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【3】他人事
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王国騎士団の用意した有蓋馬車に揺られ、遠く王都の北に位置するオルフィスまで向かう。
北都オルフィスは貴重な鉱石の採掘や各地で発見された鉱物の研究を行い、それら現物や研究結果を王都に持ち込む事で国全体の発展に繋げる、という重要な役割を担っている鉱山都市である。
聞いた話では一週間ほど前にオルフィス所有の鉱山で大規模な瘴気の噴出があり、その被害がオルフィス全体にまで及んでしまっているとの事だった。
王国騎士団も各地で救助活動に努めているが基本的には彼らは聖女に同行する。そのため聖女代理である聖職者はひとりで瘴気の溢れる地へ向かうのだ。優秀な聖職者であれば何とか人々が生活できるところまで瘴気を薄められるそうだが、当然ながら皆が皆そうではない。目の前の人命最優先に治癒を施し、瘴気の薄い場所まで避難させるというのが多くの聖職者ができる精々だった。
「その多くにすら俺は含まれていないんだよなあ…」
頬杖をつきながら馬車の外を眺める。
現在オルフィスは瘴霧にすっかり覆われて外から被害状況を確かめることが出来ないのだそうだ。今は聖女にも聖職者にも余裕がないとは言え、そんな被害の深刻そうな場所に自分みたいな無能な男が向かって本当に良かったのか。
グリファートはやはりまだ他人事のようにそう思うのだった。
それまで問題なく走っていた馬車が突然動きを止めた。
日が落ちる前には何とかオルフィスに到着できそうだ、などと考えていた矢先の事だったためグリファートは首を傾げる。御者台から降りてこちらへとやって来る若い騎士の顔色が随分と悪そうに見えるのは気のせいか。
嫌な予感が、と思う間もなく馬車の入り口がバッと開け放たれる。
「げっ……!」
途端むわりと流れ込んでくる空気にグリファートは咄嗟に口元を手で覆った。
馬車の入り口に寄りかかりながら騎士がよろよろと視線を上げる。
「す、すみません…大丈夫、ですか…」
「いや、まあ…それより酷い空気だね……」
寧ろそっちが大丈夫かと咽せそうになるのを堪えながら聞いてみたが、騎士の顔色からして聞くまでもなかったかもしれない。まだオルフィスには到着していないが、既にこの辺りにまで瘴気が広がっているようだ。
見れば鮮やかな夕日までもを呑み込まんと蠢く黒々とした不気味な空がオルフィスの方に向かって続いている。馬の落ち着きの無さからしても馬車で近付くのはここまでにした方がいいだろう。オルフィスまであと少し、徒歩でも直に到着できる筈だ。
グリファートは馬車を降りると若い騎士に一言礼を言い、この先さらに濃くなるであろう瘴霧に向かって歩き出した。
進むにつれて空気が重々しく澱んだものになっていく。
そうしてひたすらに進んでいけば、オルフィスの街並みが漸く肉眼でも見えるようになった。
グリファートの手には荷物のひとつもないと言うのに腕や肩がやたらと重く、思うように息が吸えない。衣服の上からでも徐々に身体が蝕まれていく感覚がする。
これは早いところ建物の中に入った方が良さそうだ、と辺りを見渡すも瘴気の影響か殆どの家が腐っていて半壊状態だった。
地面からもぶすぶすと黒い煙のようなものも上がっていて、どこを見ても酷い有り様である。
(これじゃ人ひとり運び出すにも骨が折れそうだわな)
正直、オルフィスの状況は今のグリファートの手に負えるものではない。
とはいえ聖女代理として声が掛けられた以上無能だろうと死ぬ気で働け、という事なのだろう。
グリファートの場合、自らの足で避難できないような重傷者がいた場合には安全そうなところまで背負って運び出してやるのが先決となる。聖職者として何より肝心な治癒に期待ができないため、せめて瘴気による症状がそれ以上進行しないよう食い止めてやるしかないのだ。
果たしてどれほどの命が救えるのか、グリファートにとってはそれこそ神頼みでしかないが。
グリファートはオルフィスの地形と救助の際の動線を頭で考えながら歩みを進めた。人影を見逃さないよう常にあちこちを見渡しているが、どうにも先ほどから人の気配を感じない。
もう既に全員息絶えたのかと一瞬嫌な予感が過るが、それにしては少しばかり違和感があった。道端や半壊した建物の中、見つかり難い物陰など、どこを見ても倒れている人の姿がないのだ。もしも全員手遅れであったならそうした光景を嫌でも目にする筈である。
(もっと奥にでもいるのかねぇ…)
