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第5話 「増殖ゴブリン③」
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「ゴブリンの属性は地。つまり水は奴らには効くはず。だから...」
「海におびき寄せる!ってことですか!」
湯雲さんは閃きポーズをする。
「そうだ」
俺は頷いて木の棒で砂に絵を書きながら説明をしていく。
「あの増殖してるのはあくまでLv1のゴブリンにすぎない。海にいれてしまえばさすがにイチコロなはずだ。今いる洞窟付近に群れはいるはずだからここを飛び出したらみんなで海へ。そこで奴らを呼び寄せる」
コクリと水亜も湯雲さんも頷く。
だが水亜はなにやら不思議そうな顔をしている。
「京太郎、普通に戦うってのはダメなの?殴ったり蹴ったりさ」
「生身でゴブリンに勝てるのか?あんなにワラワラいるのに」
「......それもそうね。あんまり触りたくないし。やめときましょ」
生々しいゴブリンとの戦闘を想像したのか水亜はため息をついて言った。
その会話を最後に俺らは作戦準備に取り掛かった。
俺達は洞窟の入口で外の様子を伺う。
大量の群れが移動する足音が近くから聞こえてくる。付近を探し回っているらしくやはり近くにいるみたいだ。
「3.2.1で飛び出す。一直線で海へ行くぞ」
2人が了解したのを見て俺はカウントダウンを言う。
「3...」 「2...」 「1...」
「今だっ!」
一斉に飛び出しあの蒼へと向かっていく。
永遠に衰えない太陽が俺らを照らし出した。
走っても走ってもこの世界では息を切らすことはシステム上無い。しかし癖というか現実の名残で疲れたように感じてしまう。
「あと少しで海だ!」
ゴブリン達の群れも俺達に気がついたのか方向を変えてこちらに向かってくる。
よし。このまま作戦通りいけば大丈夫だ。
海は暖かく心地が良かった。
俺達は急いで泳いで足のつかない場所まで進む。
これでこちらのものだ。
「さぁこい!ゴブリン共!!」
「こーい!こーい!」
水亜と湯雲さんは浜まで迫るゴブリン達を煽る。
ゴブリン達は追従システムに従い臆することなく海へと侵入すると呻き声を発した。
「グオォォォオ!」
どうやら水が効いているようだ。
「よし!やったぞ!」
「「いぇーい!」」
俺達はハイタッチをして喜び合う。
これでゴブリン達は全滅できるはずだ。
そうすればシステムも復旧してログアウトも。
「うぇー。こんな事なら水着着てれば良かったなぁ」
そう言うと水亜はYシャツのボタンに手をかけて外し始める。思わず目を伏せる。
おい、 待て。それは上着じゃないぞ。
「げ、現実の制服は濡れてないんだからいいだろうが」
俺はそう言ってさりげなく水亜の方をチラッとみるとYシャツを脱いで水をしぼっている。綺麗な薄ピンク色の肌と白のブラが視界に飛び込んでくる。
み、水亜なのに...これはあかん。
「ちょ!水亜そんなに脱ぐなんてはしたないですっ!」
「へっ??」
湯雲さんの指摘で異変に気がついたのか水亜は自分の体を見ると顔を真っ赤にする。
そのまま、俺の方へゆっくりとゆっくりと近づいてくる。
待て待て。勝手に脱いだのはそっちだろうが。やめろ俺は無罪だろ。見てしまっただけだ。
「って!!京太郎さん!あれ!!」
「え?」
湯雲さんに言われ見るとゴブリン達が苦しみながらも海を泳いで進んできているのではないか。全然死んでない。
「水亜!湯雲さん!こっちだ!!逃げるぞ!」
「ちょ!ちょっと待ってぇ!」
水亜ははだけたまま横へ泳ぎ出す。見たいが今はそれどころじゃない。
「か、囲まれてます!!」
ゴブリン達は正面からも左右からも迫っていた。これは...まずい。
万事休す。まさにそんな言葉がぴったりな状況だった。
その時------。
正面のゴブリンの群れが一気に吹き飛んだのだ。ゴブリンは空中に舞って赤い光を発し破砕して消えていく。
耐久が0になった証拠だ。
「スーパーミクルパンチ!炸裂だじょ!」
「京太郎殿~!!」
正面に立っていたのはなんと手を振るミクルと春樹だった。
「2人とも無事だったか!」
「ふふん。あとはミクルにおまかせあれ!」
ミクルはそう言ってゴブリンの残党の群れに1人で突っ込むと次々となぎ倒していく。水中にも関わらずやたら動きが素早く力強い。空中で飛び蹴りをしたり片手でぶん投げたり。
一体何が起こってる?
「よくわかんないけどミクルかっこいい~!」
水亜はまだ脱げたままミクルを見て言う。
ものの数十秒でゴブリン達を全滅させたミクルの頭の上に「Lv76→Lv77」の表示が。
まさか...これは?レベルによる能力上昇?
「京太郎殿!まだレベルアップシステムが生きてたんですよ!」
「やっぱりか!よしみんなミクルに続け!対岸にいる群れを倒しつつレベルを上げ全滅させるぞ!」
◇
「ふぅ.....。」
長い、長い、果てしない一日だった。
グッタリと俺はベッドに寝転がる。
ゴブリンを殲滅し無事にログアウトできた俺達は急いで夜な夜な山を登り寮へ。
そしてなんとか点呼に間に合ったのだった。
おそらくは誰にも異変には悟られていないはずだ。
...。
...。
しかしこのままではゲーム作りどころではない。
プレワールドはゴブリンバグがまた発生したら大変だから閉めざるを得なくなったし
みんなの作りたいゲームの思案もまとまっていない。
こんなわちゃわちゃしていて夏までに間に合うのか?
そんな純粋な疑問が俺を襲う。
水亜はファンタジーが好きだったり湯雲さんは銃が好きだったり、たしかミクルはアイテム収集系が好きで春樹はダンジョンとか迷宮の謎解きが好き。
ごちゃごちゃだ。みんなの意見をすべて採用しようとなると...一体どんなゲームに...。よくわからんものになるに決まっている。
「ん?」
ふと一瞬ごちゃごちゃに見えたものが溶け合った気がしたのだ。
.........そうか。
もう逆に一色単にしてみてはどうだろう。
例えば....。
俺は立ち上がって夜な夜な紙にペンを走らせる。
「これだ!これしかない!」
そしてある一枚の企画書ができあがる。
ゲームの名は
「レアリティ・サーガ・オンライン」
ついに本格的なゲーム作りが始動!!
「海におびき寄せる!ってことですか!」
湯雲さんは閃きポーズをする。
「そうだ」
俺は頷いて木の棒で砂に絵を書きながら説明をしていく。
「あの増殖してるのはあくまでLv1のゴブリンにすぎない。海にいれてしまえばさすがにイチコロなはずだ。今いる洞窟付近に群れはいるはずだからここを飛び出したらみんなで海へ。そこで奴らを呼び寄せる」
コクリと水亜も湯雲さんも頷く。
だが水亜はなにやら不思議そうな顔をしている。
「京太郎、普通に戦うってのはダメなの?殴ったり蹴ったりさ」
「生身でゴブリンに勝てるのか?あんなにワラワラいるのに」
「......それもそうね。あんまり触りたくないし。やめときましょ」
生々しいゴブリンとの戦闘を想像したのか水亜はため息をついて言った。
その会話を最後に俺らは作戦準備に取り掛かった。
俺達は洞窟の入口で外の様子を伺う。
大量の群れが移動する足音が近くから聞こえてくる。付近を探し回っているらしくやはり近くにいるみたいだ。
「3.2.1で飛び出す。一直線で海へ行くぞ」
2人が了解したのを見て俺はカウントダウンを言う。
「3...」 「2...」 「1...」
「今だっ!」
一斉に飛び出しあの蒼へと向かっていく。
永遠に衰えない太陽が俺らを照らし出した。
走っても走ってもこの世界では息を切らすことはシステム上無い。しかし癖というか現実の名残で疲れたように感じてしまう。
「あと少しで海だ!」
ゴブリン達の群れも俺達に気がついたのか方向を変えてこちらに向かってくる。
よし。このまま作戦通りいけば大丈夫だ。
海は暖かく心地が良かった。
俺達は急いで泳いで足のつかない場所まで進む。
これでこちらのものだ。
「さぁこい!ゴブリン共!!」
「こーい!こーい!」
水亜と湯雲さんは浜まで迫るゴブリン達を煽る。
ゴブリン達は追従システムに従い臆することなく海へと侵入すると呻き声を発した。
「グオォォォオ!」
どうやら水が効いているようだ。
「よし!やったぞ!」
「「いぇーい!」」
