不思議物語

ikura

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押入れ

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私は女子校に通っていた。そこは歴史が古く校舎が新校舎と旧校舎とが渡り廊下で繋がって出来ていた。新校舎と言ってもヒビが入っていたり、汚れていたり真新しい と言った感じではない。旧校舎の方は正しく“昭和”という印象だった。
ある1年生の3学期だった。私の高校は、必ず何かしらの委員会に所属しないといけなかったので、あまり活動をしていないボランティア委員会にはいった。1ヶ月に1回あるかないかという頻度で、ある日久しぶりに活動すると連絡があり、いやいや集まった。そしてそこで「ボランティア委員会でひな壇を飾ろう」という話になり、どこからそんなお金が出るんだろ?と考えていたら ずっと前までこの学校できちんと飾っていたが人数が一時期すごく減って飾らなくなってそれ以来ずっと飾っていない、と1番古株の先生が教えてくれた。
翌日みんなで集まり飾ることになった。人形などは旧校舎の茶道部が使ってる押入れにある。との事だったので1年がそれを取りに行くことになった。私は面倒だったので鍵の管理を申し出て「最後に出ていくから荷物お願い」とうまく理由を付けて荷物を持つのを回避した。
そして各々荷物を取り出して教室の外へてる。残っている人がいないかを確認して
「よし、だれもいない」
と、外に出ようとした時後に気配を感じ振り向くとそこはちょうど人形が入っていた押入れがあり、何故か中を確認しなきゃと言う思いが込み上げてきて、恐る恐る近づき手をかけた
その時
「ねぇ!先輩に怒られるから早く行こう!」
と声をかけられ 一気に現実に戻された感覚におそわれた。
「あ、ごめん今外に出るよ」
もう一度押し入れの方を確認してから、急いで教室から出ようとした。
(あれ、でも)
「ねぇ、なんで荷物何も持ってないの?」
と振り返り確認するとそこには誰もいなかった。
突然怖くなり急いで外に出てみんながいる所まで走って行った。
そして、さっきあった出来事をしどろもどろながらみんなに伝えると
「行ってみよう。押入れになにかあるかもしれない」
と一人の先輩がいいみんなで確認しに行くことになった。私は怖くて友達の腕をギュッと掴んでいた。
そしてみんなであの押し入れを恐る恐る開けた
「え……」
困惑の声が静かな部屋で響くように聞こえた。
そこには、お雛様が今まで時間がたっていない と思わされるような綺麗さと ほんとに生きているのでは、と疑うほど美しい目をしていた。お雛様から目を離せなくなっていたら
「きゃぁぁぁ!」
と声を上げ座り込む子がいた。その声のおかげで戻ってこれたのか次々と後ずさりや腰を抜かす人が出てきた。

話を聞いてみると、ひな壇の飾る道具をとる時にこの押入れを開け、ものを取り出したのだがこんなに美しくホコリひとつもかぶっていない人形はどこにもなかったとの事だった。
今考えてみると、なぜあの時 “戻ってこれた”と思ったのか、ホコリがひとつもなく汚れていないのに何も不思議に思わなかったのか、色々不思議なことがおおい
そして何より、もしもあの時に誰か…なにかに声をかけられずに押し入れを開けていたら私は今頃どうなっていたのだろうか
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