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一章 シュエット・ミリーレデルの日常
12 フクロウ百貨店の閉店後①
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いつも通り、きっちり十七時にミリーレデルのフクロウ百貨店は閉店した。
ドアの窓にぶら下がったプレートをひっくり返して『CLOSE』にして、カーテンをしめる。
薄暗くなった店内で、フクロウたちの目がキラキラとしだす。
彼らの目は、まるで宝石みたいだ。黄水晶や琥珀を思い起こさせる。
カウンターに置いてあったランプに火を灯し、シュエットは本日の売り上げを計算して、日誌に書き込んだ。
今日も今日とて、パッとしない売り上げ。本店の売り上げの何分の一なのか。考えたくもない。
とはいえ、実質たった一人の客しかいない割には儲かっていると言って良いだろう。
「コルモロン様がご贔屓にしてくださるおかげで、うちはなんとかやっていけるのよねぇ」
コルモロンが毎週購入してくれるレディ・エルのご飯は、店にある品々の中でも高価なものだ。一般的なフクロウのご飯の、およそ三倍の価格である。
それだけ、レディ・エルに対する愛情が深いということなのだろう。
彼には悪いが、ここはぜひ、シロフクロウをお婿にもらってもらい、売り上げに貢献してもらいたいところである。
「他にもお客様はいらしゃるけれど、コルモロン様ほどではないし……でもまぁ、焦らずにいきましょう」
冒険なんて、しなくていい。細く長く、地味にコツコツと。
それが、シュエットの目指すフクロウ百貨店の在り方なのだ。
店内のフクロウたちが、口々に「ホゥ」と鳴く。まるで、シュエットを応援しているみたいに。
心優しいフクロウたちに「ありがとう」と答えて、シュエットはランプの明かりを消した。
「みんな、おやすみ。また明日ね」
手を振って店を後にするシュエットに、フクロウたちは「ホゥホゥ」とこたえる。
出勤してきた時の逆をたどるように、シュエットは扉を施錠して、ゆっくりと階段を上っていった。
ドアの窓にぶら下がったプレートをひっくり返して『CLOSE』にして、カーテンをしめる。
薄暗くなった店内で、フクロウたちの目がキラキラとしだす。
彼らの目は、まるで宝石みたいだ。黄水晶や琥珀を思い起こさせる。
カウンターに置いてあったランプに火を灯し、シュエットは本日の売り上げを計算して、日誌に書き込んだ。
今日も今日とて、パッとしない売り上げ。本店の売り上げの何分の一なのか。考えたくもない。
とはいえ、実質たった一人の客しかいない割には儲かっていると言って良いだろう。
「コルモロン様がご贔屓にしてくださるおかげで、うちはなんとかやっていけるのよねぇ」
コルモロンが毎週購入してくれるレディ・エルのご飯は、店にある品々の中でも高価なものだ。一般的なフクロウのご飯の、およそ三倍の価格である。
それだけ、レディ・エルに対する愛情が深いということなのだろう。
彼には悪いが、ここはぜひ、シロフクロウをお婿にもらってもらい、売り上げに貢献してもらいたいところである。
「他にもお客様はいらしゃるけれど、コルモロン様ほどではないし……でもまぁ、焦らずにいきましょう」
冒険なんて、しなくていい。細く長く、地味にコツコツと。
それが、シュエットの目指すフクロウ百貨店の在り方なのだ。
店内のフクロウたちが、口々に「ホゥ」と鳴く。まるで、シュエットを応援しているみたいに。
心優しいフクロウたちに「ありがとう」と答えて、シュエットはランプの明かりを消した。
「みんな、おやすみ。また明日ね」
手を振って店を後にするシュエットに、フクロウたちは「ホゥホゥ」とこたえる。
出勤してきた時の逆をたどるように、シュエットは扉を施錠して、ゆっくりと階段を上っていった。
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