咎禍

Yuta

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第18話 「鏡京介 伝記」

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第18話「鏡京介 伝記」

俺の名前は天城譲介。

あれから四カ月、俺達の傷はひっつき、退院の時が訪れた。

譲介「ありがとうございました!」

遊馬「助かった。」

問馬「世話になったぁ~ぜぇ~!」

医者「あの傷でギモーヴをたたかって、大変だったな。安静にな。」

退院すると一人の人物が訪れた。

日ノ下「天城少年!久しぶりだな!」

鏡「美顔の僕が参上…」

遊馬「鏡と日ノ下か。」

譲介「日ノ下さん。会議の時はありがとうございました!」

日ノ下「ハハハッ!気にする必要はない!俺にとってアコンシャスを庇うのはよくあることだ!それより天城少年!遊馬!飯にいかないか!?」

遊馬「ああ久しぶりにいいかもな。」

譲介「えぇ!?まじすか!?行きたいです!」

日ノ下「俺の奢りでいいぞ!」

遊馬「申し訳ないな。」

日ノ下「うむ!大丈夫だ!」

問馬「俺達もいいかぁ~だぁ~ぜぇ~?」

剣「ワイも!」

田蔵「そしたらワシも行くぞい。」

百合香「私もお願いします!」

日ノ下「勿論だ!人数は多い方が良いッ!」

俺達は早速、焼肉屋に行くことになった。

鏡「よく俺と爆人でここにくるんだ。」

譲介「美味しそうな肉の匂いがします。」

店長「いらっしゃいませ!おっ!日ノ下兄ちゃんと鏡兄ちゃん!」

鏡「今日は2人ではなく…8人…グレートな人数だ。」

店長「8名様だね!8名お客様が入りましたぁ!」

店員達「イェッサー!」

譲介(すごい気合だな…)

