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エピソード7 魔族が来りて法螺を吹く
魔王とビキニアーマーと決意
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楽団が奏でる、どこか煽情的な出囃子の音と共に、舞台袖から姿を現した最初の候補者――。
彼女の姿を一目見た瞬間、観客席から食い入るように身を乗り出していた観衆たちは、一斉に獣のような歓声を上げた。
その鼓膜を突き破りそうな大音声の中、両手を大きく振りながら舞台中央へ進み出る候補者の姿を一目見たギャレマスは愕然とする。
「な……なななななな……何だ、あれは……?」
彼の目に映った候補者の姿は――思わず目を覆いたくなるようなものだった。
……と言っても、『酷い』という方の意味ではない。
寧ろ、その逆。
「な、何だ……! あ、あの……破廉恥極まる格好は……ッ?」
ギャレマスの言葉の通りだった。
明るい照明に照らし出された候補者は、その身に一応鎧を身に纏っている。
だが、その“鎧”は、ギャレマスが見慣れた様なものとは著しく異なっていた。
まず、その表面積が全然違う。
彼女が被っていた兜は、一般的なフルヘルム型ではなく、羽の意匠が施された額当てタイプのものだった。
まあ、それはいい。特に若い女性兵の中には『視界が遮られるから』という理由で、同じような形の簡易的な兜を被る者は少なくない。
腕部には白銀色のガントレットを付け、両脚には同じ金属製の脛当てが付いたブーツを履いていた。それも、特に問題は無い。
……問題は、胴部だった。
本来、どこよりも固く守るべきはずの腹部は――何にも覆われておらず、きめ細かな白い地肌を露わにしていた。
さすがに胸部には、ピッチリとした革製の下地に縫い付けられた装甲を身に着けてはいたものの、その表面積は申し訳程度に双丘を隠す程度しか無い。
腰部も同様で、腰に巻いたベルトに挟んだ、膝丈くらいの白い布を前に垂らしているだけ。その布の生地も随分と薄いようで、履いている下着のような下衣がうっすらと見えてしまっている……。
要するに、今ギャレマスの前に姿を現した“びきにあーまー”とは、“アーマー”という名前とは裏腹に、実用的であるとはとても言い難い代物だったのだ――。
「あ……」
ギャレマスは、ステージの上を凝視しながら、わなわなと口元を震わせた。
そして、カッと目を見開くと、人目も憚らずに声を荒げる。
「あれではまるで、裸も同然ではないか! うら若き女子に、あのような格好をさせるとは……け、けしからんっ!」
「ああ……まったく、けしからん体つきしてんなぁ、ぐひひ……」
「……ッ?」
思わず上げた怒声に応える、下卑た笑い声混じりの声を耳にしたギャレマスは、ギョッとした顔で傍らを見る。
そこには、酒の買い出しから戻って来た髭面の男が、酒瓶をラッパ飲みしながら、だらしない笑みを浮かべて立っていた。
「いいなぁ……あの腰つき。ちょおっと肉がベルトに乗っかっちゃいるが、あのくらい肉の付き具合の方が、抱き心地は良いんだよなぁ……うひひ」
「お……お主!」
ニヤニヤ笑いながらステージを凝視している髭面の男に、ギャレマスは上ずった声をかける。
そして、ステージに立つ候補者を指さして、詰問するような口調で叫んだ。
「あ……アレが、先ほどお主が言っておった“びきにあーまー”とやらかッ?」
「ん? ああ、さっきのオッサンか。おう、そうだぜ」
髭面の男は、険しい表情のギャレマスの事を一瞥すると、あっさりと頷いた。
そして、ニヤリと笑うと、彼の顔を覗き込むようにして訊き返す。
「言ったろ、“いいモン”だって? どうだ、実際に拝んでみて」
「い……良い物……なワケがあるかぁっ!」
髭面男の吐く酒臭い息から顔を背けながら、ギャレマスは激昂した。
「あれが……アレが鎧だというのか、人間族らはッ? あんな防御力の欠片もないような、まるでし……下着のように淫らな服の事を!」
