夜 行 街

壱(いち)

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セレブの仲間入り?

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「男子校って……」
「まだある」

毎年恒例行事の兎狩り。
兎に自分の好きな人物をあて填めて捕まえる。
隠れんぼの高度版だな、それって。

狩人、一般生徒は手錠を所持し隠れる兎を見つけて手錠を嵌めること。発見した者へのメリットはその人物を3日間無条件で要求が出来る。
兎も、その時期に投票形式で決めるのか。
生徒会も絶対参加で盛り上がるねぇ。

そんなに楽しいのかね、なんか幼稚っぽくないか。

「拒否権は?」
「ない。サボれば単位はなくなる」
「横暴」
「ま、そうでもない。最初から捕まる奴を決めとくのもありだ」
「へぇ、ありなの?」
「あぁ。無傷であることがルールで決められてる。リンチ目的で動く奴もいるから気をつけろ」
「無傷って、物騒な」
「男だけに力ずくな奴らもいる」

スパーっと煙りを吐き出す水城さんは、その顔を険しさせたかと思うと。

「態と無効にするのもアリだがな」

と、ほくそ笑む。またその悪そうな表情が似合う大人だ。
正当防衛ならありってこと?
まあいま効かなくてもそん時分かるか。

「取り敢えず学園はこんなとこ。寮のことは知ってるか?」
「サッパリ」
「お前パンフはどうした」
「見てない」

あっさりと告げる俺に対し額に手をあててため息を吐く。

「寮は中等、高等別々で高等部用の寮は神威ってとこ」
「へー」

水城さんはニヤリと笑った。

「その中にコンビニ、美容室、図書館、医務室がある」
「……どこまで」

ハイグレードなんですか。たかが寮に!

「普通だろ」
「普通寮にコンビニや美容室はありません!」
「へぇ」

初めて知ったとばかりに驚き顔。
これだから金持ちは……。

杉浦水城
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俺の父親になった烈さんの弟。
星陵学園の理事長サマ。
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