逸脱したバースディ

三森まり

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逸脱したバースディ

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基本 濱口くんは野生の感性とノリで生きている
俺とは正反対だ

だからこそ気が会うし 今日も勉強でわからないところがあるというので自宅にお邪魔した
ひととおり勉強が終わったあとの事 
珍しく真面目な顔でとんでもない事を聞いてきた

「女とヤッたことある?」

「えぇっ!? そ、そんなこと あるわけないじゃないですか!」

思わず声が裏返ってしまった。
まさかこんな話になるとは思ってもいなかったから 心臓がバク付いてる。
でもなんでいきなりそんなことを訊くんだろ?

「ふぅん……じゃあ童貞かぁ。まぁ意外でも何でもないけど」

「ひ 酷いそりゃあ 濱口くんはとっくの昔に捨てちゃってるんでしょうけど!!」

ついムキになって言い返してしまった。
濱口くんが告られた殆どの女の子とお付き合いしてる事は有名だ
今更それにどうこう言う気もない 個人的でナイーブな話だし それによって俺と濱口くんが友人である事は変わらないのだから…
話の先がまるで見えなくて困惑する俺に向かって濱口くんが満面の笑みで俺に近づいてきた。
そして そして!!俺唇に唇に重ねてきたのだった!!
俺のファーストキスがぁ!!!

「ひぃ なんなんです!!嫌がらせにも程がありますよ」

「ねぇねぇ。オレと一緒に気持ちいいコトしようよ」

とおねだりしてくる濱口くんの思考がさっぱり読めない

「きもち……いい……こ……と?」

 頭の中が混乱する 
俺をじっと見下ろす濱口くんの視線から逃れるようにじりじりと身体を移動させ ドアに近くなったところで一気に駆け出した

ガタンバタン!! ドンッ!!! ドサッ

一瞬痛みに意識が飛びかける

「痛た……あれ?」

気がついたら床に転がされていた
何が起こったのか理解できず呆然としていると 目の前には俺を見下ろす濱口くんの姿があった。

「逃げちゃダメだよ。ほらもっと足広げて」

ニコニコとドリブル練習始めようぜみたいなノリで話しかけてくる 濱口くんの態度が信じられない
不安げに見上げていると 俺の両足を持ち上げて肩に乗せる。
自然とお尻が高く上がり 恥ずかしい格好になってしまった。

「ちょっ ちょっと待ってくださいよぉ!ひあ 痛い!!」

それに 濱口くんはビックリしたようだ

「大半の子はこの時点で濡れてるんだけどな」

「俺 男ですよ 勝手になんて濡れません!!つか 女の子だって後は濡れないでしょう 無茶すぎます!!」

「そっかぁ 男同士ってけっこう手間暇かかんのな」

そう しみじみする濱口くんに 女の子はともかく男とは俺が始めてなんだなとかどーでもイイ事を思った
とりあえず動きを止めた彼に諦めてくれたかな? と ほっとしたのもつかの間 濱口くんが自分のズボンを下ろす そして今度は自分のアレを取り出した

「ひゃーなんです いきなり!!!!」

「オレの自慢の息子。入れやすくするために ほら嘗めてよ」

自慢するだけはある 物凄くご立派だ 

「むぐっ」

驚いてぽかんと口を開けていたそこに押し込まれてしまった
嫌だ、怖い 怖いよ 濱口くん……

「歯立てないようにしてね」

「うっ……うぇ……」

喉の奥まで突っ込まれたせいで息ができない。涙目になりながらも必死で舌を動かす
すると濱口くんは腰を動かし始めた 苦しい……くるしいよ……助けて……誰か……

「やばい 来る」

「んんー!!」

喉の奥深く放たれたものを思わず吐き出す

「けほっ ごほっ うぅ~」

ようやく解放されたものの咳が止まらない 鼻からも精液が流れ出てきてしまい呼吸困難に陥ってしまった。
咳込みが激しすぎてふっ飛ぶメガネ
いきなり視界が不鮮明になった

「ごめんな天海 なんか天海とやってると思うと 我慢きかなくて 何時もはこんな速くないんだけど…」

濱口くんは申し訳なさそうな顔をしながら俺を抱き起こてくれた
いや そこはありがたい事だと思う 長くされたら窒息しかねないくらい濱口くんのはごは立派だった いや 問題はそこじゃないだけど 

「げほっ……濱口くん何でこんなことするんです?」

裸眼で睨みつける俺に オロオロしながら濱口くんがテッシュで丁寧に顔を拭ってくれる

「俺昨日聞いちゃだんだよね 天海の誕生パーティーをカラオケ屋でやろうって話
 それで思ったんだ。このままだと天海取られちゃうんじゃないかって」

「取られる?誰が誰にですか?」

「……天海が女の子の誰かに… 女の子と仲良くなんかしないで 俺の事1番スキでいてよ!」

誰かにってそんなあやふやな… それでこの暴挙を仕掛けてくる濱口くんが怖い
呆れてる俺の頬に啄むようなキスを濱口くんが落とす
そしてそのまま自分を膝に乗せ 俺の身体に指を這わせてきた
その指先に翻弄される

「あっ……」

「天海のここも勃ってきた。可愛い」

そりゃあ1番感じ易いとろをダイレクトにこしごかれてこうならない男なんていないですよ!!
おまけに乳首まで刺激を与えられているもんだから 腰が砕けてしまいそうな熱の畝りが止まらなくなる

「はぁっ」

意図せずして俺はビクビクと濱口くんの腕の中で身体を跳ね上がらせてしまう
濱口くんは嬉しそうにそんな俺を余すところなく攻め立ててくる

「ねぇ 俺のものになってよ」

やってる事は手練手管を知り尽くした大人みたいなくせに 発してることばは駄々捏ねる子供そのもので

「ふぁ……やめてください濱口くん……止めてでないと変になるっ……ひゃあ!」

これ以上は危険だと止める俺のことばを無視して濱口くんがうなじに顔を埋め舌を這わせた
瞬間俺は身体をくねらせる
弱いのだそこが 息がかかるだけでもダメなのに 舐められるとかそれだけで…

「イきそう……ダメぇ……濱口くん……」

「だめだよ まだ我慢して」

「んっ んん ひあぁ!」

さらに熱を煽るように執拗になめられる項に濱口くんがかりっと歯を立ててくる
瞬間!熱を孕んだ電流が俺の腰から再び熱がせりあがった

「だめ!!んん やだ」

なんとか濱口くんの手から逃れようと試みるが力が入らない その間にも俺の下半身はどんどん熱を帯びていく…

「ひぃ……あぁ……濱口くん……は 濱口くん……お願い……もう許し……てくださいっ」

「じゃ誓って クラスの ううん全部の子からのアプローチ断ってオレだけを見るって」

「……ん……っ……誓います……誓うから!」

近い絶頂に自分を解き放とうとした時

「いい子だ よしよし約束だよ!」

と満面の笑みを浮かべ
濱口くんはポケットからローションを取り出すとそれをたっぷりとかけてきた 冷たくヌルついた感覚がとても気持ち悪い
いきかけた身体から一挙に熱が遠のく
俺のお尻の穴に濱口くんが塗り込みゆっくりと指を入れてきた。
初めての経験で痛くて仕方がない

「ほらもっと足開いて」

濱口くんのモノを受け入れやすいように足を開かされ 恥ずかしいところを丸見えにされてしまった

「いくよ天海」

「ちょ ちょっと待ってください!!まさか本気で入れる気じゃないでしょうね!!」

「もちろん本気だけど? 大丈夫だってオレ上手いらしいから」

「何を根拠に!?」

「えっ 女の子達には 大好評だよ」

そう言って彼は俺の中に入ってきた ゆっくり ゆっくりと 俺を傷つけないように慎重に進めてくる やがて根元まで入り切ったのか動きが止まった

「あぁ可愛い天海 動くよ」

いつの間にか熱を取り戻していた俺のものが覆い被さる濱口くんの掌で擦られる

「いちいちことばにして言わないでくださいってば……ああぁ!!っ」

濱口くんが律動する度与えられる刺激は最初は苦痛しかなかったはずなのに だんだん快感へと変わっていく
それが怖くて気持ち良い 

「天海の中すげー熱い オレの溶けちゃいそう」

「ああん 濱口くん……濱口くん!!」

「天海……天海!!」

お互いの名前を呼び合い激しく求め合い
 やがて限界に達したのか濱口くんの動きが激しくなる  そして……

「出る!!」

「イクッ!!」

視界が真っ白になる



「はぁ はぁ はぁ」

上がった息が止まらない…
濱口くんがズルリと引き抜くと 中に入っていたものが溢れ出てきた

「あっん 濱口くん……」

「天海好きだよ 大好き」

優しくキスしてくれる濱口くん。
俺も嫌いじゃないですよ~と伝えようとして……ふと濱口くんの物言いを思いだした

「俺は女の子と仲良くしちゃいけないのに 濱口くんはいいとか不公平じゃありません?」

「えっそれ嫉妬! 俺のこと天海も独り占めしたい? 嬉しい!!!」

その言葉に ぱぁぁと嬉しそうに笑い俺の肩を抱き締めてくる濱口くんは はしゃぎながら俺の顔にキスの雨を降らせる
なんでこんな事をして悪びれないでいられるのかと言えば


彼が「濱口雄一郎」であるからだ


とりあえず今の俺は 好きな女の子はいないし モテたこともない
濱口くんはあまり深くは考えていないんだろう
ただ 自分を俺の1番にしておくのに自分が知ってる1番得意な方法をとっただけなのだ…
最低過ぎるけど…




翌日俺の誕生日
教室に入ると女子達が俺の元に集まってきた

「天海くんおはよう」

「おはようございます」

「天海くん今日誕生日でしょう?カラオケ屋で誕日会やって濱口も呼んで騒ごうよ」

ほらね どうせ俺の誕生日なんて口実なんだ
彼女らが濱口くん狙いなのは見え見えで ただ好意もそこにはあるわけで…無下にするのはどうなのだろうか… とか 考えあぐねていたら何時のまにか俺の横にいた濱口くんが代わりに答えてくれた

「ごめんね天海は今日 俺と前々からの用事があるんだ」

「え~~そっか残念。じゃあまた今度ね」

女子達はあっさり引き下がってくれた。
しつこい娘は濱口くんが嫌うので 彼女達は喰い下がらない

「前々からの?約束」

訝しげに問う俺に濱口くんが屈託なく笑って答えた

「せっかくの天海の誕生日だもの 思いっきり甘いものをご馳走するよ」

一点の曇もないその笑みの本当の意味はわからない… でも

「ありがとうございます」

何だか胸の奥がほっこりしたので俺も笑顔を濱口くんに返したのだった

END
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