「おいおい。防御力が低いたぁ、聞き捨てならねえなぁ」
ギャレマスの怒声に応じるように声を上げたのは、彼らの背後に立っていた小太りの男だった。
彼は、手にした骨付き肉を一口齧り、くちゃくちゃと音を鳴らして咀嚼しながら、自慢げな顔で言う。
「あれは……二百年くらい前に、タクミ・オカダとかいう名の鎧職人がちゃんとした統計を取った上で、極限まで生存性を保ち、なおかつ素早さを損なわないようにとの製作意図から創り出された、実に合理的な代物なんだぜ?」
「と……統計だと?」
小太りの男の言葉に、ギャレマスは目を剝いた。
「ど、どんな統計を取れば、あんな形状の、弱点剥き出しの鎧が出来上がるというのだッ?」
「なに、単純な事さ」
詰め寄るギャレマスに、小太りの男はまた一口骨付き肉を噛み千切りながら答える。
「オカダはな、戦場の最前線で負傷してから後送された兵士が、どこに傷を負ったのかを調べたんだよ。その結果、負傷箇所が両腕と両脚に集中している事が分かったんだ。――そして、胴体の方には意外に負傷が少ないって事もな」
「はぁ……?」
「だから、オカダはこう考えた訳だ。『負傷する事が多い両腕と両脚の装甲は残し、逆に負傷の少ない胴体の装甲を削れば、敵の攻撃を効率的に防ぎ、鎧の軽量化も図れ、その上敏捷性を上げる事も出来る』ってな。その結果出来上がったのが――あの“ビキニアーマー”よ!」
「そ、そうだったのか……! ……って! い、いやいやいやいや! それはおかしいだろうが!」
小太りの男のドヤ顔に、一瞬“解説”を信じかけたギャレマスだったが、ハッと我に返ると、ブンブンと大きく首を横に振った。
「ふ、胴体に傷を受けた負傷者が多いからといって、『胴体への攻撃が少ない』という訳ではないぞ! むしろ逆だ! 胴体に傷を負った者は後送される前に死んでしまう事が多いから、胴体の負傷者が少ないのだ!」
「……」
「ならば、集中して防御を固めるべきなのは、四肢ではなく胴体だ! あの、び……びきにあーまーは、それとは真逆の事をしておる! 何故、そんな事が分からんのだぁっ!」
「「……いや、知ってるぜ、そんな事くらい」」
「……へ?」
ふたりの口から上がった言葉を聞いたギャレマスは、思わず当惑の表情を浮かべる。
そんな彼を呆れ顔で見ながら、ふたりは同じように肩を竦めた。
「そりゃそうだろ。さすがにオレ達は、そこまでバカじゃねえぜ」
「今言ったのは、オカダがもっともらしくでっち上げた“言い訳”だよ。何とかして、あのビキニアーマーを巷に普及させたいって思うあまりの、な。……まあ、即バレして実用化はされずじまいだけどよ」
「い、言い訳……?」
ふたりの言葉を聞いたギャレマスは、小首を傾げながら尋ねる。
「では……アレは、実際に戦場で採用されている訳ではないのか?」
「「してないしてない」」
ギャレマスの問いに、ふたりは苦笑しながら首を横に振った。
だが、ニヤリといやらしい笑みを浮かべながら言葉を継ぐ。
「まあ……昼間の戦場では不採用だったが、別の戦場では制式採用されたけどな。ひひひ……」
「そうそう……夜の戦場でな、ぐふふ……」
「……っ!」
ふたりの下衆極まる笑みを見て、その意味を悟ったギャレマスの顔は、再び朱に染まった。
「や……やはり破廉恥ではないかッ! け、けしからんっ!」
「まあまあ……そう固い事言うなって、ダンナ」
フルフルと肩を震わせるギャレマスの肩を気安く叩きながら、髭面の男は言う。
「しょうがねえじゃねえかよ。アレが第一次審査だって決めたのは、あそこに座ってる勇者シュータ様だ。オレたちは、厳正な審査をキチンと見届ける義務ってやつがあるんだ。ちゃあんと目を皿にして観てやんないとよぉ……ぐひひ」
「勇者シュータ……」
髭面男の言葉に、ギャレマスはハッと表情を強張らせ、舞台脇に設けられた『審査員席』に腰かけるシュータの顔を見る。
……肌も露わなビキニアーマー姿の候補者の肢体を凝視するシュータの顔はだらしなく緩み、鼻の下はこれ以上なく伸びていた。
(……ッ!)
そのスケベ丸出しのシュータの顔を見た瞬間、ギャレマスは恐ろしい事実に気付く。
(こ……このままでは、さ、サリアとスウィッシュの“びきにあーまー”姿が、この大観衆とシュータの前に晒されてしまう……ッ!)
彼はそう思い至るや、顔面を蒼白にし、慌てて踵を返した。
「え? お、おい、オッサン、どこに行くんだ? まだ、審査は始まったばっかりだぜ?」
背中越しに髭面男の当惑交じりの声が聞こえてくるが、ギャレマスはそれには応えず、群れる観衆を掻き分けながら、ひたすら観客席の端に向かって歩を進める。
(な……何とかして、ふたりの番になる前に、この観客席から出なければ……!)
漆黒のローブの裾を翻しながら急ぎ足で歩くギャレマスの頭の中は、その事だけでいっぱいだった。
髭面男やシュータの浮かべた締まりのない助平面。そんな下心に満ちた彼らの前に、サリアとスウィッシュの半裸を顕わにする事に対し、ギャレマスはどうしても我慢がならなかった。
(まだ嫁入り前のサリアとスウィッシュのあられもない姿を、観衆とシュータの下衆な目に晒す事は、何としても避けねばならぬ! 見せてたまるか!)
清らかなふたりの純潔を守らなければ。――彼は、誇張無しにそう思った。
(――絶対に阻止するぞ! 雷王イラ・ギャレマスの名にかけて!)
魔王として、ひとりの父親として、そして、ひとりの漢として、ギャレマスは決意を固めるのであった――。
彼女の姿を一目見た瞬間、観客席から食い入るように身を乗り出していた観衆たちは、一斉に獣のような歓声を上げた。
その鼓膜を突き破りそうな大音声の中、両手を大きく振りながら舞台中央へ進み出る候補者の姿を一目見たギャレマスは愕然とする。
「な……なななななな……何だ、あれは……?」
彼の目に映った候補者の姿は――思わず目を覆いたくなるようなものだった。
……と言っても、『酷い』という方の意味ではない。
寧ろ、その逆。
「な、何だ……! あ、あの……破廉恥極まる格好は……ッ?」
ギャレマスの言葉の通りだった。
明るい照明に照らし出された候補者は、その身に一応鎧を身に纏っている。
だが、その“鎧”は、ギャレマスが見慣れた様なものとは著しく異なっていた。
まず、その表面積が全然違う。
彼女が被っていた兜は、一般的なフルヘルム型ではなく、羽の意匠が施された額当てタイプのものだった。
まあ、それはいい。特に若い女性兵の中には『視界が遮られるから』という理由で、同じような形の簡易的な兜を被る者は少なくない。
腕部には白銀色のガントレットを付け、両脚には同じ金属製の脛当てが付いたブーツを履いていた。それも、特に問題は無い。
……問題は、胴部だった。
本来、どこよりも固く守るべきはずの腹部は――何にも覆われておらず、きめ細かな白い地肌を露わにしていた。
さすがに胸部には、ピッチリとした革製の下地に縫い付けられた装甲を身に着けてはいたものの、その表面積は申し訳程度に双丘を隠す程度しか無い。
腰部も同様で、腰に巻いたベルトに挟んだ、膝丈くらいの白い布を前に垂らしているだけ。その布の生地も随分と薄いようで、履いている下着のような下衣がうっすらと見えてしまっている……。
要するに、今ギャレマスの前に姿を現した“びきにあーまー”とは、“アーマー”という名前とは裏腹に、実用的であるとはとても言い難い代物だったのだ――。
「あ……」
ギャレマスは、ステージの上を凝視しながら、わなわなと口元を震わせた。
そして、カッと目を見開くと、人目も憚らずに声を荒げる。