席に座ると日ノ下さんがメニューを渡してくる。

日ノ下「これがメニューだ。」

譲介「ありがとうございます!」

店員「ご注文はいかがですか?」

日ノ下「ハイボールと焼肉7人前セットを頼むぞ!」

鏡「勿論…僕は…い・つ・も・の✨️」

遊馬「いやそれ焼肉屋じゃなくてバーでやるやつ。」

問馬「『いつもの』!?。カッケー!俺もいつもので頼むぜ!(ドヤァ)」

店員「いやお客様は鏡さんと違って初来店でしょう?」

問馬「ん?どういうことだ?」

店員「えっ、」

剣「ごめんな。コイツアホやねん。ちなみにワイはメロンソーダや。」

問馬「まあよくわからんからコーラーでいっかw」

店員「あっ、ああ…はい」

田蔵「ワシは生ビールじゃな!」

遊馬「俺もだ」

百合香「白ワインでお願いします」

譲介「サイダーでお願いします!」

そして全員の飲み物と肉が置かれる。

鏡「お嬢ちゃん俺と同じ白ワインだね😉」

百合香「あっ、はい!」

鏡「エレガントなセンスだ🌹」

遊馬「貴様…百合香に手を出すなよ💢…」

鏡「ハハッ!鏡様はそんなことしない。彼氏持ちには手をださないよ✨(キリッ)」

日ノ下「ハハハッ!京介はそんなやつじゃないから大丈夫だッ!」

遊馬「ならいいが…」

問馬「そんなに心配することかぁ?」

剣「問馬。そりゃ、二人共お似合いやからなぁw。」

問馬「ん?よくわからんけどわかったぜ!」

譲介「肉焼けてきました!」

田蔵「ワシがついでやるぞい!さっ!若いもんはいっぱい食うんじゃ!」

譲介「ありがとうございます!」

日ノ下「天城少年。聞いたぞ。8歳の頃、凌駕さんに助けられたと。」

譲介「はい!」

日ノ下「俺達も凌駕さんに助けられてきてる。みんな凌駕さんを尊敬してるんだっ!」

鏡「凌駕さんはワンルダフルなリーダーだ。俺は凌駕さんのおかげで生きている。俺には父親がいないみたいなもんだったから、凌駕さんは父親そのものだ。」

譲介「俺もです。俺も生まれた時から父親はいなかった。」

鏡「おっとこれは奇遇だな。」

譲介「母も10歳の頃に行方不明になってそれっきりなんです。」

鏡「僕もだ母が病気で死んだ。妹しか血縁の家族はいない。」

譲介「えっ、それじゃあ鏡さんも…」

鏡「まさかここまで境遇がマッチする子と出会うとはね。」

譲介「……」

しばらくの沈黙の後、俺は聞いてみた。

譲介「あの…鏡さんって昔どうだったんですか?話せればでいいです。」

鏡「勿論だ。代わりに君の過去も聞いていいか?」

譲介「勿論です。」

俺は話した。父がいなかったこと、母の失踪、施設での孤独、そして今の仲間との出会い。

鏡「そうか。僕もだ。僕も親がいない。」

鏡さんは語り始めた。

—————————————————————————

・鏡side

僕は名家・鏡家に生まれた。

鏡家は代々画家や芸能人、歌手。様々なエンターテイメントの頂点に立つ家系。

僕はその中でも絵の才能にひでていた。

鏡「お父さん!この絵見て!」

父「………」

だが父は興味が全くなく見ることすらしなかったが、母は違う。

母「あらうまいわね!将来は画家になれるわ!」

鏡「わ~い!ありがとう!お母さん!」

それから僕は絵を描き続けていた。

だがある日、事態が一変する。

母「ごめんね…京介…あの…病気になっちゃったの…」

鏡「お母さん。絶対毎日お見舞い行くから!」

ちなみに治療費は父親がパチンコで溶かしていた。

父「金がねぇ!市役所から上限まで借りちまった!クソッ!なら!」

なんとこのクソ親父は闇金に手を出しちまった。

ヤクザ「はよ返せや!鏡コラ!」

ヤクザ2「コンクリートに沈めんぞ!」

妹の結月はいつもおびえていた。

結月「お兄ちゃん…怖いよ…」

鏡「大丈夫だ…お兄ちゃんがついてるからな…」

やがて父はいきなり姿を消した。まあなんとなく察したヤクザに消されたんだろう。

僕はとにかく金がなかった。だから、母の治療費を払うために僕の服、おもちゃ…全てを売りさばいた。

医者「今月の治療費をお願いします。」

鏡「これで…お願いします…」

更に僕はいつも町中で絵を売っていた。

だが悲しいことに中々売れず、やがて母は…

母「京介…結月…よく聞いて…」

鏡「お母さん…」

母「京介…貴方に任せるわ…結月を頼むわ…必ず幸せななりなさい…。人として、道を踏み外さず、美しく生きるのよ…それがお母さんの最期のお願いよ…」

ピーッ!

結月「お母さぁ~~ん!」

鏡「そ、そんな…」

しかも追い打ちをかけるように

医者「あ~結月さん。病気なってますよこれ。入院ですね。」

鏡「えっ、」

妹まで病気になった。

それから僕は必死に絵を売った。

鏡「誰か!絵を買ってください!」

だが非情にも…

バギンッ!

大人「なんだこのガキ」

大人2「ヘタクソな絵だ!やめろよ!」

中々売れなかった上に大人が石を投げつけてきた。

誰も助けてくれなかった。また攻撃されるそう思った…その時だ。

ガシッ!

大人「あぁん?」

何者かが石を持つ男の手を掴む。

それこそ水刻ノ禍・神代凌駕さんだったのだ。

凌駕「幼子に何をしている…貴様ら人間ではない。」

大人「舐めやがって!」

そいつが片方の手で凌駕さんを殴りに行くも、

バギンッ!

大人「いてっ!」

凌駕「フン…鍛錬が足りないな。」

気づけば凌駕さんはやつ背おいなげしていた。

凌駕「次は貴様だ」

大人2「ひ、ヒィィィ!助けてぇぇ!」

そしてその2人は警察官に連行された。

凌駕「大丈夫か?怪我は?」

鏡「だ、大丈夫です…」

ストン…

鏡「えっ、」

凌駕「500万ある。使え。」

鏡「ちょっと待ってください!お名前は!」

凌駕「…『神代凌駕』だ。」

僕は必死に話した。妹のこと。そしてお礼がしたいということを。すると凌駕さんは病院に来た。

凌駕「君が『鏡結月』だな。」

結月「はい…ゴホッ!」

凌駕「お医者さん。私は彼らの新しい保護者です。この金でお願いします。」

医者「こ、こんなに!?」

凌駕「1年分くらいはこれでできるでしょう?お願いします。」

医者「は、はい!」

凌駕「また金が何かあったらいえ、これが私の番号だ。もしこれが繋がらなくても、『水刻ノ禍・神代凌駕』といえば必ず繋がる。またな。」

彼はそういって、背を向けた。

鏡「待ってください!何かお礼を!」

凌駕「礼はいらぬ。」

僕は下がらなかった。何度もお願いした。だってこんなの初めてだ。こんな優しい大人いままで母以外いなかった。「もっとこの人から学びたい、この人の近くで、役に立ちたい」心からそう思った。彼に父性を感じた。

凌駕「そうか…ならばSRに来るか?危険だぞ。命をかける仕事だ。常に死と隣り合わせ。報われないことのほうが多いぞ。」

だが僕の姿勢は変わらない。

鏡「それでもいい!SRに入れてください!」

凌駕「うむ。わかった。田蔵さんに連絡を入れる。」

こうして僕はSRに入った。

任務を重ねるにつれ、段々と凌駕さんの人格へ惹かれていった。

最初は中々たたかえなかった。

アコンシャス「隙あり!」

鏡「あっ!」

シャキン!

凌駕「フンッ!」

いつも凌駕さんに守ってもらってばかりだった。

だが凌駕さんはいつも行っていたのだ。

鏡「守ってもらってばかりで…すみません…」

凌駕「構わん。『後輩の盾になる』先輩として当然のことだ。」

鏡「…!」

僕はこの言葉をずっと大切にしている。その言葉を大事に前線でもいつも後輩を守ることを意識していた。

あと母の最期の言葉、「美しく生きなさい」
という言葉…あれもずっと心に残っている。だからこそ僕は母のその言葉を大事にし、今のナルシストみたいな性格になってしまったんだが(笑)

そしてもう一つ、いい出会いがあった。

日ノ下「なんだ!同期か!よろしくな!」

鏡「『鏡京介』だ。よろしく。」

日ノ下「うむっ!いい名前だ!俺は『日ノ下爆人』!折角同期だ!仲良くしよう!」

爆人は子供の頃からずっと純粋で前向きだった。

鏡「任務失敗しちまったな…」

日ノ下「ハハッ!そんなこともあるな!これでも飲んで切り替えればいい!」

鏡「爆人ってホントポジティブだな。まじで好きだわ。」

爆人「ハハッ!俺も鏡の自分を愛しているところ!見習いたい!今後飯でもいくか!」

俺達はガキの頃からずっと一緒だった。この店もガキの頃からずっと一緒に通ってるしな。

同期が死ぬことは多かった。それでも俺達は生き残れた。そして実力が認められ、禍という称号が与えられる。

黒栖「これより実力を認め、『鏡京介』を『光ノ禍』、『日ノ下爆人』を『爆破ノ禍』とする!」

鏡「よかったな…」

日ノ下「俺達二人だからここまでこれた。感謝してるぞ鏡。」

鏡「これこそ"美しい景色"だ。」

そして今に至るってわけだ。

譲介「すごく深いお話でした。」

鏡「ありがとな。」

日ノ下「まあ俺達は永遠に相棒だからなッ!ズッ友だ!」

そういって日ノ下さんは鏡さんの肩を組む。

僕達は店を後にした。

帰り僕だけ別の道にいった。

鏡「美しく寄るところがある…行って来る。」

ガチャ

訪れたのは

結月「お兄ちゃん!」

鏡「結月。美しいショートケーキだ✨」

結月「ありがとう!」

鏡「結月。病状はどうだ?」

結月「よくなったよ。」

鏡「そうか。それはよかった。何かいいことあったか?」

結月「あのね!窓の外に桜が咲いたんだ!」

鏡「おお綺麗な桜だな。」

結月「なんかね。お母さんが桜になって見ててくれてる気がするんだよね。」

鏡「言われてみればそういうふうに見えてきた…」

しばらく沈黙が続いた。気づけば僕らはほほ笑んでいた。

鏡「じゃあまた来るからな!」

結月「うん!待ってるよ!」

・次回予告

2度目の四騎士会議

カフティー「ギモーヴがやられた。」

オースティン「ならばワシがやつらを断罪する」

一ノ瀬「守ってくれでやんす!怖いでヤンスぅぅぅぅ!」

譲介「ちょっと!何やってるんですか!?」

一ノ瀬がオースティンにビビる!

オースティン「さあ断罪のときだ!」

次回 断罪のハンマー
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