18 / 19
第18話 「鏡京介 伝記」
しおりを挟む
第18話「鏡京介 伝記」
俺の名前は天城譲介。
あれから四カ月、俺達の傷はひっつき、退院の時が訪れた。
譲介「ありがとうございました!」
遊馬「助かった。」
問馬「世話になったぁ~ぜぇ~!」
医者「あの傷でギモーヴをたたかって、大変だったな。安静にな。」
退院すると一人の人物が訪れた。
日ノ下「天城少年!久しぶりだな!」
鏡「美顔の僕が参上…」
遊馬「鏡と日ノ下か。」
譲介「日ノ下さん。会議の時はありがとうございました!」
日ノ下「ハハハッ!気にする必要はない!俺にとってアコンシャスを庇うのはよくあることだ!それより天城少年!遊馬!飯にいかないか!?」
遊馬「ああ久しぶりにいいかもな。」
譲介「えぇ!?まじすか!?行きたいです!」
日ノ下「俺の奢りでいいぞ!」
遊馬「申し訳ないな。」
日ノ下「うむ!大丈夫だ!」
問馬「俺達もいいかぁ~だぁ~ぜぇ~?」
剣「ワイも!」
田蔵「そしたらワシも行くぞい。」
百合香「私もお願いします!」
日ノ下「勿論だ!人数は多い方が良いッ!」
俺達は早速、焼肉屋に行くことになった。
鏡「よく俺と爆人でここにくるんだ。」
譲介「美味しそうな肉の匂いがします。」
店長「いらっしゃいませ!おっ!日ノ下兄ちゃんと鏡兄ちゃん!」
鏡「今日は2人ではなく…8人…グレートな人数だ。」
店長「8名様だね!8名お客様が入りましたぁ!」
店員達「イェッサー!」
譲介(すごい気合だな…)
席に座ると日ノ下さんがメニューを渡してくる。
日ノ下「これがメニューだ。」
譲介「ありがとうございます!」
店員「ご注文はいかがですか?」
日ノ下「ハイボールと焼肉7人前セットを頼むぞ!」
鏡「勿論…僕は…い・つ・も・の✨️」
遊馬「いやそれ焼肉屋じゃなくてバーでやるやつ。」
問馬「『いつもの』!?。カッケー!俺もいつもので頼むぜ!(ドヤァ)」
店員「いやお客様は鏡さんと違って初来店でしょう?」
問馬「ん?どういうことだ?」
店員「えっ、」
剣「ごめんな。コイツアホやねん。ちなみにワイはメロンソーダや。」
問馬「まあよくわからんからコーラーでいっかw」
店員「あっ、ああ…はい」
田蔵「ワシは生ビールじゃな!」
遊馬「俺もだ」
百合香「白ワインでお願いします」
譲介「サイダーでお願いします!」
そして全員の飲み物と肉が置かれる。
鏡「お嬢ちゃん俺と同じ白ワインだね😉」
百合香「あっ、はい!」
鏡「エレガントなセンスだ🌹」
遊馬「貴様…百合香に手を出すなよ💢…」
鏡「ハハッ!鏡様はそんなことしない。彼氏持ちには手をださないよ✨(キリッ)」
日ノ下「ハハハッ!京介はそんなやつじゃないから大丈夫だッ!」
遊馬「ならいいが…」
問馬「そんなに心配することかぁ?」
剣「問馬。そりゃ、二人共お似合いやからなぁw。」
問馬「ん?よくわからんけどわかったぜ!」
譲介「肉焼けてきました!」
田蔵「ワシがついでやるぞい!さっ!若いもんはいっぱい食うんじゃ!」
譲介「ありがとうございます!」
日ノ下「天城少年。聞いたぞ。8歳の頃、凌駕さんに助けられたと。」
譲介「はい!」
日ノ下「俺達も凌駕さんに助けられてきてる。みんな凌駕さんを尊敬してるんだっ!」
