拾った剣が精神汚染して来るんだけど!?⇔拾われた剣、主に振り回される!?

ゆうきゅうにいと

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第6章 びくびくお城の招待と新たな仲間?

第001話 寂れた村へ

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 あれから約2週間、ポーション作りはとっくに終えて1本金貨1枚、30本作ってそれだけで金貨30枚、300万イェン手に入れてしまった。
 何とか全てハイポーションに出来て、体はキツかったけどお金的には大満足である。まあもうこんなお金稼ぎそうそう無いだろうけど。
 これで所持金は1974万イェンになった。
「らんらん、らんらんらぁ~らら」
 楽器を演奏をさせられながら旅を続けている。歌? 何か皆んなのリクエストが五月蝿くてね。
 元はビアンカお姉様の暇潰しのお願いだったんだけど1回歌ったら特にナージャさんに気に入られちゃって懇願されちゃったんだよね。
「アイリスちゃん(幼げな歌声が)良い声ですねえ」
「まあ、良い声なのは認めるわ」
「何か癒されるわよね」

 ナージャさんにビアンカお姉様にミリアーナにと好きに言ってくれる。この楽器を弾きながら歌うのって大変なんだぞ? 喉も指も痛くなってくるし頭も体も疲れるからもう回復魔法使いっぱなしになるんだぞ?
『その回復魔法の影響が周りに癒しの波動となっておる様じゃの』ボソッ
 リーフと言う楽器は10本弦の楽器でベルトで体に固定されてるとは言え重くてかさ張るし弾くだけでも大変なのだ。
『それでも子供用なんじゃがなあ』
 五月蝿いな。そう言うのは俺の体を大きくしてから言えよな。
『無茶言うでないのじゃ』
 はあ、……まあ良いや。皆んな誉めてくれるし多分才能あるんだろ。
 これならもっと上手くなってねぇねを驚かせられるかな? お金だけ稼いで帰るよりねぇねに感心して貰えるだろう。
『シスコンじゃの』 

 夕方近くになって今日泊まる村に入って行った。馬車から覗くと随分寂れた感じのする村だった。村人は女子供老人が多くて皆んなかなり痩せている。
「この領地は駄目ね」
「戦争で徴兵された上増税までされている様ですからね」
 そう言った事情は先行しているグループによってもたらされてくる。問題があれば先に解決させていったり別のルートを選別したりするのだ。
「食糧を自前で用意してなかったら反感買ってたんじゃないかしら」
「貴族令嬢のお嬢様にそんな不敬を働く者は居ないかと」
「感情は別問題でしょナージャ」
「それでも対価を払えば問題無いかと思いますよ?」
「それもそうか」
「2人共分かってないわねえ。ねえアイリスちゃん?」
「んゅ?」コテリ
 ミリアーナか、何か言ったかな? ここのところ馬車を降りる度に馬達に出待ちされて回復魔法をせがまれて会話どころじゃないのだ。
 馬車馬に馬車馬の様に働かされるってどうなんだろうな。
『お主嫌がっておらんじゃろ』
 まあなあ、初めは大きくて囲まれると怖かったけどもう慣れたもんよ。寧ろ可愛いまであるぞ。
『何故どや顔……。あ、馬に髪の毛食われとるぞ』
「にゅわあっ!?(それは食いもんじゃねえ!!)」

「アイリスちゃん聞いてなかったみたいね。で? 何が分かってないって言うのよミリアーナ」
「私んとこの領地も碌でもなかったから分かるんだけどね? 横暴な貴族の領地の平民って特に貴族とかを恐ろしい者として見ているのよ。反感とか対価どうこうよりも早く去ってくれって言うのが本音なのよ?」
 ビアンカは普段着とは言え平民ではおよそ着る事の出来ない華美な服を着ている。ナージャとヴェルンと言う従者を従え、そこにアーダルベルト配下の探索者達が護衛として30人以上雇われているのだ。
 ビアンカが周囲を見渡すと痩せこけた村人達は自分に顔を向けているけど誰とも視線は合わせない様にしている。目を付けられたくないのだろう。
「――息が詰まるわね。早くカントラス王国に着かないかしら」
「後1週間程ですね」

 馬にはむはむされたのを水魔法を使って綺麗にしていく。ここまでが休憩の度にやるセットになってしまったな。
『水魔法も適正高いのじゃ。回復魔法も練度がどんどん上がっているしのう』
 良い事じゃないか。なのに何故頭を抱えているのか。
『聖女のイメージが加速していくのじゃ! 剣士としても頑張ってるのに何でなのじゃああーーっ!!』
 おお……、まあうん、頑張ってるよな、俺。


