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だるまや欠損した参加者にやたら甘いデスゲーム主催者
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相当アレな過去を持つ俺と、そんな俺を献身的に支えてくれる彼はある日突然謎の黒服集団に拉致られ眠らされ、目覚めたら典型的なデスゲーム会場っぽい広い廃ビルに、他のいかにもな感じの参加者と共に集められていた。
眼前の大型液晶モニターに見るからにデスゲーム主催者っぽい怪しい仮面と黒いスーツの男が映し出された。
《参加者諸君、お集まりいただき感謝する。私はMr.ダルマー。見ての通りのデスゲーム主催者だ》
「うっわー。最近デスゲーム流行ってて開催する企業や金持ち増えてるって話だったけどまさか俺達も巻き込まれるとは」
「年間のデスゲーム被害者最近300人超えてるもんね」
「最近は自殺志願者が進んで参加したがってるみたいだね」
《ああ、そんな死ぬ気満々の奴は参加してもつまらないので審査段階ではじくよ。やはり命は深い闇の中に置いてこそ光り輝くからね》
「良い事言ったっぽいけどデスゲーム主催者に言われてもなー」
「まあ元ネタの言ったキャラも似たような物だけどね」
《で、まあ雑談はこの辺りにしてだね。君達の首に爆弾付き首輪を付けさせてもらったよ。当然無理矢理解除しようとしたり、ルールに逆らうような真似をしたら即刻爆破させてもらうからね。間違いなく首が吹き飛ぶくらいの威力だよ》
「うっわー。典型的なやつだなー」
「うーん。僕達普通のDKだし解除スキルとか持ってないしね」
《それでルールは君達に武器を一つずつ与えているからそれで殺し合うと良い。ただ他の参加者が見ている前で殺してはいけないよ。誰も見ていない隙に闇討ちを狙うんだね。各種トラップや追加武器も部屋の中に隠してあるからそれも自由に使うと良い。残り7名以下になったら脱出できるよ》
「えー、つっても俺腐れ外道の親に売り飛ばされて人身売買組織に手足ぶった切られてるしハンデありすぎでしょ」
「うん、僕大富豪の一人息子だから速攻で買い戻したけどさ。傷ようやく治りかけた頃に拉致られるし」
《ああ、当然そこは配慮するから手足アレな君の武器は相方の子が使って良いよ。んでデスゲームな以上参加はしてもらったけど君達二人はほぼ勝ち確だから安心すると良い》
「あ、そうなの?良かったー」
「あんたデスゲーム主催するけど良い人だね」
《ああ、全日本デスゲーム協会も最近全体的に倫理観が向上しているからね。君みたいに悲惨な子はかなりハンデを与えるよ》
「ふーん、そうなんだ」
「デスゲームな時点で倫理もクソも無いと思うけどね」
「じゃあ僕もかなり甘くしてもらえますかね」
「あーうん、君も手足アレだもんね」
「はい、僕婚約者と結婚を約束して激戦地へ赴いたんですが地雷踏んで手足吹っ飛ぶわ死にかけるわで返されまして。んで戦死したって誤報を聞いた彼女がショックで自殺しちゃうし僕も正直後追おうと思ってた所ですし」
「うわー、俺以上に悲惨だね。可哀想に」
「恋人に先立たれるの辛いよね」
《ああ、当然君も相当ハンデあげるしもう勝ったようなものだから安心しなさい。そこの某国のお姫様と幼女もね》
「あら、それは嬉しいですわ。わたくし見た目は女ですが男でして。ただ国のしきたりで第一子は必ず女では無いといけないという事でアレをアレされまして女として長年育てられて来ました」
「うっわー、それも酷いね」
「尊厳だね」
「わーい、お面のおじさんありがと。あたし3歳くらいの時にパパとママ死んじゃっておじさんに引き取られたけど毎日殴ったりアレされてて嫌だったんだよね。もうあそこ戻りたくないなー」
「うわー、叔父さん最低だな」
「そいつこそ拉致れば良かったのに」