鏡「凌駕さんはワンルダフルなリーダーだ。俺は凌駕さんのおかげで生きている。俺には父親がいないみたいなもんだったから、凌駕さんは父親そのものだ。」
譲介「俺もです。俺も生まれた時から父親はいなかった。」
鏡「おっとこれは奇遇だな。」
譲介「母も10歳の頃に行方不明になってそれっきりなんです。」
鏡「僕もだ母が病気で死んだ。妹しか血縁の家族はいない。」
譲介「えっ、それじゃあ鏡さんも…」
鏡「まさかここまで境遇がマッチする子と出会うとはね。」
譲介「……」
しばらくの沈黙の後、俺は聞いてみた。
譲介「あの…鏡さんって昔どうだったんですか?話せればでいいです。」
鏡「勿論だ。代わりに君の過去も聞いていいか?」
譲介「勿論です。」
俺は話した。父がいなかったこと、母の失踪、施設での孤独、そして今の仲間との出会い。
鏡「そうか。僕もだ。僕も親がいない。」
鏡さんは語り始めた。
—————————————————————————
・鏡side
僕は名家・鏡家に生まれた。
鏡家は代々画家や芸能人、歌手。様々なエンターテイメントの頂点に立つ家系。
僕はその中でも絵の才能にひでていた。
鏡「お父さん!この絵見て!」
父「………」
だが父は興味が全くなく見ることすらしなかったが、母は違う。
母「あらうまいわね!将来は画家になれるわ!」
鏡「わ~い!ありがとう!お母さん!」
それから僕は絵を描き続けていた。
だがある日、事態が一変する。
母「ごめんね…京介…あの…病気になっちゃったの…」
鏡「お母さん。絶対毎日お見舞い行くから!」
ちなみに治療費は父親がパチンコで溶かしていた。
父「金がねぇ!市役所から上限まで借りちまった!クソッ!なら!」
なんとこのクソ親父は闇金に手を出しちまった。
ヤクザ「はよ返せや!鏡コラ!」
ヤクザ2「コンクリートに沈めんぞ!」
妹の結月はいつもおびえていた。
結月「お兄ちゃん…怖いよ…」
鏡「大丈夫だ…お兄ちゃんがついてるからな…」
やがて父はいきなり姿を消した。まあなんとなく察したヤクザに消されたんだろう。
僕はとにかく金がなかった。だから、母の治療費を払うために僕の服、おもちゃ…全てを売りさばいた。
医者「今月の治療費をお願いします。」
鏡「これで…お願いします…」
更に僕はいつも町中で絵を売っていた。
だが悲しいことに中々売れず、やがて母は…
母「京介…結月…よく聞いて…」
鏡「お母さん…」
母「京介…貴方に任せるわ…結月を頼むわ…必ず幸せななりなさい…。人として、道を踏み外さず、美しく生きるのよ…それがお母さんの最期のお願いよ…」
ピーッ!
結月「お母さぁ~~ん!」
鏡「そ、そんな…」
しかも追い打ちをかけるように
医者「あ~結月さん。病気なってますよこれ。入院ですね。」
鏡「えっ、」
妹まで病気になった。
それから僕は必死に絵を売った。
鏡「誰か!絵を買ってください!」
だが非情にも…
バギンッ!
大人「なんだこのガキ」
大人2「ヘタクソな絵だ!やめろよ!」
中々売れなかった上に大人が石を投げつけてきた。
誰も助けてくれなかった。また攻撃されるそう思った…その時だ。
ガシッ!
大人「あぁん?」
何者かが石を持つ男の手を掴む。
それこそ水刻ノ禍・神代凌駕さんだったのだ。
凌駕「幼子に何をしている…貴様ら人間ではない。」
大人「舐めやがって!」
そいつが片方の手で凌駕さんを殴りに行くも、
バギンッ!
大人「いてっ!」
凌駕「フン…鍛錬が足りないな。」
気づけば凌駕さんはやつ背おいなげしていた。
凌駕「次は貴様だ」
大人2「ひ、ヒィィィ!助けてぇぇ!」
そしてその2人は警察官に連行された。
凌駕「大丈夫か?怪我は?」
鏡「だ、大丈夫です…」
ストン…
鏡「えっ、」
凌駕「500万ある。使え。」
鏡「ちょっと待ってください!お名前は!」
凌駕「…『神代凌駕』だ。」
僕は必死に話した。妹のこと。そしてお礼がしたいということを。すると凌駕さんは病院に来た。
凌駕「君が『鏡結月』だな。」
結月「はい…ゴホッ!」
凌駕「お医者さん。私は彼らの新しい保護者です。この金でお願いします。」
医者「こ、こんなに!?」
凌駕「1年分くらいはこれでできるでしょう?お願いします。」
医者「は、はい!」
凌駕「また金が何かあったらいえ、これが私の番号だ。もしこれが繋がらなくても、『水刻ノ禍・神代凌駕』といえば必ず繋がる。またな。」
彼はそういって、背を向けた。
鏡「待ってください!何かお礼を!」
凌駕「礼はいらぬ。」
僕は下がらなかった。何度もお願いした。だってこんなの初めてだ。こんな優しい大人いままで母以外いなかった。「もっとこの人から学びたい、この人の近くで、役に立ちたい」心からそう思った。彼に父性を感じた。
凌駕「そうか…ならばSRに来るか?危険だぞ。命をかける仕事だ。常に死と隣り合わせ。報われないことのほうが多いぞ。」
だが僕の姿勢は変わらない。
鏡「それでもいい!SRに入れてください!」
凌駕「うむ。わかった。田蔵さんに連絡を入れる。」
こうして僕はSRに入った。
任務を重ねるにつれ、段々と凌駕さんの人格へ惹かれていった。
最初は中々たたかえなかった。
アコンシャス「隙あり!」
鏡「あっ!」
シャキン!
凌駕「フンッ!」
いつも凌駕さんに守ってもらってばかりだった。
だが凌駕さんはいつも行っていたのだ。
鏡「守ってもらってばかりで…すみません…」
凌駕「構わん。『後輩の盾になる』先輩として当然のことだ。」
鏡「…!」
僕はこの言葉をずっと大切にしている。その言葉を大事に前線でもいつも後輩を守ることを意識していた。
あと母の最期の言葉、「美しく生きなさい」
という言葉…あれもずっと心に残っている。だからこそ僕は母のその言葉を大事にし、今のナルシストみたいな性格になってしまったんだが(笑)
そしてもう一つ、いい出会いがあった。
日ノ下「なんだ!同期か!よろしくな!」
鏡「『鏡京介』だ。よろしく。」
日ノ下「うむっ!いい名前だ!俺は『日ノ下爆人』!折角同期だ!仲良くしよう!」
爆人は子供の頃からずっと純粋で前向きだった。
鏡「任務失敗しちまったな…」
日ノ下「ハハッ!そんなこともあるな!これでも飲んで切り替えればいい!」
鏡「爆人ってホントポジティブだな。まじで好きだわ。」
爆人「ハハッ!俺も鏡の自分を愛しているところ!見習いたい!今後飯でもいくか!」
俺達はガキの頃からずっと一緒だった。この店もガキの頃からずっと一緒に通ってるしな。
同期が死ぬことは多かった。それでも俺達は生き残れた。そして実力が認められ、禍という称号が与えられる。
黒栖「これより実力を認め、『鏡京介』を『光ノ禍』、『日ノ下爆人』を『爆破ノ禍』とする!」
鏡「よかったな…」
日ノ下「俺達二人だからここまでこれた。感謝してるぞ鏡。」
鏡「これこそ"美しい景色"だ。」
そして今に至るってわけだ。
譲介「すごく深いお話でした。」
鏡「ありがとな。」
日ノ下「まあ俺達は永遠に相棒だからなッ!ズッ友だ!」
そういって日ノ下さんは鏡さんの肩を組む。
僕達は店を後にした。
帰り僕だけ別の道にいった。
鏡「美しく寄るところがある…行って来る。」
ガチャ
訪れたのは
結月「お兄ちゃん!」
鏡「結月。美しいショートケーキだ✨」
結月「ありがとう!」
鏡「結月。病状はどうだ?」
結月「よくなったよ。」
鏡「そうか。それはよかった。何かいいことあったか?」
結月「あのね!窓の外に桜が咲いたんだ!」
鏡「おお綺麗な桜だな。」
結月「なんかね。お母さんが桜になって見ててくれてる気がするんだよね。」
鏡「言われてみればそういうふうに見えてきた…」
しばらく沈黙が続いた。気づけば僕らはほほ笑んでいた。
鏡「じゃあまた来るからな!」
結月「うん!待ってるよ!」
・次回予告
2度目の四騎士会議
カフティー「ギモーヴがやられた。」
オースティン「ならばワシがやつらを断罪する」
一ノ瀬「守ってくれでやんす!怖いでヤンスぅぅぅぅ!」
譲介「ちょっと!何やってるんですか!?」
一ノ瀬がオースティンにビビる!
オースティン「さあ断罪のときだ!」
次回 断罪のハンマー
俺の名前は天城譲介。
あれから四カ月、俺達の傷はひっつき、退院の時が訪れた。
譲介「ありがとうございました!」
遊馬「助かった。」
問馬「世話になったぁ~ぜぇ~!」
医者「あの傷でギモーヴをたたかって、大変だったな。安静にな。」
退院すると一人の人物が訪れた。
日ノ下「天城少年!久しぶりだな!」
鏡「美顔の僕が参上…」
遊馬「鏡と日ノ下か。」
譲介「日ノ下さん。会議の時はありがとうございました!」
日ノ下「ハハハッ!気にする必要はない!俺にとってアコンシャスを庇うのはよくあることだ!それより天城少年!遊馬!飯にいかないか!?」
遊馬「ああ久しぶりにいいかもな。」
譲介「えぇ!?まじすか!?行きたいです!」
日ノ下「俺の奢りでいいぞ!」
遊馬「申し訳ないな。」
日ノ下「うむ!大丈夫だ!」
問馬「俺達もいいかぁ~だぁ~ぜぇ~?」
剣「ワイも!」
田蔵「そしたらワシも行くぞい。」
百合香「私もお願いします!」
日ノ下「勿論だ!人数は多い方が良いッ!」
俺達は早速、焼肉屋に行くことになった。
鏡「よく俺と爆人でここにくるんだ。」
譲介「美味しそうな肉の匂いがします。」
店長「いらっしゃいませ!おっ!日ノ下兄ちゃんと鏡兄ちゃん!」
鏡「今日は2人ではなく…8人…グレートな人数だ。」
店長「8名様だね!8名お客様が入りましたぁ!」
店員達「イェッサー!」
譲介(すごい気合だな…)
席に座ると日ノ下さんがメニューを渡してくる。
日ノ下「これがメニューだ。」
譲介「ありがとうございます!」
店員「ご注文はいかがですか?」
日ノ下「ハイボールと焼肉7人前セットを頼むぞ!」
鏡「勿論…僕は…い・つ・も・の✨️」
遊馬「いやそれ焼肉屋じゃなくてバーでやるやつ。」
問馬「『いつもの』!?。カッケー!俺もいつもので頼むぜ!(ドヤァ)」
店員「いやお客様は鏡さんと違って初来店でしょう?」
問馬「ん?どういうことだ?」
店員「えっ、」
剣「ごめんな。コイツアホやねん。ちなみにワイはメロンソーダや。」
問馬「まあよくわからんからコーラーでいっかw」
店員「あっ、ああ…はい」
田蔵「ワシは生ビールじゃな!」
遊馬「俺もだ」
百合香「白ワインでお願いします」
譲介「サイダーでお願いします!」
そして全員の飲み物と肉が置かれる。
鏡「お嬢ちゃん俺と同じ白ワインだね😉」
百合香「あっ、はい!」
鏡「エレガントなセンスだ🌹」
遊馬「貴様…百合香に手を出すなよ💢…」
鏡「ハハッ!鏡様はそんなことしない。彼氏持ちには手をださないよ✨(キリッ)」
日ノ下「ハハハッ!京介はそんなやつじゃないから大丈夫だッ!」
遊馬「ならいいが…」
問馬「そんなに心配することかぁ?」
剣「問馬。そりゃ、二人共お似合いやからなぁw。」
問馬「ん?よくわからんけどわかったぜ!」
譲介「肉焼けてきました!」
田蔵「ワシがついでやるぞい!さっ!若いもんはいっぱい食うんじゃ!」
譲介「ありがとうございます!」
日ノ下「天城少年。聞いたぞ。8歳の頃、凌駕さんに助けられたと。」
譲介「はい!」
日ノ下「俺達も凌駕さんに助けられてきてる。みんな凌駕さんを尊敬してるんだっ!」
鏡「凌駕さんはワンルダフルなリーダーだ。俺は凌駕さんのおかげで生きている。俺には父親がいないみたいなもんだったから、凌駕さんは父親そのものだ。」
譲介「俺もです。俺も生まれた時から父親はいなかった。」
鏡「おっとこれは奇遇だな。」
譲介「母も10歳の頃に行方不明になってそれっきりなんです。」
鏡「僕もだ母が病気で死んだ。妹しか血縁の家族はいない。」
譲介「えっ、それじゃあ鏡さんも…」
鏡「まさかここまで境遇がマッチする子と出会うとはね。」
譲介「……」
しばらくの沈黙の後、俺は聞いてみた。
譲介「あの…鏡さんって昔どうだったんですか?話せればでいいです。」
鏡「勿論だ。代わりに君の過去も聞いていいか?」
譲介「勿論です。」
俺は話した。父がいなかったこと、母の失踪、施設での孤独、そして今の仲間との出会い。
鏡「そうか。僕もだ。僕も親がいない。」
鏡さんは語り始めた。
—————————————————————————
・鏡side
僕は名家・鏡家に生まれた。
鏡家は代々画家や芸能人、歌手。様々なエンターテイメントの頂点に立つ家系。
僕はその中でも絵の才能にひでていた。
鏡「お父さん!この絵見て!」
父「………」
だが父は興味が全くなく見ることすらしなかったが、母は違う。
母「あらうまいわね!将来は画家になれるわ!」
鏡「わ~い!ありがとう!お母さん!」
それから僕は絵を描き続けていた。
だがある日、事態が一変する。
母「ごめんね…京介…あの…病気になっちゃったの…」
鏡「お母さん。絶対毎日お見舞い行くから!」
ちなみに治療費は父親がパチンコで溶かしていた。
父「金がねぇ!市役所から上限まで借りちまった!クソッ!なら!」
なんとこのクソ親父は闇金に手を出しちまった。
ヤクザ「はよ返せや!鏡コラ!」
ヤクザ2「コンクリートに沈めんぞ!」
妹の結月はいつもおびえていた。
結月「お兄ちゃん…怖いよ…」
鏡「大丈夫だ…お兄ちゃんがついてるからな…」
やがて父はいきなり姿を消した。まあなんとなく察したヤクザに消されたんだろう。
僕はとにかく金がなかった。だから、母の治療費を払うために僕の服、おもちゃ…全てを売りさばいた。
医者「今月の治療費をお願いします。」
鏡「これで…お願いします…」
更に僕はいつも町中で絵を売っていた。
だが悲しいことに中々売れず、やがて母は…
母「京介…結月…よく聞いて…」
鏡「お母さん…」
母「京介…貴方に任せるわ…結月を頼むわ…必ず幸せななりなさい…。人として、道を踏み外さず、美しく生きるのよ…それがお母さんの最期のお願いよ…」
ピーッ!
結月「お母さぁ~~ん!」
鏡「そ、そんな…」
しかも追い打ちをかけるように
医者「あ~結月さん。病気なってますよこれ。入院ですね。」
鏡「えっ、」
妹まで病気になった。
それから僕は必死に絵を売った。
鏡「誰か!絵を買ってください!」
だが非情にも…
バギンッ!
大人「なんだこのガキ」
大人2「ヘタクソな絵だ!やめろよ!」
中々売れなかった上に大人が石を投げつけてきた。
誰も助けてくれなかった。また攻撃されるそう思った…その時だ。
ガシッ!
大人「あぁん?」
何者かが石を持つ男の手を掴む。
それこそ水刻ノ禍・神代凌駕さんだったのだ。
凌駕「幼子に何をしている…貴様ら人間ではない。」
大人「舐めやがって!」
そいつが片方の手で凌駕さんを殴りに行くも、
バギンッ!
大人「いてっ!」
凌駕「フン…鍛錬が足りないな。」
気づけば凌駕さんはやつ背おいなげしていた。
凌駕「次は貴様だ」
大人2「ひ、ヒィィィ!助けてぇぇ!」
そしてその2人は警察官に連行された。
凌駕「大丈夫か?怪我は?」
鏡「だ、大丈夫です…」
ストン…
鏡「えっ、」
凌駕「500万ある。使え。」
鏡「ちょっと待ってください!お名前は!」
凌駕「…『神代凌駕』だ。」
僕は必死に話した。妹のこと。そしてお礼がしたいということを。すると凌駕さんは病院に来た。
凌駕「君が『鏡結月』だな。」
結月「はい…ゴホッ!」
凌駕「お医者さん。私は彼らの新しい保護者です。この金でお願いします。」
医者「こ、こんなに!?」
凌駕「1年分くらいはこれでできるでしょう?お願いします。」
医者「は、はい!」
凌駕「また金が何かあったらいえ、これが私の番号だ。もしこれが繋がらなくても、『水刻ノ禍・神代凌駕』といえば必ず繋がる。またな。」
彼はそういって、背を向けた。
鏡「待ってください!何かお礼を!」
凌駕「礼はいらぬ。」
僕は下がらなかった。何度もお願いした。だってこんなの初めてだ。こんな優しい大人いままで母以外いなかった。「もっとこの人から学びたい、この人の近くで、役に立ちたい」心からそう思った。彼に父性を感じた。
凌駕「そうか…ならばSRに来るか?危険だぞ。命をかける仕事だ。常に死と隣り合わせ。報われないことのほうが多いぞ。」
だが僕の姿勢は変わらない。
鏡「それでもいい!SRに入れてください!」
凌駕「うむ。わかった。田蔵さんに連絡を入れる。」
こうして僕はSRに入った。
任務を重ねるにつれ、段々と凌駕さんの人格へ惹かれていった。
最初は中々たたかえなかった。
アコンシャス「隙あり!」
鏡「あっ!」
シャキン!
凌駕「フンッ!」
いつも凌駕さんに守ってもらってばかりだった。
だが凌駕さんはいつも行っていたのだ。
鏡「守ってもらってばかりで…すみません…」
凌駕「構わん。『後輩の盾になる』先輩として当然のことだ。」
鏡「…!」
僕はこの言葉をずっと大切にしている。その言葉を大事に前線でもいつも後輩を守ることを意識していた。
あと母の最期の言葉、「美しく生きなさい」
という言葉…あれもずっと心に残っている。だからこそ僕は母のその言葉を大事にし、今のナルシストみたいな性格になってしまったんだが(笑)
そしてもう一つ、いい出会いがあった。
日ノ下「なんだ!同期か!よろしくな!」
鏡「『鏡京介』だ。よろしく。」
日ノ下「うむっ!いい名前だ!俺は『日ノ下爆人』!折角同期だ!仲良くしよう!」
爆人は子供の頃からずっと純粋で前向きだった。
鏡「任務失敗しちまったな…」
日ノ下「ハハッ!そんなこともあるな!これでも飲んで切り替えればいい!」
鏡「爆人ってホントポジティブだな。まじで好きだわ。」
爆人「ハハッ!俺も鏡の自分を愛しているところ!見習いたい!今後飯でもいくか!」
俺達はガキの頃からずっと一緒だった。この店もガキの頃からずっと一緒に通ってるしな。
同期が死ぬことは多かった。それでも俺達は生き残れた。そして実力が認められ、禍という称号が与えられる。
黒栖「これより実力を認め、『鏡京介』を『光ノ禍』、『日ノ下爆人』を『爆破ノ禍』とする!」
鏡「よかったな…」
日ノ下「俺達二人だからここまでこれた。感謝してるぞ鏡。」
鏡「これこそ"美しい景色"だ。」
そして今に至るってわけだ。
譲介「すごく深いお話でした。」
鏡「ありがとな。」
日ノ下「まあ俺達は永遠に相棒だからなッ!ズッ友だ!」
そういって日ノ下さんは鏡さんの肩を組む。
僕達は店を後にした。
帰り僕だけ別の道にいった。
鏡「美しく寄るところがある…行って来る。」
ガチャ
訪れたのは
結月「お兄ちゃん!」
鏡「結月。美しいショートケーキだ✨」
結月「ありがとう!」
鏡「結月。病状はどうだ?」
結月「よくなったよ。」
鏡「そうか。それはよかった。何かいいことあったか?」
結月「あのね!窓の外に桜が咲いたんだ!」
鏡「おお綺麗な桜だな。」
結月「なんかね。お母さんが桜になって見ててくれてる気がするんだよね。」
鏡「言われてみればそういうふうに見えてきた…」
しばらく沈黙が続いた。気づけば僕らはほほ笑んでいた。
鏡「じゃあまた来るからな!」
結月「うん!待ってるよ!」
・次回予告
2度目の四騎士会議
カフティー「ギモーヴがやられた。」
オースティン「ならばワシがやつらを断罪する」
一ノ瀬「守ってくれでやんす!怖いでヤンスぅぅぅぅ!」
譲介「ちょっと!何やってるんですか!?」
一ノ瀬がオースティンにビビる!
オースティン「さあ断罪のときだ!」
次回 断罪のハンマー
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる