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第12話「闇の儀式」
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月が、血のように赤かった。
不吉な色。
私は息を殺して、影に身を潜める。
目の前には、廃墟。
古い石造りの建物。
窓は割れている。
壁は崩れかけている。
だが、中から光が漏れている。
紫色の、不気味な光。
そして──
詠唱の声が聞こえる。
低く。
禍々しく。
リリアナを追って、ここまで来た。
彼女が、何をしているのか。
確かめないと。
壁に沿って進む。
窓の縁に手をかける。
そっと、中を覗く。
息が、止まった。
広い部屋。
床には、魔法陣。
黒と赤の、複雑な模様。
中央に、リリアナが立っていた。
白いドレスではない。
黒いローブ。
フードを被っている。
その周りに、五人の黒装束の男たち。
全員、跪いている。
リリアナが、両手を掲げる。
詠唱を続ける。
「闇よ、集え」
その声は──
昼間の優しい声ではない。
冷たく。
邪悪で。
力強い。
魔法陣が、輝き始める。
紫色の光が、強くなる。
部屋中が、光に包まれる。
リリアナの手から、黒い霧が溢れ出す。
それは、生き物のように蠢く。
床を這う。
壁を登る。
天井に広がる。
黒魔術。
禁じられた、闇の魔法。
リリアナは──
魔女だった。
心臓が、凍りつく。
原作のヒロイン。
優しい平民の少女。
それが、全て嘘だった。
彼女の正体は──
魔女。
闇の力を操る者。
詠唱が、続く。
「この力を持って」
「聖女を」
「葬り去らん」
私の名前が、出た。
背筋が、凍る。
彼女は、私を殺そうとしている。
黒装束の男たちが、声を揃える。
「聖女を」
「葬り去らん」
復唱する。
儀式が、進行している。
止めないと。
私は、窓を開けた。
音が、響く。
リリアナが、振り向く。
その顔──
優しい表情は、消えている。
冷たく。
鋭く。
邪悪な笑みを浮かべている。
「あら」
リリアナが、嘲笑する。
「お客様かしら」
私は、窓から飛び込む。
床に着地する。
姿勢を低く保つ。
黒装束の男たちが、立ち上がる。
剣を抜く。
五人。
対して、私は一人。
不利だ。
でも──
逃げるわけにはいかない。
「聖女様」
リリアナが、嘲笑する。
その声には、憎悪が滲んでいる。
「わざわざ、いらしてくださるなんて」
「手間が省けたわ」
彼女が、手を掲げる。
黒い霧が、集まる。
球体になる。
そして──
私に向かって、飛んでくる。
咄嗟に、飛び退く。
霧の球が、床に激突する。
石が、溶ける。
煙が上がる。
危険だ。
あれに当たったら──
男たちが、襲いかかってくる。
剣が、閃く。
私は、避ける。
回転。
後退。
だが、囲まれている。
逃げ場がない。
一人が、剣を振り下ろす。
私は、手を掲げる。
聖女の光が、溢れ出す。
眩い光。
男が、吹き飛ばされる。
壁に激突する。
動かなくなる。
残り四人。
同時に、襲いかかる。
四方から。
避けられない。
その瞬間──
窓が、砕けた。
黒い影が、飛び込んでくる。
剣が、閃く。
男たちが、次々と倒れる。
一人。
二人。
三人。
四人。
全員、地面に倒れた。
黒い影が、着地する。
黒い服。
銀色の瞳。
剣を構えた姿勢。
アルセイン。
推しが、来てくれた。
「聖女殿」
彼が、私を見る。
心配そうな目。
「大丈夫ですか」
心臓が、跳ねる。
推しが、助けに来てくれた。
「ええ」
頷く。
アルセインが、前に立つ。
私を庇うように。
リリアナが、舌打ちする。
「邪魔者が」
彼女の手から、黒い霧が溢れる。
今度は、もっと大量。
部屋中が、霧に包まれる。
視界が、奪われる。
息苦しい。
毒だ。
「アルセイン公爵」
リリアナの声が、響く。
「あなたまで、邪魔をするのね」
霧の中から、攻撃が来る。
