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第6章 びくびくお城の招待と新たな仲間?
第012話 美容魔法と王城続き
しおりを挟む夕方ダンスのレッスンを終えたらダールトン様と知らんおっさんが居て挨拶して来た。この国に来てる商工ギルドのギルド長らしい。お偉いさんらしいからちゃんと挨拶しておこう。
「んっ」こくり
『それがちゃんとした挨拶とか、よう言えたの』ジト目
五月蝿いわ。分かってんだよ、突然だったから心の準備が出来て無かったんだよ。
ビアンカお姉様もマリアンヌ様も笑顔だったしそのおっさんも何も言ってなかったし良いだろ? 何か凄い笑顔でうんうん唸ってて気持ち悪かったけど。
『気持ち悪いって……』
アリアとカチュアは小休止を取ってからお風呂と食事を済ませ、一足先に眠りについた。本来ならビアンカが先に済ます迄待つのだが、2人は未だ幼く体も痩せている為負担を考えての処置だ。
それでもアリアとカチュアはダンスの腕を上げていた。アイリスが居ない時にこっそり2人で練習していたのだ。
練習の時間2人は交互にアイリスの相手をしているが、それではアイリスの半分しか練習出来ないと言う事でもある。更にアイリスがビアンカやマリアンヌの相手をしている時は見学になる。
2人の体調を考えての事だが実力に差が出来ると相手をさせて貰えなくなるかも知れない。
「アイリスちゃんとダンス、楽しいもんねアリアちゃん」
「うん、私もアイリスちゃんと踊るの好きだよ」
アリーニャの指導があるとは言え貧しい村の出身の2人にとってダンスの練習は楽しい遊びの様にしか思えなかった。ーーそれに。
「アイリスちゃん可愛いからねー?」
「ドキドキしちゃうよねー?」
「お昼寝も一緒は困っちゃうよー」
「じゃあ止めて貰う?」
「それはイヤ「……ふふふふふ」」
幼いとは言え2人共立派な女の子であった。――アイリスとは大違いである。
俺はビアンカお姉様とマリアンヌ様と食事を一緒にする事になった。
これはビアンカがマリアンヌとアイリスとのダンスで笑顔が見えた事で決めた事だった。
2人はアデール王国の学院時代の苦労話しに花を咲かせていた。時々俺に話しを振って来て俺の学院生活の話しも話していっていた。けどこれ俺要らなくない? 自国の愚痴とかアデール王国の批判とか興味無いんだけど?
その後何時もはビアンカお姉様やナージャさん達とお風呂に入るんだけど、今日はナージャさんもアリアとカチュアと3人で就寝中。だから1人で入ろうとしたら今度はミリアーナに突入された。
「最近アイリスちゃんとは剣の鍛練以外じゃ中々一緒になれて無いからねー? 私達一緒のチームなんだからもっと仲良くならないと、ね?」
頬擦りするな、正面から抱き着くな。お前おっぱいデカいから埋もれて息が出来ないんだよ! 全く、良い大人がはしゃぎやがって。
ミリアーナにしこたま洗われ、洗わされたけど体の大きさ的に俺の方が損した気分だ。
『……お主凄いのう』呆れ顔
その後美容魔法もさせられて更に損した気分になったがミリアーナも喜んでいたしまあ良いだろう。確かに最近子供達(ビアンカ、マリアンヌ含む)に付きっきりで余り相手してやれなかったからな。
それにしても流石にマリアンヌ様が居るからかビアンカお姉様もお風呂に突入して来る事は無かったな。自重するって事は俺に過度に甘えていた自覚はあったんだろうな。
『自重したのは確かにそうじゃろうが、寧ろお主を甘やかすのを隠したんじゃろ』ボソッ
と思っていたら結局ビアンカお姉様に美容魔法で呼ばれた。マリアンヌ様も一緒だった。何故かミリアーナも一緒に居る。
全く、子供とは言え女の子がタオル一枚掛けるだけの格好で男に触れさせる何て、もうちょっと恥じらい? を持って欲しいね。
これも時代の変化か、おじさん付いて行けないよ。
『……おじさん、のう』ジト目
「んっ、あ、……んく、…………はぁ」
ビアンカお姉様が気持ち良さそうにしていると何故かマリアンヌ様が顔を真っ赤にしている。ミリアーナも顔を赤くしながら「眼福眼福」とか言って怪しい動きをしている。……まあアイツは何時もの事だから放っておくか。
「ふう、……有り難うアイリスちゃん。次はマリアンヌ様にしてあげてね」
「え、いや、でも……」
「マリアンヌ様も私の肌艶を気にしていたではありませんか。アイリスちゃんのマッサージは大金を払っても中々受けられる物ではありませんよ? 何せ獣人の方々まで虜にする位ですから」
いや大金くれるなら喜んでやるけど?
「効果を知れば何処の王族でも幽閉してでも手に入れたがるでしょうね」
と思ったけど止めておこう。
何故か躊躇っているマリアンヌ様を寝かせて美容魔法を施していく。自分では良く分からないけど声を出さずにはいかないのかね?
「あっ、ふ、……これは……、んんっ、凄すぎます」
ううーん、そこまで気持ち良いなら俺も受けてみたいと思ってしまう。まあ自分で自分に回復魔法を掛けてもそんな気持ちよくならなかったんだけどな。
一番満足そうなのは何故か見ていたミリアーナだったけど。
ミリアーナにもその後やったよ? まあ胸が大きいと重くて大変って言うし(こってるとは思えなかったけど)戦闘職で体を酷使してるだろうから(そうは感じなかったけど)色々あるんだろうな。
『お主の頭の中は平和じゃのう』ボソッ
美容魔法を終えるとそれぞれ自分の部屋に帰って行った。
俺も部屋に戻ろうとしたら侍女さん達に止められた。
――うん、まあ雇われの身ですしやれと言うならやりますよ? だからそんなギラギラした目で迫らないでくれるかな? 結局聖女モードを発動させられてしまったよ?
何とか終わらせて部屋に戻って来たけど、……ふむ。
今まではビアンカお姉様と一緒に寝てあげてたんだけど、マリアンヌ様が来てからは1人で寝る様にしたんだよな。
アリアとカチュアとはお昼寝が一緒だし、夜も一緒に寝てやりたいけど流石にもう寝てるだろうし部屋に行くと起こしてしまうかも知れないな。
仕方ない、ミリアーナと寝てやるか。
『えっ? おい?(1人で寝ると言う選択肢は無いのかの?)』
コンコン
「はぁーい、ってアイリスちゃんどうしたの?」
何故全裸? まあ良いか、て言うかやっぱり良い腹筋してるなコイツ。腕も太いし女性としては背も高いし肉付き良くて羨ましいね。
『……胸より筋肉か』
「一緒、……寝るの」
「ああ、ビアンカ様もマリアンヌ様が居るから流石に1人で寝るわよね。ナージャも子供達と寝てるだろうし、……それで寂しくなっちゃったかぁ。仕方がないなあアイリスちゃんは」
自室から枕と熊のぬいぐるみを連れてミリアーナの部屋へ訪れたんだけど、何故か俺が寂しがり屋の扱いをされてしまった。まあ嬉しそうだし訂正する事もないか。
『(誰がどう考えてもそうとしか思えんじゃろ。本当に1人寝が出来なくなっておらんかコヤツ)』ジト目
ここはカントラス王国王城、国王と数人の要人が集まって先の戦争の大敗について非公式な話し合いをしていた。
「魔武器の暴走か」
「初めに、魔武器を奪った者はそこまでの腕ではなかった様ですが、……暴走させ多くの被害を出しました。何とかその者を倒したものの、現場の指揮官がその魔武器を手にして再び暴走。同様腕は立たなかった者なのですが周りが混乱した為更に大きな被害を出した様です」
「味方が、それも上官がいきなり剣を振り回し味方を切りつけて回ればな。一兵士では切り捨てる事も選べなかったであろう」
「突然味方が裏切り者になり、その上魔武器によってその者が異常に強化されていた、か。……混乱、恐慌状態に陥るのも納得ですな」
「箝口令を敷けなかったのはその混乱故か……」
タヒュロス王国との戦争に大敗を喫した事は分かっていたが軍部も情報が入り乱れて精査するのに時間が掛かっていた。実際には責任の押し付け合いが終わっていなかったのだが、国王の一声で出し渋りが出来なくなり漸く国の上層部が報告を手にしたのだった。
