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第九章 Lakeside Woman Blues
最低男とオトメの憤怒
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フルスイングでカミソリオオコウモリを全て打ち飛ばしたジャスミンは、くるりと振り返ると、あんぐりと口を開けてオオコウモリの飛んでいった夜空を見上げていたウィローモに向かって突進する。
「え――! ちょ、待っ――!」
ウィローモは、腰を掛けていた瓦礫から尻を浮かせると、慌てた様子で両手を前に出して振る。
「話せば――話せば分かる……!」
「問答無用~!」
ジャスミンは、ウィローモの言葉を一言で切り捨てると、無ジンノヤイバの柄を一叩き。マゼンタ色の大棍棒は、肉厚の刃の長剣に姿を変えた。
ジャスミンとウィローモの間には、床の裂け目がパックリと口を開けている。
「うおおおっ!」
裂け目を一気に跳び越そうと、雄叫びを上げながら、ジャスミンが床を蹴る。
――と、
「ギガアアアアアアッ!」
耳を劈く咆哮と共に、彼の目の前に巨大な水柱が上がる。
その正体は、額にウィローモの細剣を刺されたまま、怒りと苦悶と激痛にのたうち回る大水龍だった。
そして、その長く太い首には、
「ぷ――ぷはあっ! 危ねえ、もうちょいで俺の方が窒息死するトコだったぁ~!」
丸太の様な両腕をガッチリと組んで、締め上げているヒースがぶら下がっていた。
「お? オッサン、生きてたのかよ! てっきり、もう――」
「ん? この俺が、この程度でくたばるかよ? まあ、ちいっと太腿を囓られちまったがな……ガハハ!」
大水龍の首を締め上げ続けながら、豪快に笑うヒース。――確かに、彼の右大腿は大きく抉られ、真っ赤な鮮血に塗れている。
「……ギャアアアアア!」
大水龍の絶叫が、空気をビリビリと震わせる。何とかして首に纏わりつく邪魔者を振り払わんと暴れ回るが、ヒースが太い腕でガッチリと組み付いて離さない。
が、目の前で巨大な大水龍の首が不規則にのたうち回っていては、ジャスミンもウィローモの所まで踏み込めない。
が、
「ギィエエエ!」
大水龍が、一際大きな咆哮を上げ、首を床に擦り付ける。これには、ヒースも堪らず、大水龍の首に回していた腕を離して床への直撃を避ける。
「チッ! もうちょいでオトせそうだったのに!」
ヒースは、舌打ちをして立ち上がろうとするが、抉られた右太腿に力が入らず、思うようにいかない。
「クソッ……! これじゃ、水中で戦り続けた方が良かったか?」
「パーム! オッサンのケガをハラエで…………て、何ボーッとしてるんだよ!」
振り返って、パームの姿を目で探したジャスミンだったが、目をまん丸にして立ち竦んだままの彼を見つけて、呆れ声をあげる。
声に気付いたパームは、ジャスミンの方を向くや、たちまち顔を真っ赤っ赤にして、
「あ……いや、突然の事で……おど、驚いて……! だって……ジャスミンさんと……アザレアさんが……いきなり、せ……せ……接ぷ――」
「あああああああああっ!」
パームの言葉を遮る様に、劈く様な絶叫が、大水龍の咆哮をも掻き消す声量で轟いた。
「止めてッ! それ以上……言わないで!」
アザレアは、パームを鋭い言葉で制すると、怒りと涙で紅い目をギラギラと輝かせて、ジャスミンを睨みつける。
ジャスミンは、彼女の視線に気付くと、軽い調子で頭を下げる。
「あ、アザリー、悪い悪い。いやぁ、減ったユーキを増やす為に、ちょっと唇を借りたよ~。キスして性よ……精力を増せばユーキとショーキも増えるんじゃないか、と思ってさ。見事に勘が当たったみたい――って、おおっ?」
自慢げに話すジャスミン目がけて、風を切って長鞭が叩き付けられる。危うく躱すジャスミン。
「あ……アザリー? な……何を――?」
「……最ッ低!」
