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第2部第1章 ひたひた進む新展開?
第005話 レンリート王国建国祝賀パーティーへ
しおりを挟むあれから1ヶ月ちょい、実家とレンリート伯爵家を行き来している。家族の皆んなは仕事とか学院で居なくなるから俺も朝は治癒院に行って患者の治療をしている。2時間程だけど良いお金になるのだ。
『重傷者を優先して回されとるからの』
まあビアンカお姉様から契約外の仕事の報酬として2億イェンも貰っているから一生遊んで暮らせてしまうんだけどね。
――流石お貴族様、……て言うか何2億イェンって何っ!? 庶民じゃ一生掛けても1億イェン稼ぐのも難しいんだよ? めっちゃ怖い! こんなの聞いてないんだけど!?
色んな国に行ったり姫様とか治療したりとかで、本来受けた仕事とは違うからってくれたんだけど、金額にビビるよね?
やっぱりお貴族様とは価値観が違うんだろうな。まあ今は落ち着いたからね。こんな違いなら喜んで受け入れるけど。
それからお昼前にビアンカお姉様のお屋敷に行ってキーちゃんネネェと遊んであげたりアリアとカチュアともダンスやお昼寝をしてあげたりする。
2人共侍女見習いとしての仕事もしていて大変だけど、休みの日にはミリアーナやコレット達傭兵組に誘われて一緒に街に散策とかもしているらしい。――息抜きは大事だよね。
後は、……良いんだけど何故か未だに歌や楽器、リーフの練習もさせられるんだよ? まだビアンカお姉様との契約期間中だから文句は言えないんだけどね。勿論ビアンカお姉様達に美容魔法も施している。……何だか圧が凄いんだよなあ。
1ヶ月程したらユニコーンのキーちゃん用の鞍が贈られて来た。鞍って言うより服みたい。真っ白で光沢がある生地で、汚れ防止効果が高いそうだ。
変わってるのは落ちない様に握る所と足を掛ける所はあるけど手綱は無い所だ。
『意思の疎通が出来るのじゃから手綱を握って操る必要が無いと言う事じゃろ』
「プルルルゥ『リリちゃんが落ちなければ良いの! 早く走るの!』」
ちょっとキーちゃんのテンションが怖いんだけど?
俺もキーちゃんに乗るのは初めてだし楽しみだったんだけど、実際に乗ると1ヶ月待たせたからかテンション上がったキーちゃんが暴走して危うく泣かされる所だった。
『ガッツリ泣き喚いておったのじゃ』
『なのー』
リリィとネネェが何とか止めてくれてキーちゃんも我に帰ったけど軽くトラウマになりかけた。
「プルルゥ『ごめんなさーーい』」
反省している様なので許したけど、それからはナージャさんに付き添って貰って乗る様になった。
キーちゃんの持つ人を寄せ付けない聖素はある程度は制御出来るらしい。ビアンカお姉様にもそうしてたからな。まあキーちゃんが嫌がるから触れる程は近寄れないけど、近くに居る分には問題無いそうだ。
「うへへ、アイリスちゃんもキーちゃんも可愛いですねぇ」
ナージャさんもご機嫌なので問題無いだろう。
夕方帰る時はキーちゃんの為にお屋敷に残す精霊剣、リリィとネネェを毎日交換して連れ帰る様になった。
『リリィに聞いたら大丈夫そうだったなのー』
今はねぇねの部屋に帰ってる。何時も両親の部屋に帰ってたんだけどねぇねに誘われたのだ、えっへん。
『そりゃ毎晩部屋に行ってベッドに潜り込んでおったからの。向こうも諦めたのじゃろ』
それと何故かねぇねの要望でねぇねをお姉ちゃんと認める事になったのだ。まあ女の子は幾つになってもごっこ遊びが好きなんだろう。
だが俺にとっては妹に変わり無い。だからねぇねがソファーで座っていたりすると抱っこしてあげたりする。
『お主が後ろから抱き付いておるだけじゃろ』
何でだよ、頭も撫でてあげてるんだぞ?
『おままごとに付き合わされている母親の様なのじゃ』
失礼だな。
それから10日程してビアンカお姉様に呼ばれた。またアデール王国に行く事になってしまったのだ。既に11月半ば、雪がチラホラ降って来ている。契約期間は2月いっぱいだから帰りを考えると精々2ヶ月くらいの滞在になるだろうな。
領境まで行けば飛空挺で行けるらしいけど、冬に雪の降る中、馬車で領境までは行かないといけないのはなぁ。寒いしまたガタガタと揺れる道を何日も行くんだよなぁ。体がキツくなりそうだ。
ちょっと黄昏てしまうけどアリアとカチュアも行くらしいから弱音を吐けないんだよな。ねぇね達とはまた暫くお別れだ、……泣きそう。
『……がっつり、……泣いとるんじゃよなぁ』ボソリ
そうして馬車と飛空挺の旅でアデール王国の王城まで行くと何故か『ビアンカお姉様』が『ビアンカお姫様』になっていた。
いや、呼び方はビアンカお姉様で良いって言われたんだけど。
国名もレンリート王国に変わっているそうだ。いや訳が分からないよね?
何でアデール王国無くなってんの? 何でビアンカお姉様がお姫様になってんの?
戦争があったって聞いてたけどビアンカお姉様の家がアデール王国を滅ぼしたって事??
混乱したままなんだけど、取り敢えず俺には関係ないし現状を受け入れる事にした。
ビアンカお姉様とその両親がこのレンリート王国の王族になって、それにシャルロッテ様や近しい側近達は此方に移り住むのだそう。
暫くしてレンリート王国建国の祝賀パーティーが行われる事になりタヒュロス王国、メメントリア王国、カントラス王国からも王族を乗せた飛空挺がパーティーに参加する為に来ていた。
このレンリート王国の王都ではアデール王国時代は酷い王政の中にあり、貴族も商人も腐敗に染まっていたらしい。元が酷かった為にそれを一掃するだけで民の信頼を得られ好景気に沸いていたんだって。
更に今回、王都に就航している4隻の飛空挺に加え、初めて他国の飛空挺が王族を乗せて次々とやって来た事に新たな時代の幕開けを感じさせ王都の民は皆、目を輝かせていたのだそう。
祝賀パーティーの前にアデール王国時代に親交があった狼獣人の人達と会った。リアースレイ精霊王国に帰ってたけど挨拶に来たそうだ。
白狼獣人のピリララ様は良くビアンカお姉様のお屋敷に来ていて、俺も良く美容魔法をしてあげてたんだよね。ピリララ様はしなやかな筋肉質でキラキラした白い毛も綺麗で兎に角カッコ良いんだよなぁ。
そうしてるとカントラス王国の熊獣人の人達も合流して来た。また熊さんに乗せてもらった。
『ベルダートなのじゃ』
人を乗せるのが好きな熊さんなんだよ?
『違うのじゃ。お主が精霊の愛し子じゃから気を使われたのじゃ』
対抗心を持ったのか狼獣人の方々も俺を乗せようとしたけど断った。だってスピード出しそうなんだもん。
「それの何が悪いんだ?」
「さあ? 速い方が強いだろ? なあ?」
――そう言う所だぞ?
「狼獣人の男子って野蛮よねぇ?」
「……それについては何も言えないわね」
熊獣人のリグレーシア様の言葉にピリララ様は何とも言えない顔をしていた。
獣人の中でも狼獣人の男は好戦的なのが多いらしい。熱くなりやすいんだよね。俺との模擬戦も危険だからってピリララ様に止められてたし。
最後に熊さんにお礼にキーちゃんを見せてあげたら何か皆んなひれ伏しちゃったんだよ?
それでもピリララ様とリグレーシア様には美容魔法をおねだりされたけどね。女の子はどれだけ美容魔法が好きなのか。
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