194 / 423
エピソード8 謀事魔多し
聖女と策略と囮
しおりを挟む
「……サリア様……、どこ……どちらにいらっしゃいますか?」
朽ちかけた木製の扉を阿鼻叫喚氷晶魔術で粉砕し、勢いよく室内へと駆け入ったスウィッシュだったが、探し求めていた少女の姿が見えない事に当惑と焦燥を感じ、ガランとした薄暗い部屋の奥に向かって何度も声をかける。
だが、相変わらず彼女の呼びかけに応える少女の声は聞こえてこなかった。
「……」
スウィッシュは、顔色を新雪のように真っ白にしながら、よろよろと部屋の中央に向かって歩を進め、そこに落ちていた布地の少ないビキニアーマーを拾い上げた。
それは間違いなく、サリアが着ていたビキニアーマーで、まだ仄かに温もりが残っている。
「さ……サリア様、一体どこへ……」
「……ごめん、スッチー。まんまとエラリィにしてやられたみたいだ」
ビキニアーマーを胸に掻き抱き、その場に力無くへたり込んだスウィッシュに、ジェレミィアがおずおずと声をかけた。
そして、ぐっと唇を噛み、悔しげに顔を歪める。
「……多分、エラリィは、自分がサッちゃんを攫った事を知ったアタシたちが魔王さんに協力する事を予想してたんだと思う。更に、アタシの鼻で追跡する事も見越した上で、サッちゃんが着ていたビキニアーマーをここに置いておいて、もう誰もいないこの場所に誘き寄せたんだ」
彼女はそう言うと、自分たちが入って来た入り口の向こうに目を遣り、先ほど入り口で隻眼の男と交わした会話を思い返した。
――『この建物の中に、娘なんかいないぜ』
「――あれは、嘘じゃなかったんだ。あいつらは、アタシたちを少しでも長くここに足止めする為だけの目的でエラリィに雇われた――囮だったって事か。誤算だったね……」
ジェレミィアは、そう苦々しげに呟くと、自分の傍らに立っている、ピンク色に塗られた二枚の大きな扉を見上げた。
「……もうひとつのアタシたちの誤算は、エラリィが使った“いずこでも扉”が一対だけだと思い込んでた事。まさか……聖遺物の“いずこでも扉”が、もう一対あったなんて……」
「……」
「エラリィは、あの控室にあった“いずこでも扉”から、まずこの部屋に転移して、サッちゃんのビキニアーマーを脱がせてここに捨てた後、もう一枚の“いずこでも扉”から、更に別の場所に転移していったんだ……」
「……どこ!」
それまで黙ってジェレミィアの言葉を聞いていたスウィッシュが、突然叫んで勢いよく立ち上がった。
そして、その剣幕に驚いて目を丸くするジェレミィアの襟元を掴みながら、必死の形相で詰め寄る。
「“別の場所”って、一体どこッ? サリア様がいる場所はどこなのっ!」
「それは……」
今にも零れ落ちそうな涙を目尻に浮かべながら尋ねるスウィッシュを前に、ジェレミィアは沈痛な表情を浮かべる。
そして、顔を上向かせてスンスンと鼻を鳴らすが……すぐに力無く首を横に振った。
「……ゴメン。ここまで来るまでに結構頑張り過ぎたみたいで、嗅覚が随分と鈍っちゃってる……」
「え……?」
「サッちゃんとエラリィがここから半径五ケイム以内のどこかにいる事は確かだけど……それ以上は分からない……。ごめん、スッチー……」
「そ……そんな……」
ジェレミィアの言葉を聞いたスウィッシュは、落胆して項垂れた。
だが、すぐにキッと顔を上げると、ジェレミィアの傍らにあった“いずこでも扉”を勢いよく開け放つ。
「ッ……!」
そして、開いた扉の中に手を伸ばし、既に七色の膜が張っていて通り抜け出来ない事を確認すると、もうひとつの方の扉を乱暴に開けた。
――だが、
「……くっ!」
もうひとつの扉も、さっき開けた扉と同じ状態になっているのを見たスウィッシュは、今にも泣きだしそうな表情を浮かべると、その場でがくりと膝を落とす。
そして、手に持っていたサリアのビキニアーマーを胸に抱きしめながら、そのまま猫のように背を丸めた。
「す……スッチー……大丈夫……?」
「……う、うう……うううぅぅぅ~……」
小さく丸まった背中をさすりながら、おずおずとかけられたジェレミィアの気遣いの声も聞こえぬ様子で、スウィッシュは肩を震わせながら嗚咽する。
「嫌です……サリア様……あなたが、いなくなってしまうなんて……あたしが、ちゃんとあなたを守ってあげられなくって……」
「スッチー……」
「……申し訳ございません……陛下……!」