「あれではまるで、裸も同然ではないか! うら若き女子に、あのような格好をさせるとは……け、けしからんっ!」
「ああ……まったく、けしからん体つきしてんなぁ、ぐひひ……」
「……ッ?」
思わず上げた怒声に応える、下卑た笑い声混じりの声を耳にしたギャレマスは、ギョッとした顔で傍らを見る。
そこには、酒の買い出しから戻って来た髭面の男が、酒瓶をラッパ飲みしながら、だらしない笑みを浮かべて立っていた。
「いいなぁ……あの腰つき。ちょおっと肉がベルトに乗っかっちゃいるが、あのくらい肉の付き具合の方が、抱き心地は良いんだよなぁ……うひひ」
「お……お主!」
ニヤニヤ笑いながらステージを凝視している髭面の男に、ギャレマスは上ずった声をかける。
そして、ステージに立つ候補者を指さして、詰問するような口調で叫んだ。
「あ……アレが、先ほどお主が言っておった“びきにあーまー”とやらかッ?」
「ん? ああ、さっきのオッサンか。おう、そうだぜ」
髭面の男は、険しい表情のギャレマスの事を一瞥すると、あっさりと頷いた。
そして、ニヤリと笑うと、彼の顔を覗き込むようにして訊き返す。
「言ったろ、“いいモン”だって? どうだ、実際に拝んでみて」
「い……良い物……なワケがあるかぁっ!」
髭面男の吐く酒臭い息から顔を背けながら、ギャレマスは激昂した。
「あれが……アレが鎧だというのか、人間族らはッ? あんな防御力の欠片もないような、まるでし……下着のように淫らな服の事を!」
「おいおい。防御力が低いたぁ、聞き捨てならねえなぁ」
ギャレマスの怒声に応じるように声を上げたのは、彼らの背後に立っていた小太りの男だった。
彼は、手にした骨付き肉を一口齧り、くちゃくちゃと音を鳴らして咀嚼しながら、自慢げな顔で言う。
「あれは……二百年くらい前に、タクミ・オカダとかいう名の鎧職人がちゃんとした統計を取った上で、極限まで生存性を保ち、なおかつ素早さを損なわないようにとの製作意図から創り出された、実に合理的な代物なんだぜ?」
「と……統計だと?」
小太りの男の言葉に、ギャレマスは目を剝いた。
「ど、どんな統計を取れば、あんな形状の、弱点剥き出しの鎧が出来上がるというのだッ?」
「なに、単純な事さ」
詰め寄るギャレマスに、小太りの男はまた一口骨付き肉を噛み千切りながら答える。
「オカダはな、戦場の最前線で負傷してから後送された兵士が、どこに傷を負ったのかを調べたんだよ。その結果、負傷箇所が両腕と両脚に集中している事が分かったんだ。――そして、胴体の方には意外に負傷が少ないって事もな」
「はぁ……?」
「だから、オカダはこう考えた訳だ。『負傷する事が多い両腕と両脚の装甲は残し、逆に負傷の少ない胴体の装甲を削れば、敵の攻撃を効率的に防ぎ、鎧の軽量化も図れ、その上敏捷性を上げる事も出来る』ってな。その結果出来上がったのが――あの“ビキニアーマー”よ!」
「そ、そうだったのか……! ……って! い、いやいやいやいや! それはおかしいだろうが!」
小太りの男のドヤ顔に、一瞬“解説”を信じかけたギャレマスだったが、ハッと我に返ると、ブンブンと大きく首を横に振った。
「ふ、胴体に傷を受けた負傷者が多いからといって、『胴体への攻撃が少ない』という訳ではないぞ! むしろ逆だ! 胴体に傷を負った者は後送される前に死んでしまう事が多いから、胴体の負傷者が少ないのだ!」
「……」
「ならば、集中して防御を固めるべきなのは、四肢ではなく胴体だ! あの、び……びきにあーまーは、それとは真逆の事をしておる! 何故、そんな事が分からんのだぁっ!」
