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人質だった者達が見守る中で、ネフィリムのキメラノイドとニューフェイス達の戦いが始まった。
子供達の中には、携帯端末でライブ配信している者まで居る。
事情を知らないで配信を見た者が居れば、フィクションのヒーローショーだと思っただろう。
「では、ショータイムの開演だ」
「行くぞ!ネフィリム」
戦闘型キメラノイドとレッドの声を合図に、双方の五人が走り出した。
レッドが走りながら撃つ銃弾を、ネフィリムは右手の盾で防ぎながら突進してくる。
犬系のキメラノイドは、武器の移植はされていないが、右手に軽めの剣、左手に盾を持って戦闘型猫科キメラノイドに続いている。
最初にぶつかったのは、一体の戦闘型キメラノイドとレッドだ。
上段から振り下ろされるキメラノイドの青竜刀を、レッドは銃をしまった右手を添えて、日本刀型の剣で受け流す。
日本の武器も、鉢割の様に破壊力重視の物もある。
胴太貫の様に、実在の同田貫から派生した架空の武器すらある。
だが、近年の日本刀は切れ味と速度を重視して軽量小型化されているので、武術的に【力任せの攻撃】には【受け流し】と【間合い】がメインになっている。
「流石はレッド!武術の心得が有るのか」
受け流され、一瞬で間合いを取られたキメラノイドが驚いている。
「おいおい、剣と銃なら右手に剣がセオリーだろう?」
犬系と違い、戦闘型キメラノイドは、武器の配置が逆になっていた。
「御前達ニューフェイスが、基本的に右利きなので、右利き相手には慣れているだろう?だから我々は不得手であろう左利きばかりにして、右利き左利き両方に対しての訓練を積んできたのだ」
キメラノイドも精進を怠ってはいない様だ。
それに青竜刀の威力も凄まじかった。
今回は両手を添えたので対応出来たが、右手だけだとレッドにも受け流しすらできなかったかも知れない。
「コイツ等は本当に手強いぜレッド!」
レッドは青竜刀の受け流しをしながら、身軽さを利用した機動力でキメラノイドのスーツに傷を増やしているが、明確にスタミナが限界に近付いていた。
ブラックはクナイでは間合いが合わず、青竜刀を避けてばかりいた。
フラッシュの連発で相手の目を眩ましながら、クナイを投げているが効果が薄い。
ロングクローのイエローも同様だ。ロングクローで青竜刀を受け止めれば、折れるか腕を絡め取られるだろう。
時間が経つにつれて、実際に何本か折れはじめている。
用意した毒ガスのスプレーも、敵にもスーツが有るので意味がない。
ブルーのスタンウイップは青竜刀に巻き取られ、その腕力で振り回されながらキメラノイドの右手での銃撃を浴びている。
今、一番被害が大きいのはブルーかも知れない。
スーツで見えないが、かなり出血もしている。
グリーンの槍バージョンの三節棍だけが辛うじて優勢だが、ソレも右手の銃撃で相殺されている現状だ。
ニューフェイス側は盾を一切用意していないのが、被害をふやしている。
ニューフェイスに同行している二人の警官だが、三体の犬系キメラノイドに追い回されている。
「あの四体、四人は見てるだけか?」
「俺様達の楽しみを、邪魔させると思うか?」
ニューフェイスと戦闘型の戦いを、四方から見守る犬系キメラノイドが居た。
戦闘の勝利を求める場合の定石ならば、戦闘の合間を見てニューフェイスの後ろから攻撃する筈だ。
個人の試合ならいざ知らず、優劣や勝敗を決める戦いなら数の違いも、【戦力差】という能力の違いだ。
フィクションの戦隊物では、戦闘員の人手が余っているはずなのに、場を盛り上げる為に手出しはしないが、それは現実的ではない。
だが、ニューフェイスが行わされているコノ戦いは、あくまで戦闘型キメラノイドの【楽しみ】なので、チャチャを入れるのは興醒めになるのだろう。
「しかし、戦闘型が五体だけで良かったよ」
「何を言ってるんだ?わざわざ数を合わせたんだぞ!ニューフェイスが六人居れば、六人の戦闘型を用意していたさ。選抜試合は大変だったんだからな」
ネフィリムの目的は、あくまで【日本人の殲滅】であって、【ニューフェイスとの戦闘】ではない。
現在の戦闘は、ネフィリムの目的完遂を補助する時間稼ぎの【娯楽】にしか過ぎない。
フィクションの悪役は、勝つために常に戦闘型の数を敵より多くしたり、本来の目的の為には戦闘を回避して【戦略的撤退】をすべきなのだが、ソレをしないのは視聴者に面白い戦闘シーンを見せる為だ。
特殊な誕生により寿命が短い彼等キメラノイドには、存在理由を成し遂げられずに老衰で死ぬほど辛い事は無いのかも知れない。
特に、武器を内蔵するなど、非生物的処置を施された【戦闘型】ならば。
「なかなか楽しいな。試合等ではなく本当の戦い、殺し合いができるのは!」
「こっちは楽しく無いがな」
戦う為に産まれた寿命の短い者と、繁栄する為に産まれた寿命さえ延長した者では、戦いに対する価値観が異なるのだ。
「奥の手を使うか!」
受け流しばかり行っていたレッドが、刀の鞘に手を掛けた。
「くっ!二刀流か?」
実際には二刀流ではないが、レッドは切り離した鞘を左手に持って構えた。
たとえ鞘とて、ただの棒ではないだろう。
だがこれで、レッドの攻撃速度は倍近くにまではねあがる。
戦闘型キメラノイドの青竜刀を、鞘と移動で受け流す様に変えたレッドは、より多くのスタミナを消耗するが、手数が増えるので青竜刀を持つ腕を切り落としにかかった。
コンバットスーツと言えど、機動力を保つ為に間接は強固に出来てないのだ。
戦局は変化していく。
レッドが倍の速さで剣技をくり出し、青竜刀を持つ腕にダメージを与えはじめた。
徐々にではあるが、キメラノイドの攻撃が遅くなっていく。
大振りになるキメラノイドの攻撃を受け流しながら背後に回り込み、背後からキメラノイドの首に刀を刺す事に成功した。
ブルーは青竜刀に捕らわれたスタンウイップを切離し、銃に持ち換えて連射し始めた。
キメラノイドは銃と盾のある右手で防いでいるが、下半身がガラ空きだ。
ブルーは左手のスタンウイップをキメラノイドの脚に絡ませて転倒させ、至近距離から眼球のある場所をめがけて銃を連射した。
数は五対三になった。
レッドとブルーは、周りのキメラノイドが動かないのを確認してから、仲間の応援に向かった。
【戦隊】として戦っている以上、自分の戦闘に勝利しているからて言って休んではいられない。
やられた方も、仲間が行動不能になれば負担が増えるのは、何も戦闘に限ったことではないのだ。
今回の様に個の力負けや、配置の采配負けも敗因としては合理的だ。
特に、あえて数を合わせて人質も解放し、狙撃も止めたネフィリム側の提案の上で不利になっているのだから、悔いは無いだろう。
今さら条件を変えるなど、興醒めもはなはだしい。
「【奥の手】とかで、アルファとガンマが殺られたか?羨ましい事だ。これでは戦闘負けも確実だし、最終手段を使うか!」
戦闘型キメラノイドの一人が均衡がくずれた状況判断をする。
仲間が殺られて数の暴力になって敗けが確定するのを、察したのだ。
だが、【戦闘負け】は【作戦負け】でないので、最終的な勝利はキメラノイド側に確定と言えるだろう。
例え戦闘で負けても、ニューフェイス達が苦戦して時間を稼げば、日本人の死者は増えて、ネフィリムの目的は成功と言えるのだから。
与えられた任務が成功となれば、寿命の短い彼等が望むのは戦いでの死だ。
勝利も喜びではあるが、その後に寿命で死ぬのは虚しいものがある。
寿命に負けて死ぬくらいなら、敵と戦って壮絶な死を迎える方が彼等にとっては美徳と言える。
「無理を言って用意してもらったのが、役に立つな。アクセラレーター起動」
戦闘型キメラノイドの一体が、コンバットスーツの内側に隠されたボタンを押すと、直後に動きが速くなっていく。
「まさに【ラストスパート】だな!俺達もやるか!」
残る二体の戦闘型キメラノイドも同様な行動に出た。
「「アクセラレーター起動」」