漆喰壁に四方を囲まれた薄暗い部屋の中に、悔恨と自責に塗れた少女の嗚咽がいつまでも響き渡っていた――。
◆ ◆ ◆ ◆
一方、その頃――。
「うふふふふ……」
ジェレミィアたちが押し入った廃精製所から数ケイムほど離れた草原の中にある、とある廃寺院の前庭に並んだ風化した墓石のひとつに腰を下ろし、ポシェットから真っ赤な口紅を取り出したエラルティスは、不敵な含み笑いを浮かべていた。
「そろそろ、あの無乳氷女と狼女は、わらわの用意した心からのおもてなしを堪能してくれてる頃かしら?」
そう愉しげに呟きながら、彼女は自分の唇に口紅を塗る。
そして、神官服の隠しに手を入れると、今度は金色に輝く豪奢な懐中時計を取り出した。
繊細な彫刻の施された上蓋を開け、現在時刻を確認したエラルティスは、満足げにほくそ笑む。
「あともう一時間もすれば、あの御方たちがここに着きますわ。わらわの計算では、ジェレミィアの異常な嗅覚であそこから魔王の娘の匂いを追ったとしても、一時間以内にここを嗅ぎつけるのは到底不可能……」
そう独り言つと、彼女は口元に手の甲を当てながら、高らかに嘲笑った。
「おーほっほっほっ! ここまで全て、わらわの計画通りですわ! さっすが聖女。頭脳の冴えに、我ながら惚れ惚れしますわ~!」
そして、エラルティスは傍らに置いていたガラスのゴブレットを手に持ち、満天の夜空に向けて高く掲げた。
「少し気が早いかもしれませんけれど、祝杯を上げる事にしましょう」
ガラスのゴブレットになみなみと満ちたワインの赤色越しに暗黒の夜空に瞬く星を透かし見ながら、彼女はうっとりとした表情を浮かべ、「綺麗……」と嘆息する。
そして、ゴブレットの縁に口を付けると、こくんと喉を鳴らしてワインを飲み干した。
「……ふぅ」
エラルティスは、艶っぽい吐息を漏らしながら空になったゴブレットを置き、仄かに紅く染まった頬を緩ませる。
そして、満天の星空の中で時折光り躍る稲妻を眺めながら、満足げに言葉を継いだ。
「伝説の魔王の稲妻が夜空で輝くのを眺めながら、その娘を掌中に収めた事を祝って頂くお酒……とってもとっても美味しいですわぁ……うふふふ」
朽ちかけた木製の扉を阿鼻叫喚氷晶魔術で粉砕し、勢いよく室内へと駆け入ったスウィッシュだったが、探し求めていた少女の姿が見えない事に当惑と焦燥を感じ、ガランとした薄暗い部屋の奥に向かって何度も声をかける。
だが、相変わらず彼女の呼びかけに応える少女の声は聞こえてこなかった。
「……」
スウィッシュは、顔色を新雪のように真っ白にしながら、よろよろと部屋の中央に向かって歩を進め、そこに落ちていた布地の少ないビキニアーマーを拾い上げた。
それは間違いなく、サリアが着ていたビキニアーマーで、まだ仄かに温もりが残っている。
「さ……サリア様、一体どこへ……」
「……ごめん、スッチー。まんまとエラリィにしてやられたみたいだ」
ビキニアーマーを胸に掻き抱き、その場に力無くへたり込んだスウィッシュに、ジェレミィアがおずおずと声をかけた。
そして、ぐっと唇を噛み、悔しげに顔を歪める。
「……多分、エラリィは、自分がサッちゃんを攫った事を知ったアタシたちが魔王さんに協力する事を予想してたんだと思う。更に、アタシの鼻で追跡する事も見越した上で、サッちゃんが着ていたビキニアーマーをここに置いておいて、もう誰もいないこの場所に誘き寄せたんだ」
彼女はそう言うと、自分たちが入って来た入り口の向こうに目を遣り、先ほど入り口で隻眼の男と交わした会話を思い返した。
――『この建物の中に、娘なんかいないぜ』
「――あれは、嘘じゃなかったんだ。あいつらは、アタシたちを少しでも長くここに足止めする為だけの目的でエラリィに雇われた――囮だったって事か。誤算だったね……」
ジェレミィアは、そう苦々しげに呟くと、自分の傍らに立っている、ピンク色に塗られた二枚の大きな扉を見上げた。
「……もうひとつのアタシたちの誤算は、エラリィが使った“いずこでも扉”が一対だけだと思い込んでた事。まさか……聖遺物の“いずこでも扉”が、もう一対あったなんて……」
「……」
「エラリィは、あの控室にあった“いずこでも扉”から、まずこの部屋に転移して、サッちゃんのビキニアーマーを脱がせてここに捨てた後、もう一枚の“いずこでも扉”から、更に別の場所に転移していったんだ……」
「……どこ!」
それまで黙ってジェレミィアの言葉を聞いていたスウィッシュが、突然叫んで勢いよく立ち上がった。
そして、その剣幕に驚いて目を丸くするジェレミィアの襟元を掴みながら、必死の形相で詰め寄る。
「“別の場所”って、一体どこッ? サリア様がいる場所はどこなのっ!」
「それは……」
今にも零れ落ちそうな涙を目尻に浮かべながら尋ねるスウィッシュを前に、ジェレミィアは沈痛な表情を浮かべる。
そして、顔を上向かせてスンスンと鼻を鳴らすが……すぐに力無く首を横に振った。
「……ゴメン。ここまで来るまでに結構頑張り過ぎたみたいで、嗅覚が随分と鈍っちゃってる……」
「え……?」
「サッちゃんとエラリィがここから半径五ケイム以内のどこかにいる事は確かだけど……それ以上は分からない……。ごめん、スッチー……」
「そ……そんな……」
ジェレミィアの言葉を聞いたスウィッシュは、落胆して項垂れた。
だが、すぐにキッと顔を上げると、ジェレミィアの傍らにあった“いずこでも扉”を勢いよく開け放つ。
「ッ……!」
そして、開いた扉の中に手を伸ばし、既に七色の膜が張っていて通り抜け出来ない事を確認すると、もうひとつの方の扉を乱暴に開けた。
――だが、
「……くっ!」
もうひとつの扉も、さっき開けた扉と同じ状態になっているのを見たスウィッシュは、今にも泣きだしそうな表情を浮かべると、その場でがくりと膝を落とす。
そして、手に持っていたサリアのビキニアーマーを胸に抱きしめながら、そのまま猫のように背を丸めた。
「す……スッチー……大丈夫……?」
「……う、うう……うううぅぅぅ~……」
小さく丸まった背中をさすりながら、おずおずとかけられたジェレミィアの気遣いの声も聞こえぬ様子で、スウィッシュは肩を震わせながら嗚咽する。
「嫌です……サリア様……あなたが、いなくなってしまうなんて……あたしが、ちゃんとあなたを守ってあげられなくって……」
「スッチー……」
「……申し訳ございません……陛下……!」
漆喰壁に四方を囲まれた薄暗い部屋の中に、悔恨と自責に塗れた少女の嗚咽がいつまでも響き渡っていた――。
◆ ◆ ◆ ◆
一方、その頃――。
「うふふふふ……」
ジェレミィアたちが押し入った廃精製所から数ケイムほど離れた草原の中にある、とある廃寺院の前庭に並んだ風化した墓石のひとつに腰を下ろし、ポシェットから真っ赤な口紅を取り出したエラルティスは、不敵な含み笑いを浮かべていた。
「そろそろ、あの無乳氷女と狼女は、わらわの用意した心からのおもてなしを堪能してくれてる頃かしら?」
そう愉しげに呟きながら、彼女は自分の唇に口紅を塗る。
そして、神官服の隠しに手を入れると、今度は金色に輝く豪奢な懐中時計を取り出した。
繊細な彫刻の施された上蓋を開け、現在時刻を確認したエラルティスは、満足げにほくそ笑む。
「あともう一時間もすれば、あの御方たちがここに着きますわ。わらわの計算では、ジェレミィアの異常な嗅覚であそこから魔王の娘の匂いを追ったとしても、一時間以内にここを嗅ぎつけるのは到底不可能……」
そう独り言つと、彼女は口元に手の甲を当てながら、高らかに嘲笑った。
「おーほっほっほっ! ここまで全て、わらわの計画通りですわ! さっすが聖女。頭脳の冴えに、我ながら惚れ惚れしますわ~!」
そして、エラルティスは傍らに置いていたガラスのゴブレットを手に持ち、満天の夜空に向けて高く掲げた。
「少し気が早いかもしれませんけれど、祝杯を上げる事にしましょう」
ガラスのゴブレットになみなみと満ちたワインの赤色越しに暗黒の夜空に瞬く星を透かし見ながら、彼女はうっとりとした表情を浮かべ、「綺麗……」と嘆息する。
そして、ゴブレットの縁に口を付けると、こくんと喉を鳴らしてワインを飲み干した。
「……ふぅ」
エラルティスは、艶っぽい吐息を漏らしながら空になったゴブレットを置き、仄かに紅く染まった頬を緩ませる。
そして、満天の星空の中で時折光り躍る稲妻を眺めながら、満足げに言葉を継いだ。
「伝説の魔王の稲妻が夜空で輝くのを眺めながら、その娘を掌中に収めた事を祝って頂くお酒……とってもとっても美味しいですわぁ……うふふふ」
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる