103 / 278
第3章 なりきり学生生活は問題だらけ?
第026話 その後の日々
しおりを挟む教室に戻ってからも女子生徒達に集まられて大変だった。幼い女の子との会話なんてどうしたら良いか分からないから口下手の人見知りみたいになっちゃったよ。
『口下手の人見知りじゃろ』
……そうだった。
後日例の大剣使いのおっさん変態教師は解雇されたそうだ。ナージャさんが言うには他にも何人か解雇されたりしたらしい。まあどうでも良い事だな。剣術の授業は週に一度くらいで出る事にした。そのくらいのペースで出ると皆んなが少しずつ成長してるのが分かって面白い。
早朝治癒院に行って1時間くらいで10人程に手当てしてお金を稼ぎ、それから学院に行って剣術や数学の免除の時間はナージャさんやヴェルンさんにミリアーナも入れて鍛練する。
本来付き人は1人につき2人までなんだけどミリアーナはホリーの付き人って事にして学院に来てる。貴族の子供が良くやる手口らしい。馬車の警護に1人残して入れ替わり相手して貰っている。
学院が終わるとホリー達と甘味巡りだ。色々なスイーツの専門店も幾つかあってしらみつぶしに食べて評価していってる。お金はビアンカお嬢様持ちだ。そもそもスイーツの調査をビアンカお嬢様に頼まれたから此処に来たんだしな。
『いやそれ、お主を此処に連れて来る為の方便じゃろ』
そんなの知らない、ビアンカお嬢様が言ったんだもん。
『だもんって』
にしても初めホリーは一歩引いた感じだったけど今はすっかり皆んな打ち解けた様だな。
「だって皆んな美しょ、……美人さんなんだもん気後れしちゃうよ」
「今美少女って言おうとした? アイリスちゃん込みで」
「あはは、何の事かな?」
「んっ、僕は男、立派な男」
エリカちゃんがボケた事言ってきたから突っ込んでおいた。ホリーも何の事が分からないって言って笑っちゃってるし。
『うむ、相変わらずなのじゃ』
「でもやっと打ち解けてきたわよね? フラン」
「ええ、ホリーさんには立派な武器(巨乳)がありますし気後れする必要なんて初めから無かったんですから」
「あ、あはは、太ってるから大きくなっただけだよ。て言うかその弄り方やめてぇ」
ホリーは良く太ってるって自虐するけど胸の話しをされるのは苦手らしい。今も顔を赤くして胸を押さえて隠してるし。
「エリカ背は小さくて良いけどそっちは欲しいんだよねぇ? ママ見ると駄目そうだけど」
「エリカちゃんまで……」
そんなバカ話しをしつつ夕方になるとまた治癒院に行って回復した魔力で手当てしてお金を稼ぐ。朝と夕で大体4・5千イェン程、馬小屋清掃4・5件分だ。
『割りがいいのか分からんのじゃ』
1日4・5千イェン、シラルの町で傭兵やってた時と同額の稼ぎが出来てんだ。そこにビアンカお嬢様からの給金が別に貰えるんだぞ? 十分だろ。
なるべくリリィの外魔力循環を使わないで済む範囲でやっている。回復魔法の訓練も兼ねてるし色々お得だ。
『リリィの外魔力循環に慣れるのは?』
無理。
そんな感じで日々を平穏に過ごしている。
『平穏??』
……まあそりゃ平民の俺がビアンカお嬢様の客だからって獣人の方々とか他国のお姫様とかと関わるなんて思わなかったけどな。
『そう言う意味じゃないのじゃ。寧ろ其奴らもお主に振り回されとったのじゃ』
何を言ってるんだお前は? 意味が分からん。
そう言えば獣人の方々が来た時に迷宮の話しをしたら手合わせする事になったりもしたよな。でもピリララ様に止められたんだけど。
「アンタ等は手加減出来ないじゃない! こんな小っちゃくて華奢な子供、下手したら死んじゃうわよ!!」
……って、か弱いみたいに言われちゃって。ちょっとムカついたけど本当に危ないのかと思って黙ってたんだよな。
『結果正解じゃったのじゃ』
「アンタはマルドレと手合わせを見せてあげなさいよ。アイリスちゃんは私が手合わせしてあげるから」
この3人は傭兵ランク6だそうだ。俺が今まで出会った1番強いレイクと同ランクだったんだよな。レイクの21歳でランク6ってのも異常なのにコイツ等まだ14歳ってどんだけ才能あんだよクソ。
「私達の国じゃ結構ごろごろいるわよ」
「ああ、ランク8までならそこそこな」
化け物じゃねえかよ。ランク8って言うか商業冒険者ランク含めて同ランク帯なんてウチの国でも片手で数える程しかいないらしいのに。獣人の男子達の鍛練はかなり荒々しいものだった。
『参加せんで良かったの』
それな。死ぬ所だったわ。
しかしその後にも問題が起きた。男子共と風呂に入ったけど力任せに洗われて死にそうな目にあったのだ。
『全裸で泣きながら逃げ出すとは思わんかったのじゃ』呆れ目
心底手合わせしなくて良かったよ。あんな力任せのアホ共と手合わせ何かしてたら命が幾つあっても足りなかったわ!
『お陰で大騒ぎになったのじゃ』
何故か皆んな側にいたからな、ピリララ様がアホ共を止めてくれてマジで助かったよ。命の恩人だなピリララ様は。
『そのアホ共がお主にピリララ達の裸がどうだったか聞いて更に大揉めしとったの』
? 何でだろな??
『お主が聞かれた事をバラしたからなのじゃろが』
?? 褒めたぞ? ピリララ様達は格好良くてキラキラして綺麗だったしな。
『(満面の笑みで言われた)ピリララ達には好感度爆上げじゃったの。男子共との溝は深まっておったが』
まあ今度からピリララ様に助けて貰えば良いか。
『(男共の嫉妬を更に煽りそうなのじゃ。また一波乱ありそうじゃの)』
あと姫様達はなぁ。えーっと、確か。
『アデール王国北方の小国メメントリア王国の第一王女スカーレット・メメントリアとアデール王国南方の小国タヒュロス王国の公爵令嬢マリアンヌ・ルクセンガングじゃったな』
……お前凄いな。
まあ悪い人達じゃ無さそうだけど周りがマナーとか五月蝿いし、会話だって何話せば良いか分からんし気疲れするんだよなぁ。
『お主殆ど喋っておらんかったではないか。寧ろ彼奴等の方が気を使って話し掛けておったじゃろ』
…………そうとも言えるなぁ。
『しかも途中から寝ておったのじゃ』
………………そうとも言えるなぁ。
『小国の姫だからって気を抜いたんかの』
イヤそんな訳ないだろ! 何かビアンカお嬢様まで話し方が普段と変わってて、何言ってるのか分かんなくて気が付いたら寝ちゃってたんだよ!
『まるで幼児じゃの』
ぐはぁっ!!
5
あなたにおすすめの小説
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として
たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。
だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。
一度目では騙されて振られた。
さらに自分の力不足で全てを失った。
だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。
※他サイト様にも公開しております。
※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
元公務員、辺境ギルドの受付になる 〜『受理』と『却下』スキルで無自覚に無双していたら、伝説の職員と勘違いされて俺の定時退勤が危うい件〜
☆ほしい
ファンタジー
市役所で働く安定志向の公務員、志摩恭平(しまきょうへい)は、ある日突然、勇者召喚に巻き込まれて異世界へ。
しかし、与えられたスキルは『受理』と『却下』という、戦闘には全く役立ちそうにない地味なものだった。
「使えない」と判断された恭平は、国から追放され、流れ着いた辺境の街で冒険者ギルドの受付職員という天職を見つける。
書類仕事と定時退勤。前世と変わらぬ平穏な日々が続くはずだった。
だが、彼のスキルはとんでもない隠れた効果を持っていた。
高難易度依頼の書類に『却下』の判を押せば依頼自体が消滅し、新米冒険者のパーティ登録を『受理』すれば一時的に能力が向上する。
本人は事務処理をしているだけのつもりが、いつしか「彼の受付を通った者は必ず成功する」「彼に睨まれたモンスターは消滅する」という噂が広まっていく。
その結果、静かだった辺境ギルドには腕利きの冒険者が集い始め、恭平の定時退勤は日々脅かされていくのだった。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる