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第十八話 もしかして
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特別隠していたわけでもない、と相良は言った。でも自分の顔が怖いことに多少の自覚はあったため、「まさかこんなに受け入れてもらえるとは思わなかった」というのが本音らしい。
「相良くーん、ここわかんないー」
「こっちもこっちも」
「ごめん相良、俺も聞きたいとこあるー」
九月下旬、放課後の教室で、相良は今日も引っ張りだこである。僕は床に膝を突き、ペンキのついた刷毛を右手に持ったまま、右へ左へ大忙しの相良の姿を盗み見る。
川崎さんによって相良のビーズ好きが暴露されてから、約一ヶ月が経とうとしている。僕たちのクラスの出し物はビーズ喫茶に決まり、相良は講師としてクラスメイトにビーズ作品の作り方を指導するため、忙しい日々を送っている。
相良は学校に来るようになった。というか、来ざるを得なくなった。文化祭準備は基本、放課後の時間を利用して進めるけれど、部活動をしている生徒は休み時間や学級の時間でしか相良にビーズを教わることができないからだ。
例えば相良が午後の授業をサボろうとしても、食堂や教室で「昼飯食べ終わったら教えて」とクラスメイトから声をかけられてしまう。そして頼まれた手前無視することもできず、教室でビーズを教えているうちに教師が入ってきてそのまま授業を受ける、みたいなパターンが頻発した。
相良は僕とお昼を食べるために、絶対に昼には一度学校に来る。よって結果的に、相良の午後の授業出席率はうなぎ上り、というわけである。
「あー、ここはこうして、こうやった方が綺麗にできるから」
「うわ、マジだ。サンキュー相良」
「おう」
だいぶ慣れてきたとはいえ、教室にいる相良は僕にとってまだ目新しい。しかもああやって普通にクラスメイトに笑いかけている姿となると、実は幻なんじゃないかという気がして、そんな疑いから僕はつい、自分の作業を止めて相良の様子をうかがってしまう。
自分の制作や勉強をこなしつつビーズを教えている相良は、めちゃくちゃ多忙だが毎日楽しそうだ。その空気感が伝わるのか、入学以来ずっと相良の顔に怯えていたクラスメイトたちも、今やすっかり普通に彼とコミュニケーションをとっている。
「ねえねえ相良くん、こっちはー?」
きゅるんとした声で女子に呼ばれて、相良は「ん?」とそちらを振り向いた。お兄ちゃん属性が発揮されているのか、その声はどうにも優しげで、僕の胸のあたりにもやっとした気持ちがわき上がる。
慌てて相良から目を逸らし、目の前の看板に意識を集中させた。僕はアルバイトで普段時間を作れないので、今日みたいに時々放課後の準備に参加できる日は、他の人が面倒くさがる大物の制作をやることにしている。
今作っているのはビーズ喫茶の看板だ。手に持った刷毛で文字部分の赤色を塗っていくが、女子と話す相良の声が耳についてどうしてもイライラしてしまう。
やがて赤色の部分を塗り終えた僕は、気分転換を兼ねて一度筆を洗いにいくことにした。特に誰かに声をかけることもなく、刷毛を持ったまま教室の後ろ扉を出て一息つく。
静かな廊下は、ガヤガヤと騒がしい教室内よりもいくらか涼しく感じられた。賑やかな場所は嫌いじゃないが、得意なわけでもない。僕はほっと胸を撫で下ろしながら、外の水道に向かって歩き始める。
「岳」
「ひゃっ」
突然声をかけられて、僕は肩を跳ねさせながら後ろを振り向いた。前扉から顔を突き出した相良が、教室を出てこちらに近づいてくるところだった。
「ペンキついてるぞ」
呆気にとられて立ち尽くす僕の左のこめかみに、相良の手が伸びてくる。ぬるっと滑るような感触の後、相良が真っ赤になった指先を見せながら「ヤベえ、血みてえ」と笑う。
「事件になんねえように気をつけろよ」
そのまま手の甲で僕の頭にぽんと触り、相良はすぐに教室に戻っていった。
その後ろ姿を見送った直後から、僕の心臓は時間差でドキドキと鼓動を速め始めた。脳内には「わああ、ああ、」と混乱とも喜びともつかないつぶやきがあふれ返る。
体中が熱くなって、脳裏には相良の笑顔が焼きついて離れない。僕は意味もなく前屈みになって早足で廊下を突き進む。胸の奥が甘苦しく締めつけられて、誰に向けるでもなく「わかった。わかったから」となだめるように小声でつぶやいてしまう。
最近やっぱり、僕は変だ。相良のことばっかり気にしてしまうし、相良が笑ってるだけで嬉しくなるし、さっきみたいに触れられた後なんかは、もう死ぬんじゃないかってくらいに動悸が激しくなる。
そして、こんな状態になってしまえば「初めてだからわからない」なんて甘えたことを言ってられるわけもなく。
僕はここ一ヶ月ほどで、じわじわと追い詰められるみたいに相良への恋心を自覚した。
男同士だけど、顔超怖いけど、僕は相良が好きだ。友だちの好きじゃなくて、抱きしめてほしいとかキスしてほしいとか、そっちの方の好き。
刷毛を持っていない方の指先が、無意識のうちに自分の唇を触ってしまう。
僕は相良とキスしたことがある。しかも相良の方からしてきたんだから、普通に、順当に考えれば、相良も僕のことが好きってことになる。
……好きって言ったら、もしかして付き合えるのかな。
そんなことを考えた時、期待と同じくらい恐怖心がふくらむのは、今の関係性で十分楽しいから――あとはそう、文化祭準備をきっかけに相良を取り巻く環境がガラリと変わって、彼がまだ僕を好きでいてくれているのかわからないから。
今までは、相良の可愛いところも、優しいところも、僕だけが知っていた。ヤンキーで顔が怖い相良と仲良く話せるのは、学校では僕しかいなかった。
だけど今、相良はクラスメイトの皆に受け入れられて、頼りにされている。広がった交友関係の中にはもちろん、可愛い女子も性格がいい男子も大勢いる。
相良がクラスメイトと仲良くしている姿を見るたび、今まで無意識のうちにもっていた「僕が一番」っていう自信が、しおしおと無惨に萎れていく。そうなったらもう、自分から告白する勇気なんて、すっかりなくなってしまうわけで。
宙ぶらりんなこの気持ちは、MEN-DAKOや荒川ナミに対する「好き」とは全然違う。すごく嬉しいとすごく悲しいだけじゃなくて、楽しいけど切ないとか、寂しいけど嬉しいとか、そういうグラデーションがたくさんあって。
僕は今、思い通りにならない自分の感情を、正直少しだけ持て余している。
恋ってそう――もしかして、けっこう大変だったり、する……?
「相良くーん、ここわかんないー」
「こっちもこっちも」
「ごめん相良、俺も聞きたいとこあるー」
九月下旬、放課後の教室で、相良は今日も引っ張りだこである。僕は床に膝を突き、ペンキのついた刷毛を右手に持ったまま、右へ左へ大忙しの相良の姿を盗み見る。
川崎さんによって相良のビーズ好きが暴露されてから、約一ヶ月が経とうとしている。僕たちのクラスの出し物はビーズ喫茶に決まり、相良は講師としてクラスメイトにビーズ作品の作り方を指導するため、忙しい日々を送っている。
相良は学校に来るようになった。というか、来ざるを得なくなった。文化祭準備は基本、放課後の時間を利用して進めるけれど、部活動をしている生徒は休み時間や学級の時間でしか相良にビーズを教わることができないからだ。
例えば相良が午後の授業をサボろうとしても、食堂や教室で「昼飯食べ終わったら教えて」とクラスメイトから声をかけられてしまう。そして頼まれた手前無視することもできず、教室でビーズを教えているうちに教師が入ってきてそのまま授業を受ける、みたいなパターンが頻発した。
相良は僕とお昼を食べるために、絶対に昼には一度学校に来る。よって結果的に、相良の午後の授業出席率はうなぎ上り、というわけである。
「あー、ここはこうして、こうやった方が綺麗にできるから」
「うわ、マジだ。サンキュー相良」
「おう」
だいぶ慣れてきたとはいえ、教室にいる相良は僕にとってまだ目新しい。しかもああやって普通にクラスメイトに笑いかけている姿となると、実は幻なんじゃないかという気がして、そんな疑いから僕はつい、自分の作業を止めて相良の様子をうかがってしまう。
自分の制作や勉強をこなしつつビーズを教えている相良は、めちゃくちゃ多忙だが毎日楽しそうだ。その空気感が伝わるのか、入学以来ずっと相良の顔に怯えていたクラスメイトたちも、今やすっかり普通に彼とコミュニケーションをとっている。
「ねえねえ相良くん、こっちはー?」
きゅるんとした声で女子に呼ばれて、相良は「ん?」とそちらを振り向いた。お兄ちゃん属性が発揮されているのか、その声はどうにも優しげで、僕の胸のあたりにもやっとした気持ちがわき上がる。
慌てて相良から目を逸らし、目の前の看板に意識を集中させた。僕はアルバイトで普段時間を作れないので、今日みたいに時々放課後の準備に参加できる日は、他の人が面倒くさがる大物の制作をやることにしている。
今作っているのはビーズ喫茶の看板だ。手に持った刷毛で文字部分の赤色を塗っていくが、女子と話す相良の声が耳についてどうしてもイライラしてしまう。
やがて赤色の部分を塗り終えた僕は、気分転換を兼ねて一度筆を洗いにいくことにした。特に誰かに声をかけることもなく、刷毛を持ったまま教室の後ろ扉を出て一息つく。
静かな廊下は、ガヤガヤと騒がしい教室内よりもいくらか涼しく感じられた。賑やかな場所は嫌いじゃないが、得意なわけでもない。僕はほっと胸を撫で下ろしながら、外の水道に向かって歩き始める。
「岳」
「ひゃっ」
突然声をかけられて、僕は肩を跳ねさせながら後ろを振り向いた。前扉から顔を突き出した相良が、教室を出てこちらに近づいてくるところだった。
「ペンキついてるぞ」
呆気にとられて立ち尽くす僕の左のこめかみに、相良の手が伸びてくる。ぬるっと滑るような感触の後、相良が真っ赤になった指先を見せながら「ヤベえ、血みてえ」と笑う。
「事件になんねえように気をつけろよ」
そのまま手の甲で僕の頭にぽんと触り、相良はすぐに教室に戻っていった。
その後ろ姿を見送った直後から、僕の心臓は時間差でドキドキと鼓動を速め始めた。脳内には「わああ、ああ、」と混乱とも喜びともつかないつぶやきがあふれ返る。
体中が熱くなって、脳裏には相良の笑顔が焼きついて離れない。僕は意味もなく前屈みになって早足で廊下を突き進む。胸の奥が甘苦しく締めつけられて、誰に向けるでもなく「わかった。わかったから」となだめるように小声でつぶやいてしまう。
最近やっぱり、僕は変だ。相良のことばっかり気にしてしまうし、相良が笑ってるだけで嬉しくなるし、さっきみたいに触れられた後なんかは、もう死ぬんじゃないかってくらいに動悸が激しくなる。
そして、こんな状態になってしまえば「初めてだからわからない」なんて甘えたことを言ってられるわけもなく。
僕はここ一ヶ月ほどで、じわじわと追い詰められるみたいに相良への恋心を自覚した。
男同士だけど、顔超怖いけど、僕は相良が好きだ。友だちの好きじゃなくて、抱きしめてほしいとかキスしてほしいとか、そっちの方の好き。
刷毛を持っていない方の指先が、無意識のうちに自分の唇を触ってしまう。
僕は相良とキスしたことがある。しかも相良の方からしてきたんだから、普通に、順当に考えれば、相良も僕のことが好きってことになる。
……好きって言ったら、もしかして付き合えるのかな。
そんなことを考えた時、期待と同じくらい恐怖心がふくらむのは、今の関係性で十分楽しいから――あとはそう、文化祭準備をきっかけに相良を取り巻く環境がガラリと変わって、彼がまだ僕を好きでいてくれているのかわからないから。
今までは、相良の可愛いところも、優しいところも、僕だけが知っていた。ヤンキーで顔が怖い相良と仲良く話せるのは、学校では僕しかいなかった。
だけど今、相良はクラスメイトの皆に受け入れられて、頼りにされている。広がった交友関係の中にはもちろん、可愛い女子も性格がいい男子も大勢いる。
相良がクラスメイトと仲良くしている姿を見るたび、今まで無意識のうちにもっていた「僕が一番」っていう自信が、しおしおと無惨に萎れていく。そうなったらもう、自分から告白する勇気なんて、すっかりなくなってしまうわけで。
宙ぶらりんなこの気持ちは、MEN-DAKOや荒川ナミに対する「好き」とは全然違う。すごく嬉しいとすごく悲しいだけじゃなくて、楽しいけど切ないとか、寂しいけど嬉しいとか、そういうグラデーションがたくさんあって。
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