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ごーすと ☆ ぱにっく
ごーすと ☆ ぱにっく 07
しおりを挟む「えぇっとだから、何がどうなってたの?」
危ない事はしてはいけませんと、先生達に散々怒られた風祭と水谷が連れ立って大浴場に向かう道すがらまだ混乱している水谷が風祭にお伺いを立ててきた。
祠堂と佐野はまだ先生達のお小言を拝聴している。
佐野は、特別な事情があったとはいえ他人の家の硝子を割った当人なので理解できるが、祠堂の方の事情がどうも良くわからない。
救出された子供の横で狂ったように胸を掻き毟っていた女性が祠堂を指差し怯えていたが、怪我などしていなかったし、祠堂が何かした様子も全くなかった。
「説明はちょっと難しい…超常現象とか信じないだろ?水谷は」
着替えを持った水谷がそれをギュウと胸に抱き込み「信じないっていうか、信じちゃったら怖い事が増えそうでヤダ」と答える。
その様子に、今も少女の事を思い出すと痛む風祭の胸が少しだけ和む。
「あ、風祭くん、水谷くんも今からお風呂?」
風呂場のドアを空けようと手をかけた水谷達が、声に振り向くとそこに春崎の姿を見付けた。
「春崎も今からなのか?なんでこんな遅くに」
「なんか、あの方向から変なエネルギーを感じるって、3人倒れちゃったんだよ
それに、合わせて集団ヒステリー状態になった子達も出てさその上、先生の中にまで気分悪くなる人が出たりで
僕救護班長だったから今までバタバタしてて…ちょっと疲れた…」
あの方向と指、指された方向は自分達がまさに事件を起こした方向で水谷は自分の背をぞくりと冷たいものが撫でる感触に身を震わせる。
「そっちは何かあったの?」
問う春崎に風祭が風呂に入りながら話すと苦笑いしながら答えた。
「この話は、妻を溺愛していた エキセントリックな画家の幸せな家庭の崩壊から始まる
若くして事故死してしまった妻を自分の「中」に永遠に閉じ込めておきたいと思った彼は、妻を可愛がっていた娘と共に食べてしまう
噂では、大層大げさに言われているが、本当の所は薬指1本
程なくしてその画家は妻と同じ場所でやはり事故で亡くなる
残された子供の面倒をみるため彼女を引き取った画家の兄は碌でも無い男で、働きもせず先代から譲られた財産を食い潰し今度は弟の財産を目当てに幽霊屋敷に転がりこんだ
弟の絵はそこそこ金になる上、その子供には両親からかなりの額の保険金がおりていた
積極的に殺すと面倒なので、彼等は毎日子供に呪いの言葉を吹きこみながら面倒をみる事を放棄する事で彼女を追い込んだ
『母親の肉を食べた、お前は鬼の子だ、その罪を償うため早く死んでおしまい』……と…」
二人の背を向け、身体を洗いながら風祭が淡々と流れるように語る言葉にゴクリと唾を飲み込む水谷が熱いくらいの温度を保つ湯の中で寒気に襲われた身体をギュウと自身の手で抱き込んだ。
その横でノンビリユタユタと湯を楽しむ春崎が唇の端を上げる。
「風祭くん、お話するの巧すぎ」
「で、それを知ってる女の子がオレ達に助けてくれって言ってきたんだよね
でも、女の子は居なくなってて、あの女の子は何?屋敷の中で何があったの?」
話を早く引き上げたいけれど、好奇心もムズムズしている水谷の言葉に ばさりと湯をかけ身体の泡を落とす風祭が答えた。
「あの子は、あの家に住んでいた『座敷童子』だよ」
「……、弱い霊は祠堂の近くだと形を保てない…とか言ってたよね?」
幼女が最初に近づいてきた時の、禍々しい空気を思い出した水谷が問う。
「彼女は神に近しい者だから反対に祠堂の力で能力が増幅されるんだ」
水滴を散らし薄い明かりに照らされる浴場に立つ風祭が呟く言葉に、春崎の薄い色の瞳が眇られた…
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