上 下
13 / 23

飼い主が長期不在のため別の人にお世話になるわんわんお

しおりを挟む
「ん?飼い主、お仕事の関係で一月くらいお屋敷を空けなきゃいけないの?うん、分かった」
「飼い主大企業の社長だもんね、仕方ないよ」
「普段ずっと俺達と遊んでくれてますもんねー」
「…仕事なら仕方ない」


「で、基本はメイドさん達にしてもらうけど、裏ペット協会から派遣された闇ペットシッターさんが来るんだ。分かった」
「へー、そんな人もいるんだね」
「俺達もここ来て知ったけど、裏ペット協会ってかなりの大規模組織らしいですからねー」
「関連企業に裏改造研究所等もあるらしいな」
「うわー、何か詳しく知るのが怖い」

「まあ、この国相当アレだから裏の世界広いしね。俺達みたいなのがいたり仕事人とかいるくらいだし」
「…うん、そうだね」
「ん?どしたのまた鬱っぽくなって」
「あーうん、何でもない」

「じゃあ飼い主、行ってらっしゃい」
「お仕事頑張ってね。お土産楽しみにしてるね」
「行ってらっしゃいませー」
「頑張れ」


さっそく数日後。

「こんにちは、私が闇ペットシッターだよ。よろしくね」
「わー、髪いろんな色に染めたパンクなお姉さんだ」

「うん、私ブリーダー志望だけど派手なかっこもしたいから、この闇業界に入ったの」
「あー、なるほどね」

「そ、私善良な所だったけど施設育ちだから、君達程じゃないものの結構可哀想な子達見て来たからね」
「あー、そういう事ね。僕も施設育ちだったし」


「うん、資料見て来たけど、皆大変だけど君ほんと大変だったね」
「ですねー。もう生まれた直後に施設の前に捨てられてたらしいし、クソ程は行かないまでもあんまり良い施設じゃ無かったし、大した事無かったけどいじめとかあったし」
「うわー、ほんと大変だったね」

「まあだから全身めちゃめちゃになったのはもちろん嫌だけど、ある意味ここ来れてラッキーだったと思ってる」
「うん、前向きなのは良い事だね」

「俺も。飼い主変態な以外は優しいし」
「あー、俺もですね。やっぱ売り飛ばされたのは嫌ですけど」
「俺もだな」

「うんうん、皆大変な目にあってるのに前向きでえらいね。じゃあ早速遊ぼうね」
「はーい!」


そんな感じでパンクだけど優しいお姉さんと遊び、数日が過ぎた。

「あ、そう言えばね。君達の飼い主さん、善良とはいえやっぱそういう事してるだけあってかなり敵が多いの」
「あー、でしょうね。飼い主さんの関連企業元々かなりブラックな所あったらしいですし」

「そ、そういう訳でね。飼い主さんの不在時狙ってここ狙って悪い奴らが来るかもしれないから、知り合いの信頼できる傭兵さんとか仕事人の人に複数名来てもらって、待機して貰ってるから」
「へー、そうなんだ」
「あー、そういえば庭お散歩した時に見慣れない人何人かいたかも」
「CV大塚〇夫のような傭兵がいたな」

「そういう訳で、たとえどんな奴が来ても大丈夫だから安心してね。古株メイドさんとかも荒事には結構慣れてるし、私もある程度は戦えるし」
「良かった。万が一の時はよろしくお願いしまーす」


それから更に数日後。

「え、ちょ、何この揺れ」
「じ、地震じゃ明らかに無いよね。なんか爆発音みたいなのするし」
「うわわ、警報鳴るとか初めてですね」
「…ヘリの音も聞こえるな」

「あー、やっぱ来たか。君達すぐに大型アレペット小屋に隠れて、なるべく身を屈めてて。まあ元々君達小さいから平気だと思うけど」
「は、はーい」

「うん、私でかいナイフと格闘技得意だし大丈夫だよ。たぶんすぐ傭兵さん達が対処してくれてるし。じゃあ部屋の前で私防衛するから君達気を付けてね」
「は、はい。お姉さんもお気を付けて」


「…ああ、仕事人の方。やはり敵対企業が抗争を仕掛けて来ました。どうかお守りください」
「ええ、お任せください。貴女も早急に避難をお願いします」
「はい、使用人達にも伝えてまいります。どうかご無事で」
「大丈夫ですよ、可愛い弟や家族が待っていますので」


