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一人でトイレにいる時ドアノブが脱落して詰んだ
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「あー、たっぷり出たなー。今日も快便」
(ジャアアアアア)
「よーし流したし出よっと」(ガチャン)
「…えっ嘘。ドアノブ落ちちゃった。どうしよ」
「えっ、えー。僕トイレでスマホ見ないから持って来て無いし、今親旅行行っちゃってて数日帰ってこないのに」
「えええ、どうしよ。詰んでるじゃん。僕力あんまり強くないからたぶんぶち破れないし」
「えー、トイレ内で餓死とか嫌すぎるんだけど。飲み物も無いし今暑いし。トイレの水飲むとか絶対嫌だし」
「えー。マジでどうしよ。誰か助けてー」
「あ、ここ窓あるし、開けて大声出せば誰か気づいてくれないかな」(ガラガラ)
「誰か―、助けて下さーい!トイレに閉じ込められちゃいましたー!!!」
「うーん、数分叫びまくったけど誰も通りがからないなー。今夏休みで早朝だし、こっち側の道路人通り少ないしなー」
「でも叫ばない事には気づいてもらえないし。体力消耗しない程度に頑張って叫ぶか。助けてー!!」
(数十分後)
「ぜーぜー…うー、かなりバテて来た。暑いし叫びまくって喉乾いたし」
「でも諦めたらそこで試合終了だし。だれかー、たすけてー!!!」
「おや、君そんなに必死に叫んでどうしたんだい」
「あれ、見慣れない方ですがどなたでしょうか」
「ああ、私最近ここに越して来たフリーライターの者でね。よろしくね」
「ああ、そうなんですか。実は僕トイレに閉じ込められちゃって、家族も居なくて出られなくて。鍵屋とか便利屋さん呼んでくれませんか」
「おやおや、それは大変だったね。私そういうのこじ開けられる物持ち歩いてるから、まあ待ってなさい」
「え、どういう事ですか」
「まあすぐ説明するよ。それじゃあ玄関上がらせてもらうね」
「…は、はい」
なんか怖かったがとりあえずそのまま待機し数分後、その人はトイレの前にやって来た。
「お待たせ。悪いけど玄関の鍵は壊させてもらったよ」
「…は、はい。いや、ライターさんなのにそういう道具持ち歩いてるってどういう事ですか」
「ああ、実は私殺人鬼やってるの」
「え、えええ」
「ああ、でも比較的良識あるタイプの殺人鬼だから君みたいに善良な人は襲わないから安心して。まあ異世界転生の依頼あった時はそういう人も刺したりするけど」
「えええ、そんな仕事あるんですか」
「うん、まあ新鋭企業だけど最近需要あるからあるよ」
「…そ、そうなんですか。なんか怖い」
「まあ、倫理的にはアレだけど一応真っ当な会社だから従業員も比較的みんな良識あるよ」
「…そ、それは良かった。いや良くないけど」
「じゃあ、斧でドアぶち破るから下がってて」
「う、うわあ。…わ、分かりました」
その後すぐ激しくドアに何かを叩きつける音がし、間もなくドアは激しく割れ、割れ目から40代初めくらいのちょっとバタ臭い顔の男性が顔を出した。
「はい、おコンバンハ。朝だけど」
「…お、おコンバンハ」
「しょうがないけどドア壊しちゃってごめんね。まあたぶんこういう事情なら保険下りるよ」
「う、うーん。下りるのかなこれ」
「まあ大丈夫でしょたぶん。じゃあすぐ鍵開けるね」
そう比較的良識のある殺人鬼さんは割れ目から手を伸ばし器用にピッキング用具を差し込み、カチャカチャとドアを開けてくれた。
取り急ぎ礼を言い、大をしたままでは気持ち悪いので(僕はスマホを便所に持ち込まないので綺麗好きだ)急いで洗面所で手を洗い、改めて殺人鬼さんに礼を言った。
「あ、ありがとうございました。…かなり怖いけど」
「いやいや。罪も無い子がこんな悲惨な死に方をしたら気の毒だからね」
「…っていうかピッキング用具あるなら、ドアぶち破らなくても鍵開けれたんじゃないですか」
「ああ、まあそこは殺人鬼のサガでね」
「…い、嫌なサガですね」
「じゃあ私はこれで。暑いから水分補給気を付けてね。まあこれからよろしくね」
「…か、かなりよろしくしたくないです…」