「先ずは貴重なお時間を頂いて有り難うございます」
「畏まらないでも良いわ。それで何かしら? 何か私に用があるのでしょう?」
 ビアンカはこの村の村長と対面していた。
 見るからに貴族の令嬢に見えるとは言え今までの町や村では勿論、大きな街でも遠慮され会談を申し込まれる事すら無かったのだ。それが寂れた村の村長風情がわざわざ挨拶をとメイドのナージャに言って来たのだから何かあるのだろう。
(でなければナージャが断っている筈だものね)
「はい、実は……、そのぅ」
「子供を奴隷として買って欲しいそうですよ、ビアンカお嬢様」
 ビアンカは目を見開いた。子供を売ると言う村長に対して、ではなく勝手に村長の代弁をしたナージャに対してだが。
「何故、貴女が言うのよ」
「お嬢様に無駄な時間を取らせない様にと考えました。子供を売ろうとする様な者に遠慮は無用でしょう」
 冷たい視線が村長に突き刺さる。子供狂いのナージャにとっては許せない事だったのだろう。

「それはビアンカお嬢様が判断される事だ。控えろナージャ」
「ヴェルン……」
 殺意増し増しのナージャを余所にヴェルンが間に入って村長の話しを聞き出していく。村では働き手を戦争に持って行かれた上に増税されて村の運営が破綻寸前との話しだった。
「戦争で経済が悪化したとかでして、必要なのは分かるのですが税を支払うとこのままでは餓死者が多数出てしまうのです」
「馬鹿なのかしら此処の領主は。人を減らしておいて増税って」
 呆れた様に言うビアンカに、貴族への配慮から本音を押し殺していた村長は完全に同意したい気持ちだったが何とか口には出さなかった。

「私達の前に2つ探索者達の集団が通った筈だけど、彼等には頼まなかったのかしら」
「え? あの者達も関係者で?」
「まあ、関係者と言えば関係者ね」
「そっ! そうですか……、いやあの、ですね」
「兵士でもない。誰かを護衛をするでも無い武装集団と言うのはどんな存在か分かりません。頼む頼まない以前に恐怖の対象でしょう」
 言い辛そうにしている村長を見かねてヴェルンが予想を口にすると村長は首をガクガクと縦に振って答えた。

「成る程ね。……まあ言いたい事は分かったけど、私が買う訳にはいかないわね」
「っ、そう、ですか」
「お嬢様はあくまで貴族の当主ではなく貴族の令嬢です。当主の許可も無く他領で安易に人を買い、連れ出せば災いの元になりかねません」
「全く、幼い子供を売るなんて信じられません! 大人が身売りすれば良いでしょうに」
「戦争で無事に帰って来れなかった者も居る。只でさえ働き手が足らないのだ。そうも言っていられないのだろう」
「ヴェルンはどっちの味方なんですか!?」
「味方って、ナージャは子供が絡むと本当にポンコツになるな」
「それはどう言う意味かしらヴェルン?」
「止めなさい貴方達、みっともない」


 魔法で水を出して馬を洗って世話をしていると俺より背が低い痩せこけた少女が此方を見ていた。
『背が低いは重要かの?』
 重要だ。こんなおっさん捕まえて背が低いだけで子供に子供扱いされるんだぞ? 皆んなで毎度毎度からかってくるからなあ。
『いや真面目に子供扱いされとるだけじゃろ』ボソッ
「貴女様は、お貴族様ですか?」
「? ……違う」コテリ
 此方を見ていた少女がおずおずと近づいて来て話し掛けて来た。何だか歩き方がぎこちない。
 ああ、今はビアンカお姉様に合わす為にひらひらが付いた良さげな服を着てるからな。勘違いさせたかな。

 けど取り敢えず水魔法でぬるま湯、怯えさせない様に少女の手や足を洗って汚くなったお湯をペッして新しく生成、体に纏わせてぐるぐる洗浄洗浄、お湯をペッしてはい綺麗。
 うんうん、服も若干白くなったな。すんすんと匂いを嗅いでも臭くなくなったね。
「えと、……臭かった?」
「ん、もうだいじょぶ」
「…………そう」
 ? 何か複雑そうな顔されたぞ??
『お主、――それは無いじゃろ』呆れ顔
 えっ? 何が??




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