《まあそこはね。小汚い男より幼女の方が映えるだろう》
「え、えええ。じゃあ僕はどうなるんですか。僕何も悪い事してないごく普通のしがないプログラマーなんですが。ようやく仕事慣れて来たし子供も出来たばかりで死にたくないんですが」
「あー、一般人枠ね」
「気の毒だし生き残って欲しいね」
《まあ君も君で可哀想だけど、普通の人生レベルだしどうにか運と実力で頑張ってね》
「えええそんな。僕運転だけはやたら上手いですがそれ以外何も取り柄無いですしたぶんここじゃ活かせる場面無いでしょうし。っていうか僕だけ武器ハリセンとかひどく無いですか」
「あー、ネタ枠ね」
「運転スキルは脱出の時に使えるかもね」
「あー、あなたプログラマーならこの首輪ハッキングで解除とか出来るんじゃないですか」
「い、いえすみません。僕本当に簡単なスマホアプリ作るくらいしか出来ませんで。メイン言語BASICとHTMLだし」
「今時そんなんで仕事になるの」
「残念枠だね」
「あー、じゃあ俺はまあ贔屓されねえだろうな。まあ俺少年殺人鬼だしこの程度の奴らどうとでもなるがな」
「あー、ありがちな狂人枠ね」
「バトロワ系では大概いるよね」
「ひ、ひいいいいい。お助けえええええ」
「あー俺割と良識あるタイプの殺人鬼だから、あんたみたいなつまんねー善人は基本殺らねえから安心しな」
「あ、ありがとうございます。いや殺人鬼にお礼言いたくないけど」
「ふーん。まあ私大好きな彼ピのためにこんな所で死ぬつもりは無いけどね。彼ピ監禁してご飯あんまり与えてないから脱出しないと死んじゃうし」
「うっわー、凄まじいメンヘラだ」
「彼ピかわいそう」
「ひひひひひ。ようじょや手足無い子たち超性癖めっちゃしこる。邪魔なお前らぶっ殺した後めっちゃ楽しもーっとうへへへへ」
「うっわー。俺トラウマ抉られてこういう奴無理なんだけど」
「こいつには絶対生き残って欲しくないね」
「ああ、今こそ僕が光り輝くダークヒーローになる時だね。30半ばにもなってふざけた事言ってないで働けこのクズニートがって言ってくるパパとママ殴り殺しちゃってもう僕無敵だし」
「うわー。こいつも最低だな」
「ってかこのデスゲーム狂人多すぎでしょ」
「バランス配分ミスってるよね」
「俺は狂人ではないが長年暗殺者やってて、いつ殺されてもおかしくは無いし常に覚悟しているね。恨みを買って最愛の彼女を殺され、末期ガンにも侵され死に場所を探していた所だしな」
「あー、この人はちょっと生き残って欲しいなー」
「ってかある意味自殺志願者なのにいいの?」
《ああ、こういうタイプの死に場所求めてる人は絵になるしたまに採用するよ》
「うーん、色々考えてるんだね」
《まあ、やるからには見ごたえのあるショウにしたいからね》
「にゃははははは、ぼくは悪の天才女子高生に作られた殺人ロボットキチクマ!オマエラ全員ジェノサイドだー!!」
「うわー、こいつもこいつでヤバいな」
「CV水田わ〇びだしね」
「さあ、ではゲームスタートだ。あ、ハンデ与えてる君達はこのセーフティーエリア内に集まってね。始まったらすぐ超強力電磁バリア貼るから」
「はーい」
ハンデを与えられている子たちは全員部屋の隅のセーフティーエリア内にぞろぞろと移動した。
俺や地雷踏んだ子は黒服に車椅子押してもらい、開始後即触れたら黒焦げになるレベルの電磁バリアが貼られた。
狂人や曲者揃いのためデスゲームはかなり時間がかかったが、2時間半くらいで決着は着いた。
一般人の残念プログラマーは泣き叫びながら神回避を連発し奇跡的に生き残った。
お約束通りゲーム終了直後に爆弾が作動し俺達は逃げ惑う事になったが、親切設計な案内図があったので問題なく脱出できた。
怪しい小人男が管理する地下駐車場に停められていたワゴンに乗り込み、残念プログラマーの華麗なドライビングテクニックで崩壊する大型ビルからギリギリで逃げる事ができた。
なおハンドルを握ったら残念プログラマーは若干性格が変わり、頭文字Dの登場人物っぽいノリになった。
「いやー、まあ俺達はハンデ与えられて勝ち確だったけど良い人達は大半生還できて良かったね」
「うん、まあ暗殺者の人は死んじゃったけど彼女さんがお迎えに来てくれたみたいだし、最期に一服吸って満足したみたいだし良かったんじゃないかな」
「ダークヒーロー願望のクズ殺した時かっこ良かったね」
「メンヘラとド変態は見苦しく相討ちになってお似合いだったね」
「キチクマはやっぱ凶悪天才JKが作っただけあって手ごわかったけど、残念プログラマーさんがまさかの活躍を見せたね」
「ええ、まさか僕のBASICが役立つとは。高度過ぎて逆に単純な言語には弱かったみたいですね」
「ありがちなやつだね」
「あー、まあ俺もあの暗殺者のおっさんには手こずったが。発作が起きたおかげでとどめ刺せて良かったな。おっさんも最後に強敵と闘れて楽しそうだったし」
「うん、お互い納得してるなら良いんじゃないかな」
「死に方は大事だよね」
車を降りた後、勝手にインストールされていたスマホアプリからデスゲーム主催者が語りかけた。
《諸君、生還おめでとう。ゲームクリア特典として君達にはそれぞれ1億円を与えよう》
「わーい、ありがとうございます。まああんたにあんまりお礼言いたくないけど」
「僕は大富豪だし全部お前にあげるよ。これで帰ったらすぐ義肢買おうね」
「ありがとうございます。僕も帰国したら義肢を購入しお医者さんに付けて貰おうと思います」
《ああ、もし良い義肢職人や医師が居なかったら私のつてで優秀な人を紹介するからね。それからデスゲーム協会にマッドサイエンティストとかネクロマンサーも所属しているから彼女さんを完璧に蘇らせてあげよう》
「ああ、本当に感謝します。大怪我して退役したので一生傷痍軍人として年金もらえるでしょうし、後追いしなくて良かったです」
「うん、倫理的には完全アレだけど良かったね」
《女として育てられた君も私が手引きするから亡命すると良い。まあこの世界全体的にアレだが君の国よりマシな国ならいくらでもあるだろう》
「主催者様、お礼を言いますわ。この国デスゲーム開催したり殺人鬼がうろついている以外は住みやすいですし、ここに永住させて頂こうかしら」
「それ住みやすいって言うのかな。君がそれでいいならいいんだけどさ」
「まあ強制アレされるよりは良いんじゃない?」
《で、そういう訳で闇医者とかも協会にいるから、男に戻る事も可能だがどうするね?》
「いえ、お気持ちは嬉しいのですが生まれた時から女として生きていましたし、女としてのわたくしに満足していますからこのままで良いですわ」
《そうかね。それで幼女の君はすぐに協会と繋がりがあるが善良な施設に保護してもらうから安心すると良い。クソ叔父さんは君の拉致後即刻手を回して、自分では身動き一つ出来ないえげつない状態に加工した後最底辺の性風俗店で永遠に従事してもらうようにしたからね》
「わーい、お面のおじさん大好き!デスゲームするけどあなた良い人だね!」
《ああ、表社会では慈善家として活動しているからね》
「ふーん、そうなんだ」
「なんかデスゲーム主催者のイメージ変わったね」
《ああ、先ほども言ったがデスゲーム業界全体の倫理観が向上して来ているからね。基本は清く正しい優しい人は大体幸せになれるデスゲームを心掛けているよ。とは言ってもたまには悪質な主催者もいるがね。キチクマの製作者の絶望凶悪女子高生とかね》
「あー、やっぱそのJKもやってたんだ」
《かなりの犠牲者を出してしまったが、最終的には勇気ある彼女のクラスメイト達に反撃され無惨に死んでいったようだ。とはいえキチクマが数体残ったり、意識はAIとなって電子の海をさ迷っているらしいがね》
「うわー、怖いね」
「いつか完全に討伐されるといいね」
「あー、まあ俺は殺人鬼やってるし要人の暗殺とかもたまにしてるんで金には困ってないんだが。まあありがたく頂いとくわ」
「ぼ、僕はこの通り残念プログラマーでかなり低収入ですので、ありがたく養育費に回させて頂きます。怖いけど」
「っていうかあなた運転テクニックすごいんだし、レーサーにでもなればいいのに」
「ええ、絶対その方が収入安定するでしょ」
「ざ、残念ながら僕そういうタイプじゃないので、アマチュアとしてはそこそこの成績収めてますがプロ向きでは無いと思います。趣味の範囲で満足してます」
「ふーん、そうなんだ。まあ色々あるよね」
「あ、あと恥ずかしいんですが怖すぎて完全に漏らしました。車のシート汚しちゃってすみません」
「あーまあ、デスゲームで使われるような車だし別に良いんじゃないですかね」
《ああ、廃車覚悟で用意しているから構わないよ》
「そ、そうですか。それは良かった」
《じゃあ各自ヘリとかリムジンとか用意しておくから、幼女やお姫様以外はそれぞれの家に戻るといい。どうか皆様、幸せな余生を。また、いつかどこかで》
そう言ってスマホの画面は暗転した。
「やー、まあ拉致られた時はどうなるかと思ったけど意外と良識あるデスゲーム主催者で良かったね」
「うん、安全だったし賞金貰えて結果オーライだったね」
「で、お前の腐れ外道両親や似たような親族は僕が暗殺者雇って一族郎党皆殺しにしたし。もう僕達の人生何も障害無いよね!」
「まあ俺は体に障害ありまくりだけどねー」
「あははははは」
その後メンヘラに監禁されていた彼氏はデスゲーム主催者が手を回しすぐに救助された。
かなり衰弱していたのですぐに病院に搬送され事なきを得た。
俺に義肢が付き問題無く生活できるようになった頃、比較的良識ある殺人鬼の少年と再会したまにファミレス行ったりカラオケする程度の仲になった。
数年後過去のデスゲーム生還者として俺と彼氏が再度拉致られる事もあったが、動けるようになったとはいえだいぶ可哀想という事でやっぱり勝ち確待遇だった。
ついでに反応が面白いので残念プログラマーもまた拉致られたが再び漏らしながら神回避連発して生還した。
眼前の大型液晶モニターに見るからにデスゲーム主催者っぽい怪しい仮面と黒いスーツの男が映し出された。
《参加者諸君、お集まりいただき感謝する。私はMr.ダルマー。見ての通りのデスゲーム主催者だ》
「うっわー。最近デスゲーム流行ってて開催する企業や金持ち増えてるって話だったけどまさか俺達も巻き込まれるとは」
「年間のデスゲーム被害者最近300人超えてるもんね」
「最近は自殺志願者が進んで参加したがってるみたいだね」
《ああ、そんな死ぬ気満々の奴は参加してもつまらないので審査段階ではじくよ。やはり命は深い闇の中に置いてこそ光り輝くからね》
「良い事言ったっぽいけどデスゲーム主催者に言われてもなー」
「まあ元ネタの言ったキャラも似たような物だけどね」
《で、まあ雑談はこの辺りにしてだね。君達の首に爆弾付き首輪を付けさせてもらったよ。当然無理矢理解除しようとしたり、ルールに逆らうような真似をしたら即刻爆破させてもらうからね。間違いなく首が吹き飛ぶくらいの威力だよ》
「うっわー。典型的なやつだなー」
「うーん。僕達普通のDKだし解除スキルとか持ってないしね」
《それでルールは君達に武器を一つずつ与えているからそれで殺し合うと良い。ただ他の参加者が見ている前で殺してはいけないよ。誰も見ていない隙に闇討ちを狙うんだね。各種トラップや追加武器も部屋の中に隠してあるからそれも自由に使うと良い。残り7名以下になったら脱出できるよ》
「えー、つっても俺腐れ外道の親に売り飛ばされて人身売買組織に手足ぶった切られてるしハンデありすぎでしょ」
「うん、僕大富豪の一人息子だから速攻で買い戻したけどさ。傷ようやく治りかけた頃に拉致られるし」
《ああ、当然そこは配慮するから手足アレな君の武器は相方の子が使って良いよ。んでデスゲームな以上参加はしてもらったけど君達二人はほぼ勝ち確だから安心すると良い》
「あ、そうなの?良かったー」
「あんたデスゲーム主催するけど良い人だね」
《ああ、全日本デスゲーム協会も最近全体的に倫理観が向上しているからね。君みたいに悲惨な子はかなりハンデを与えるよ》
「ふーん、そうなんだ」
「デスゲームな時点で倫理もクソも無いと思うけどね」
「じゃあ僕もかなり甘くしてもらえますかね」
「あーうん、君も手足アレだもんね」
「はい、僕婚約者と結婚を約束して激戦地へ赴いたんですが地雷踏んで手足吹っ飛ぶわ死にかけるわで返されまして。んで戦死したって誤報を聞いた彼女がショックで自殺しちゃうし僕も正直後追おうと思ってた所ですし」
「うわー、俺以上に悲惨だね。可哀想に」
「恋人に先立たれるの辛いよね」
《ああ、当然君も相当ハンデあげるしもう勝ったようなものだから安心しなさい。そこの某国のお姫様と幼女もね》
「あら、それは嬉しいですわ。わたくし見た目は女ですが男でして。ただ国のしきたりで第一子は必ず女では無いといけないという事でアレをアレされまして女として長年育てられて来ました」
「うっわー、それも酷いね」
「尊厳だね」
「わーい、お面のおじさんありがと。あたし3歳くらいの時にパパとママ死んじゃっておじさんに引き取られたけど毎日殴ったりアレされてて嫌だったんだよね。もうあそこ戻りたくないなー」
「うわー、叔父さん最低だな」
「そいつこそ拉致れば良かったのに」
《まあそこはね。小汚い男より幼女の方が映えるだろう》
「え、えええ。じゃあ僕はどうなるんですか。僕何も悪い事してないごく普通のしがないプログラマーなんですが。ようやく仕事慣れて来たし子供も出来たばかりで死にたくないんですが」
「あー、一般人枠ね」
「気の毒だし生き残って欲しいね」
《まあ君も君で可哀想だけど、普通の人生レベルだしどうにか運と実力で頑張ってね》
「えええそんな。僕運転だけはやたら上手いですがそれ以外何も取り柄無いですしたぶんここじゃ活かせる場面無いでしょうし。っていうか僕だけ武器ハリセンとかひどく無いですか」
「あー、ネタ枠ね」
「運転スキルは脱出の時に使えるかもね」
「あー、あなたプログラマーならこの首輪ハッキングで解除とか出来るんじゃないですか」
「い、いえすみません。僕本当に簡単なスマホアプリ作るくらいしか出来ませんで。メイン言語BASICとHTMLだし」
「今時そんなんで仕事になるの」
「残念枠だね」
「あー、じゃあ俺はまあ贔屓されねえだろうな。まあ俺少年殺人鬼だしこの程度の奴らどうとでもなるがな」
「あー、ありがちな狂人枠ね」
「バトロワ系では大概いるよね」
「ひ、ひいいいいい。お助けえええええ」
「あー俺割と良識あるタイプの殺人鬼だから、あんたみたいなつまんねー善人は基本殺らねえから安心しな」
「あ、ありがとうございます。いや殺人鬼にお礼言いたくないけど」
「ふーん。まあ私大好きな彼ピのためにこんな所で死ぬつもりは無いけどね。彼ピ監禁してご飯あんまり与えてないから脱出しないと死んじゃうし」
「うっわー、凄まじいメンヘラだ」
「彼ピかわいそう」
「ひひひひひ。ようじょや手足無い子たち超性癖めっちゃしこる。邪魔なお前らぶっ殺した後めっちゃ楽しもーっとうへへへへ」
「うっわー。俺トラウマ抉られてこういう奴無理なんだけど」
「こいつには絶対生き残って欲しくないね」
「ああ、今こそ僕が光り輝くダークヒーローになる時だね。30半ばにもなってふざけた事言ってないで働けこのクズニートがって言ってくるパパとママ殴り殺しちゃってもう僕無敵だし」
「うわー。こいつも最低だな」
「ってかこのデスゲーム狂人多すぎでしょ」
「バランス配分ミスってるよね」
「俺は狂人ではないが長年暗殺者やってて、いつ殺されてもおかしくは無いし常に覚悟しているね。恨みを買って最愛の彼女を殺され、末期ガンにも侵され死に場所を探していた所だしな」
「あー、この人はちょっと生き残って欲しいなー」
「ってかある意味自殺志願者なのにいいの?」
《ああ、こういうタイプの死に場所求めてる人は絵になるしたまに採用するよ》
「うーん、色々考えてるんだね」
《まあ、やるからには見ごたえのあるショウにしたいからね》
「にゃははははは、ぼくは悪の天才女子高生に作られた殺人ロボットキチクマ!オマエラ全員ジェノサイドだー!!」
「うわー、こいつもこいつでヤバいな」
「CV水田わ〇びだしね」
「さあ、ではゲームスタートだ。あ、ハンデ与えてる君達はこのセーフティーエリア内に集まってね。始まったらすぐ超強力電磁バリア貼るから」
「はーい」
ハンデを与えられている子たちは全員部屋の隅のセーフティーエリア内にぞろぞろと移動した。
俺や地雷踏んだ子は黒服に車椅子押してもらい、開始後即触れたら黒焦げになるレベルの電磁バリアが貼られた。
狂人や曲者揃いのためデスゲームはかなり時間がかかったが、2時間半くらいで決着は着いた。
一般人の残念プログラマーは泣き叫びながら神回避を連発し奇跡的に生き残った。
お約束通りゲーム終了直後に爆弾が作動し俺達は逃げ惑う事になったが、親切設計な案内図があったので問題なく脱出できた。
怪しい小人男が管理する地下駐車場に停められていたワゴンに乗り込み、残念プログラマーの華麗なドライビングテクニックで崩壊する大型ビルからギリギリで逃げる事ができた。
なおハンドルを握ったら残念プログラマーは若干性格が変わり、頭文字Dの登場人物っぽいノリになった。
「いやー、まあ俺達はハンデ与えられて勝ち確だったけど良い人達は大半生還できて良かったね」
「うん、まあ暗殺者の人は死んじゃったけど彼女さんがお迎えに来てくれたみたいだし、最期に一服吸って満足したみたいだし良かったんじゃないかな」
「ダークヒーロー願望のクズ殺した時かっこ良かったね」
「メンヘラとド変態は見苦しく相討ちになってお似合いだったね」
「キチクマはやっぱ凶悪天才JKが作っただけあって手ごわかったけど、残念プログラマーさんがまさかの活躍を見せたね」
「ええ、まさか僕のBASICが役立つとは。高度過ぎて逆に単純な言語には弱かったみたいですね」
「ありがちなやつだね」
「あー、まあ俺もあの暗殺者のおっさんには手こずったが。発作が起きたおかげでとどめ刺せて良かったな。おっさんも最後に強敵と闘れて楽しそうだったし」
「うん、お互い納得してるなら良いんじゃないかな」
「死に方は大事だよね」
車を降りた後、勝手にインストールされていたスマホアプリからデスゲーム主催者が語りかけた。
《諸君、生還おめでとう。ゲームクリア特典として君達にはそれぞれ1億円を与えよう》
「わーい、ありがとうございます。まああんたにあんまりお礼言いたくないけど」
「僕は大富豪だし全部お前にあげるよ。これで帰ったらすぐ義肢買おうね」
「ありがとうございます。僕も帰国したら義肢を購入しお医者さんに付けて貰おうと思います」
《ああ、もし良い義肢職人や医師が居なかったら私のつてで優秀な人を紹介するからね。それからデスゲーム協会にマッドサイエンティストとかネクロマンサーも所属しているから彼女さんを完璧に蘇らせてあげよう》
「ああ、本当に感謝します。大怪我して退役したので一生傷痍軍人として年金もらえるでしょうし、後追いしなくて良かったです」
「うん、倫理的には完全アレだけど良かったね」
《女として育てられた君も私が手引きするから亡命すると良い。まあこの世界全体的にアレだが君の国よりマシな国ならいくらでもあるだろう》