「しかしタヒュロス王国の魔武器を奪っておいて暴走させ被害を出すとは、何とも間抜けな話しですな」
「元々曰く付きの魔武器だった様です。敢えて奪わせたのかも知れません」
偶然にしては出来過ぎている。それは軍部も此処にいる国の重鎮達も同様の考えだった。
「チッ、恥さらしな真似をしおって」
「全くですな陛下。普通に戦っていれば楽に勝てたものを、タヒュロス王国は録な装備も無かったのでしょう? 軍務卿」
「いや、しかし宰相殿! 良さそうな魔武器なら奪うのもそれを使うのも間違いとは言えません!! 曰く付きの魔武器を戦争に持ち出す方がおかしいのです! 下手をすれば自軍に被害が出ていたのですよ!?」
「声が大きい、要は奴等はそこまで追い込まれていたと言う事であろう。……しかし呪われているとは言え魔武器と言うのはそこまで強い物なのか?」
「はっ、申し訳ありません陛下。それで魔武器ですが基本的には使い手の能力を発揮させる物、と言う認識です」
「基本的に、とは?」
「はっ、聖剣も魔武器の一種とされていますから」
聖剣は使い手として認められれば使い手の能力以上の力を発揮すると言われている伝説級の魔武器だ。
「聖剣、か。しかしそこまでの被害を出すと言う事はその呪われた魔武器は国宝級は超えていると言う事か?」
「聖剣と同レベルかは分かりませんが少なくとも同じ伝説級ではあるかと思います」
「今は我が国にあるのだな?」
「はっ」
「再び使われる心配は無いか……、しかしどう扱うかな」
「戦争に負けた民の不安もあります。敵から伝説級の魔武器を奪う事に成功したと発表でもすればただ負けた訳ではないと宣伝にもなるのでは?」
「成る程、良いな。他に意見はあるか? 無ければその線で詰めていくぞ」
「伝説級の魔武器は教王国と商業王国の超大国2国に1振りずつしかありません。――かの2国が口出しして来るでしょうな」
「っ、確かにそれがあったな」
カントラス王国は中規模国家だ。物が伝説級の魔武器であれば大国であっても突っぱねる事も出来ないくらい強引に引き渡しを求めて来るだろう。
「まあ、いわく付きの魔武器など高値を付けた方に売り払ってしまえば良いではないですか」
「宰相?」
「我々としてはお披露目にさえ使えれば良いのです。寧ろそんな劇物早々に手放した方が良いでしょう」
「確かに、下手に睨まれても面倒だな」
「それで、魔武器の扱いは大丈夫なのですか?」
「それですが、精霊神社の巫女に何とかして貰えませんかな」
「巫女か。超常の力を持つ巫女ならば何とかなるのかも知れんな。うむ」
「ですが陛下、呪いを祓えたとしても同時に魔武器の能力も失われてしまう、何て事になりませんかね」
「ぬ? ……そうか、そうだな。ならばお披露目を終えてから巫女には見て貰うか。どのみち浄化出来るかも分からんしな」
「どの道手放すなら呪いを祓わずに渡したい所ですが、……逆恨みされても面倒ですね」
「先に見て貰うだけでもした方が宜しいのではないてすか?」
「精霊神社は悪しきモノを消し去ってしまうと聞きます。持って行くだけで浄化されてしまうのでは?」
結局巫女に聞いたが見てみないと分からないと言われ、危険があるかも知れないので早く持って来る様に言われた。だが魔武器の能力が失われる可能性を考えお披露目を終えてからと言う事になったのだった。
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