グリファートは喉奥が灼けるような瘴気に咳き込みながら、オルフィスの中心部までやって来た。ここまで来ると建物の損傷もかなり激しく地面もぐずぐずに泥濘んでいて足を取られそうになる。
ふと、石造りの建物が目に入る。そこは子供たちが通う小さな学舎だったようで、外壁こそ崩れ掛けているが内部はどうにか形を保っていた。
中の様子を確かめようとグリファートは慎重に足を踏み入れる。
「ぅ、…」
「!」
今、確かに小さな呻き声が聞こえた。それもまだ幼さの残る声だったように思う。
声がしたであろう方を注視すれば、視界の隅で僅かに蠢く塊のような何かを捉える。
すぐさま駆け寄ったグリファートは塊の正体が少年なのだと理解した。
理解して、絶句した。
瘴気から少しでも身を守るように疼くまる少年のその身体は、生きているのが不思議なほどに酷い状態だったのだ。
全身が酷い水ぶくれのようにぼこぼこと隆起し、焦げたような嫌な匂いを漂わせている。病的なまでに窪んだそこに収まる眼球は灰色に変色していた。恐らくグリファートの姿も見えてはいないのだろう。
ひゅ、ひゅ、とか細く呼吸はしているが、命を繋ぎ止めるのがやっとのようだった。
早く、助けなければ。
そうは思うのに眼前の少年の身体を抱えようとする手が震える。
こんな時に限ってグリファートの脳裏に過ってしまったのは、無能な自分に対し向けられた村人たちの軽蔑の眼差しと、運び出されていった棺だ。
少年の灰色の目には何も映されていない筈なのに、無能なお前に何ができるのかと言われているようだった。
「はは…」
情けないのか腹立たしいのかわからない笑いが溢れる。
自分がちゃんとした聖職者であったなら今頃この子に治癒を施してあげられていたのだろう。
「ほんと、何で来ちゃったかな……」
グリファートは瘴気のせいなのかわからない震える手で、目の前の少年を抱え上げようと手を伸ばした。
「何をしてる」
ガシリ、と腕を掴まれたと思えば信じられない強さで捻り上げられた。みしりと骨の軋む嫌な音が鳴る。驚いた拍子に瘴気を思い切り吸い込んでしまったが、これは不味いかもしれない。猛毒が一気に全身に回ったかのような感覚に視界がグニャリと歪む。
息苦しさで声の出せないグリファートに何を思ったか、腕を掴んでいた手にさらに力が込められる。
勘弁してくれ。
グリファートが必死の思いで振り返れば、思ったよりも近い距離に体躯の良い男がひとり立っていた。
「その子供をどこへ連れて行く」
感情の読めない、死んだように濁った瞳でグリファートを見下ろしながら。
北都オルフィスは貴重な鉱石の採掘や各地で発見された鉱物の研究を行い、それら現物や研究結果を王都に持ち込む事で国全体の発展に繋げる、という重要な役割を担っている鉱山都市である。
聞いた話では一週間ほど前にオルフィス所有の鉱山で大規模な瘴気の噴出があり、その被害がオルフィス全体にまで及んでしまっているとの事だった。
王国騎士団も各地で救助活動に努めているが基本的には彼らは聖女に同行する。そのため聖女代理である聖職者はひとりで瘴気の溢れる地へ向かうのだ。優秀な聖職者であれば何とか人々が生活できるところまで瘴気を薄められるそうだが、当然ながら皆が皆そうではない。目の前の人命最優先に治癒を施し、瘴気の薄い場所まで避難させるというのが多くの聖職者ができる精々だった。
「その多くにすら俺は含まれていないんだよなあ…」
頬杖をつきながら馬車の外を眺める。
現在オルフィスは瘴霧にすっかり覆われて外から被害状況を確かめることが出来ないのだそうだ。今は聖女にも聖職者にも余裕がないとは言え、そんな被害の深刻そうな場所に自分みたいな無能な男が向かって本当に良かったのか。
グリファートはやはりまだ他人事のようにそう思うのだった。
それまで問題なく走っていた馬車が突然動きを止めた。
日が落ちる前には何とかオルフィスに到着できそうだ、などと考えていた矢先の事だったためグリファートは首を傾げる。御者台から降りてこちらへとやって来る若い騎士の顔色が随分と悪そうに見えるのは気のせいか。
嫌な予感が、と思う間もなく馬車の入り口がバッと開け放たれる。
「げっ……!」
途端むわりと流れ込んでくる空気にグリファートは咄嗟に口元を手で覆った。
馬車の入り口に寄りかかりながら騎士がよろよろと視線を上げる。
「す、すみません…大丈夫、ですか…」
「いや、まあ…それより酷い空気だね……」
寧ろそっちが大丈夫かと咽せそうになるのを堪えながら聞いてみたが、騎士の顔色からして聞くまでもなかったかもしれない。まだオルフィスには到着していないが、既にこの辺りにまで瘴気が広がっているようだ。
見れば鮮やかな夕日までもを呑み込まんと蠢く黒々とした不気味な空がオルフィスの方に向かって続いている。馬の落ち着きの無さからしても馬車で近付くのはここまでにした方がいいだろう。オルフィスまであと少し、徒歩でも直に到着できる筈だ。
グリファートは馬車を降りると若い騎士に一言礼を言い、この先さらに濃くなるであろう瘴霧に向かって歩き出した。
進むにつれて空気が重々しく澱んだものになっていく。
そうしてひたすらに進んでいけば、オルフィスの街並みが漸く肉眼でも見えるようになった。
グリファートの手には荷物のひとつもないと言うのに腕や肩がやたらと重く、思うように息が吸えない。衣服の上からでも徐々に身体が蝕まれていく感覚がする。
これは早いところ建物の中に入った方が良さそうだ、と辺りを見渡すも瘴気の影響か殆どの家が腐っていて半壊状態だった。
地面からもぶすぶすと黒い煙のようなものも上がっていて、どこを見ても酷い有り様である。
(これじゃ人ひとり運び出すにも骨が折れそうだわな)
正直、オルフィスの状況は今のグリファートの手に負えるものではない。
とはいえ聖女代理として声が掛けられた以上無能だろうと死ぬ気で働け、という事なのだろう。
グリファートの場合、自らの足で避難できないような重傷者がいた場合には安全そうなところまで背負って運び出してやるのが先決となる。聖職者として何より肝心な治癒に期待ができないため、せめて瘴気による症状がそれ以上進行しないよう食い止めてやるしかないのだ。
果たしてどれほどの命が救えるのか、グリファートにとってはそれこそ神頼みでしかないが。
グリファートはオルフィスの地形と救助の際の動線を頭で考えながら歩みを進めた。人影を見逃さないよう常にあちこちを見渡しているが、どうにも先ほどから人の気配を感じない。
もう既に全員息絶えたのかと一瞬嫌な予感が過るが、それにしては少しばかり違和感があった。道端や半壊した建物の中、見つかり難い物陰など、どこを見ても倒れている人の姿がないのだ。もしも全員手遅れであったならそうした光景を嫌でも目にする筈である。
(もっと奥にでもいるのかねぇ…)
グリファートは喉奥が灼けるような瘴気に咳き込みながら、オルフィスの中心部までやって来た。ここまで来ると建物の損傷もかなり激しく地面もぐずぐずに泥濘んでいて足を取られそうになる。
ふと、石造りの建物が目に入る。そこは子供たちが通う小さな学舎だったようで、外壁こそ崩れ掛けているが内部はどうにか形を保っていた。
中の様子を確かめようとグリファートは慎重に足を踏み入れる。
「ぅ、…」
「!」
今、確かに小さな呻き声が聞こえた。それもまだ幼さの残る声だったように思う。
声がしたであろう方を注視すれば、視界の隅で僅かに蠢く塊のような何かを捉える。
すぐさま駆け寄ったグリファートは塊の正体が少年なのだと理解した。
理解して、絶句した。
瘴気から少しでも身を守るように疼くまる少年のその身体は、生きているのが不思議なほどに酷い状態だったのだ。
全身が酷い水ぶくれのようにぼこぼこと隆起し、焦げたような嫌な匂いを漂わせている。病的なまでに窪んだそこに収まる眼球は灰色に変色していた。恐らくグリファートの姿も見えてはいないのだろう。
ひゅ、ひゅ、とか細く呼吸はしているが、命を繋ぎ止めるのがやっとのようだった。
早く、助けなければ。
そうは思うのに眼前の少年の身体を抱えようとする手が震える。
こんな時に限ってグリファートの脳裏に過ってしまったのは、無能な自分に対し向けられた村人たちの軽蔑の眼差しと、運び出されていった棺だ。
少年の灰色の目には何も映されていない筈なのに、無能なお前に何ができるのかと言われているようだった。
「はは…」
情けないのか腹立たしいのかわからない笑いが溢れる。
自分がちゃんとした聖職者であったなら今頃この子に治癒を施してあげられていたのだろう。
「ほんと、何で来ちゃったかな……」
グリファートは瘴気のせいなのかわからない震える手で、目の前の少年を抱え上げようと手を伸ばした。
「何をしてる」
ガシリ、と腕を掴まれたと思えば信じられない強さで捻り上げられた。みしりと骨の軋む嫌な音が鳴る。驚いた拍子に瘴気を思い切り吸い込んでしまったが、これは不味いかもしれない。猛毒が一気に全身に回ったかのような感覚に視界がグニャリと歪む。
息苦しさで声の出せないグリファートに何を思ったか、腕を掴んでいた手にさらに力が込められる。
勘弁してくれ。
グリファートが必死の思いで振り返れば、思ったよりも近い距離に体躯の良い男がひとり立っていた。
「その子供をどこへ連れて行く」
感情の読めない、死んだように濁った瞳でグリファートを見下ろしながら。
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