それから数時間激しい爆発音や銃声が鳴り響いたが、急に静かになり振動もしなくなった。

「あー、君達お疲れ。超強い傭兵さんや特殊部隊の人がフルボッコにしてくれてもうほぼ殲滅したよ」
「あー良かった。お姉さんも防衛ありがとうございまーす」

「うん、外で傭兵さん達が頑張ってくれたおかげでここまではほとんど来なかったしね。…ってきゃ、何すんのあんた、こっち入んな」

「え、ちょ、やば」
「う、うわ覆面して明らかにやばい物持った奴入って来た」
「に、逃げないと」
「…俺達の体では無理があるな」

もう一生の終わりか、と僕達が覚悟した瞬間、男は背中から切り伏せられた。


「…貴方達、大丈夫でしたか」
「…あ、長髪の仕事人のお兄さん。ありがとうございます」

「ええ、危ない所でしたが間にあって良かったです。貴女も大丈夫ですか」
「あーはい、ちょっとだけ斬られたけどこの程度すぐ治るんで」
「…こういう世界とは言え、女性に手出しをするのは感心しませんね」
「まあ私も進んでこの世界に入ったわけですし。そこは覚悟してますよ」
「ええ、でしたら良かったです」


「あー、じゃあ地下シェルターに避難してる使用人さん達呼んで来ますねー。君達怖い思いさせちゃって本当にごめんね」
「いえいえ、びっくりしたけどしょうがないですよ」
「ナイフとサブマシンガンで武装していたしな」

「…貴方達は、私の弟と会った事があるそうですね」
「ん?ああ、あのレンタルで来た子か」
「あー、仕事人やってる変態のお兄さんってあなたの事だったんですね」
「変態だが良い奴だな」


「ええ、皆大変だったけれど、今を受け入れて明るい良い子達だったと言っていましたよ」
「あー、どうも。あの子にもよろしく言っておいて下さい」
「ええ、伝えておきますよ。では、またいつか」

そう言って変態お兄さんは静かに去って行った。


「いやー、変態お兄さんが助けてくれなかったら終わってたね」
「うん、変態お兄さん様様だね」
「変態さんに足を向けて寝られませんね」
「俺達に足は無いがな」

その後使用人さんづてに伝説の傭兵さんやCV東地〇樹の超強い特殊部隊のお兄さんにもお礼を言い、騒動は落着した。


「お屋敷爆撃受けちゃったけど、大丈夫かな」
「まあ闇のすごい工事業者が飼い主さんの知り合いにいるし、この程度すぐ直るよ」
「そっか、なら良かった」
「炎上とかはほぼしてなくて良かったですね」
「屋敷内もそれ程荒らされてはいなかったな」

「ああ、ペットの子達。無事で良かったです。厨房はほとんど無傷ですので、すぐにご飯を持ってきますからね」
「ありがとうございまーす。古株メイドさんもご無事でよかったです」

そしていつも通り美味しいご飯を犬食いした後、手当てを受けたパンクなお姉さんと遊び楽しい時間を過ごした。

それからまた数週間後。

「じゃ、飼い主さんもうすぐ帰ってくるから、私も帰るね。楽しかったよ。またねー」
「お姉さんありがとー。楽しかったです!」

ひらひらと手を振り、パンクなお姉さんは去って行った。
俺達もほぼ無いけど手を振り返し、別れを惜しんだ。


「あー、飼い主お帰り。お仕事お疲れ様ー」
「予想はしてたけど大変だったねって?まあ怖かったけどある意味面白かったよ」
「はい、仕事人さんとかに会えましたし」
「伝説の傭兵や特殊部隊員とも話してみたかったな」

「飼い主も大変だったでしょ。んー、でもいい取引先と知り合えて良かった?それは良かったね」
「ふーん、大口契約結べてさらに総資産増えたんだ。良かったね」
「わー、億単位の収入あったんですね。すごいですねー」
「やり手だな」


「あ、お土産ありがとー。って何これ」
「ショゴス人形とか狂えるアラブ人の詩集?飼い主どこ行ったの」
「取引先の人千の貌を持つんですか。何者ですかその人」
「SAN値直葬だな」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

最後のひと言を君に伝える

BL / 完結 24h.ポイント:461pt お気に入り:326

【9】やりなおしの歌【完結】

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

堕ちた双子

BL / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:182

僕のずっと大事な人

BL / 連載中 24h.ポイント:959pt お気に入り:28

【R18】セフレとバイブを挿れたまま温泉旅行に行くはなし。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:39

ロリ妖精が培養槽に入れられ永遠に卵を産まされる話

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:50

私の婚約者が完璧過ぎて私にばかり批判が来る件について

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,172pt お気に入り:5,607

モブの俺が巻き込まれた乙女ゲームはBL仕様になっていた!

BL / 連載中 24h.ポイント:4,018pt お気に入り:7,651

処理中です...