俺達はハイタッチをして喜び合う。
これでゴブリン達は全滅できるはずだ。
そうすればシステムも復旧してログアウトも。
「うぇー。こんな事なら水着着てれば良かったなぁ」
そう言うと水亜はYシャツのボタンに手をかけて外し始める。思わず目を伏せる。
おい、 待て。それは上着じゃないぞ。
「げ、現実の制服は濡れてないんだからいいだろうが」
俺はそう言ってさりげなく水亜の方をチラッとみるとYシャツを脱いで水をしぼっている。綺麗な薄ピンク色の肌と白のブラが視界に飛び込んでくる。
み、水亜なのに...これはあかん。
「ちょ!水亜そんなに脱ぐなんてはしたないですっ!」
「へっ??」
湯雲さんの指摘で異変に気がついたのか水亜は自分の体を見ると顔を真っ赤にする。
そのまま、俺の方へゆっくりとゆっくりと近づいてくる。
待て待て。勝手に脱いだのはそっちだろうが。やめろ俺は無罪だろ。見てしまっただけだ。
「って!!京太郎さん!あれ!!」
「え?」
湯雲さんに言われ見るとゴブリン達が苦しみながらも海を泳いで進んできているのではないか。全然死んでない。
「水亜!湯雲さん!こっちだ!!逃げるぞ!」
「ちょ!ちょっと待ってぇ!」
水亜ははだけたまま横へ泳ぎ出す。見たいが今はそれどころじゃない。
「か、囲まれてます!!」
ゴブリン達は正面からも左右からも迫っていた。これは...まずい。
万事休す。まさにそんな言葉がぴったりな状況だった。
その時------。
正面のゴブリンの群れが一気に吹き飛んだのだ。ゴブリンは空中に舞って赤い光を発し破砕して消えていく。
耐久が0になった証拠だ。
「スーパーミクルパンチ!炸裂だじょ!」
「京太郎殿~!!」
正面に立っていたのはなんと手を振るミクルと春樹だった。
「2人とも無事だったか!」
「ふふん。あとはミクルにおまかせあれ!」
ミクルはそう言ってゴブリンの残党の群れに1人で突っ込むと次々となぎ倒していく。水中にも関わらずやたら動きが素早く力強い。空中で飛び蹴りをしたり片手でぶん投げたり。
一体何が起こってる?
「よくわかんないけどミクルかっこいい~!」
水亜はまだ脱げたままミクルを見て言う。
ものの数十秒でゴブリン達を全滅させたミクルの頭の上に「Lv76→Lv77」の表示が。
まさか...これは?レベルによる能力上昇?
「京太郎殿!まだレベルアップシステムが生きてたんですよ!」
「やっぱりか!よしみんなミクルに続け!対岸にいる群れを倒しつつレベルを上げ全滅させるぞ!」
◇
「ふぅ.....。」
長い、長い、果てしない一日だった。
グッタリと俺はベッドに寝転がる。
ゴブリンを殲滅し無事にログアウトできた俺達は急いで夜な夜な山を登り寮へ。
そしてなんとか点呼に間に合ったのだった。
おそらくは誰にも異変には悟られていないはずだ。
...。
...。
しかしこのままではゲーム作りどころではない。
プレワールドはゴブリンバグがまた発生したら大変だから閉めざるを得なくなったし
みんなの作りたいゲームの思案もまとまっていない。
こんなわちゃわちゃしていて夏までに間に合うのか?
そんな純粋な疑問が俺を襲う。
水亜はファンタジーが好きだったり湯雲さんは銃が好きだったり、たしかミクルはアイテム収集系が好きで春樹はダンジョンとか迷宮の謎解きが好き。
ごちゃごちゃだ。みんなの意見をすべて採用しようとなると...一体どんなゲームに...。よくわからんものになるに決まっている。
「ん?」
ふと一瞬ごちゃごちゃに見えたものが溶け合った気がしたのだ。
.........そうか。
もう逆に一色単にしてみてはどうだろう。
例えば....。
俺は立ち上がって夜な夜な紙にペンを走らせる。
「これだ!これしかない!」
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