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色付く日常
初めてのデート
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12月31日、私、小川風子は駅の改札前で最後の前髪チェックをしているところ。跳ね一つない完璧な仕上がりに、益々今日のデートへの気合いが伺えることでしょう!!
そう、私はクリスマスイブに彼女ができました。初めて自分から好きになって告白した女の子と付き合うことができたんだ~!!
その子の名前は相原未来って言って、クラスでは大人しくて真面目な生徒会の子なんだよね。でも、その性格が災いしたのか、自分が同性が好きっていう悩みを一人で抱え込んで、内に閉じこもっていたんだ。でもこの前、昔の話をしてくれた時、ちょっとは力になれたのかなって思えて嬉しかったんだよ?まあ、付き合えるとまでは思ってなかったけど…(笑)
だからこうして、相原さんとデートの待ち合わせができるんだよね!
あ~、相原さん早く来ないかなぁ…!
風子はずっと立って待っているのも焦ったくなり、その周辺をウロウロし始めた。今日の待ち合わせの駅はかなり大きくて、周りにある広場も整備されていて、散歩にはちょうど良かった。先程水やりがあったのだろう。草花のみずみずしい匂いが、その水滴が爽やかな朝の雰囲気を醸し出していた。
「はぁ、遅れてごめんなさい…!」
「…!」
背中全体でに荒い息づかいを感じた。それが妙にこそばゆくて、風子は口角が上がる。
振り返ると、そこには可憐な黒髪の少女が呼吸を整えて立っていた。まだ少し肩で息をしているようで、それがまた可愛らしい。
「相原さん!大丈夫だよー」
風子はひらひら手を振って答える。未来は少し安堵した表情を浮かべた。
「改札の前に居なかったから、もう帰られたんじゃないかって思って」
「い、いやいや。私そこまで薄情じゃないよ~っ」
「…分かってるわよ。あなたがそんな人じゃ無いってことは」
少し、からかってみただけ。
私が驚くと、顔を赤くしてそっぽを向いちゃった相原さん。
ああ、可愛いなぁ。こんなやりとりが出来るなんて、私、幸せだ…。
あまりの幸福感で、風子は未来の華奢な腕にそっと手を伸ばす。そのまま腕に絡みつき、自身の体をぎゅっと引き寄せ密着した。風子の胸の谷間に、未来の腕がぴったりはまる。
「…!」
「…いい、よね?腕組むくらい…」
その返事代わりに、未来は反対の手で風子の手を軽く握った。ふにふにした感触が心地よい。
「歩くのに支障がない程度にね」
「うんっ!」
二人一緒に昼食を取るためにカフェへと歩き出した。
「いい雰囲気のお店だねー」
「そうね、さて、どのパスタにしようかしら」
風子と未来は、未来のおすすめのパスタ屋に来ていた。全体的に渋い感じで、大人の空間が保たれていた。二人は、窓辺のテーブル席に座る。
「ここは何がおすすめなの?」
「カルボナーラかしら?」
「相原さんはそれにするの?」
「ん、…ええ。そうするわ」
「じゃー私もそれでっ!」
風子は未来と同じものを頼み、料理が来るまでの時間、これからの予定の話をして時間を潰した。
今日は初デートながら、一緒に年越しをするというビッグイベントも兼ねていた。この後、テーマパークに行き、そこで新年を迎えるという計画に落ち着いた。
「これ美味しいね!めちゃクリーミーじゃん」
「ええ」
未来は風子への反応をそこそこに、夢中でパスタを口に運んでいた。その幸せそうな顔を見て、風子は嬉しくなった。こんなにあることに熱中する未来を知らない、まだ見たことのない未来の姿がある、それを実感したのだ。
もっと相原さんのこと知りたいなぁ…。
風子は少し笑って、再度、パスタを運ぶ手を動かした。
園内には軽快なテーマが流れ、人混みが渦巻いていた。年越しということもあって、子連れの家族やカップルが普段より多く感じられた。
「ここでは何をするのかしら?」
「んー何してもいいけど、とりあえず絶叫系とか乗らない?実はここの~…」
無事に入園できた二人は、ひとまず1番人気と言われるジェットコースターに並んだ。
「相原さん絶叫系いけるんだね、意外だったかも?」
「別に、…どちらかといえばあまり好まない方よ」
「え!い、言ってよ~っ!もう結構並んじゃったし!」
「不得意だけど、乗りたいと思ったから並んでるの。だから心配することはないわ」
風子はポカンとした口で立ち尽くす。未来はそれを気にせず、一つも表情を崩さないで前に進む。風子も慌ててついて行った。
「ちょっと、言ってることが分かんないんですけどー…」
「…あなたがあれだけ嬉しそうにプレゼンするんだもの。興味を持っても仕方ないでしょ」
未来はジトっとした目で風子を見る。
っ…!そ、そりゃ彼女と絶叫系でキャーキャーしたいじゃん…!!
風子は思惑を見透かされたようでボッと顔を赤くする。未来はそれを見て、フフッと笑い、風子の手をとった。
「小川さん、やっぱり怖いから手を繋いでていいかしら?」
「…!もちろんっ」
初めて甘えられた…⁉︎やばっ、ちょー嬉しいんですけど…!
周りに人がいなかったら、抱きついちゃってただろうなぁ…。あはは。
時間が経ち、夕食もとり終え、ついに年越しまで10分となった。二人は花火がよく見えるスポットへ移動した。未来は自分の手に、この前風子がプレゼントした手袋をつけていた。やはり、その白い手袋は繊細な雰囲気の未来にはよく似合っていた。夜の遊園地にイルミネーションが輝き、その幻想的な風景が一層未来を儚く見せる。触れたら消えてしまいそうなか弱さが益々愛しさを増す。
二人は近くの空いているベンチに腰掛けた。告白した時よりも、もっともっと近い距離で。
「相原さん、ありがとうね」
「…?ええ。私こそ」
改まった言い方に未来は少しキョトンとした。風子は未来の顔を見ずに、そっと手を握った。
「今日のデートだけじゃないよ。迷子の私を助けてくれたのも、部活体験に誘ってくれたのも、もちろん、付き合ってくれたことも…」
「……」
「私、相原さんに出会ってから本当に青春してるなって思うんだ。辛いことも嬉しいことも含めて高校生活をめちゃめちゃ謳歌できてる!」
年越し数分前。花火のショーが始まった。最初は控えめな花火達が徐々に真っ暗なキャンパスに華やかな弧を描いていく。
「全部相原さんのおかげなんだよ」
「……ええ」
二人は各々の思いで花火を眺める。周囲のざわつきと一面に広がる鮮やかな光景に浮遊感を覚えた。
次第に空全体が赤や黄色や緑にカラフルに染まっていく。いよいよショーは終盤にかかった。みんなの視線が一気に天上へ向く。
「だから、相原さん」
「?」
未来は風子の方を見た。風子も未来の方を見る。
この空間でたった二人だけ、お互いを見つめ合う。そこはもう、二人だけの空間そのものの様に感じた。
「私、これからもっと相原さんのことを知りたい!今までの相原さんも、これからの相原さんも!!」
「…っ、小川さ…!!」
風子は躊躇いもなく、未来に口づけを交わした。今までの欲を我慢してきたせいなのか、今までにない勢いで吸い付く。未来は慌てて抵抗した。
「ちょ、ここは外よ⁉︎他の人に見られ…っ!」
焦る未来から、風子は唇と唇が触れ合うギリギリまで離し、そっと囁いた。
「大丈夫だよ?みんな私達の方なんて気にしてない…」
風子の息遣いを感じて、未来は耳が赤くなった。それを見て風子はもう歯止めが効かなくなってしまった。
「私、相原さんとキスして、新年を迎えたい。来年もずっと繋がっていれる様に…って」
「…っはぁ、わかったわ」
風子は未来の肩に手を置いた。未来も静かに目を閉じた。
ヒュウゥゥゥ…。
ラストの花火が上がる。その光が恍惚とした二人の唇を映し出す。ベンチに座る二人の影が、そっと重なった。
ドーーン ドン ドーン
「happy new year!!皆さん、あけましておめでとうございます!!今年も…」
周囲全体がめでたいムードで盛り上がる。二人もそっと唇を離した。
「あけましておめでとう、相原さん!」
「あけましておめでとう、小川さん」
二人はお互いの未来を願って、優しく笑い合った。
そう、私はクリスマスイブに彼女ができました。初めて自分から好きになって告白した女の子と付き合うことができたんだ~!!
その子の名前は相原未来って言って、クラスでは大人しくて真面目な生徒会の子なんだよね。でも、その性格が災いしたのか、自分が同性が好きっていう悩みを一人で抱え込んで、内に閉じこもっていたんだ。でもこの前、昔の話をしてくれた時、ちょっとは力になれたのかなって思えて嬉しかったんだよ?まあ、付き合えるとまでは思ってなかったけど…(笑)
だからこうして、相原さんとデートの待ち合わせができるんだよね!
あ~、相原さん早く来ないかなぁ…!
風子はずっと立って待っているのも焦ったくなり、その周辺をウロウロし始めた。今日の待ち合わせの駅はかなり大きくて、周りにある広場も整備されていて、散歩にはちょうど良かった。先程水やりがあったのだろう。草花のみずみずしい匂いが、その水滴が爽やかな朝の雰囲気を醸し出していた。
「はぁ、遅れてごめんなさい…!」
「…!」
背中全体でに荒い息づかいを感じた。それが妙にこそばゆくて、風子は口角が上がる。
振り返ると、そこには可憐な黒髪の少女が呼吸を整えて立っていた。まだ少し肩で息をしているようで、それがまた可愛らしい。
「相原さん!大丈夫だよー」
風子はひらひら手を振って答える。未来は少し安堵した表情を浮かべた。
「改札の前に居なかったから、もう帰られたんじゃないかって思って」
「い、いやいや。私そこまで薄情じゃないよ~っ」
「…分かってるわよ。あなたがそんな人じゃ無いってことは」
少し、からかってみただけ。
私が驚くと、顔を赤くしてそっぽを向いちゃった相原さん。
ああ、可愛いなぁ。こんなやりとりが出来るなんて、私、幸せだ…。
あまりの幸福感で、風子は未来の華奢な腕にそっと手を伸ばす。そのまま腕に絡みつき、自身の体をぎゅっと引き寄せ密着した。風子の胸の谷間に、未来の腕がぴったりはまる。
「…!」
「…いい、よね?腕組むくらい…」
その返事代わりに、未来は反対の手で風子の手を軽く握った。ふにふにした感触が心地よい。
「歩くのに支障がない程度にね」
「うんっ!」
二人一緒に昼食を取るためにカフェへと歩き出した。
「いい雰囲気のお店だねー」
「そうね、さて、どのパスタにしようかしら」
風子と未来は、未来のおすすめのパスタ屋に来ていた。全体的に渋い感じで、大人の空間が保たれていた。二人は、窓辺のテーブル席に座る。
「ここは何がおすすめなの?」
「カルボナーラかしら?」
「相原さんはそれにするの?」
「ん、…ええ。そうするわ」
「じゃー私もそれでっ!」
風子は未来と同じものを頼み、料理が来るまでの時間、これからの予定の話をして時間を潰した。
今日は初デートながら、一緒に年越しをするというビッグイベントも兼ねていた。この後、テーマパークに行き、そこで新年を迎えるという計画に落ち着いた。
「これ美味しいね!めちゃクリーミーじゃん」
「ええ」
未来は風子への反応をそこそこに、夢中でパスタを口に運んでいた。その幸せそうな顔を見て、風子は嬉しくなった。こんなにあることに熱中する未来を知らない、まだ見たことのない未来の姿がある、それを実感したのだ。
もっと相原さんのこと知りたいなぁ…。
風子は少し笑って、再度、パスタを運ぶ手を動かした。
園内には軽快なテーマが流れ、人混みが渦巻いていた。年越しということもあって、子連れの家族やカップルが普段より多く感じられた。
「ここでは何をするのかしら?」
「んー何してもいいけど、とりあえず絶叫系とか乗らない?実はここの~…」
無事に入園できた二人は、ひとまず1番人気と言われるジェットコースターに並んだ。
「相原さん絶叫系いけるんだね、意外だったかも?」
「別に、…どちらかといえばあまり好まない方よ」
「え!い、言ってよ~っ!もう結構並んじゃったし!」
「不得意だけど、乗りたいと思ったから並んでるの。だから心配することはないわ」
風子はポカンとした口で立ち尽くす。未来はそれを気にせず、一つも表情を崩さないで前に進む。風子も慌ててついて行った。
「ちょっと、言ってることが分かんないんですけどー…」
「…あなたがあれだけ嬉しそうにプレゼンするんだもの。興味を持っても仕方ないでしょ」
未来はジトっとした目で風子を見る。
っ…!そ、そりゃ彼女と絶叫系でキャーキャーしたいじゃん…!!
風子は思惑を見透かされたようでボッと顔を赤くする。未来はそれを見て、フフッと笑い、風子の手をとった。
「小川さん、やっぱり怖いから手を繋いでていいかしら?」
「…!もちろんっ」
初めて甘えられた…⁉︎やばっ、ちょー嬉しいんですけど…!
周りに人がいなかったら、抱きついちゃってただろうなぁ…。あはは。
時間が経ち、夕食もとり終え、ついに年越しまで10分となった。二人は花火がよく見えるスポットへ移動した。未来は自分の手に、この前風子がプレゼントした手袋をつけていた。やはり、その白い手袋は繊細な雰囲気の未来にはよく似合っていた。夜の遊園地にイルミネーションが輝き、その幻想的な風景が一層未来を儚く見せる。触れたら消えてしまいそうなか弱さが益々愛しさを増す。
二人は近くの空いているベンチに腰掛けた。告白した時よりも、もっともっと近い距離で。
「相原さん、ありがとうね」
「…?ええ。私こそ」
改まった言い方に未来は少しキョトンとした。風子は未来の顔を見ずに、そっと手を握った。
「今日のデートだけじゃないよ。迷子の私を助けてくれたのも、部活体験に誘ってくれたのも、もちろん、付き合ってくれたことも…」
「……」
「私、相原さんに出会ってから本当に青春してるなって思うんだ。辛いことも嬉しいことも含めて高校生活をめちゃめちゃ謳歌できてる!」
年越し数分前。花火のショーが始まった。最初は控えめな花火達が徐々に真っ暗なキャンパスに華やかな弧を描いていく。
「全部相原さんのおかげなんだよ」
「……ええ」
二人は各々の思いで花火を眺める。周囲のざわつきと一面に広がる鮮やかな光景に浮遊感を覚えた。
次第に空全体が赤や黄色や緑にカラフルに染まっていく。いよいよショーは終盤にかかった。みんなの視線が一気に天上へ向く。
「だから、相原さん」
「?」
未来は風子の方を見た。風子も未来の方を見る。
この空間でたった二人だけ、お互いを見つめ合う。そこはもう、二人だけの空間そのものの様に感じた。
「私、これからもっと相原さんのことを知りたい!今までの相原さんも、これからの相原さんも!!」
「…っ、小川さ…!!」
風子は躊躇いもなく、未来に口づけを交わした。今までの欲を我慢してきたせいなのか、今までにない勢いで吸い付く。未来は慌てて抵抗した。
「ちょ、ここは外よ⁉︎他の人に見られ…っ!」
焦る未来から、風子は唇と唇が触れ合うギリギリまで離し、そっと囁いた。
「大丈夫だよ?みんな私達の方なんて気にしてない…」
風子の息遣いを感じて、未来は耳が赤くなった。それを見て風子はもう歯止めが効かなくなってしまった。
「私、相原さんとキスして、新年を迎えたい。来年もずっと繋がっていれる様に…って」
「…っはぁ、わかったわ」
風子は未来の肩に手を置いた。未来も静かに目を閉じた。
ヒュウゥゥゥ…。
ラストの花火が上がる。その光が恍惚とした二人の唇を映し出す。ベンチに座る二人の影が、そっと重なった。
ドーーン ドン ドーン
「happy new year!!皆さん、あけましておめでとうございます!!今年も…」
周囲全体がめでたいムードで盛り上がる。二人もそっと唇を離した。
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