「主催者様、お礼を言いますわ。この国デスゲーム開催したり殺人鬼がうろついている以外は住みやすいですし、ここに永住させて頂こうかしら」
「それ住みやすいって言うのかな。君がそれでいいならいいんだけどさ」
「まあ強制アレされるよりは良いんじゃない?」
《で、そういう訳で闇医者とかも協会にいるから、男に戻る事も可能だがどうするね?》
「いえ、お気持ちは嬉しいのですが生まれた時から女として生きていましたし、女としてのわたくしに満足していますからこのままで良いですわ」
《そうかね。それで幼女の君はすぐに協会と繋がりがあるが善良な施設に保護してもらうから安心すると良い。クソ叔父さんは君の拉致後即刻手を回して、自分では身動き一つ出来ないえげつない状態に加工した後最底辺の性風俗店で永遠に従事してもらうようにしたからね》
「わーい、お面のおじさん大好き!デスゲームするけどあなた良い人だね!」
《ああ、表社会では慈善家として活動しているからね》
「ふーん、そうなんだ」
「なんかデスゲーム主催者のイメージ変わったね」
《ああ、先ほども言ったがデスゲーム業界全体の倫理観が向上して来ているからね。基本は清く正しい優しい人は大体幸せになれるデスゲームを心掛けているよ。とは言ってもたまには悪質な主催者もいるがね。キチクマの製作者の絶望凶悪女子高生とかね》
「あー、やっぱそのJKもやってたんだ」
《かなりの犠牲者を出してしまったが、最終的には勇気ある彼女のクラスメイト達に反撃され無惨に死んでいったようだ。とはいえキチクマが数体残ったり、意識はAIとなって電子の海をさ迷っているらしいがね》
「うわー、怖いね」
「いつか完全に討伐されるといいね」
「あー、まあ俺は殺人鬼やってるし要人の暗殺とかもたまにしてるんで金には困ってないんだが。まあありがたく頂いとくわ」
「ぼ、僕はこの通り残念プログラマーでかなり低収入ですので、ありがたく養育費に回させて頂きます。怖いけど」
「っていうかあなた運転テクニックすごいんだし、レーサーにでもなればいいのに」
「ええ、絶対その方が収入安定するでしょ」
「ざ、残念ながら僕そういうタイプじゃないので、アマチュアとしてはそこそこの成績収めてますがプロ向きでは無いと思います。趣味の範囲で満足してます」
「ふーん、そうなんだ。まあ色々あるよね」
「あ、あと恥ずかしいんですが怖すぎて完全に漏らしました。車のシート汚しちゃってすみません」
「あーまあ、デスゲームで使われるような車だし別に良いんじゃないですかね」
《ああ、廃車覚悟で用意しているから構わないよ》
「そ、そうですか。それは良かった」
《じゃあ各自ヘリとかリムジンとか用意しておくから、幼女やお姫様以外はそれぞれの家に戻るといい。どうか皆様、幸せな余生を。また、いつかどこかで》
そう言ってスマホの画面は暗転した。
「やー、まあ拉致られた時はどうなるかと思ったけど意外と良識あるデスゲーム主催者で良かったね」
「うん、安全だったし賞金貰えて結果オーライだったね」
「で、お前の腐れ外道両親や似たような親族は僕が暗殺者雇って一族郎党皆殺しにしたし。もう僕達の人生何も障害無いよね!」
「まあ俺は体に障害ありまくりだけどねー」
「あははははは」
その後メンヘラに監禁されていた彼氏はデスゲーム主催者が手を回しすぐに救助された。
かなり衰弱していたのですぐに病院に搬送され事なきを得た。
俺に義肢が付き問題無く生活できるようになった頃、比較的良識ある殺人鬼の少年と再会したまにファミレス行ったりカラオケする程度の仲になった。
数年後過去のデスゲーム生還者として俺と彼氏が再度拉致られる事もあったが、動けるようになったとはいえだいぶ可哀想という事でやっぱり勝ち確待遇だった。
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