子供達の中には、携帯端末でライブ配信している者まで居る。
事情を知らないで配信を見た者が居れば、フィクションのヒーローショーだと思っただろう。
「では、ショータイムの開演だ」
「行くぞ!ネフィリム」
戦闘型キメラノイドとレッドの声を合図に、双方の五人が走り出した。
レッドが走りながら撃つ銃弾を、ネフィリムは右手の盾で防ぎながら突進してくる。
犬系のキメラノイドは、武器の移植はされていないが、右手に軽めの剣、左手に盾を持って戦闘型猫科キメラノイドに続いている。
最初にぶつかったのは、一体の戦闘型キメラノイドとレッドだ。
上段から振り下ろされるキメラノイドの青竜刀を、レッドは銃をしまった右手を添えて、日本刀型の剣で受け流す。
日本の武器も、鉢割の様に破壊力重視の物もある。
胴太貫の様に、実在の同田貫から派生した架空の武器すらある。
だが、近年の日本刀は切れ味と速度を重視して軽量小型化されているので、武術的に【力任せの攻撃】には【受け流し】と【間合い】がメインになっている。
「流石はレッド!武術の心得が有るのか」
受け流され、一瞬で間合いを取られたキメラノイドが驚いている。
「おいおい、剣と銃なら右手に剣がセオリーだろう?」
犬系と違い、戦闘型キメラノイドは、武器の配置が逆になっていた。
「御前達ニューフェイスが、基本的に右利きなので、右利き相手には慣れているだろう?だから我々は不得手であろう左利きばかりにして、右利き左利き両方に対しての訓練を積んできたのだ」
キメラノイドも精進を怠ってはいない様だ。
それに青竜刀の威力も凄まじかった。
今回は両手を添えたので対応出来たが、右手だけだとレッドにも受け流しすらできなかったかも知れない。
「コイツ等は本当に手強いぜレッド!」
レッドは青竜刀の受け流しをしながら、身軽さを利用した機動力でキメラノイドのスーツに傷を増やしているが、明確にスタミナが限界に近付いていた。
ブラックはクナイでは間合いが合わず、青竜刀を避けてばかりいた。
フラッシュの連発で相手の目を眩ましながら、クナイを投げているが効果が薄い。
ロングクローのイエローも同様だ。ロングクローで青竜刀を受け止めれば、折れるか腕を絡め取られるだろう。
時間が経つにつれて、実際に何本か折れはじめている。
用意した毒ガスのスプレーも、敵にもスーツが有るので意味がない。
ブルーのスタンウイップは青竜刀に巻き取られ、その腕力で振り回されながらキメラノイドの右手での銃撃を浴びている。
今、一番被害が大きいのはブルーかも知れない。
スーツで見えないが、かなり出血もしている。
グリーンの槍バージョンの三節棍だけが辛うじて優勢だが、ソレも右手の銃撃で相殺されている現状だ。
ニューフェイス側は盾を一切用意していないのが、被害をふやしている。
ニューフェイスに同行している二人の警官だが、三体の犬系キメラノイドに追い回されている。
「あの四体、四人は見てるだけか?」
「俺様達の楽しみを、邪魔させると思うか?」
ニューフェイスと戦闘型の戦いを、四方から見守る犬系キメラノイドが居た。
戦闘の勝利を求める場合の定石ならば、戦闘の合間を見てニューフェイスの後ろから攻撃する筈だ。
個人の試合ならいざ知らず、優劣や勝敗を決める戦いなら数の違いも、【戦力差】という能力の違いだ。
フィクションの戦隊物では、戦闘員の人手が余っているはずなのに、場を盛り上げる為に手出しはしないが、それは現実的ではない。
だが、ニューフェイスが行わされているコノ戦いは、あくまで戦闘型キメラノイドの【楽しみ】なので、チャチャを入れるのは興醒めになるのだろう。
「しかし、戦闘型が五体だけで良かったよ」
「何を言ってるんだ?わざわざ数を合わせたんだぞ!ニューフェイスが六人居れば、六人の戦闘型を用意していたさ。選抜試合は大変だったんだからな」
ネフィリムの目的は、あくまで【日本人の殲滅】であって、【ニューフェイスとの戦闘】ではない。
現在の戦闘は、ネフィリムの目的完遂を補助する時間稼ぎの【娯楽】にしか過ぎない。
フィクションの悪役は、勝つために常に戦闘型の数を敵より多くしたり、本来の目的の為には戦闘を回避して【戦略的撤退】をすべきなのだが、ソレをしないのは視聴者に面白い戦闘シーンを見せる為だ。
特殊な誕生により寿命が短い彼等キメラノイドには、存在理由を成し遂げられずに老衰で死ぬほど辛い事は無いのかも知れない。
特に、武器を内蔵するなど、非生物的処置を施された【戦闘型】ならば。
「なかなか楽しいな。試合等ではなく本当の戦い、殺し合いができるのは!」
「こっちは楽しく無いがな」
戦う為に産まれた寿命の短い者と、繁栄する為に産まれた寿命さえ延長した者では、戦いに対する価値観が異なるのだ。
「奥の手を使うか!」
受け流しばかり行っていたレッドが、刀の鞘に手を掛けた。
「くっ!二刀流か?」
実際には二刀流ではないが、レッドは切り離した鞘を左手に持って構えた。
たとえ鞘とて、ただの棒ではないだろう。
だがこれで、レッドの攻撃速度は倍近くにまではねあがる。
戦闘型キメラノイドの青竜刀を、鞘と移動で受け流す様に変えたレッドは、より多くのスタミナを消耗するが、手数が増えるので青竜刀を持つ腕を切り落としにかかった。
コンバットスーツと言えど、機動力を保つ為に間接は強固に出来てないのだ。
戦局は変化していく。
レッドが倍の速さで剣技をくり出し、青竜刀を持つ腕にダメージを与えはじめた。
徐々にではあるが、キメラノイドの攻撃が遅くなっていく。
大振りになるキメラノイドの攻撃を受け流しながら背後に回り込み、背後からキメラノイドの首に刀を刺す事に成功した。
ブルーは青竜刀に捕らわれたスタンウイップを切離し、銃に持ち換えて連射し始めた。
キメラノイドは銃と盾のある右手で防いでいるが、下半身がガラ空きだ。
ブルーは左手のスタンウイップをキメラノイドの脚に絡ませて転倒させ、至近距離から眼球のある場所をめがけて銃を連射した。
数は五対三になった。
レッドとブルーは、周りのキメラノイドが動かないのを確認してから、仲間の応援に向かった。
【戦隊】として戦っている以上、自分の戦闘に勝利しているからて言って休んではいられない。
やられた方も、仲間が行動不能になれば負担が増えるのは、何も戦闘に限ったことではないのだ。
今回の様に個の力負けや、配置の采配負けも敗因としては合理的だ。
特に、あえて数を合わせて人質も解放し、狙撃も止めたネフィリム側の提案の上で不利になっているのだから、悔いは無いだろう。
今さら条件を変えるなど、興醒めもはなはだしい。
「【奥の手】とかで、アルファとガンマが殺られたか?羨ましい事だ。これでは戦闘負けも確実だし、最終手段を使うか!」
戦闘型キメラノイドの一人が均衡がくずれた状況判断をする。
仲間が殺られて数の暴力になって敗けが確定するのを、察したのだ。
だが、【戦闘負け】は【作戦負け】でないので、最終的な勝利はキメラノイド側に確定と言えるだろう。
例え戦闘で負けても、ニューフェイス達が苦戦して時間を稼げば、日本人の死者は増えて、ネフィリムの目的は成功と言えるのだから。
与えられた任務が成功となれば、寿命の短い彼等が望むのは戦いでの死だ。
勝利も喜びではあるが、その後に寿命で死ぬのは虚しいものがある。
寿命に負けて死ぬくらいなら、敵と戦って壮絶な死を迎える方が彼等にとっては美徳と言える。
「無理を言って用意してもらったのが、役に立つな。アクセラレーター起動」
戦闘型キメラノイドの一体が、コンバットスーツの内側に隠されたボタンを押すと、直後に動きが速くなっていく。
「まさに【ラストスパート】だな!俺達もやるか!」
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これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
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