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プロローグ
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「……?」
ふっと意識が浮上するように戻ってくる。
パチパチとなにかが燃えるような音がして、ひどく焦げ臭い。
――なんだ? どうなってる? ここはどこだ?
突っ立ったままパニックになって視界が至るところに飛ぶ。
外、月明かりの下、住宅街の道路の脇で燃えている元の色が分からない車。散らばる割れたガラスや壊れたレンガの壁。
――誰かが正面から俺に寄りかかって……。
首元の刺さるような痛み、右手から伝わる生温かい感触と噎せ返るような血の匂いで完全に意識が覚醒した。
「な、んで……」
唇が震え、言葉が洩れる。
俺の右腕は真正面から寄りかかる男の身体を突き破っていた。
自分のものではない首の後ろに回った手にぐぐっと屈むように引き寄せられ、視線が合う。
「君を……止める……、方法……が、これしか……な……かった……」
赤に染まった瞳が、赤に染まった唇で途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
そして、男はふっと笑い、地面にドサリと倒れた。
「うああああああああぁああ゛!」
その場に膝から崩れ落ち、真っ赤に染まった両手を見つめて俺は叫んだ――。
ふっと意識が浮上するように戻ってくる。
パチパチとなにかが燃えるような音がして、ひどく焦げ臭い。
――なんだ? どうなってる? ここはどこだ?
突っ立ったままパニックになって視界が至るところに飛ぶ。
外、月明かりの下、住宅街の道路の脇で燃えている元の色が分からない車。散らばる割れたガラスや壊れたレンガの壁。
――誰かが正面から俺に寄りかかって……。
首元の刺さるような痛み、右手から伝わる生温かい感触と噎せ返るような血の匂いで完全に意識が覚醒した。
「な、んで……」
唇が震え、言葉が洩れる。
俺の右腕は真正面から寄りかかる男の身体を突き破っていた。
自分のものではない首の後ろに回った手にぐぐっと屈むように引き寄せられ、視線が合う。
「君を……止める……、方法……が、これしか……な……かった……」
赤に染まった瞳が、赤に染まった唇で途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
そして、男はふっと笑い、地面にドサリと倒れた。
「うああああああああぁああ゛!」
その場に膝から崩れ落ち、真っ赤に染まった両手を見つめて俺は叫んだ――。
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