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第四章 Cross Thought
【回想】白と黒
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夜になり、激しい吹雪はやんだ。
雪に覆い尽くされた一面の白の中で、一カ所だけぶすぶすと音を立てる黒の一角があった。
燃え尽き、すっかり炭化した突き出た柱や崩れ落ちた壁材から、それがかつては小さな家だった事が辛うじて分かる。
まだ燻る、家のなれの果てに足を踏み込み、近所の住民は必死で何かを探している。
そして――、
「おーい! あった……いや、いたぞ!」
住民の一人が手を挙げて、他の住民を呼び寄せる。
「――! ああ……酷いな、こりゃ……」
「うう……可哀相に……」
「あまり乱暴に動かすな! 崩れるぞ!」
住民たちは、悲嘆に暮れ、ある者は涙を流しながら、それの収容作業を行う。
彼らは、急造の担架にそれを慎重に乗せ、焼け跡の外へと運び出した。
「……アザレアちゃん……大丈夫かい?」
近所のおばさんに優しく声をかけられ、泥まみれのひどい格好のまま佇んでいたアザレアは、まるで操り人形のようなぎこちない動きで、顔を上げる。
「……うん、大丈夫」
その言葉とは裏腹に、彼女の緋色の目は、生気を喪った虚ろな光を放っていた。
おばさんは、彼女の肩に優しく手を置き、ゆっくりと言った。
「アザレアちゃん……気をしっかり持ってね――お姉さんが、見つかったわ。……でも……で……も……」
おばさんの言葉は、途中で途切れ、嗚咽へと変わった。
もっとも、言われずとも、その先に続く言葉は十分に想像がついた。
「アザリー……、俺が確認するから――。お前は見なくてもいいからな……」
ずっと彼女に付き添っていたジャスが、彼女の耳元で静かに囁く。そして、担架の方へ足を進め――
「……ジャス……大丈夫」
彼の手を、アザレアの手ががっしりと掴む。彼女の手は、氷のように冷たかった。
アザレアは、ジャスの目をしっかりと見据えていた。その潤んだ瞳は、先程とは違って、強い意志の光が宿っている。
「私も……見届ける」
彼女の言葉を聞いて、ジャスは一瞬躊躇したが、彼女の目を見て、小さく頷いた。
「分かった……行こう」
彼は、彼女の手を引き、担架の方へ歩き出す。
ジャスの手に握られたアザレアの手が、ブルブルと震えている。それはきっと――寒さのせいではない。
ふたりは、地面に置かれた担架の前に辿り着くと、膝をつく。
担架の上には、大きな布が掛けられていて、その下に横たえられているものは隠されていた。
「――大丈夫か? まだ小さいのに……」
「おじょうちゃん……無理はしなくていいんだからな。確認するだけなら、隣の坊主だけでも――」
「大丈夫! ……私が見ないと……いけな……い……」
アザレアは、きっと眦を上げて叫んだが、その勢いは尻すぼみになり、その代わりに両眼から二粒、透明な滴が零れ落ちる。
大人たちは顔を見合わせるが、
「いい……俺が支えるから。――顔を見せてやって」
彼女の肩を支えたジャスの一言で、
「――分かった……」
頷き、掛けられた布の端を持ち上げる。
「……覚悟はいいな」
最後に、そう念押しして、一気に布を翻した。
「!…………」
「――――!」
それを見たふたりは、呼吸する事も忘れた。
彼女たちの目の前に横たわるものは……ただの人型をした炭だった。
上に球体状ののものが付いていて、それが頭部だろうというのは理解できたが、顔の形状はまったく分からない。二つ並んだ虚が目で、その下にぽっかり空いた穴が口――その程度の判別しか出来なかった。
両手は、胸の前で固く握られ、まるで神に祈りを捧げているよう……。
「あは……あはは……」
「! ……あ、アザリー……?」
突然、虚ろな笑い声を上げ始めたアザレアに、ジャスは戸惑いながら、心配げに声をかける。
「もういい! アザリー……もう、戻ろ――」
「違うよ! こんなの……姉様じゃない!」
肩にかけられたジャスの手を撥ね除け、アザレアは満面の笑顔で叫んだ。
「だって……、姉様はこんなに小さくないし!」
「……アザリー。違わない……人は燃えると――」
「それに――、あのキレイな姉様が、こんな土人形みたいな顔になる訳――ないでしょ!」
「…………」
ジャスは……いや、この場にいた全ての人間が、アザレアの言葉に絶句した。
「だから、この人は違う人! 姉様は、きっとどこかに逃げてて無事なの! そうに決まってる!」
狂気を孕んだ目で、一方的に捲し立てるアザレアに、誰も声をかける者は――否、かけられる者はいなかった。
「だから、これはニセ物――!」
そう叫んで、アザレアは足元の焼死体を蹴飛ばした。
「あ――! 何を――!」
周囲の者は、慌てて彼女を羽交い締めにする。彼女に蹴飛ばされた焼死体は、担架から転げ落ちた。
固まっていたジャスが、慌てて焼死体の元へ屈み込み――、
「――? 何だ……?」
その右手が、何かをきつく握り込んでいる事に気が付いた。
ジャスは微かに震えながら、慎重に焼死体の指を開き、握っていたものを取り出す。
「これは……髪留め……?」
炎に晒され、黒く変色していたが、それは確かに、真ん中に赤い宝石が嵌まった銀製の髪留めだった。
「――髪留め……?」
アザレアは、その言葉にハッとすると、羽交い締めにされていた大人の腕を撥ね除け、ジャスの元に駈け寄り、彼の手にあるそれをひったくった。
目を見開いて、その髪留めを凝視する。
「――これは……姉様の……!」
アザレアの脳裏に、かつての光景が浮かんだ――。
……………………
『ねーねー、姉様! これ、すごくキレイ!』
『あ、これは母様からもらった髪留めよ』
『赤い宝石がかわいいー! 姉様、これちょうだい!』
『うーん、今のアザリーにはまだ早いかな~?』
『えー、欲しいよう!』
『だって、それは母様の形見なんですもの。私にとって大事な物なの……ごめんね』
『……そうかぁ……』
『そんなにしょんぼりしないで。あげないとは言ってないわ。そうね……アザリーが今の私と同じくらいになったら、あなたにあげるわね』
『うん! 分かった! 姉様、ありがとー!』
……………………
「…………姉様の……髪留めだ……」
アザレアは、愕然として呟いた。そして、唐突に理解する。
――この黒焦げの死体は、美しかった姉のなれの果てだ――と。
「うあ……うあああああああああああああああああああああっ!」
理解した瞬間、絶叫が彼女の口から止めどもなく溢れ出た。
―――――――。
「うあ……うあああああああああああああああああああああっ!」
アザレアは、自分の発した絶叫で跳ね起きた。
荒い息で肩を激しく上下させながら、頭を抱える。
(――夢か……)
徐々に冷静さを取り戻し、またあの悪夢を見たのだ、と理解する。
掌で顔に触れると、その頬は涙でぐっしょりと濡れていた。
彼女は、深くため息を吐くと、ベッドから起き上がり、夥しい量の化粧品や茶髪の鬘などで溢れかえるドレッサーの前に腰掛ける。
そして、化粧品と一緒においてある水差しからコップに水を注ぎ、一気に飲み干した。
(何回、あの日の夢を見ただろう……)
彼女は、ドレッサーの鏡に映る、自分の顔を見つめた。時が経ち、あの日の姉と同じ年齢になった自分の顔を。
(――姉様と違って、怖い顔だこと)
彼女は皮肉げに、その美しい口元を歪める。
そして、彼女は、ドレッサーの引き出しを開けた。その中に大切に仕舞っていた、赤い宝石が嵌め込まれている黒焦げの髪留めを取り出す。
『そうね……アザリーが今の私と同じくらいになったら、あなたにあげるわね』
かつての姉の言葉が脳裏に蘇る。
「姉様、あの日の約束通り、貰うわね……」
そう呟き、アザレアは髪留めを自分の真紅の髪に挿してみた。
彼女の髪の燃える炎のような鮮やかな紅に、焼け焦げた髪留めの黒は、何故か不思議と馴染んで映える。
「……似合うかしら、姉様」
微笑もうとして、両眼から涙が零れた。
(姉様……もう少しで、あなたの仇を討つ事が出来るわ。待っていて……)
雪に覆い尽くされた一面の白の中で、一カ所だけぶすぶすと音を立てる黒の一角があった。
燃え尽き、すっかり炭化した突き出た柱や崩れ落ちた壁材から、それがかつては小さな家だった事が辛うじて分かる。
まだ燻る、家のなれの果てに足を踏み込み、近所の住民は必死で何かを探している。
そして――、
「おーい! あった……いや、いたぞ!」
住民の一人が手を挙げて、他の住民を呼び寄せる。
「――! ああ……酷いな、こりゃ……」
「うう……可哀相に……」
「あまり乱暴に動かすな! 崩れるぞ!」
住民たちは、悲嘆に暮れ、ある者は涙を流しながら、それの収容作業を行う。
彼らは、急造の担架にそれを慎重に乗せ、焼け跡の外へと運び出した。
「……アザレアちゃん……大丈夫かい?」
近所のおばさんに優しく声をかけられ、泥まみれのひどい格好のまま佇んでいたアザレアは、まるで操り人形のようなぎこちない動きで、顔を上げる。
「……うん、大丈夫」
その言葉とは裏腹に、彼女の緋色の目は、生気を喪った虚ろな光を放っていた。
おばさんは、彼女の肩に優しく手を置き、ゆっくりと言った。
「アザレアちゃん……気をしっかり持ってね――お姉さんが、見つかったわ。……でも……で……も……」
おばさんの言葉は、途中で途切れ、嗚咽へと変わった。
もっとも、言われずとも、その先に続く言葉は十分に想像がついた。
「アザリー……、俺が確認するから――。お前は見なくてもいいからな……」
ずっと彼女に付き添っていたジャスが、彼女の耳元で静かに囁く。そして、担架の方へ足を進め――
「……ジャス……大丈夫」
彼の手を、アザレアの手ががっしりと掴む。彼女の手は、氷のように冷たかった。
アザレアは、ジャスの目をしっかりと見据えていた。その潤んだ瞳は、先程とは違って、強い意志の光が宿っている。
「私も……見届ける」
彼女の言葉を聞いて、ジャスは一瞬躊躇したが、彼女の目を見て、小さく頷いた。
「分かった……行こう」
彼は、彼女の手を引き、担架の方へ歩き出す。
ジャスの手に握られたアザレアの手が、ブルブルと震えている。それはきっと――寒さのせいではない。
ふたりは、地面に置かれた担架の前に辿り着くと、膝をつく。
担架の上には、大きな布が掛けられていて、その下に横たえられているものは隠されていた。
「――大丈夫か? まだ小さいのに……」
「おじょうちゃん……無理はしなくていいんだからな。確認するだけなら、隣の坊主だけでも――」
「大丈夫! ……私が見ないと……いけな……い……」
アザレアは、きっと眦を上げて叫んだが、その勢いは尻すぼみになり、その代わりに両眼から二粒、透明な滴が零れ落ちる。
大人たちは顔を見合わせるが、
「いい……俺が支えるから。――顔を見せてやって」
彼女の肩を支えたジャスの一言で、
「――分かった……」
頷き、掛けられた布の端を持ち上げる。
「……覚悟はいいな」
最後に、そう念押しして、一気に布を翻した。
「!…………」
「――――!」
それを見たふたりは、呼吸する事も忘れた。
彼女たちの目の前に横たわるものは……ただの人型をした炭だった。
上に球体状ののものが付いていて、それが頭部だろうというのは理解できたが、顔の形状はまったく分からない。二つ並んだ虚が目で、その下にぽっかり空いた穴が口――その程度の判別しか出来なかった。
両手は、胸の前で固く握られ、まるで神に祈りを捧げているよう……。
「あは……あはは……」
「! ……あ、アザリー……?」
突然、虚ろな笑い声を上げ始めたアザレアに、ジャスは戸惑いながら、心配げに声をかける。
「もういい! アザリー……もう、戻ろ――」
「違うよ! こんなの……姉様じゃない!」
肩にかけられたジャスの手を撥ね除け、アザレアは満面の笑顔で叫んだ。
「だって……、姉様はこんなに小さくないし!」
「……アザリー。違わない……人は燃えると――」
「それに――、あのキレイな姉様が、こんな土人形みたいな顔になる訳――ないでしょ!」
「…………」
ジャスは……いや、この場にいた全ての人間が、アザレアの言葉に絶句した。
「だから、この人は違う人! 姉様は、きっとどこかに逃げてて無事なの! そうに決まってる!」
狂気を孕んだ目で、一方的に捲し立てるアザレアに、誰も声をかける者は――否、かけられる者はいなかった。
「だから、これはニセ物――!」
そう叫んで、アザレアは足元の焼死体を蹴飛ばした。
「あ――! 何を――!」
周囲の者は、慌てて彼女を羽交い締めにする。彼女に蹴飛ばされた焼死体は、担架から転げ落ちた。
固まっていたジャスが、慌てて焼死体の元へ屈み込み――、
「――? 何だ……?」
その右手が、何かをきつく握り込んでいる事に気が付いた。
ジャスは微かに震えながら、慎重に焼死体の指を開き、握っていたものを取り出す。
「これは……髪留め……?」
炎に晒され、黒く変色していたが、それは確かに、真ん中に赤い宝石が嵌まった銀製の髪留めだった。
「――髪留め……?」
アザレアは、その言葉にハッとすると、羽交い締めにされていた大人の腕を撥ね除け、ジャスの元に駈け寄り、彼の手にあるそれをひったくった。
目を見開いて、その髪留めを凝視する。
「――これは……姉様の……!」
アザレアの脳裏に、かつての光景が浮かんだ――。
……………………
『ねーねー、姉様! これ、すごくキレイ!』
『あ、これは母様からもらった髪留めよ』
『赤い宝石がかわいいー! 姉様、これちょうだい!』
『うーん、今のアザリーにはまだ早いかな~?』
『えー、欲しいよう!』
『だって、それは母様の形見なんですもの。私にとって大事な物なの……ごめんね』
『……そうかぁ……』
『そんなにしょんぼりしないで。あげないとは言ってないわ。そうね……アザリーが今の私と同じくらいになったら、あなたにあげるわね』
『うん! 分かった! 姉様、ありがとー!』
……………………
「…………姉様の……髪留めだ……」
アザレアは、愕然として呟いた。そして、唐突に理解する。
――この黒焦げの死体は、美しかった姉のなれの果てだ――と。
「うあ……うあああああああああああああああああああああっ!」
理解した瞬間、絶叫が彼女の口から止めどもなく溢れ出た。
―――――――。
「うあ……うあああああああああああああああああああああっ!」
アザレアは、自分の発した絶叫で跳ね起きた。
荒い息で肩を激しく上下させながら、頭を抱える。
(――夢か……)
徐々に冷静さを取り戻し、またあの悪夢を見たのだ、と理解する。
掌で顔に触れると、その頬は涙でぐっしょりと濡れていた。
彼女は、深くため息を吐くと、ベッドから起き上がり、夥しい量の化粧品や茶髪の鬘などで溢れかえるドレッサーの前に腰掛ける。
そして、化粧品と一緒においてある水差しからコップに水を注ぎ、一気に飲み干した。
(何回、あの日の夢を見ただろう……)
彼女は、ドレッサーの鏡に映る、自分の顔を見つめた。時が経ち、あの日の姉と同じ年齢になった自分の顔を。
(――姉様と違って、怖い顔だこと)
彼女は皮肉げに、その美しい口元を歪める。
そして、彼女は、ドレッサーの引き出しを開けた。その中に大切に仕舞っていた、赤い宝石が嵌め込まれている黒焦げの髪留めを取り出す。
『そうね……アザリーが今の私と同じくらいになったら、あなたにあげるわね』
かつての姉の言葉が脳裏に蘇る。
「姉様、あの日の約束通り、貰うわね……」
そう呟き、アザレアは髪留めを自分の真紅の髪に挿してみた。
彼女の髪の燃える炎のような鮮やかな紅に、焼け焦げた髪留めの黒は、何故か不思議と馴染んで映える。
「……似合うかしら、姉様」
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