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フロッピーディスク
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ああ、そうだ、君は知っているかな? 『穴』について」
マルは身構えた。
なんだ、こいつ……………。単なる通行人じゃないのか? まさかアリサの仲間か?
マルは太ももに力を入れ、逃げる準備をする。
「なんで、それを知っている? アリサの仲間か?」
「アリサって人は知らないけれど、俺は『穴』を通って来たんだ」
「『穴』から? どうやって?」
「まあ、それは色々あってね。俺は『穴』にもう一度入って、戻りたいんだ」
男は溌剌とした声で言った。
「あ、まだ名前を言ってなかったね。俺の名前は夜一(やいち)。夜に数字の一で夜一だ」
自分を夜一といった男は、遅めの自己紹介をした。
「えっと、うん。よろしく」
戸惑いながらもマルは返す。
この夜一って男の言動を見るからに、アリサの部下じゃなさそうだ。
だが、『穴』に関してはどこで知ったのだろう?
もしかしたら、この男もアリサと同じように噓を付いているのかもしれない。
だから疑いの目は決して閉じない。
「まあ、簡単に言ってしまうと、俺は二〇一〇年に『穴』を通ってこの時代に来たんだ」
二〇一〇年。マルが飛んでアリサと出会った時代だ。奇妙な一致に、何か見えない力が動いているように思えたが、単なる偶然だろうと考えることにした。
「俺は、君の邪魔はしないし興味もない。ただ、元の時代に戻りたいだけなんだ。でもこの時代に『穴』はなくて、途方に暮れていたところに、君達二人が言い争っている声が聞こえてね。それでわざとぶつかったんだ。そして、あわよくば、二〇一〇年まで連れてってもらおうかな~なんて」
夜一は頬をかき、にへへと笑った。
人懐っこい笑顔で何だか憎めない。
「聞いていたって……………でも、このタイムマシンは壊れていて、もう動かないよ」
「でも、さっき弾んだ声で、あった! って言っていたから、目星はあるんだろ?」
それも聞いていたのか。マルは目頭を押さえた。
「頼む! 俺は元の時代に戻りたいだけなんだ!!」
夜一は顔の前で手を合わせ懇願した。
「はあ…………分かったよ。着いてきて」
根負けしたマルは、渋々了承してしまった。
「ありがとう!!」
夜一は、心底嬉しそうに礼をいった。
マルは夜一を先導し、廃ビルの六階へと向かった。
二〇年も経てば階段も劣化していて、目的地に着くのさえも一苦労だった。
足場は今にも崩れてしまいそうだったので、抜き足、差し足で歩いていく。
ようやく着いた六階は、二〇年前と同じ光景を残していた。まるでそこだけ切り取られた写真みたいに。
「戻ってきたって感じだ……………」
マルは辺りを一瞥して呟いた。
「で、どこにその、タイムマシンがあるんだ?」
夜一は到着するなり、周りを見渡しもせず、マルに詰め寄る。
「タイムマシンはないよ。フロッピーディスクに入れる機械を探しに来ただけだよ」
「なぬ!?」
「君が来たいっていうから、勝手に付いてこさせただけで、タイムマシンがあるとは言ってないよ」
マルの言葉を聞いて、夜一は分かりやすく肩を下げて落ち込んだ。
「そうかー………まあ、せっかく上ってきたんだし、いろいろ見とくよ」
夜一は奥の方へ、とぼとぼと歩いていく。
「少し、キツめに言い過ぎたかな……………」
マルは軽く反省しながらも、フロッピーディスクを入れられるような、古い機器を探した。
マサノブがよく出入りしていた奥の部屋へと足を踏み入れるマル。そこには用途の分からない機械がいくつもあって、配線が剥き出しのコードが絡み合っていた。
「ここは、変わっていないな……………」
マルは、感慨深げに呟いた。
ここまで変わっていないのはある意味、奇跡に近い。
「えっと、確か一度だけ見たことあるんだけど……」
マルは部屋の中を物色し始めた。
埃を被った機器をどかしていくと、電子レンジで蓋をされた段ボールが置いてあった。
壊れないよう、ゆっくりと電子レンジを下ろし段ボールの蓋を開ける。
中には大型のレトロなパーソナルコンピューターと、フロッピーディスクを入れる外付けのドライブレコーダーが入っていた。
「あった…………! これだ!」
マルは感嘆の声を上げた。
箱から PC とドライブレコーダーを取り出し、配線をコンセントに差す。
漏電しないように埃を拭いた。
埃が溜まったままコンセントを差すと、漏電や発火の原因になりやすいからだ。
レトロな PC は、ピーキーではなく人懐っこかったため、機械と格闘する羽目に陥らずに済んだ。
少しだけだが VR と似ている気がする。
マルが PC の背面を見ると、そこには企業のロゴマークが記されていた。
株式会社ユートピア。
VR を作った会社だ。
「なるほど、どおりで使いやすいわけだ」
背面の電源ボタンを押し、起動させる。
ウイーンと、今にも壊れそうな音を立てながら、機械は目を覚まし始めた。
「少し、時間がかかりそうだな……………」
マルは、そこら辺にあった古びた椅子に座りひと休みした。
二〇一〇年にいたのは、たった二日間だけだったけれど、マルにとってはとても濃い二日間だった。
「一週間ぐらい経ったと思ったら、たった二日しか経ってないんだもんなぁ」
永続的で刹那的だったあの時間。
この手から、こぼれ落ちてしまった物の方が多かった二日間だったけれど、どうしてマサノブが二〇一〇年に拘ったのか、タイムスリップをした理由を知るまでには死ねない。
マルの目には執念の炎が燃えていた。
PC のモーター音が鳴りやんだ。
マルは外付けのドライブレコーダーを USB に接続し、フロッピーディスクを挿入した。ユートピアの企業ロゴが出てきて、ディスクを読み込んでいく。
数秒後、「第一回 報告レポート」というファイルがモニターに表示される。マルはそれにカーソルを合わせクリックする。
ファイルは動画形式になっていた。マルは再生ボタンをクリックした。
映像には、白衣を着たメリッサが PC の前で何かを喋ろうとしているところだった。
後ろは研究室だろうか、フラスコ管、ビーカーが棚に並べられていた。
「コードネームメリッサ。第一回 報告レポート。最近、ユートピア内部の様子がおかしくなってきている。記録も兼ねて、ここにビデオ形式で話しておこうと思う。今、ユートピアの最高責任者はアリサという女物理学者だ。彼女がトップになってから体制が変わった。逆らう者は殺される。もはや独裁だ……………。アリサの実力は本物のようで、今やタイムマシン開発計画を実行していると聞く。現在のところ分かっていることはこれくらいだ。今後はアリサの行動を監視しつつ、奴が何を考えているのかを探っていく。また何か分かり次第、記録に残す」
第一回目の映像は、そこで途切れていた。
「アリサはユートピアの最高責任者だったのか……………」
衝撃の事実がマルの心を刺す。アリサが物理に妙に詳しかったのはその為だったのか、とマルはアリサの言動を振り返った。
もう一度、ファイル全体を確認すると、第一回から第四回まであった。
マルは、連続再生のボタンをクリックした。
「えー、こちらコードネームメリッサ。第二回報告レポートを開始する。少しだけ分かったことがあったので報告をする。アリサには何か大きな計画があるらしく、今内部の人間の承認を得ているらしい。ちなみに、この情報に確証はないので真偽のほどは分からないが、その計画はアリサが考えた計画ではなく、前最高責任者の時村真崎(ときむらまさき)の案らしい。前最高責任者は、この計画のためにユートピアを創立し、尽力してきたらしいが身体が限界を迎えつつあるので、現役を退き、アリサに最高責任者の座を譲ったらしいが、なぜ赤の他人にそこまでするのか甚だ疑問なので、この情報は虚偽の可能性が高いと思われる」
続いて、第三回目のレポートが読み込まれ、再生される。
マルは目と耳にレーダーを張り続けた。
「第三回報告レポート開始する。第二回目でいった、あの情報は虚偽ではなく真実だった。しかもアリサは、前責任者時村真崎の娘だった。赤の他人なんかじゃなかったということだ。それと、もう一つ大事な情報がある。計画の名前が分かった。『人類選民計画』というらしい。きな臭い匂いがしてきたそ、これは………………。あと、もう少しってところだな。奴にこの情報を揺すって吐かせるっていうのも手だが、敢えて危ない橋を渡る必要はないだろう。情報統括センター、いや、セキュリティーレベルは最高だろうから、レッドルームに行くしかないんだろうな……。もし、バレたら俺はここに戻ってくることはできない。だが、俺は今のユートピアに納得がいかない。人の役に立つ仕事がしたくてこの会社に入ったのに、人の未来を奪う手先として働かされているのだとしたら、俺はこの会社を辞める。メリッサ、報告を終わる」
冷徹な奴だと思っていた、メリッサの意外な一面を見たマル。悪だと思っていた奴のこんな一面を見せられたら、憎もうにも憎みようがない。
「奴も必死だったのかもしれないな……」
傭兵か何かだと思っていたマルだったが、映像では白衣を着て、重火器何扱えるような腕ではなくひ弱な腕だった。
腕が震えていたのも人を殺すのに慣れていなかったからなのだろう。
奴も奴なりの信念を持って、戦っていたのだなとマルは思った。
続いて第四回目のレポートになるが、このデータは少し重いのか読み込みに少し時間が掛かっていた。
読み込み中は、円状にぐるぐる周っていたが少しすると、それも終わり再生出来るようになった。
「これが正真正銘、最後のファイル」
マルはゴクリと生唾を飲み、再生ボタンをクリックする。
映像の中のメリッサは、きょろきょろと周りを気にしながら喋っていた。
「第四回目報告レポートを開始する。計画の全貌が分かった。『人類選民計画』だ。選ばれた人間以外は抹殺して、人類を長生きさせる計画だ。宇宙に進出することを諦めてさえいなければ、住む場所は幾らでもあっただろうに……………。ユートピアの人間の大半は、選民リストに入っているらしい。あ、選民リストっていうのは殺されずに、生き残れる人間のことだ。リストには、政治家、汚職警官、大企業の社長とかそんな奴らばっかりだ。汚いノアの箱舟だよ……………。正義感溢れる奴は抹殺対象になっている。こんな有象無象共が生き残ったら、こいつらの好き放題にされる。そして普通の何の取り柄もない奴や、一生懸命生きている奴らが淘汰される。最悪の世界だ……………」
メリッサは手で顔を覆い、深く息を吐いた。
「ああ、肝心の抹殺方法だが、コイツが関係してくる」
メリッサは PC のカメラに、 VR を映していった。
「 VR を使って、抹殺対象の脳を焼き切る。コードを入力すれば、自動的に VR に内蔵されているブラックボックスが作動して、 VR 使用者が VR を外せないよう首と頭を固定する。その間に脳を焼き切る。生きたまま。想像を絶する痛みだと思う。俺は、この計画を止めたい。その為に、今後のセレモニーでアリサは、自身で開発したタイムマシンで二〇一〇年に飛ぶみたいだ。二〇一〇年はユートピアの創立年で、前責任者の時村真崎がこの計画に着手し始めた年でもある。その記念である年に飛び、無事に帰って来る。タイムマシンの実地テストも兼ねてのセレモニーだ。そのタイムマシンに乗り込み、二〇一〇年でアリサを殺す。コード番号を知っているのはアリサだけだ。奴さえ殺せば人類は救われる ……………この前、レッドルームに忍び込んだ時、ユートピアの人間にバレたから俺は、このままここにいることは無理だ。背水の陣ってやつだ。これを見ている奴が、どこの誰かは分からないが、成功することを祈っていてくれ」
メリッサは PC のカメラを止めようとして、動きを止める。
「もし、俺が失敗して戻らなかったら…………これを見ている君が救ってくれ、人類の未来を。メリッサ、報告を終わる」
そこで映像は止まった。続きのファイルもない。メリッサの最期を思い出す。
最初から全部知っていれば、助けになれたかもしれない。
「僕は、また間違えたのか……………」
こんな『真実』知らなければ良かった。でも知ってしまった以上は、指を咥えて何もしないわけにはいかない。マルはそういう性格なのだ。
「でも、どうやって……………」
タイムマシンも VR も壊れて使えない。
何もかもが手遅れだった。
「やっぱり駄目かぁ……………」
埃の被ったソファーに沈み込むマル。
思考が洗濯機のようにグルグルと回る。
少し頭をリフレッシュしようと思い、点くかどうか分からないブラウン管テレビの電源を入れる。
プツンと音が鳴り、電源が入った。
「おっ、点いた」
画面は問題なく見ることができたが、音声が水中に潜った時のように、くぐもって聞こえる。
マルは画面のスピーカーに耳を当てる。
「あ、これならなんとか分かる! 気がする」
画面にも目を向けると、ニュースをやっていた。
チャンネルを変えてもどこの局も何かを報道していた。マルは耳をすまし、聞く。
「人類選民計画は成功しました。抹殺リストに書かれていたほとんどの人間は VR により抹殺されました。生き残っている人間は、 VR を破損若しくは電源を入れていなかったため抹殺を免れたものと推測されます。最高責任者のアリサ様は計画遂行後、『これは、虐殺ではない。人類が生き伸びるための最善手である』と述べられました。アリサ様のお言葉を胸に入れ、私達も頑張っていきましょう。以上ニュースでした」
これは現実なのか……………?
