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エピソード15 MAOH WORLD!
魔王と必殺技と障害
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「ちぃっ!」
頭上に落ちかかってきた雷を、薄雷手甲拳撃呪術で包み込んだ拳で弾き飛ばしながら、ギャレマスは舌打ちした。
そして、白濁した目を剥きながら、頭上に呼び寄せた黒雲から無差別に雷を落としまくっているダーストに向けて懇願の声を上げる。
「静まれよ! 我がご先祖様よ!」
だが、ダーストは、彼の呼びかけに反応する事も無く、それどころか更に大量の理力を頭上の雷雲に注ぎ込み続けた。
大量の理力を供給された雷雲は呪祭拝堂の天井を丸ごと覆い尽くすほどに発達し、落雷の数と勢いは更に増す。
「ちっ……やはり、死体人形と化したご先祖様の耳には届かぬか……!」
そう苦々しげに呟きながら、ギャレマスは素早く周囲を一瞥した。
そして、雨霰のように降り注ぐ雷の中を必死で逃げ惑っているスウィッシュたちの姿を見て、表情を曇らせる。
理力が底をつきかけている今のスウィッシュたちには、防御魔術や精霊術を遣う余力は遺されていない。そんな状態で、この降りしきる雷の直撃を受けようものなら、瞬時に先ほどのダーストたちと同じ運命を辿る事になるだろう。
そう考え、一瞬、仲間たちを守る事を優先するべきか迷ったギャレマスだったが、
「いや……ここは一刻も早く、ご先祖を止めねば……!」
と、速やかに攻撃の元凶を沈黙させる方が確実だと考え直したギャレマスは、目の前に落ちてきた雷を右ストレートで殴り飛ばしながら、左手の指をパチンと弾いた。
「真空風波呪術!」
魔王の詠唱と共に創成された真空の刃が、先ほど彼が弾き飛ばした雷と絡み合って電撃を帯び、更にその速度を増しながら、ダースト目がけて飛来する。
だが、ギャレマスが雷を殴り弾いた時点で彼の意図を察したダーストは、即座に両手を打ち合わせていた。
『……ダ・メダコ・リャー』
しわがれた声で紡がれた詠唱と共に天から降ってきた雷の防護壁によって、ギャレマスの帯電真空波は完全に防がれる。
――しかし、ギャレマスもまた、そのダーストの動きを読んでいた。
彼は、瞬時に薄雷手甲拳撃呪術を解いた右手の指を鳴らしながら、新たな風系呪術を詠唱する。
「――颱呪風術!」
次の瞬間、ダーストの周囲の空気が激しく渦巻き始め、その身体を包み込んだ。
空気の渦は、更にその勢いを強めて猛烈な竜巻へと発達し、その中に立つダーストの身体は猛風に抗えず、みるみる上昇していく。
ダーストを巻き添えにしながら発達し続ける竜巻は、彼が創り出した雷雲を吹き散らした後、遂には呪祭拝堂の天井をも突き破った。
『……』
燃えるような赤に染まった夕焼け空のただ中に放り出されたダーストは、激しく横回転しながらも、何とか背中の黒翼を展張する事に成功する。
そして、広げた黒翼の空気抵抗で回転する己の体にブレーキをかけた。
『……』
ようやく体の回転が落ち着き、安定したダーストは、広げた黒翼をゆっくり羽搏かせながら、再び呪祭拝堂の中に戻ろうとした――その時、
「はああああああ――っ!」
裂帛の気合を上げながら、穿刺雷槍呪術の雷長槍を携えたギャレマスが猛烈なスピードで呪祭拝堂の中から上昇してきた。
魔王は、上昇してきた勢いを緩める事無くダーストに接近し、体勢を整えたばかりで隙が出来た彼の鳩尾に深々と雷長槍の穂を打ち込む。
『……ッ』
「ご先祖様、御覚悟を!」
串刺しにされて僅かに表情を変えたダーストに向けて叫んだギャレマスは、広げた両手の指を鳴らし、そのまま体の前で両掌を激しく打ち合わせた。
そして、カッと目を剥きながら、高らかに宣する。
「風雷混合術式・“極龍雷撃呪術”、今ここに発呪せりッ!」
――その時、不思議な事が起こった――!
――――……
「……って、ちょっと待てい、作者殿……いや、作者! 何が『その時、不思議な事が起こった』だッ!」
いや……だから、この前転移した時にも言ったじゃん? 作中の登場人物が、地の文に話しかけちゃダメだって……。
「ええい、五月蝿いわ! エラルティスに“創造主のお言葉”とやらを伝える事で、さんざん話に干渉しまくっていたお主には言われとうないわッ!」
うっ……。
「……って、そんな事はどうでも良い! お主まさか……この期に及んで、この前のように描写を省いて、それっぽいモノローグだけで済まそうと思っておるのではあるまいな?」
……ギクリ。
「“ギクリ”だと? ――やっぱりそうなのだなッ!」
……黙秘権を行使します。
「おのれ、一度ならず二度までも! やらせんッ、やらせはせんぞッ! ……というか、同じネタを何度も繰り返すのはスベると、先ほどシュータにも突っ込まれていたではないかッ!」
……ちっ、うっせーな (反省してまーす)。
「建前と本音があべこべになっておるぞ! 文句を垂れるではないッ! 此度こそ、キッチリガッツリ描写してもらうぞ、我が最大奥義“極龍雷撃呪術”の形容しがたき壮大さと荘厳さと美麗さを余すところなくな!」
だから……『形容しがたい』から、描写したくないんだよ……めんどくせえから。
「ほら、本音が出た! 面倒くさかろうが何だろうが、今度こそは描写してもらうぞ、良いな!」
あー、ハイハイ。分かりましたー。ガンバリマース。
「……微妙に信が置けぬのだが、その言葉……。まあ良い、くれぐれも頼むぞ、作者殿!」
はぁ……めんどくせーな (善処しまーす)。
「だーかーらっ! 本音と建前が逆になっておると言うておるだろうがあああぁっ!」
頭上に落ちかかってきた雷を、薄雷手甲拳撃呪術で包み込んだ拳で弾き飛ばしながら、ギャレマスは舌打ちした。
そして、白濁した目を剥きながら、頭上に呼び寄せた黒雲から無差別に雷を落としまくっているダーストに向けて懇願の声を上げる。
「静まれよ! 我がご先祖様よ!」
だが、ダーストは、彼の呼びかけに反応する事も無く、それどころか更に大量の理力を頭上の雷雲に注ぎ込み続けた。
大量の理力を供給された雷雲は呪祭拝堂の天井を丸ごと覆い尽くすほどに発達し、落雷の数と勢いは更に増す。
「ちっ……やはり、死体人形と化したご先祖様の耳には届かぬか……!」
そう苦々しげに呟きながら、ギャレマスは素早く周囲を一瞥した。
そして、雨霰のように降り注ぐ雷の中を必死で逃げ惑っているスウィッシュたちの姿を見て、表情を曇らせる。
理力が底をつきかけている今のスウィッシュたちには、防御魔術や精霊術を遣う余力は遺されていない。そんな状態で、この降りしきる雷の直撃を受けようものなら、瞬時に先ほどのダーストたちと同じ運命を辿る事になるだろう。
そう考え、一瞬、仲間たちを守る事を優先するべきか迷ったギャレマスだったが、
「いや……ここは一刻も早く、ご先祖を止めねば……!」
と、速やかに攻撃の元凶を沈黙させる方が確実だと考え直したギャレマスは、目の前に落ちてきた雷を右ストレートで殴り飛ばしながら、左手の指をパチンと弾いた。
「真空風波呪術!」
魔王の詠唱と共に創成された真空の刃が、先ほど彼が弾き飛ばした雷と絡み合って電撃を帯び、更にその速度を増しながら、ダースト目がけて飛来する。
だが、ギャレマスが雷を殴り弾いた時点で彼の意図を察したダーストは、即座に両手を打ち合わせていた。
『……ダ・メダコ・リャー』
しわがれた声で紡がれた詠唱と共に天から降ってきた雷の防護壁によって、ギャレマスの帯電真空波は完全に防がれる。
――しかし、ギャレマスもまた、そのダーストの動きを読んでいた。
彼は、瞬時に薄雷手甲拳撃呪術を解いた右手の指を鳴らしながら、新たな風系呪術を詠唱する。
「――颱呪風術!」
次の瞬間、ダーストの周囲の空気が激しく渦巻き始め、その身体を包み込んだ。
空気の渦は、更にその勢いを強めて猛烈な竜巻へと発達し、その中に立つダーストの身体は猛風に抗えず、みるみる上昇していく。
ダーストを巻き添えにしながら発達し続ける竜巻は、彼が創り出した雷雲を吹き散らした後、遂には呪祭拝堂の天井をも突き破った。
『……』
燃えるような赤に染まった夕焼け空のただ中に放り出されたダーストは、激しく横回転しながらも、何とか背中の黒翼を展張する事に成功する。
そして、広げた黒翼の空気抵抗で回転する己の体にブレーキをかけた。
『……』
ようやく体の回転が落ち着き、安定したダーストは、広げた黒翼をゆっくり羽搏かせながら、再び呪祭拝堂の中に戻ろうとした――その時、
「はああああああ――っ!」
裂帛の気合を上げながら、穿刺雷槍呪術の雷長槍を携えたギャレマスが猛烈なスピードで呪祭拝堂の中から上昇してきた。
魔王は、上昇してきた勢いを緩める事無くダーストに接近し、体勢を整えたばかりで隙が出来た彼の鳩尾に深々と雷長槍の穂を打ち込む。
『……ッ』
「ご先祖様、御覚悟を!」
串刺しにされて僅かに表情を変えたダーストに向けて叫んだギャレマスは、広げた両手の指を鳴らし、そのまま体の前で両掌を激しく打ち合わせた。
そして、カッと目を剥きながら、高らかに宣する。
「風雷混合術式・“極龍雷撃呪術”、今ここに発呪せりッ!」
――その時、不思議な事が起こった――!
――――……
「……って、ちょっと待てい、作者殿……いや、作者! 何が『その時、不思議な事が起こった』だッ!」
いや……だから、この前転移した時にも言ったじゃん? 作中の登場人物が、地の文に話しかけちゃダメだって……。
「ええい、五月蝿いわ! エラルティスに“創造主のお言葉”とやらを伝える事で、さんざん話に干渉しまくっていたお主には言われとうないわッ!」
うっ……。
「……って、そんな事はどうでも良い! お主まさか……この期に及んで、この前のように描写を省いて、それっぽいモノローグだけで済まそうと思っておるのではあるまいな?」
……ギクリ。
「“ギクリ”だと? ――やっぱりそうなのだなッ!」
……黙秘権を行使します。
「おのれ、一度ならず二度までも! やらせんッ、やらせはせんぞッ! ……というか、同じネタを何度も繰り返すのはスベると、先ほどシュータにも突っ込まれていたではないかッ!」
……ちっ、うっせーな (反省してまーす)。
「建前と本音があべこべになっておるぞ! 文句を垂れるではないッ! 此度こそ、キッチリガッツリ描写してもらうぞ、我が最大奥義“極龍雷撃呪術”の形容しがたき壮大さと荘厳さと美麗さを余すところなくな!」
だから……『形容しがたい』から、描写したくないんだよ……めんどくせえから。
「ほら、本音が出た! 面倒くさかろうが何だろうが、今度こそは描写してもらうぞ、良いな!」
あー、ハイハイ。分かりましたー。ガンバリマース。
「……微妙に信が置けぬのだが、その言葉……。まあ良い、くれぐれも頼むぞ、作者殿!」
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