「「……いや、知ってるぜ、そんな事くらい」」
「……へ?」
ふたりの口から上がった言葉を聞いたギャレマスは、思わず当惑の表情を浮かべる。
そんな彼を呆れ顔で見ながら、ふたりは同じように肩を竦めた。
「そりゃそうだろ。さすがにオレ達は、そこまでバカじゃねえぜ」
「今言ったのは、オカダがもっともらしくでっち上げた“言い訳”だよ。何とかして、あのビキニアーマーを巷に普及させたいって思うあまりの、な。……まあ、即バレして実用化はされずじまいだけどよ」
「い、言い訳……?」
ふたりの言葉を聞いたギャレマスは、小首を傾げながら尋ねる。
「では……アレは、実際に戦場で採用されている訳ではないのか?」
「「してないしてない」」
ギャレマスの問いに、ふたりは苦笑しながら首を横に振った。
だが、ニヤリといやらしい笑みを浮かべながら言葉を継ぐ。
「まあ……昼間の戦場では不採用だったが、別の戦場では制式採用されたけどな。ひひひ……」
「そうそう……夜の戦場でな、ぐふふ……」
「……っ!」
ふたりの下衆極まる笑みを見て、その意味を悟ったギャレマスの顔は、再び朱に染まった。
「や……やはり破廉恥ではないかッ! け、けしからんっ!」
「まあまあ……そう固い事言うなって、ダンナ」
フルフルと肩を震わせるギャレマスの肩を気安く叩きながら、髭面の男は言う。
「しょうがねえじゃねえかよ。アレが第一次審査だって決めたのは、あそこに座ってる勇者シュータ様だ。オレたちは、厳正な審査をキチンと見届ける義務ってやつがあるんだ。ちゃあんと目を皿にして観てやんないとよぉ……ぐひひ」
「勇者シュータ……」
髭面男の言葉に、ギャレマスはハッと表情を強張らせ、舞台脇に設けられた『審査員席』に腰かけるシュータの顔を見る。
……肌も露わなビキニアーマー姿の候補者の肢体を凝視するシュータの顔はだらしなく緩み、鼻の下はこれ以上なく伸びていた。
(……ッ!)
そのスケベ丸出しのシュータの顔を見た瞬間、ギャレマスは恐ろしい事実に気付く。
(こ……このままでは、さ、サリアとスウィッシュの“びきにあーまー”姿が、この大観衆とシュータの前に晒されてしまう……ッ!)
彼はそう思い至るや、顔面を蒼白にし、慌てて踵を返した。
「え? お、おい、オッサン、どこに行くんだ? まだ、審査は始まったばっかりだぜ?」
背中越しに髭面男の当惑交じりの声が聞こえてくるが、ギャレマスはそれには応えず、群れる観衆を掻き分けながら、ひたすら観客席の端に向かって歩を進める。
(な……何とかして、ふたりの番になる前に、この観客席から出なければ……!)
漆黒のローブの裾を翻しながら急ぎ足で歩くギャレマスの頭の中は、その事だけでいっぱいだった。
髭面男やシュータの浮かべた締まりのない助平面。そんな下心に満ちた彼らの前に、サリアとスウィッシュの半裸を顕わにする事に対し、ギャレマスはどうしても我慢がならなかった。
(まだ嫁入り前のサリアとスウィッシュのあられもない姿を、観衆とシュータの下衆な目に晒す事は、何としても避けねばならぬ! 見せてたまるか!)
清らかなふたりの純潔を守らなければ。――彼は、誇張無しにそう思った。
(――絶対に阻止するぞ! 雷王イラ・ギャレマスの名にかけて!)
魔王として、ひとりの父親として、そして、ひとりの漢として、ギャレマスは決意を固めるのであった――。
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