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第5話~覚悟
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「やーやー、レベッカ!」
ボスが笑顔で右手をあげる。
ちょいちょい話の中に出てきたレベッカという女性は、漫画のような体型で、顔は作り物のようだった。
「か、可愛すぎるわぁ…って、なんでウィリヴァーがいるのよ」
「ウィリヴァーってやめろよ」
「僕達が連れてきたんだよ!!」
「そうなの!?やだ、だめよー、この男の人達は。気をつけてねー?」
「レベッカァー!!変なこと教えたら承知しないぞー!?」
「それはこっちのセリフよ、ウィリアム」
「あ…あの…」
カルラが困ったように顔をあげる。
「ほぉらぁ~、カルラ困ってるぅ~」
ボスはカルラの頭を撫でながら、猫のような目で3人を見る。
「ごめん…カルラ…」
「ごめんなさぁ~い」
「…俺はなんも言ってない」
「………ふふっ」
カルラは安心していた。みんな、自分のことを見てくれていることに。
「あの…あなたがレベッカさんですか?」
「ん、そうよぉ~、あと、敬語なんて使わないでいいわよ、私永遠の17歳だものぉ~」
「うそだよー、32歳だよー」
「な、なんでほんとの年齢知ってんのよ!?」
「…俺たち同い年だろ…」
「……そうだったわ」
「ボクは18だもんっ!!」
「え、ボス、18!?」
カルラが目を丸くする。
「そうだよーん、ボク、殺しはしないんだ」
「え?ボス言ってなかったの?」
「う、うん聞かれなかったから…」
確かに、顔は10代だが、スタイルは大人びていて、モデルというより、色気がある感じだから、てっきり20代だと思っていた。
「まぁ、詳しいことは食べながら話そ」
ボスはカルラにパスタを薦めた。
この食堂は、朝、昼、晩でメニューが変わり、さらに昼、晩だけは毎日メニューが違うらしい。
今日のおすすめは、パスタらしく、みんなパスタを選んでいた。
確かに、パスタは絶品だった。
「ん~美味しいなぁ…知らないおじさんと話してると疲れるからねぇ」
「やだ…休みの日くらい休みなさいよ…」
「だ、だって、ボク働かないと、明日仕事なくなるよ?」
「そうだけど…」
「そうだっまだボクのお仕事教えてなかったね」
ボスはフォークを置いて、水を少し飲んだ。
カルラのほうを向いて、少し笑った。
「ボクはね、世界中の偉い人とお話しをして、この人を殺してほしいっていう依頼を受ける仕事をしてるんだよ。いわゆる責任者みたいな感じ」
ボスが少し俯く。その様子は、まるでなにか重いものに潰されそうになっているようにも、次の言葉を言ってもいいのか迷っているようにも見えた。
カルラは待った。ボスが話しだすまで。周りの皆もそうしていたから。
「…責任者は、それなりに責任を負わなくちゃならない。もし依頼を失敗したら………」
また沈黙が訪れる。カルラは変な汗をかいていた。本当にこれは聞いていい話なんだろうか。
止めようとした瞬間、ボスが顔をあげた。
「……………ボクは殺される」
ボスのその表情は、カルラに向けていた可愛らしい笑顔とはかけ離れたものだった。
それは、ボスのとてつもない覚悟がつまっていて、カルラはボスがいままでとてつもない人生を送ってきたことを悟った。
「ボクのお父さんはかつてここのボスだった。でも、お父さんはボクが14歳の時に殺された」
ボスの言葉には感情がこもってない。そうでもしないと、感情が溢れてしまうのだろう。
「だから、ボクは14歳のときにボスを継いだ。このボクって一人称は、お父さんのなんだ。強面を気にしてたから、馴染みやすいようにボクって言ってたの」
カルラは驚いた。こんなに陽気なボスに、こんなことがあったなんて。ママ以外の女性と話したのはボスが初めてだが、みんなそれぞれ、苦労があったにも関わらず、前に進もうとしてる。前に進んでる。カルラの胸の中には、強い覚悟が宿った。
「わ…私がっ!ボスの命っ…守る!守ります!」
カルラが勢いよく立ち上がる。みんながこちらを一斉に見る。ボスが吹き出す。
「ふっ…ふふっ…あははっ!ありがと、カルラ!」
ボスがカルラに抱きつく。
「あぁーん、可愛いわぁ、カルラッ!」
レベッカも抱きつく。
「わ…わぁ…」
カルラがふらつく。それをみてウィリヴァーも笑う。空気は一瞬にして楽しくなった。
「はぁ………じゃあ、各自、風呂入ろっか!」
ボスが立ち上がる。それを合図のようにみんな立ち上がり、男と女に別れた。
「カルラッ!君の服はボクのお古になっちゃうけど、いいかな?」
「うん、ありがとう!」
「えへへっ」
ボスのお古はとても可愛かった。着やすくて、暖かい。
「女湯はこっちよ」
レベッカが案内してくれる。知らない男の人達がいっぱいいる。
「この人達も殺し屋よ。ちょっとスケベだけど、悪いやつじゃないわ」
すると、周りがざわつき始める。
「うおっレベッカとボスだ!お美しいー!」
「なんか美少女がいるぞ」
「マジだ!可愛いー!」
「でもあの子誰だ?」
周りの視線がカルラに集まる。
「う…うう…」
「あんた達、じろじろ見んじゃないわよ!怖がってるでしょうが!」
「すっすまんっ」
「悪い…」
「わ、私、歓迎されてないのかな…」
「違うわよ、カルラが可愛すぎるから見ちゃうのよ」
「そ、それは…」
女湯に到着した。
ボスが笑顔で右手をあげる。
ちょいちょい話の中に出てきたレベッカという女性は、漫画のような体型で、顔は作り物のようだった。
「か、可愛すぎるわぁ…って、なんでウィリヴァーがいるのよ」
「ウィリヴァーってやめろよ」
「僕達が連れてきたんだよ!!」
「そうなの!?やだ、だめよー、この男の人達は。気をつけてねー?」
「レベッカァー!!変なこと教えたら承知しないぞー!?」
「それはこっちのセリフよ、ウィリアム」
「あ…あの…」
カルラが困ったように顔をあげる。
「ほぉらぁ~、カルラ困ってるぅ~」
ボスはカルラの頭を撫でながら、猫のような目で3人を見る。
「ごめん…カルラ…」
「ごめんなさぁ~い」
「…俺はなんも言ってない」
「………ふふっ」
カルラは安心していた。みんな、自分のことを見てくれていることに。
「あの…あなたがレベッカさんですか?」
「ん、そうよぉ~、あと、敬語なんて使わないでいいわよ、私永遠の17歳だものぉ~」
「うそだよー、32歳だよー」
「な、なんでほんとの年齢知ってんのよ!?」
「…俺たち同い年だろ…」
「……そうだったわ」
「ボクは18だもんっ!!」
「え、ボス、18!?」
カルラが目を丸くする。
「そうだよーん、ボク、殺しはしないんだ」
「え?ボス言ってなかったの?」
「う、うん聞かれなかったから…」
確かに、顔は10代だが、スタイルは大人びていて、モデルというより、色気がある感じだから、てっきり20代だと思っていた。
「まぁ、詳しいことは食べながら話そ」
ボスはカルラにパスタを薦めた。
この食堂は、朝、昼、晩でメニューが変わり、さらに昼、晩だけは毎日メニューが違うらしい。
今日のおすすめは、パスタらしく、みんなパスタを選んでいた。
確かに、パスタは絶品だった。
「ん~美味しいなぁ…知らないおじさんと話してると疲れるからねぇ」
「やだ…休みの日くらい休みなさいよ…」
「だ、だって、ボク働かないと、明日仕事なくなるよ?」
「そうだけど…」
「そうだっまだボクのお仕事教えてなかったね」
ボスはフォークを置いて、水を少し飲んだ。
カルラのほうを向いて、少し笑った。
「ボクはね、世界中の偉い人とお話しをして、この人を殺してほしいっていう依頼を受ける仕事をしてるんだよ。いわゆる責任者みたいな感じ」
ボスが少し俯く。その様子は、まるでなにか重いものに潰されそうになっているようにも、次の言葉を言ってもいいのか迷っているようにも見えた。
カルラは待った。ボスが話しだすまで。周りの皆もそうしていたから。
「…責任者は、それなりに責任を負わなくちゃならない。もし依頼を失敗したら………」
また沈黙が訪れる。カルラは変な汗をかいていた。本当にこれは聞いていい話なんだろうか。
止めようとした瞬間、ボスが顔をあげた。
「……………ボクは殺される」
ボスのその表情は、カルラに向けていた可愛らしい笑顔とはかけ離れたものだった。
それは、ボスのとてつもない覚悟がつまっていて、カルラはボスがいままでとてつもない人生を送ってきたことを悟った。
「ボクのお父さんはかつてここのボスだった。でも、お父さんはボクが14歳の時に殺された」
ボスの言葉には感情がこもってない。そうでもしないと、感情が溢れてしまうのだろう。
「だから、ボクは14歳のときにボスを継いだ。このボクって一人称は、お父さんのなんだ。強面を気にしてたから、馴染みやすいようにボクって言ってたの」
カルラは驚いた。こんなに陽気なボスに、こんなことがあったなんて。ママ以外の女性と話したのはボスが初めてだが、みんなそれぞれ、苦労があったにも関わらず、前に進もうとしてる。前に進んでる。カルラの胸の中には、強い覚悟が宿った。
「わ…私がっ!ボスの命っ…守る!守ります!」
カルラが勢いよく立ち上がる。みんながこちらを一斉に見る。ボスが吹き出す。
「ふっ…ふふっ…あははっ!ありがと、カルラ!」
ボスがカルラに抱きつく。
「あぁーん、可愛いわぁ、カルラッ!」
レベッカも抱きつく。
「わ…わぁ…」
カルラがふらつく。それをみてウィリヴァーも笑う。空気は一瞬にして楽しくなった。
「はぁ………じゃあ、各自、風呂入ろっか!」
ボスが立ち上がる。それを合図のようにみんな立ち上がり、男と女に別れた。
「カルラッ!君の服はボクのお古になっちゃうけど、いいかな?」
「うん、ありがとう!」
「えへへっ」
ボスのお古はとても可愛かった。着やすくて、暖かい。
「女湯はこっちよ」
レベッカが案内してくれる。知らない男の人達がいっぱいいる。
「この人達も殺し屋よ。ちょっとスケベだけど、悪いやつじゃないわ」
すると、周りがざわつき始める。
「うおっレベッカとボスだ!お美しいー!」
「なんか美少女がいるぞ」
「マジだ!可愛いー!」
「でもあの子誰だ?」
周りの視線がカルラに集まる。
「う…うう…」
「あんた達、じろじろ見んじゃないわよ!怖がってるでしょうが!」
「すっすまんっ」
「悪い…」
「わ、私、歓迎されてないのかな…」
「違うわよ、カルラが可愛すぎるから見ちゃうのよ」
「そ、それは…」
女湯に到着した。
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