻略本部がPKの仕業、というなら間違いはないだろう。だが俺は初めて聞いた時から一つだけひっかかることがあった。
それはPK集団は何がしたいのか、だ。
ただのプレイヤーではなく攻略組しか狩らないとなるとただの愉快犯とは思えない。
それに狩れるだけの実力もある、ということにもなればLVだって高いはずだし、単独で行うことは厳しいのだから結構大規模な集団なはずだ。
俺はふと周りを見渡して考える。
攻略もしていて...PKもしている...?
....
......まさか....。
俺はある可能性に気づいたがミアには黙っておくことにした。確定したわけでもないしまだ俺の憶測の範疇を出ていないからだ。
だが...もし合っているとするなら...攻略組が集まる今日...何か仕掛けてくる可能性はあるかもしれない。
「もしよければこれから行う我々の遠征に参加してもらえんかね。皆で城下町付近のエリアを警備しつつ班に分かれて見回りにいくんだ」
「ええ!是非協力させてください!ね?ハル?」
「えっ?あ、ああ」
ミアが即答したのを見ておれも急いで頭を縦に振った。
班に別れて遠征...か。
俺の勘違いに終わることがもちろんいいのだが...この可能性は捨てきれない。
それから数分して遠征のグループ分けがあり俺達は出発を迎えた。
もしこの攻略本部がPK集団だとするならミアを、そして今日きた他のプレイヤーを俺は守らなくては....!
◇
「..........」
班は8グループに別れ俺とミアは1班に配属された。
正直、おれは怖かった。
この世界に来てから死後の世界とは言えそれを意識したこともなかったしましてやこんなにも多くの人がクリアを目指していたなんて知る由もない。
それに加えて今はPK。
死後の世界で死んだら...そこは無かもしれない。
そう思った途端ゾクリと体が震えた気がした。
遠征はおれが思っていたことなんか失礼なくらいしっかりとした遠征っぷりだった。
ミハエルは俺たちに大人数独特の戦闘スタイルを教えてくれたし何よりもプレイヤー間で攻略を共有できたのが本当に大きい。
だが
夕方になり本部に戻った時おれは違和感を確信に変えることになる。
ある班が一つだけ帰ってきてなかったのだ。
「くっ!」
おれは本部を飛び出し6班の遠征先の雲海ダンジョンに駆け出した。
「攻略を目指す人ってこんなにいたのか」
「そりゃそうよ。生き返れるって噂がある以上皆頑張るわよ」
「なるほどな」
俺は人の多さに驚きつつミアと攻略本部に入っていく。
本部の中は部屋に仕切られておらず大広間があるだけでそこには巨大なテーブルが置かれている。テーブルの周りにはたくさん人が集まって何やら話をしているらしい。
「やぁ、君たちも攻略者かね」
振り向くといわゆる白ひげの軍人のような老人がこちらを伺っていた。図体も大きくガタイもいい。色々な修羅場をくぐり抜けてきたようなそんな雰囲気。
「そうです。私達ソロだったんですけど最近PKが流行ってるって聞いて情報を聞きにきたんです」
ミアは笑顔で答える。
「私はここ、攻略本部のリーダー、ミハエルだ。よろしく頼む」
「こちらこそ」
ミハエルと名乗る老人はううむ、と唸ると最近の現状を話し始める。
「これは酷いPKだよ。この死後のゲームにおいてはさらに残忍な行為さ。許しちゃいられんと我々は君らのようなソロプレイヤーにも協力を仰いだって訳だ。皆で対処していかなくては危険なのだ。今はこのゲーム世界の地図を並べて様々な情報を集結させPK集団を追っているとこさ」
「やはりPK...か」
「うん...」
ミアはまた不安気な顔をして俯いた。
攻略本部がPKの仕業、というなら間違いはないだろう。だが俺は初めて聞いた時から一つだけひっかかることがあった。
それはPK集団は何がしたいのか、だ。
ただのプレイヤーではなく攻略組しか狩らないとなるとただの愉快犯とは思えない。
それに狩れるだけの実力もある、ということにもなればLVだって高いはずだし、単独で行うことは厳しいのだから結構大規模な集団なはずだ。
俺はふと周りを見渡して考える。
攻略もしていて...PKもしている...?
....
......まさか....。
俺はある可能性に気づいたがミアには黙っておくことにした。確定したわけでもないしまだ俺の憶測の範疇を出ていないからだ。
だが...もし合っているとするなら...攻略組が集まる今日...何か仕掛けてくる可能性はあるかもしれない。
「もしよければこれから行う我々の遠征に参加してもらえんかね。皆で城下町付近のエリアを警備しつつ班に分かれて見回りにいくんだ」
「ええ!是非協力させてください!ね?ハル?」
「えっ?あ、ああ」
ミアが即答したのを見ておれも急いで頭を縦に振った。
班に別れて遠征...か。
俺の勘違いに終わることがもちろんいいのだが...この可能性は捨てきれない。
それから数分して遠征のグループ分けがあり俺達は出発を迎えた。
もしこの攻略本部がPK集団だとするならミアを、そして今日きた他のプレイヤーを俺は守らなくては....!
◇
「..........」
班は8グループに別れ俺とミアは1班に配属された。
正直、おれは怖かった。
この世界に来てから死後の世界とは言えそれを意識したこともなかったしましてやこんなにも多くの人がクリアを目指していたなんて知る由もない。
それに加えて今はPK。
死後の世界で死んだら...そこは無かもしれない。
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遠征はおれが思っていたことなんか失礼なくらいしっかりとした遠征っぷりだった。
ミハエルは俺たちに大人数独特の戦闘スタイルを教えてくれたし何よりもプレイヤー間で攻略を共有できたのが本当に大きい。
だが
夕方になり本部に戻った時おれは違和感を確信に変えることになる。
ある班が一つだけ帰ってきてなかったのだ。
「くっ!」
おれは本部を飛び出し6班の遠征先の雲海ダンジョンに駆け出した。
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