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劣等感
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差し当たりまして、フウガお兄様のお隣に侍りますわたしは、その傍らにて彼の肉体をお流しすることとなりました次第に御座います。
それ故立ち振る舞いも楚々と意識して膝をその場きて折り畳むわたしはといえば、些か居心地も悪く思われます。
眼前にてとても巨大な岩男の如き密度を誇る、至極逞しい筋肉が見て取れます。
その重厚な程に鋼の様にして鍛え抜かれた肉体は、当然ながらにその主張もより顕著な代物として窺えます。
その為特段わたしが屈むことがなくても、大変大柄な体格を誇りますフウガお兄様相手とあっては、ただの正座だけで事足りました次第です。
ですからその隆起した背筋の筋張った筋肉の程に思わず見入ってしまっていたわたしはといえば、恐る恐るそれに手を伸ばします。
しかしながら見惚れていたが為に、その前に一言声を掛ける事を失念していました不敬に対して今になって漸く及びます。
「‥突然断りもなしに触れてしまって申し訳ありませんフウガお兄様。お気に触れたのでしたら、どうかお許しくださいませ」
そうしてその様に頭を深々とその場に置いて下げることも厭わないわたしです。
それ程までに他者から唐突に肌へと触れられるのは、わたしの国における振る舞いとしては万死に値するのです。
しかしながらこれを受けるに応じたフウガお兄様はといえば、極めて落ち着き払った態度にて答えました。
「いや、むしろせっかくアイリスに流してもらえるのだ。一向に其方が思うがままにやってくれて構わないさ」
この様な仰になられましたフウガお兄様は、応用に頷くと共に振り返ります。
そしてそれに際しては、此方へと手を伸ばすに伴い、わたしは頭を撫でられます。
その肌身の感じますとてもたくましくふしくれだった無骨な五指により、髪の毛を梳かれます。
手付きの程はとても心地良い感触でいて、その何処か流れる様な動作は本来であればアナスタシアお姉様に向けられる代物であったに違いありません。
しかしながら今はそのアナスタシアお姉様御本人から譲り受けたお洋服をわたし自身が身纏っているのです。
皮肉にも彼女のお下がりを半ば強引にも着せられたこともあり、依然として不本意極まりないのです。
ですがその今にわたしが身を包むアナスタシアお姉様の着古した代物の程は、殿方に媚びを売る面に置いて、どうやら最上である様です。
無論これを見越してわたしに飾りつけたというわけでは無いでしょう。
仮にそうであったとしたら、アナスタシアお姉様の慧眼があまりに末恐ろしい代物に御座います。
とはいえこのあまりにお尻に対して食い込む下着に対しては、自ずと辟易する他にありません。
恐らくですが、それは紐同然の布地しかないが為に、わたしの臀部の凡そは露出されていることでしょう。
とはいえ丸見えとまでいかずとも、少なからず太腿の付け根あたりを越えていることに相違ないのです。
その為大半が側から見ても肌が覗けているので、あまりに屈辱極まる装いとなっています。
そしてこれに加えて肩口から脇の下に掛けての肌も晒しているが故に、大変はしたない格好であることは敢えて言及するまでもなく自明の理と称する他にありません。
つまるところ完全に殿方に対して媚び諂った代物であるそれをわたしは今自ら身に付けているのでした。
ですのでこの様なあまりにあられもない自らの身体を露出してしまっていることも相まって、思わず内股となります。
ですがそれも羞恥に駆られる一つの要因であるのですが、これは致し方無い振る舞いであるのです。
何故ならその理由は偏に、こうでもしないとわたしのろくに筋肉も付いていない太腿が剥き出しとなってしまうが所以に他なりません。
更にはこの様に姿勢を正さなければわたしのだらしのない臀部が見えてしまうからでした。
その為やはり身動きを取ることにも躊躇いを覚えるわたしはといえば、奉仕の手は自ずと遅々として捗りません。
当たり前ですがその自らの及ばない振る舞いに対して次第に苛立ちが募ります。
しかしながらこれにも増して実感致しましたのは、自身のあまりも至らない浅はかさに御座いました。
当然ながらこれまでに他者への献身などしたこともないわたしに御座いますから、到底今にしている所作も自ずと拙くなるのは自明の理にあるのです。
それ即ちわたし自身の不徳に致すところに御座いますが故に、それには大いに反省の余地があるでしょう。
ですが今更その様にして自らを責め立てたところで状況が好転するわけでもないのです。
ですのでわたしはフウガお兄様の逞しい背筋の辺りを丁寧に指先でなぞります。
自身の五指をでき得るだけ意図して艶かしく動かし、気持ち良くなって頂けることだけに重点を置くのです。
そうしてわたしは所謂女の子座りとでも称して差し支えないでしょう体勢にて、奉仕致しております。
そしてその様な自らの尊厳を鑑みない振る舞いにより、わたし自身の自尊心が失われていくのが如実に感じられるのです。
しかしながらこの様にして今は身を貶めているわたしに御座いますが、いずれはお母様の再会を果たすその暇で耐え忍ぶ次第です。
それ故今回を含めて以後も、こうしてフウガお兄様へと御奉仕をすることにより、日々の疲れを癒して頂く所存に御座います。
ですから今に指先の先端にて伝わせるフウガお兄様の硬い筋肉に筋に沿って垢を落としていきます。
「あの‥フウガお兄様、御加減は如何に御座いますか?他に何処か気になる所がある様でしたら、このアイリスに何なりとお申し付けくださいませ」
その為にもわたしは自身が闇雲に手を動かすだけでなく、やはり都度に確認していた方が上達の効率の程は早く思われます。
それに当初抱いていた果たすべき目的も会話によってこそ身を結ぶ事柄に御座いますが故、質問を呈しました。
するとこれに対して特段顕著な反応を示しませんフウガお兄様の側は、朗らかにも応じてくださいます。
「いや、これが初めてとは思えない程上出来だ。流石はユキの子供だな。だが、少し強くしても構わない」
際して与えられましたのは、わたしに対してあまりの過分に値すると思われる程の評価に御座います。
仮にお世辞であったとしても、その称賛の程は極めてわたしには不相応な代物と称して差し支えないに違いありません。
ですが例えそれがわたし自身の自惚れであったとしても、すこぶる嬉しく思うのです。
何故ならわたしは生まれてから現在に至るまでこの様な振る舞いには到底縁が無かった為、新鮮味すらも覚えている次第に御座います。
ですからわたしとしても殿方に対してこの様な装いで媚び諂うのは屈辱ではありますが、それと同時に為になることでもあるのです。
そしてそれに伴い無用なこの今に身に纏いますお洋服さえ無ければ、至って楽しくもありましたに相違ありません。
にも関わらずこの様なはしたないスカートと巫女服と称される代物のお陰で、台無しに御座います。
しかしながらそれでもこうして誰かに奉仕を出来るというのは、少なからず心地よくもあるという事実に漸く及ぶことができました次第です。
それ故今自らが晒しますこの無様極まる現状もそれ程までに悲観すべき事柄ではないのかもしれません。
いいえ。
きっとこの得難い経験は、これから先に待ち受けているわたしの立ち向かうべき試練に対して有効に働くに違いないのです。
ですからそうして今のわたしに課せられています使命の程は、この様に殿方に対して誠心誠意ご奉仕させて頂く事にあるのでしょう。
それから何かを学び自らの立場に及ぶことで初めてわたしは弁える事に対して喜びを享受できるのでしょう。
ただ少なからず今だけは屈辱感に苛まれている事実は消えませんので、この感覚を忘れない様に致します。
正に初心忘るべかざると言いますので、この恥辱をしかとこの胸に刻み付け、ご奉仕をしたく思います。
しかしながらそんな始末にて覚束ないわたしの所作に対しても、フウガお兄様は特段何を言うわけでもないのでした。
それ故立ち振る舞いも楚々と意識して膝をその場きて折り畳むわたしはといえば、些か居心地も悪く思われます。
眼前にてとても巨大な岩男の如き密度を誇る、至極逞しい筋肉が見て取れます。
その重厚な程に鋼の様にして鍛え抜かれた肉体は、当然ながらにその主張もより顕著な代物として窺えます。
その為特段わたしが屈むことがなくても、大変大柄な体格を誇りますフウガお兄様相手とあっては、ただの正座だけで事足りました次第です。
ですからその隆起した背筋の筋張った筋肉の程に思わず見入ってしまっていたわたしはといえば、恐る恐るそれに手を伸ばします。
しかしながら見惚れていたが為に、その前に一言声を掛ける事を失念していました不敬に対して今になって漸く及びます。
「‥突然断りもなしに触れてしまって申し訳ありませんフウガお兄様。お気に触れたのでしたら、どうかお許しくださいませ」
そうしてその様に頭を深々とその場に置いて下げることも厭わないわたしです。
それ程までに他者から唐突に肌へと触れられるのは、わたしの国における振る舞いとしては万死に値するのです。
しかしながらこれを受けるに応じたフウガお兄様はといえば、極めて落ち着き払った態度にて答えました。
「いや、むしろせっかくアイリスに流してもらえるのだ。一向に其方が思うがままにやってくれて構わないさ」
この様な仰になられましたフウガお兄様は、応用に頷くと共に振り返ります。
そしてそれに際しては、此方へと手を伸ばすに伴い、わたしは頭を撫でられます。
その肌身の感じますとてもたくましくふしくれだった無骨な五指により、髪の毛を梳かれます。
手付きの程はとても心地良い感触でいて、その何処か流れる様な動作は本来であればアナスタシアお姉様に向けられる代物であったに違いありません。
しかしながら今はそのアナスタシアお姉様御本人から譲り受けたお洋服をわたし自身が身纏っているのです。
皮肉にも彼女のお下がりを半ば強引にも着せられたこともあり、依然として不本意極まりないのです。
ですがその今にわたしが身を包むアナスタシアお姉様の着古した代物の程は、殿方に媚びを売る面に置いて、どうやら最上である様です。
無論これを見越してわたしに飾りつけたというわけでは無いでしょう。
仮にそうであったとしたら、アナスタシアお姉様の慧眼があまりに末恐ろしい代物に御座います。
とはいえこのあまりにお尻に対して食い込む下着に対しては、自ずと辟易する他にありません。
恐らくですが、それは紐同然の布地しかないが為に、わたしの臀部の凡そは露出されていることでしょう。
とはいえ丸見えとまでいかずとも、少なからず太腿の付け根あたりを越えていることに相違ないのです。
その為大半が側から見ても肌が覗けているので、あまりに屈辱極まる装いとなっています。
そしてこれに加えて肩口から脇の下に掛けての肌も晒しているが故に、大変はしたない格好であることは敢えて言及するまでもなく自明の理と称する他にありません。
つまるところ完全に殿方に対して媚び諂った代物であるそれをわたしは今自ら身に付けているのでした。
ですのでこの様なあまりにあられもない自らの身体を露出してしまっていることも相まって、思わず内股となります。
ですがそれも羞恥に駆られる一つの要因であるのですが、これは致し方無い振る舞いであるのです。
何故ならその理由は偏に、こうでもしないとわたしのろくに筋肉も付いていない太腿が剥き出しとなってしまうが所以に他なりません。
更にはこの様に姿勢を正さなければわたしのだらしのない臀部が見えてしまうからでした。
その為やはり身動きを取ることにも躊躇いを覚えるわたしはといえば、奉仕の手は自ずと遅々として捗りません。
当たり前ですがその自らの及ばない振る舞いに対して次第に苛立ちが募ります。
しかしながらこれにも増して実感致しましたのは、自身のあまりも至らない浅はかさに御座いました。
当然ながらこれまでに他者への献身などしたこともないわたしに御座いますから、到底今にしている所作も自ずと拙くなるのは自明の理にあるのです。
それ即ちわたし自身の不徳に致すところに御座いますが故に、それには大いに反省の余地があるでしょう。
ですが今更その様にして自らを責め立てたところで状況が好転するわけでもないのです。
ですのでわたしはフウガお兄様の逞しい背筋の辺りを丁寧に指先でなぞります。
自身の五指をでき得るだけ意図して艶かしく動かし、気持ち良くなって頂けることだけに重点を置くのです。
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そしてその様な自らの尊厳を鑑みない振る舞いにより、わたし自身の自尊心が失われていくのが如実に感じられるのです。
しかしながらこの様にして今は身を貶めているわたしに御座いますが、いずれはお母様の再会を果たすその暇で耐え忍ぶ次第です。
それ故今回を含めて以後も、こうしてフウガお兄様へと御奉仕をすることにより、日々の疲れを癒して頂く所存に御座います。
ですから今に指先の先端にて伝わせるフウガお兄様の硬い筋肉に筋に沿って垢を落としていきます。
「あの‥フウガお兄様、御加減は如何に御座いますか?他に何処か気になる所がある様でしたら、このアイリスに何なりとお申し付けくださいませ」
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際して与えられましたのは、わたしに対してあまりの過分に値すると思われる程の評価に御座います。
仮にお世辞であったとしても、その称賛の程は極めてわたしには不相応な代物と称して差し支えないに違いありません。
ですが例えそれがわたし自身の自惚れであったとしても、すこぶる嬉しく思うのです。
何故ならわたしは生まれてから現在に至るまでこの様な振る舞いには到底縁が無かった為、新鮮味すらも覚えている次第に御座います。
ですからわたしとしても殿方に対してこの様な装いで媚び諂うのは屈辱ではありますが、それと同時に為になることでもあるのです。
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にも関わらずこの様なはしたないスカートと巫女服と称される代物のお陰で、台無しに御座います。
しかしながらそれでもこうして誰かに奉仕を出来るというのは、少なからず心地よくもあるという事実に漸く及ぶことができました次第です。
それ故今自らが晒しますこの無様極まる現状もそれ程までに悲観すべき事柄ではないのかもしれません。
いいえ。
きっとこの得難い経験は、これから先に待ち受けているわたしの立ち向かうべき試練に対して有効に働くに違いないのです。
ですからそうして今のわたしに課せられています使命の程は、この様に殿方に対して誠心誠意ご奉仕させて頂く事にあるのでしょう。
それから何かを学び自らの立場に及ぶことで初めてわたしは弁える事に対して喜びを享受できるのでしょう。
ただ少なからず今だけは屈辱感に苛まれている事実は消えませんので、この感覚を忘れない様に致します。
正に初心忘るべかざると言いますので、この恥辱をしかとこの胸に刻み付け、ご奉仕をしたく思います。
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