マルは嗚咽がこみ上げてきた。
殺人を善とするようなこの報道は間違っている。なにがどうあろうとも、人を殺すことをを肯定する世界は間違っている。
「こんなのは、絶対に間違っている!!!」
マルは、ブラウン管のモニターに拳を突き立てる。ブラウン管の静電気が拳越しに伝わってきた。
「いっっ……………」
二〇六〇年には静電気は完全に除去されており、静電気という概念自体がない。だからマルは、初めて静電気を経験して驚いた。
「なんだ、これ……………ビリっときたけど」
不思議そうにブラウン管を眺めていると、奥から声が聞こえた。
「おーーい!! 来てくれ!! あったぞ!!」
夜一が大声でマルのことを呼んでいた。
マルは声のする方へ向かった。
夜一がいるその部屋には、大型のファンヒーターのようなものが四基、ランドセルが二個置いてあった。
ランドセルの中を開いて見ると、何やらよく分からない機械が詰め込まれていた。
「なんだ、これ…………?」
「タイムマシンらしいぞ、ほれそこの紙に書いてある」 夜一は、机の上にあるメモ用紙を指差した。
マルは、それを手に取り読んだ。
【マル、お前がこれを読んでいるということは、俺は、もう死んでいるのだろう。俺はアリサの目を盗んで、目の前にあるタイムマシンを作った。簡易的かつ、突貫で造った物だから、二回までしか飛べない。つまり、往復しか出来ないってことだ。過去に行って戻ってくる。チャンスは一回だけだが……マル、君に頼みたい。君に、このタイムマシンを使って過去に行って、時村真崎を暗殺して欲しい。こんなことを頼むのは心苦しいけど、マルしかいないんだ。俺は失敗した。俺の代わりに実行出来る人間はマルしかいない。そもそも俺が『穴』に入った理由はそれなんだ。ユートピアが『人類選民計画』を計画していると知って、 俺はどうにかしてそれを止められないかを考えた。未来で計画を止めようとしても、時間の矢のように真っ直ぐに進み続ける。なら俺は、計画が始まる前に戻って、計画ごと潰すことに決めた。マル、ずっと言えなくてすまなかった………お前を巻きこみたくはなかった。だから話さなかったが、こうなると分かっていれば、腹を割って話すべきだった。すまなかった。追記、金庫にライフル銃と、スプレッサー付き銃を入れてある。これで村真真崎を殺して、人類の未来を救ってくれ。暗証番号は0228だ】
メモ用紙を読み終えたマルは、深く息を吐いた。メモ用紙は四つ折りにして、ポシェットの中に入れた。
金庫の前に座り込み、マルは暗証番号の0228を入力する。カチッと錠が開く音が聞こえる。
重い扉を開いた。マサノブが書いたメモの通り、ライフル銃とスプレッサーが付いた銃が置いてあった。
マルはライフル銃を手に取り、スプレッサー付きの銃はポケットの中に入れた。
「やってやる…………やってやる!! 僕が人類の未来を変えてやる!」
どうあっても殺人はいけないことだと知ってはいたが、マサノブにここまで言われて断ることは出来なかった。死んでしまったマサノブの為なら、マルは自身の信念なんて曲げることを厭わない。
変えることのできないと思っていた未来を、やり直すことができるのなら、マルはその手を握る。
「世界を救う系かぁー、熱いねぇ。まあ俺も一回、世界を救ったんだけど」
「えっ?」
「おいおい、そこは細かく突っ込むところじゃないだろ。まあ、乗り掛かった船だし、付き合いたいのはやまやまなんだけど、俺にも生活がある。冷徹だと思うならそれでもいい。でも、俺は戻らなくちゃいけないんだ。二〇一〇年に」
夜一は目を細めて、マサノブのタイムマシンを見ていた。
「このタイムマシンで、俺も一緒に二〇一〇年に飛んでもいいかな? 不躾なお願いだっていうことは分かってる………けど、俺はどうしても帰らなくちゃいけない」
芝居がかっておちゃらけた様子ではなく、真剣に、自分の殻を相手に露出させている。
ならこちらも誠意を表わさなければならないと思い、マルはライフルを地面に置いた。
「うん、勿論いいよ。っていうか、最初から付いて来ると思っていたから」
「………………ありがとう。そう言えば、まだ名前を聞いてなかったな」
「ああ、ごめん。まだ言ってなかったっけ、マルって言うんだ。よろしく」
「マル? 変わった名前だな。よろしく、マル!」
夜一は、手を差し伸べた。マルはその手を握った。
「さて、と。問題はこれをどう起動させるか、だな」
マルは試しにランドセルを背負ってみる。
「うっ…………重い……………」
『穴』で感じた肩に全力で重力が乗りかかってくる、あの感覚に似ていた。
マルは直ぐにランドセルを下ろした。
「マサノブはマメだから、説明書とかどっかに置いてあると思うんだけど……………」
マルと夜一は、辺りを探し始める。
「ん? これは…………………マル! これじゃないか?」
何かを見つけたらしい夜一はマルを呼んだ。
「なんだ、夜一………………これは、マサノブの字だ! 多分ここにタイムマシンの起動方法が書いてあるはずだ!」
マルは身構えた。
なんだ、こいつ……………。単なる通行人じゃないのか? まさかアリサの仲間か?
マルは太ももに力を入れ、逃げる準備をする。
「なんで、それを知っている? アリサの仲間か?」
「アリサって人は知らないけれど、俺は『穴』を通って来たんだ」
「『穴』から? どうやって?」
「まあ、それは色々あってね。俺は『穴』にもう一度入って、戻りたいんだ」
男は溌剌とした声で言った。
「あ、まだ名前を言ってなかったね。俺の名前は夜一(やいち)。夜に数字の一で夜一だ」
自分を夜一といった男は、遅めの自己紹介をした。
「えっと、うん。よろしく」
戸惑いながらもマルは返す。
この夜一って男の言動を見るからに、アリサの部下じゃなさそうだ。
だが、『穴』に関してはどこで知ったのだろう?
もしかしたら、この男もアリサと同じように噓を付いているのかもしれない。
だから疑いの目は決して閉じない。
「まあ、簡単に言ってしまうと、俺は二〇一〇年に『穴』を通ってこの時代に来たんだ」
二〇一〇年。マルが飛んでアリサと出会った時代だ。奇妙な一致に、何か見えない力が動いているように思えたが、単なる偶然だろうと考えることにした。
「俺は、君の邪魔はしないし興味もない。ただ、元の時代に戻りたいだけなんだ。でもこの時代に『穴』はなくて、途方に暮れていたところに、君達二人が言い争っている声が聞こえてね。それでわざとぶつかったんだ。そして、あわよくば、二〇一〇年まで連れてってもらおうかな~なんて」
夜一は頬をかき、にへへと笑った。
人懐っこい笑顔で何だか憎めない。
「聞いていたって……………でも、このタイムマシンは壊れていて、もう動かないよ」
「でも、さっき弾んだ声で、あった! って言っていたから、目星はあるんだろ?」
それも聞いていたのか。マルは目頭を押さえた。
「頼む! 俺は元の時代に戻りたいだけなんだ!!」
夜一は顔の前で手を合わせ懇願した。
「はあ…………分かったよ。着いてきて」
根負けしたマルは、渋々了承してしまった。
「ありがとう!!」
夜一は、心底嬉しそうに礼をいった。
マルは夜一を先導し、廃ビルの六階へと向かった。
二〇年も経てば階段も劣化していて、目的地に着くのさえも一苦労だった。
足場は今にも崩れてしまいそうだったので、抜き足、差し足で歩いていく。
ようやく着いた六階は、二〇年前と同じ光景を残していた。まるでそこだけ切り取られた写真みたいに。
「戻ってきたって感じだ……………」
マルは辺りを一瞥して呟いた。
「で、どこにその、タイムマシンがあるんだ?」
夜一は到着するなり、周りを見渡しもせず、マルに詰め寄る。
「タイムマシンはないよ。フロッピーディスクに入れる機械を探しに来ただけだよ」
「なぬ!?」
「君が来たいっていうから、勝手に付いてこさせただけで、タイムマシンがあるとは言ってないよ」
マルの言葉を聞いて、夜一は分かりやすく肩を下げて落ち込んだ。
「そうかー………まあ、せっかく上ってきたんだし、いろいろ見とくよ」
夜一は奥の方へ、とぼとぼと歩いていく。
「少し、キツめに言い過ぎたかな……………」
マルは軽く反省しながらも、フロッピーディスクを入れられるような、古い機器を探した。
マサノブがよく出入りしていた奥の部屋へと足を踏み入れるマル。そこには用途の分からない機械がいくつもあって、配線が剥き出しのコードが絡み合っていた。
「ここは、変わっていないな……………」
マルは、感慨深げに呟いた。
ここまで変わっていないのはある意味、奇跡に近い。
「えっと、確か一度だけ見たことあるんだけど……」
マルは部屋の中を物色し始めた。
埃を被った機器をどかしていくと、電子レンジで蓋をされた段ボールが置いてあった。
壊れないよう、ゆっくりと電子レンジを下ろし段ボールの蓋を開ける。
中には大型のレトロなパーソナルコンピューターと、フロッピーディスクを入れる外付けのドライブレコーダーが入っていた。
「あった…………! これだ!」
マルは感嘆の声を上げた。
箱から PC とドライブレコーダーを取り出し、配線をコンセントに差す。
漏電しないように埃を拭いた。
埃が溜まったままコンセントを差すと、漏電や発火の原因になりやすいからだ。
レトロな PC は、ピーキーではなく人懐っこかったため、機械と格闘する羽目に陥らずに済んだ。
少しだけだが VR と似ている気がする。
マルが PC の背面を見ると、そこには企業のロゴマークが記されていた。
株式会社ユートピア。
VR を作った会社だ。
「なるほど、どおりで使いやすいわけだ」
背面の電源ボタンを押し、起動させる。
ウイーンと、今にも壊れそうな音を立てながら、機械は目を覚まし始めた。
「少し、時間がかかりそうだな……………」
マルは、そこら辺にあった古びた椅子に座りひと休みした。
二〇一〇年にいたのは、たった二日間だけだったけれど、マルにとってはとても濃い二日間だった。
「一週間ぐらい経ったと思ったら、たった二日しか経ってないんだもんなぁ」
永続的で刹那的だったあの時間。
この手から、こぼれ落ちてしまった物の方が多かった二日間だったけれど、どうしてマサノブが二〇一〇年に拘ったのか、タイムスリップをした理由を知るまでには死ねない。
マルの目には執念の炎が燃えていた。
PC のモーター音が鳴りやんだ。
マルは外付けのドライブレコーダーを USB に接続し、フロッピーディスクを挿入した。ユートピアの企業ロゴが出てきて、ディスクを読み込んでいく。
数秒後、「第一回 報告レポート」というファイルがモニターに表示される。マルはそれにカーソルを合わせクリックする。
ファイルは動画形式になっていた。マルは再生ボタンをクリックした。
映像には、白衣を着たメリッサが PC の前で何かを喋ろうとしているところだった。
後ろは研究室だろうか、フラスコ管、ビーカーが棚に並べられていた。
「コードネームメリッサ。第一回 報告レポート。最近、ユートピア内部の様子がおかしくなってきている。記録も兼ねて、ここにビデオ形式で話しておこうと思う。今、ユートピアの最高責任者はアリサという女物理学者だ。彼女がトップになってから体制が変わった。逆らう者は殺される。もはや独裁だ……………。アリサの実力は本物のようで、今やタイムマシン開発計画を実行していると聞く。現在のところ分かっていることはこれくらいだ。今後はアリサの行動を監視しつつ、奴が何を考えているのかを探っていく。また何か分かり次第、記録に残す」
第一回目の映像は、そこで途切れていた。
「アリサはユートピアの最高責任者だったのか……………」
衝撃の事実がマルの心を刺す。アリサが物理に妙に詳しかったのはその為だったのか、とマルはアリサの言動を振り返った。
もう一度、ファイル全体を確認すると、第一回から第四回まであった。
マルは、連続再生のボタンをクリックした。
「えー、こちらコードネームメリッサ。第二回報告レポートを開始する。少しだけ分かったことがあったので報告をする。アリサには何か大きな計画があるらしく、今内部の人間の承認を得ているらしい。ちなみに、この情報に確証はないので真偽のほどは分からないが、その計画はアリサが考えた計画ではなく、前最高責任者の時村真崎(ときむらまさき)の案らしい。前最高責任者は、この計画のためにユートピアを創立し、尽力してきたらしいが身体が限界を迎えつつあるので、現役を退き、アリサに最高責任者の座を譲ったらしいが、なぜ赤の他人にそこまでするのか甚だ疑問なので、この情報は虚偽の可能性が高いと思われる」
続いて、第三回目のレポートが読み込まれ、再生される。
マルは目と耳にレーダーを張り続けた。
「第三回報告レポート開始する。第二回目でいった、あの情報は虚偽ではなく真実だった。しかもアリサは、前責任者時村真崎の娘だった。赤の他人なんかじゃなかったということだ。それと、もう一つ大事な情報がある。計画の名前が分かった。『人類選民計画』というらしい。きな臭い匂いがしてきたそ、これは………………。あと、もう少しってところだな。奴にこの情報を揺すって吐かせるっていうのも手だが、敢えて危ない橋を渡る必要はないだろう。情報統括センター、いや、セキュリティーレベルは最高だろうから、レッドルームに行くしかないんだろうな……。もし、バレたら俺はここに戻ってくることはできない。だが、俺は今のユートピアに納得がいかない。人の役に立つ仕事がしたくてこの会社に入ったのに、人の未来を奪う手先として働かされているのだとしたら、俺はこの会社を辞める。メリッサ、報告を終わる」
冷徹な奴だと思っていた、メリッサの意外な一面を見たマル。悪だと思っていた奴のこんな一面を見せられたら、憎もうにも憎みようがない。
「奴も必死だったのかもしれないな……」
傭兵か何かだと思っていたマルだったが、映像では白衣を着て、重火器何扱えるような腕ではなくひ弱な腕だった。
腕が震えていたのも人を殺すのに慣れていなかったからなのだろう。
奴も奴なりの信念を持って、戦っていたのだなとマルは思った。
続いて第四回目のレポートになるが、このデータは少し重いのか読み込みに少し時間が掛かっていた。
読み込み中は、円状にぐるぐる周っていたが少しすると、それも終わり再生出来るようになった。
「これが正真正銘、最後のファイル」
マルはゴクリと生唾を飲み、再生ボタンをクリックする。
映像の中のメリッサは、きょろきょろと周りを気にしながら喋っていた。
「第四回目報告レポートを開始する。計画の全貌が分かった。『人類選民計画』だ。選ばれた人間以外は抹殺して、人類を長生きさせる計画だ。宇宙に進出することを諦めてさえいなければ、住む場所は幾らでもあっただろうに……………。ユートピアの人間の大半は、選民リストに入っているらしい。あ、選民リストっていうのは殺されずに、生き残れる人間のことだ。リストには、政治家、汚職警官、大企業の社長とかそんな奴らばっかりだ。汚いノアの箱舟だよ……………。正義感溢れる奴は抹殺対象になっている。こんな有象無象共が生き残ったら、こいつらの好き放題にされる。そして普通の何の取り柄もない奴や、一生懸命生きている奴らが淘汰される。最悪の世界だ……………」
メリッサは手で顔を覆い、深く息を吐いた。
「ああ、肝心の抹殺方法だが、コイツが関係してくる」
メリッサは PC のカメラに、 VR を映していった。
「 VR を使って、抹殺対象の脳を焼き切る。コードを入力すれば、自動的に VR に内蔵されているブラックボックスが作動して、 VR 使用者が VR を外せないよう首と頭を固定する。その間に脳を焼き切る。生きたまま。想像を絶する痛みだと思う。俺は、この計画を止めたい。その為に、今後のセレモニーでアリサは、自身で開発したタイムマシンで二〇一〇年に飛ぶみたいだ。二〇一〇年はユートピアの創立年で、前責任者の時村真崎がこの計画に着手し始めた年でもある。その記念である年に飛び、無事に帰って来る。タイムマシンの実地テストも兼ねてのセレモニーだ。そのタイムマシンに乗り込み、二〇一〇年でアリサを殺す。コード番号を知っているのはアリサだけだ。奴さえ殺せば人類は救われる ……………この前、レッドルームに忍び込んだ時、ユートピアの人間にバレたから俺は、このままここにいることは無理だ。背水の陣ってやつだ。これを見ている奴が、どこの誰かは分からないが、成功することを祈っていてくれ」
メリッサは PC のカメラを止めようとして、動きを止める。
「もし、俺が失敗して戻らなかったら…………これを見ている君が救ってくれ、人類の未来を。メリッサ、報告を終わる」
そこで映像は止まった。続きのファイルもない。メリッサの最期を思い出す。
最初から全部知っていれば、助けになれたかもしれない。
「僕は、また間違えたのか……………」
こんな『真実』知らなければ良かった。でも知ってしまった以上は、指を咥えて何もしないわけにはいかない。マルはそういう性格なのだ。
「でも、どうやって……………」
タイムマシンも VR も壊れて使えない。
何もかもが手遅れだった。
「やっぱり駄目かぁ……………」
埃の被ったソファーに沈み込むマル。
思考が洗濯機のようにグルグルと回る。
少し頭をリフレッシュしようと思い、点くかどうか分からないブラウン管テレビの電源を入れる。
プツンと音が鳴り、電源が入った。
「おっ、点いた」
画面は問題なく見ることができたが、音声が水中に潜った時のように、くぐもって聞こえる。
マルは画面のスピーカーに耳を当てる。
「あ、これならなんとか分かる! 気がする」
画面にも目を向けると、ニュースをやっていた。
チャンネルを変えてもどこの局も何かを報道していた。マルは耳をすまし、聞く。
「人類選民計画は成功しました。抹殺リストに書かれていたほとんどの人間は VR により抹殺されました。生き残っている人間は、 VR を破損若しくは電源を入れていなかったため抹殺を免れたものと推測されます。最高責任者のアリサ様は計画遂行後、『これは、虐殺ではない。人類が生き伸びるための最善手である』と述べられました。アリサ様のお言葉を胸に入れ、私達も頑張っていきましょう。以上ニュースでした」
これは現実なのか……………?
マルは嗚咽がこみ上げてきた。
殺人を善とするようなこの報道は間違っている。なにがどうあろうとも、人を殺すことをを肯定する世界は間違っている。
「こんなのは、絶対に間違っている!!!」
マルは、ブラウン管のモニターに拳を突き立てる。ブラウン管の静電気が拳越しに伝わってきた。
「いっっ……………」
二〇六〇年には静電気は完全に除去されており、静電気という概念自体がない。だからマルは、初めて静電気を経験して驚いた。
「なんだ、これ……………ビリっときたけど」
不思議そうにブラウン管を眺めていると、奥から声が聞こえた。
「おーーい!! 来てくれ!! あったぞ!!」
夜一が大声でマルのことを呼んでいた。
マルは声のする方へ向かった。
夜一がいるその部屋には、大型のファンヒーターのようなものが四基、ランドセルが二個置いてあった。
ランドセルの中を開いて見ると、何やらよく分からない機械が詰め込まれていた。
「なんだ、これ…………?」
「タイムマシンらしいぞ、ほれそこの紙に書いてある」 夜一は、机の上にあるメモ用紙を指差した。
マルは、それを手に取り読んだ。
【マル、お前がこれを読んでいるということは、俺は、もう死んでいるのだろう。俺はアリサの目を盗んで、目の前にあるタイムマシンを作った。簡易的かつ、突貫で造った物だから、二回までしか飛べない。つまり、往復しか出来ないってことだ。過去に行って戻ってくる。チャンスは一回だけだが……マル、君に頼みたい。君に、このタイムマシンを使って過去に行って、時村真崎を暗殺して欲しい。こんなことを頼むのは心苦しいけど、マルしかいないんだ。俺は失敗した。俺の代わりに実行出来る人間はマルしかいない。そもそも俺が『穴』に入った理由はそれなんだ。ユートピアが『人類選民計画』を計画していると知って、 俺はどうにかしてそれを止められないかを考えた。未来で計画を止めようとしても、時間の矢のように真っ直ぐに進み続ける。なら俺は、計画が始まる前に戻って、計画ごと潰すことに決めた。マル、ずっと言えなくてすまなかった………お前を巻きこみたくはなかった。だから話さなかったが、こうなると分かっていれば、腹を割って話すべきだった。すまなかった。追記、金庫にライフル銃と、スプレッサー付き銃を入れてある。これで村真真崎を殺して、人類の未来を救ってくれ。暗証番号は0228だ】
メモ用紙を読み終えたマルは、深く息を吐いた。メモ用紙は四つ折りにして、ポシェットの中に入れた。
金庫の前に座り込み、マルは暗証番号の0228を入力する。カチッと錠が開く音が聞こえる。
重い扉を開いた。マサノブが書いたメモの通り、ライフル銃とスプレッサーが付いた銃が置いてあった。
マルはライフル銃を手に取り、スプレッサー付きの銃はポケットの中に入れた。
「やってやる…………やってやる!! 僕が人類の未来を変えてやる!」
どうあっても殺人はいけないことだと知ってはいたが、マサノブにここまで言われて断ることは出来なかった。死んでしまったマサノブの為なら、マルは自身の信念なんて曲げることを厭わない。
変えることのできないと思っていた未来を、やり直すことができるのなら、マルはその手を握る。
「世界を救う系かぁー、熱いねぇ。まあ俺も一回、世界を救ったんだけど」
「えっ?」
「おいおい、そこは細かく突っ込むところじゃないだろ。まあ、乗り掛かった船だし、付き合いたいのはやまやまなんだけど、俺にも生活がある。冷徹だと思うならそれでもいい。でも、俺は戻らなくちゃいけないんだ。二〇一〇年に」
夜一は目を細めて、マサノブのタイムマシンを見ていた。
「このタイムマシンで、俺も一緒に二〇一〇年に飛んでもいいかな? 不躾なお願いだっていうことは分かってる………けど、俺はどうしても帰らなくちゃいけない」
芝居がかっておちゃらけた様子ではなく、真剣に、自分の殻を相手に露出させている。
ならこちらも誠意を表わさなければならないと思い、マルはライフルを地面に置いた。
「うん、勿論いいよ。っていうか、最初から付いて来ると思っていたから」
「………………ありがとう。そう言えば、まだ名前を聞いてなかったな」
「ああ、ごめん。まだ言ってなかったっけ、マルって言うんだ。よろしく」
「マル? 変わった名前だな。よろしく、マル!」
夜一は、手を差し伸べた。マルはその手を握った。
「さて、と。問題はこれをどう起動させるか、だな」
マルは試しにランドセルを背負ってみる。
「うっ…………重い……………」
『穴』で感じた肩に全力で重力が乗りかかってくる、あの感覚に似ていた。
マルは直ぐにランドセルを下ろした。
「マサノブはマメだから、説明書とかどっかに置いてあると思うんだけど……………」
マルと夜一は、辺りを探し始める。
「ん? これは…………………マル! これじゃないか?」
何かを見つけたらしい夜一はマルを呼んだ。
「なんだ、夜一………………これは、マサノブの字だ! 多分ここにタイムマシンの起動方法が書いてあるはずだ!」
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