でも慣れてきたら割と親しくなり、庭で採れた夏野菜おすそ分けしたりするようになった。
(ジャアアアアア)
「よーし流したし出よっと」(ガチャン)
「…えっ嘘。ドアノブ落ちちゃった。どうしよ」
「えっ、えー。僕トイレでスマホ見ないから持って来て無いし、今親旅行行っちゃってて数日帰ってこないのに」
「えええ、どうしよ。詰んでるじゃん。僕力あんまり強くないからたぶんぶち破れないし」
「えー、トイレ内で餓死とか嫌すぎるんだけど。飲み物も無いし今暑いし。トイレの水飲むとか絶対嫌だし」
「えー。マジでどうしよ。誰か助けてー」
「あ、ここ窓あるし、開けて大声出せば誰か気づいてくれないかな」(ガラガラ)
「誰か―、助けて下さーい!トイレに閉じ込められちゃいましたー!!!」
「うーん、数分叫びまくったけど誰も通りがからないなー。今夏休みで早朝だし、こっち側の道路人通り少ないしなー」
「でも叫ばない事には気づいてもらえないし。体力消耗しない程度に頑張って叫ぶか。助けてー!!」
(数十分後)
「ぜーぜー…うー、かなりバテて来た。暑いし叫びまくって喉乾いたし」
「でも諦めたらそこで試合終了だし。だれかー、たすけてー!!!」
「おや、君そんなに必死に叫んでどうしたんだい」
「あれ、見慣れない方ですがどなたでしょうか」
「ああ、私最近ここに越して来たフリーライターの者でね。よろしくね」
「ああ、そうなんですか。実は僕トイレに閉じ込められちゃって、家族も居なくて出られなくて。鍵屋とか便利屋さん呼んでくれませんか」
「おやおや、それは大変だったね。私そういうのこじ開けられる物持ち歩いてるから、まあ待ってなさい」
「え、どういう事ですか」
「まあすぐ説明するよ。それじゃあ玄関上がらせてもらうね」
「…は、はい」
なんか怖かったがとりあえずそのまま待機し数分後、その人はトイレの前にやって来た。
「お待たせ。悪いけど玄関の鍵は壊させてもらったよ」
「…は、はい。いや、ライターさんなのにそういう道具持ち歩いてるってどういう事ですか」
「ああ、実は私殺人鬼やってるの」
「え、えええ」
「ああ、でも比較的良識あるタイプの殺人鬼だから君みたいに善良な人は襲わないから安心して。まあ異世界転生の依頼あった時はそういう人も刺したりするけど」
「えええ、そんな仕事あるんですか」
「うん、まあ新鋭企業だけど最近需要あるからあるよ」
「…そ、そうなんですか。なんか怖い」
「まあ、倫理的にはアレだけど一応真っ当な会社だから従業員も比較的みんな良識あるよ」
「…そ、それは良かった。いや良くないけど」
「じゃあ、斧でドアぶち破るから下がってて」
「う、うわあ。…わ、分かりました」
その後すぐ激しくドアに何かを叩きつける音がし、間もなくドアは激しく割れ、割れ目から40代初めくらいのちょっとバタ臭い顔の男性が顔を出した。
「はい、おコンバンハ。朝だけど」
「…お、おコンバンハ」
「しょうがないけどドア壊しちゃってごめんね。まあたぶんこういう事情なら保険下りるよ」
「う、うーん。下りるのかなこれ」
「まあ大丈夫でしょたぶん。じゃあすぐ鍵開けるね」
そう比較的良識のある殺人鬼さんは割れ目から手を伸ばし器用にピッキング用具を差し込み、カチャカチャとドアを開けてくれた。
取り急ぎ礼を言い、大をしたままでは気持ち悪いので(僕はスマホを便所に持ち込まないので綺麗好きだ)急いで洗面所で手を洗い、改めて殺人鬼さんに礼を言った。
「あ、ありがとうございました。…かなり怖いけど」
「いやいや。罪も無い子がこんな悲惨な死に方をしたら気の毒だからね」
「…っていうかピッキング用具あるなら、ドアぶち破らなくても鍵開けれたんじゃないですか」
「ああ、まあそこは殺人鬼のサガでね」
「…い、嫌なサガですね」
「じゃあ私はこれで。暑いから水分補給気を付けてね。まあこれからよろしくね」
「…か、かなりよろしくしたくないです…」
でも慣れてきたら割と親しくなり、庭で採れた夏野菜おすそ分けしたりするようになった。
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