憤怒のオーラをメラメラと背後に揺らめかせながら、ゴミを見る目でジャスミンを見据えるアザレア。
ジャスミンは、その目の冷たさに寒気を覚えながら、必死で彼女を執り成そうとする。
「……いや、ごめん、ごめんって! でも、いいじゃん、キスのひとつやふたつ……! 減るもんじゃないんだからさ! アザリーだって、初めてだった訳でもあるま……」
軽く流そうと喋るジャスミンの声が、急に途切れた。彼女がここまで激怒するに相応しい理由を思い付いたからだ。
ジャスミンは、恐る恐るアザレアに訊ねる。
「……アザリー……ひょっとして、さっきのが……初めて……?」
「――死ねええええッ!」
彼女の返事は、次々と繰り出されてくる鞭打の嵐だった。
「わ――! わ――っ! ちょ、ちょっと……マジでゴメン! まさか、まだ未経験だとは……て、ちょま……一旦落ち着こ! ね!」
アザレアの苛烈な攻撃から逃げ惑いながら、必死で謝罪と説得を試みるジャスミン。……だが、アザレアの怒りは治まらない。
「……火を統べし フェイムの息吹 命の炎 我が手に宿り 全てを燃やせーッ!」
「わわわわ! ちょ、待てよ! 炎鞭はマジでヤバい!」
劫火に包まれた長鞭を目にして、ジャスミンは覿面に焦った。咄嗟に、目の前に横たわる大きな物の陰に飛び込んで隠れる。
取り敢えず一息吐いて、疲労感を覚えたジャスミンは、
「――こ、これで一安心……て、アレ……このヌメヌメした生臭い……鱗に覆われたモノって……」
隠れたモノに触れて、その異様な感触に違和感と嫌な予感を覚え、恐る恐るそのモノに視線を這わせる。
そして、黄色にギラギラ光る、細い瞳孔の巨大な目玉と目が合った。
「……………………あ、こんにちは~……お疲れ様でーす」
「ゴアアアアアアアッ!」
冷や汗が噴き出しながら、愛想笑いを浮かべたジャスミンに、威嚇の咆哮で応えた大水龍は、首を撓らせてジャスミンを撥ね飛ばした。
大水龍の一撃で、ジャスミンの身体は、大きく弾みながら10エイム程転がり、彼は背中を強かに打ちつけて悶絶した。
「痛っつつつつ……」
「ジャスミンさんっ! 危ないっ!」
背中を押さえながら蹲るジャスミンに、パームが悲鳴の混ざった叫びを上げる。
その声に応じて、顔を上げたジャスミンの視界いっぱいに広がるのは、鋭い牙が生え揃った、大水龍の口腔だった。
目を剥いて固まってしまったジャスミンの身体を呑み込もうと、大水龍が首を伸ばす――。
次の瞬間、
「ジャ・マ・ッ!」
アザレアのドスの効いた叫びと共に、飛んできた炎鞭が、大水龍の太い首に絡みつき、炎の勢いを増して燃え盛る。
「アアアギャアアアアアッ!」
大水龍の硬い鱗も、炎鞭の豪炎が放つ高温には耐え兼ねた。生身の肉が焼ける焦げ臭く、かつ生臭い臭いが、黒い煙と共に立ち上る。
茫然と大水龍の七転八倒の様を眺めるだけだったジャスミンは、ハッと我に返ると、ヒースに向かって叫んだ。
「オッサン! 今がチャンスだ! 首を押さえろ!」
「おうっ!」
素早く彼の意図を察したヒースが、暴れ回る大水龍の頭を抱え、怪物じみた膂力を以て、その動きを制する。
ジャスミンは身軽に跳び、大水龍の頭の上に立った。
――彼の目の前には、大水龍の額に刺さったままの、ウィローモの細剣。
ジャスミンは、無ジンノヤイバを握り直すと、柄尻を叩く。マゼンタ色の光が鍔元から溢れ――大きな槌を形作った。
ジャスミンは、舌なめずりをすると、槌を大きく振りかぶった。
「ま――まさか……や、止めて! 止めてくれぇぇえ!」
ジャスミンの狙いを察したウィローモが絶叫するが、もう遅い。
「おおりゃああああっ!」
大きな気合の声を上げて、ジャスミンは無ジンノヤイバの槌を、大水龍の額に突き立つ細剣に向けて振り下ろした。
ガツゥ――ン! という鈍い衝突音と共に、細剣は深々と、鍔口まで大水龍の額にめり込み、大量の紫色の鮮血が噴水の様に噴き出し……、
「ガ……アア……アアァ……!」
脳髄を細剣に貫かれた大水龍は、カッとその巨大な黄色い目を見開くと、ビクビクと全身を痙攣させた後、その力を失う。
そして、水煙を巻き上げながら、その場にドウと斃れたのだった――。
「え――! ちょ、待っ――!」
ウィローモは、腰を掛けていた瓦礫から尻を浮かせると、慌てた様子で両手を前に出して振る。
「話せば――話せば分かる……!」
「問答無用~!」
ジャスミンは、ウィローモの言葉を一言で切り捨てると、無ジンノヤイバの柄を一叩き。マゼンタ色の大棍棒は、肉厚の刃の長剣に姿を変えた。
ジャスミンとウィローモの間には、床の裂け目がパックリと口を開けている。
「うおおおっ!」
裂け目を一気に跳び越そうと、雄叫びを上げながら、ジャスミンが床を蹴る。
――と、
「ギガアアアアアアッ!」
耳を劈く咆哮と共に、彼の目の前に巨大な水柱が上がる。
その正体は、額にウィローモの細剣を刺されたまま、怒りと苦悶と激痛にのたうち回る大水龍だった。
そして、その長く太い首には、
「ぷ――ぷはあっ! 危ねえ、もうちょいで俺の方が窒息死するトコだったぁ~!」
丸太の様な両腕をガッチリと組んで、締め上げているヒースがぶら下がっていた。
「お? オッサン、生きてたのかよ! てっきり、もう――」
「ん? この俺が、この程度でくたばるかよ? まあ、ちいっと太腿を囓られちまったがな……ガハハ!」
大水龍の首を締め上げ続けながら、豪快に笑うヒース。――確かに、彼の右大腿は大きく抉られ、真っ赤な鮮血に塗れている。
「……ギャアアアアア!」
大水龍の絶叫が、空気をビリビリと震わせる。何とかして首に纏わりつく邪魔者を振り払わんと暴れ回るが、ヒースが太い腕でガッチリと組み付いて離さない。
が、目の前で巨大な大水龍の首が不規則にのたうち回っていては、ジャスミンもウィローモの所まで踏み込めない。
が、
「ギィエエエ!」
大水龍が、一際大きな咆哮を上げ、首を床に擦り付ける。これには、ヒースも堪らず、大水龍の首に回していた腕を離して床への直撃を避ける。
「チッ! もうちょいでオトせそうだったのに!」
ヒースは、舌打ちをして立ち上がろうとするが、抉られた右太腿に力が入らず、思うようにいかない。
「クソッ……! これじゃ、水中で戦り続けた方が良かったか?」
「パーム! オッサンのケガをハラエで…………て、何ボーッとしてるんだよ!」
振り返って、パームの姿を目で探したジャスミンだったが、目をまん丸にして立ち竦んだままの彼を見つけて、呆れ声をあげる。
声に気付いたパームは、ジャスミンの方を向くや、たちまち顔を真っ赤っ赤にして、
「あ……いや、突然の事で……おど、驚いて……! だって……ジャスミンさんと……アザレアさんが……いきなり、せ……せ……接ぷ――」
「あああああああああっ!」
パームの言葉を遮る様に、劈く様な絶叫が、大水龍の咆哮をも掻き消す声量で轟いた。
「止めてッ! それ以上……言わないで!」
アザレアは、パームを鋭い言葉で制すると、怒りと涙で紅い目をギラギラと輝かせて、ジャスミンを睨みつける。
ジャスミンは、彼女の視線に気付くと、軽い調子で頭を下げる。
「あ、アザリー、悪い悪い。いやぁ、減ったユーキを増やす為に、ちょっと唇を借りたよ~。キスして性よ……精力を増せばユーキとショーキも増えるんじゃないか、と思ってさ。見事に勘が当たったみたい――って、おおっ?」
自慢げに話すジャスミン目がけて、風を切って長鞭が叩き付けられる。危うく躱すジャスミン。
「あ……アザリー? な……何を――?」
「……最ッ低!」
憤怒のオーラをメラメラと背後に揺らめかせながら、ゴミを見る目でジャスミンを見据えるアザレア。
ジャスミンは、その目の冷たさに寒気を覚えながら、必死で彼女を執り成そうとする。
「……いや、ごめん、ごめんって! でも、いいじゃん、キスのひとつやふたつ……! 減るもんじゃないんだからさ! アザリーだって、初めてだった訳でもあるま……」
軽く流そうと喋るジャスミンの声が、急に途切れた。彼女がここまで激怒するに相応しい理由を思い付いたからだ。
ジャスミンは、恐る恐るアザレアに訊ねる。
「……アザリー……ひょっとして、さっきのが……初めて……?」
「――死ねええええッ!」
彼女の返事は、次々と繰り出されてくる鞭打の嵐だった。
「わ――! わ――っ! ちょ、ちょっと……マジでゴメン! まさか、まだ未経験だとは……て、ちょま……一旦落ち着こ! ね!」
アザレアの苛烈な攻撃から逃げ惑いながら、必死で謝罪と説得を試みるジャスミン。……だが、アザレアの怒りは治まらない。
「……火を統べし フェイムの息吹 命の炎 我が手に宿り 全てを燃やせーッ!」
「わわわわ! ちょ、待てよ! 炎鞭はマジでヤバい!」
劫火に包まれた長鞭を目にして、ジャスミンは覿面に焦った。咄嗟に、目の前に横たわる大きな物の陰に飛び込んで隠れる。
取り敢えず一息吐いて、疲労感を覚えたジャスミンは、
「――こ、これで一安心……て、アレ……このヌメヌメした生臭い……鱗に覆われたモノって……」
隠れたモノに触れて、その異様な感触に違和感と嫌な予感を覚え、恐る恐るそのモノに視線を這わせる。
そして、黄色にギラギラ光る、細い瞳孔の巨大な目玉と目が合った。
「……………………あ、こんにちは~……お疲れ様でーす」
「ゴアアアアアアアッ!」
冷や汗が噴き出しながら、愛想笑いを浮かべたジャスミンに、威嚇の咆哮で応えた大水龍は、首を撓らせてジャスミンを撥ね飛ばした。
大水龍の一撃で、ジャスミンの身体は、大きく弾みながら10エイム程転がり、彼は背中を強かに打ちつけて悶絶した。
「痛っつつつつ……」
「ジャスミンさんっ! 危ないっ!」
背中を押さえながら蹲るジャスミンに、パームが悲鳴の混ざった叫びを上げる。
その声に応じて、顔を上げたジャスミンの視界いっぱいに広がるのは、鋭い牙が生え揃った、大水龍の口腔だった。
目を剥いて固まってしまったジャスミンの身体を呑み込もうと、大水龍が首を伸ばす――。
次の瞬間、
「ジャ・マ・ッ!」
アザレアのドスの効いた叫びと共に、飛んできた炎鞭が、大水龍の太い首に絡みつき、炎の勢いを増して燃え盛る。
「アアアギャアアアアアッ!」
大水龍の硬い鱗も、炎鞭の豪炎が放つ高温には耐え兼ねた。生身の肉が焼ける焦げ臭く、かつ生臭い臭いが、黒い煙と共に立ち上る。
茫然と大水龍の七転八倒の様を眺めるだけだったジャスミンは、ハッと我に返ると、ヒースに向かって叫んだ。
「オッサン! 今がチャンスだ! 首を押さえろ!」
「おうっ!」
素早く彼の意図を察したヒースが、暴れ回る大水龍の頭を抱え、怪物じみた膂力を以て、その動きを制する。
ジャスミンは身軽に跳び、大水龍の頭の上に立った。
――彼の目の前には、大水龍の額に刺さったままの、ウィローモの細剣。
ジャスミンは、無ジンノヤイバを握り直すと、柄尻を叩く。マゼンタ色の光が鍔元から溢れ――大きな槌を形作った。
ジャスミンは、舌なめずりをすると、槌を大きく振りかぶった。
「ま――まさか……や、止めて! 止めてくれぇぇえ!」
ジャスミンの狙いを察したウィローモが絶叫するが、もう遅い。
「おおりゃああああっ!」
大きな気合の声を上げて、ジャスミンは無ジンノヤイバの槌を、大水龍の額に突き立つ細剣に向けて振り下ろした。
ガツゥ――ン! という鈍い衝突音と共に、細剣は深々と、鍔口まで大水龍の額にめり込み、大量の紫色の鮮血が噴水の様に噴き出し……、
「ガ……アア……アアァ……!」
脳髄を細剣に貫かれた大水龍は、カッとその巨大な黄色い目を見開くと、ビクビクと全身を痙攣させた後、その力を失う。
そして、水煙を巻き上げながら、その場にドウと斃れたのだった――。
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