黒い刃。
闇の魔法で作られた剣。
アルセインが、防ぐ。
火花が散る。
刃が交差する。
だが、数が多い。
十本。
二十本。
次々と、襲いかかる。
アルセインが、後退する。
押されている。
私は、手を掲げる。
全力で。
聖女の力を解放する。
「浄化の光よ!」
眩い光が、部屋を満たす。
黒い霧が、消えていく。
闇の剣が、砕ける。
リリアナが、悲鳴を上げる。
「きゃあ!」
光が、彼女を直撃する。
黒いローブが、焼ける。
リリアナが、倒れる。
だが──
すぐに立ち上がる。
その顔には、憎悪。
「覚えていなさい」
彼女が、叫ぶ。
「次は、必ず」
煙が、爆発する。
視界が、再び奪われる。
煙が晴れた時──
リリアナは、消えていた。
逃げた。
床には、倒れた男たちだけ。
私は、膝をつく。
力を使い果たした。
身体が、重い。
アルセインが、駆け寄る。
「聖女殿!」
彼が、私を支える。
温かい。
推しの手。
優しい。
「大丈夫ですか」
心配そうに、私を見る。
「ええ」
頷く。
でも、立てない。
アルセインが、私を抱き上げる。
お姫様抱っこ。
心臓が、爆発しそう。
推しが、私を抱っこしている。
顔が、近い。
めちゃくちゃ近い。
イケメン。
「少し、休んでください」
優しい声。
頷く。
声が、出ない。
恥ずかしくて。
アルセインが、部屋の隅に私を運ぶ。
壁に寄りかからせる。
「ここで待っていてください」
彼が、魔法陣の方へ歩いていく。
何かを調べている。
床に、紙が散らばっている。
アルセインが、それを拾う。
読む。
その表情が、強張る。
「これは……」
私も、近づく。
ふらつく足で。
アルセインが、書類を見せる。
そこには──
「第二王子派閥粛清計画」
大きな文字で書かれている。
下には、詳細な手順。
そして──
中心に、一つの名前。
「アルセイン・セイヴラン」
その下に、赤い字で。
「反逆罪で処刑」
処刑予定日まで、書かれている。
来月。
もう、すぐだ。
私の手が、震える。
これが──
原作の破滅フラグ。
推しが処刑される、運命。
それが、目の前にある。
涙が、溢れそうになる。
でも、堪える。
まだ、間に合う。
止められる。
計画を知った。
証拠もある。
これで──
推しを救える。
「聖女殿」
アルセインの声が、震えている。
彼も、読んだのだ。
自分が処刑される計画を。
顔が、蒼白だ。
「私が……処刑される?」
信じられない、という表情。
「いいえ」
私は、彼の手を握る。
強く。
「させません」
「絶対に」
アルセインが、私を見る。
銀色の瞳が、揺れている。
「なぜ」
彼が、小さく言う。
「なぜ、そこまで」
「なぜ、あなたを失いたくないからです」
私は、真剣に答える。
本当のことを、言った。
アルセインの目が、見開かれる。
顔が、赤くなる。
そして──
「私も」
彼が、小さく言う。
「あなたを、失いたくない」
心臓が、止まりそう。
推しが──
そんなことを。
嬉しい。
温かい。
涙が、溢れる。
「ありがとう」
私は、微笑む。
アルセインも、微笑む。
優しい笑顔。
初めて見る、本当の笑顔。
床には、他にも証拠が散らばっている。
マーカス伯爵の紋章が刻まれた短剣。
黒魔術の触媒。
全て、集める。
「これを、王に見せましょう」
アルセインが言う。
「証拠は揃いました」
「マーカス伯爵を、告発できます」
私は、頷く。
「でも、リリアナは逃げました」
「追わないと」
「いいえ」
アルセインが、首を横に振る。
「今は、あなたの安全が優先です」
彼が、私の肩に手を置く。
温かい。
優しい。
「館に戻りましょう」
「明日、王宮で報告します」
二人、廃墟を出る。
夜風が、冷たい。
でも、心は温かい。
推しが、隣にいる。
彼を救う証拠を、手に入れた。
もう少し。
あと少しで。
破滅フラグを、完全に回避できる。
月が、再び白く輝いていた。
血のような赤は、消えている。
静かな夜。
だが、私たちの戦いは続く。
推しを守るために。
王国を守るために。
二人で、歩き続ける。
不吉な色。
私は息を殺して、影に身を潜める。
目の前には、廃墟。
古い石造りの建物。
窓は割れている。
壁は崩れかけている。
だが、中から光が漏れている。
紫色の、不気味な光。
そして──
詠唱の声が聞こえる。
低く。
禍々しく。
リリアナを追って、ここまで来た。
彼女が、何をしているのか。
確かめないと。
壁に沿って進む。
窓の縁に手をかける。
そっと、中を覗く。
息が、止まった。
広い部屋。
床には、魔法陣。
黒と赤の、複雑な模様。
中央に、リリアナが立っていた。
白いドレスではない。
黒いローブ。
フードを被っている。
その周りに、五人の黒装束の男たち。
全員、跪いている。
リリアナが、両手を掲げる。
詠唱を続ける。
「闇よ、集え」
その声は──
昼間の優しい声ではない。
冷たく。
邪悪で。
力強い。
魔法陣が、輝き始める。
紫色の光が、強くなる。
部屋中が、光に包まれる。
リリアナの手から、黒い霧が溢れ出す。
それは、生き物のように蠢く。
床を這う。
壁を登る。
天井に広がる。
黒魔術。
禁じられた、闇の魔法。
リリアナは──
魔女だった。
心臓が、凍りつく。
原作のヒロイン。
優しい平民の少女。
それが、全て嘘だった。
彼女の正体は──
魔女。
闇の力を操る者。
詠唱が、続く。
「この力を持って」
「聖女を」
「葬り去らん」
私の名前が、出た。
背筋が、凍る。
彼女は、私を殺そうとしている。
黒装束の男たちが、声を揃える。
「聖女を」
「葬り去らん」
復唱する。
儀式が、進行している。
止めないと。
私は、窓を開けた。
音が、響く。
リリアナが、振り向く。
その顔──
優しい表情は、消えている。
冷たく。
鋭く。
邪悪な笑みを浮かべている。
「あら」
リリアナが、嘲笑する。
「お客様かしら」
私は、窓から飛び込む。
床に着地する。
姿勢を低く保つ。
黒装束の男たちが、立ち上がる。
剣を抜く。
五人。
対して、私は一人。
不利だ。
でも──
逃げるわけにはいかない。
「聖女様」
リリアナが、嘲笑する。
その声には、憎悪が滲んでいる。
「わざわざ、いらしてくださるなんて」
「手間が省けたわ」
彼女が、手を掲げる。
黒い霧が、集まる。
球体になる。
そして──
私に向かって、飛んでくる。
咄嗟に、飛び退く。
霧の球が、床に激突する。
石が、溶ける。
煙が上がる。
危険だ。
あれに当たったら──
男たちが、襲いかかってくる。
剣が、閃く。
私は、避ける。
回転。
後退。
だが、囲まれている。
逃げ場がない。
一人が、剣を振り下ろす。
私は、手を掲げる。
聖女の光が、溢れ出す。
眩い光。
男が、吹き飛ばされる。
壁に激突する。
動かなくなる。
残り四人。
同時に、襲いかかる。
四方から。
避けられない。
その瞬間──
窓が、砕けた。
黒い影が、飛び込んでくる。
剣が、閃く。
男たちが、次々と倒れる。
一人。
二人。
三人。
四人。
全員、地面に倒れた。
黒い影が、着地する。
黒い服。
銀色の瞳。
剣を構えた姿勢。
アルセイン。
推しが、来てくれた。
「聖女殿」
彼が、私を見る。
心配そうな目。
「大丈夫ですか」
心臓が、跳ねる。
推しが、助けに来てくれた。
「ええ」
頷く。
アルセインが、前に立つ。
私を庇うように。
リリアナが、舌打ちする。
「邪魔者が」
彼女の手から、黒い霧が溢れる。
今度は、もっと大量。
部屋中が、霧に包まれる。
視界が、奪われる。
息苦しい。
毒だ。
「アルセイン公爵」
リリアナの声が、響く。
「あなたまで、邪魔をするのね」
霧の中から、攻撃が来る。
黒い刃。
闇の魔法で作られた剣。
アルセインが、防ぐ。
火花が散る。
刃が交差する。
だが、数が多い。
十本。
二十本。
次々と、襲いかかる。
アルセインが、後退する。
押されている。
私は、手を掲げる。
全力で。
聖女の力を解放する。
「浄化の光よ!」
眩い光が、部屋を満たす。
黒い霧が、消えていく。
闇の剣が、砕ける。
リリアナが、悲鳴を上げる。
「きゃあ!」
光が、彼女を直撃する。
黒いローブが、焼ける。
リリアナが、倒れる。
だが──
すぐに立ち上がる。
その顔には、憎悪。
「覚えていなさい」
彼女が、叫ぶ。
「次は、必ず」
煙が、爆発する。
視界が、再び奪われる。
煙が晴れた時──
リリアナは、消えていた。
逃げた。
床には、倒れた男たちだけ。
私は、膝をつく。
力を使い果たした。
身体が、重い。
アルセインが、駆け寄る。
「聖女殿!」
彼が、私を支える。
温かい。
推しの手。
優しい。
「大丈夫ですか」
心配そうに、私を見る。
「ええ」
頷く。
でも、立てない。
アルセインが、私を抱き上げる。
お姫様抱っこ。
心臓が、爆発しそう。
推しが、私を抱っこしている。
顔が、近い。
めちゃくちゃ近い。
イケメン。
「少し、休んでください」
優しい声。
頷く。
声が、出ない。
恥ずかしくて。
アルセインが、部屋の隅に私を運ぶ。
壁に寄りかからせる。
「ここで待っていてください」
彼が、魔法陣の方へ歩いていく。
何かを調べている。
床に、紙が散らばっている。
アルセインが、それを拾う。
読む。
その表情が、強張る。
「これは……」
私も、近づく。
ふらつく足で。
アルセインが、書類を見せる。
そこには──
「第二王子派閥粛清計画」
大きな文字で書かれている。
下には、詳細な手順。
そして──
中心に、一つの名前。
「アルセイン・セイヴラン」
その下に、赤い字で。
「反逆罪で処刑」
処刑予定日まで、書かれている。
来月。
もう、すぐだ。
私の手が、震える。
これが──
原作の破滅フラグ。
推しが処刑される、運命。
それが、目の前にある。
涙が、溢れそうになる。
でも、堪える。
まだ、間に合う。
止められる。
計画を知った。
証拠もある。
これで──
推しを救える。
「聖女殿」
アルセインの声が、震えている。
彼も、読んだのだ。
自分が処刑される計画を。
顔が、蒼白だ。
「私が……処刑される?」
信じられない、という表情。
「いいえ」
私は、彼の手を握る。
強く。
「させません」
「絶対に」
アルセインが、私を見る。
銀色の瞳が、揺れている。
「なぜ」
彼が、小さく言う。
「なぜ、そこまで」
「なぜ、あなたを失いたくないからです」
私は、真剣に答える。
本当のことを、言った。
アルセインの目が、見開かれる。
顔が、赤くなる。
そして──
「私も」
彼が、小さく言う。
「あなたを、失いたくない」
心臓が、止まりそう。
推しが──
そんなことを。
嬉しい。
温かい。
涙が、溢れる。
「ありがとう」
私は、微笑む。
アルセインも、微笑む。
優しい笑顔。
初めて見る、本当の笑顔。
床には、他にも証拠が散らばっている。
マーカス伯爵の紋章が刻まれた短剣。
黒魔術の触媒。
全て、集める。
「これを、王に見せましょう」
アルセインが言う。
「証拠は揃いました」
「マーカス伯爵を、告発できます」
私は、頷く。
「でも、リリアナは逃げました」
「追わないと」
「いいえ」
アルセインが、首を横に振る。
「今は、あなたの安全が優先です」
彼が、私の肩に手を置く。
温かい。
優しい。
「館に戻りましょう」
「明日、王宮で報告します」
二人、廃墟を出る。
夜風が、冷たい。
でも、心は温かい。
推しが、隣にいる。
彼を救う証拠を、手に入れた。
もう少し。
あと少しで。
破滅フラグを、完全に回避できる。
月が、再び白く輝いていた。
血のような赤は、消えている。
静かな夜。
だが、私たちの戦いは続く。
推しを守るために。
王国を守るために。
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