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第二章 二度目の異世界
20.独占欲※
しおりを挟む新キャラ登場です。
※後半R指定・背後注意
朝からすみません。
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「この追加予算申請だが、これだけ利益が出ていないのなら却下して撤退させろ。あとこの資料に書いてある人物を探せしておけ」
「承知いたしました。続いてこちらなのですが」
ユリウスが仕事をしている中、俺はガルシアン王国の歴史について書かれた本を読んでいる。しかし
「あの~ユリウス?」
「なにかな?シュウ」
甘く蕩けそうな笑顔でユリウスが返事をする。
「っ!」
(その眩しすぎる笑顔やめて~~ドキッとするから心臓がもたない)
「俺、お仕事の邪魔になると思うんだ。それであっちの部屋に行くから降ろしてくれないかな?」
そう、俺は椅子でもソファでもない。ユリウスの膝の上に座っているのだ。
「何で?」
「何でって、俺が聞いちゃいけない話とかあるでしょ?」
(てか、この状況が恥ずかしすぎて無理なのっ)
「いえ、問題ありませんよ。シューヤ様は未来のお妃になるお方ですし。それにシューヤ様がいらっしゃることで仕事が捗ります。ねぇユリウス殿下」
「シュウの名前を呼ぶな、気安く喋りかけるなっ あと見るな」
「うわぁ殿下それは酷すぎません!?シューヤ様もそう思いますよね?」
「オーウェン!だから話しかけるなと言っているだろっ」
「あはははは……」
あの日、ユリウスから15年間の事を聞いてから5日が経った。
いろいろと情報量が多すぎて、正直全てを消化しきれなかった。
まず、ユリウスがこのガルシアン王国の第二王子である事。
そして———
「シュウは俺の花嫁だ。見るな、減る」
俺はユリウスの花嫁として召喚された事である。
花嫁についてはそのままの意味で俺はユリウスの伴侶、つまり奥さんということらしい。正直なところ、俺はユリウスを弟としか見ていなかったのでいきなり言われても困ると言った。
や、ヤることはやってるけど、あれはその……感情が昂って勢いでやってしまったんだと思う。てかそう思わないと罪悪感がすごい。でもユリウスは
『シュウは俺の事嫌いではないよね?ならシュウが俺無しじゃいられないくらいに甘やかして口説いて振り向かせてみせるよ』
と、笑顔で宣言した。それからユリウスの愛が予想以上に凄くて俺は今にも溶けそうだ。
「減るって……どんだけ独占欲強いんですか」
今、ユリウスと口論?口喧嘩?をしているのは、ユリウスの護衛兼側近のオーウェン・ジルファルド。ユリウスの7歳上の27歳だ。
ユリウスが5歳で王宮に来てからずっと側に仕えててくれた人で、兄のような関係らしい。と、オーウェンさんが言っていた。
オーウェンさんの呆れながら尻尾が少し垂れた。
ちなみにオーウェンさんは犬の獣人で少し垂れ目の紫の瞳と明るい茶髪を短髪にした容姿をしている。
初めてお会いした時
『あなたがシューヤ様ですか!お綺麗な方ですね。私はオーウェン・ジルファルドと申します。気軽にオーウェンとお呼びください。』
と、笑顔で挨拶してくれた。
騎士だからしっかりとした体格、人懐っこい笑顔。ゴールデンレトリバーに似てると思った。
「そもそも殿下がシューヤ様と離れたくないと言われたんですよ?だからここでお仕事するしかないじゃないですか」
「知らん、そもそもシュウから離れるとか無理だ。だからお前は見るな、そして息をするな」
「うわぁ、そんな無茶苦茶な……横暴だ!殿下は暴君だ!」
「どうとでも言え」
2人のやりとりを聞いて笑っていると
「わぁっ」
「シュウ、オーウェンに笑顔を見せるな。勿体ない、オーウェンが惚れたらどうする?」
ユリウスがマントで俺を包んで隠した。
「惚れるって……俺は男だよ?」
「関係ない。シュウは綺麗で仕草一つ一つが美しい、見ているだけで絵になるしこの匂いも」
すーーーーーっと、俺の首筋に鼻をつけ嗅いだ。
「んっ」
(あ、ユリウスの匂いが濃くなった。やばい)
「俺だけのものだ」
ドクンドクンと鼓動が速くなる。
「あーー……俺、退室した方がいいですかね?」
「!?」
「シュウの匂いを嗅いだら殺す」
「はいはい……2時間後にまた来ます」
「3時間後だ」
「ちょっ、どれだけする気ですか!?」
しっしっとユリウスはオーウェンさんを追い出した。
「ユリ、ウス?」
はぁはぁと息が乱れ体が熱く疼く。
◇◆◇
「んっ、ふ」
くちゅくちゅと音を立ててお互いの舌を絡ませる。
「シュウ、鼻で息をして。 そう上手」
ユリウスの匂いを嗅ぐと体が熱くなってユリウスを求めてしまう。
「はぁ……ゆりうすぅ」
「キスだけで気持ちよくなったの?シュウは可愛いね」
嬉しそうに俺の服を脱がしていきユリウスの手は
「あっ、だめぇ」
「ほんとシュウのここは赤くて美味しそうだね」
チューっと乳首を吸った。
「あっああん」
軽くイってしまった。
「はぁ…はぁ……ゆりうすぅ」
「ん?どうしたシュウ」
俺はユリウスの首に手を回して抱きユリウスの匂いを鼻いっぱいに吸い込んだ。
「ユリウスの匂いを嗅ぐと体が熱くてなってクラクラするぅ」
「ふっ、それは俺のフェロモンに反応して発情してるんだ」
「はつじょう?」
「まだ浸透しきってないか…… いっぱい注いであげる」
ユリウスは俺の脚を持ち上げてぐちゅぐちゅと音を立ててほぐし始めた。
「ひゃあっ」
「ん、シュウのフェロモンも濃くなった」
(ふぇろもん……はつじょう……?)
ユリウスは何を言っているの?
その後十分に解された後孔に熱くて太いものをあて、そしてゆっくりと
「ああああっ!」
「シュウっシュウ!」
「あんっあ、あ、あ、あああ」
パンッパンッとユリウスが激しく腰を振る。俺はその揺れに身を任せた。
しばらく絡み合った後、奥に熱いものが広がり体の中に広がった。
「はぁ、はぁ……シュウは俺の花嫁、俺の番だ。誰にも渡さない」
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今回ちょっと軽めのエロでした。
そしてユリウスの溺愛が始まりました。
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