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第二部 【第11章】最後の任務完遂
エピソード.48
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五つ目の重要ダンジョン「光と闇の神殿」。
拓海は分厚い報告書をバルトスの机に置いた。
「ルミナとノクスのダンジョン、魔力生産効率42%向上」
表紙をめくる。
「これで五つ、全て完了しました」
バルトスが資料に目を通す。
その目が、徐々に見開かれていった。
「黒鉄の要塞、深淵の穴、雷鳴の塔、毒沼の迷宮、光と闇の神殿……」
彼が立ち上がり、窓の外を見た。
「全てのダンジョンが、お前たちの手で生まれ変わった」
振り返る。
その顔には、深い感銘が刻まれていた。
「素晴らしい。本当に、素晴らしい」
美咲が不安そうに尋ねた。
「私たち……本当に、幹部になれるんですか?」
バルトスが力強く頷く。
「当然だ」
彼が二人の目を真っ直ぐに見つめた。
「約束通り、明日正式な昇格式を行う」
「お前たちの功績は、誰もが認めている」
拓海が静かに答えた。
「ありがとうございます」
「礼を言うのは、こちらだ」
バルトスが二人の肩に手を置いた。
「もう後戻りはできない」
「お前たちは、魔王軍の中枢に立つことになる」
その言葉の重みが、じわりと拓海の胸に沁みた。
中枢。
四ヶ月前、囮にされて見捨てられた自分たち。
それが今、魔王軍の中枢に立つ。
美咲の手が、わずかに震えていた。
-----
翌日、魔王軍本部の大広間。
天井の高い、荘厳な空間だった。
赤い絨毯が中央を貫いている。
その先には、三人の幹部が立っていた。
中央にゼノス。
右にバルトス。
左にセレスティア。
拓海と美咲は、絨毯の上を歩く。
靴音が、静寂の中に響く。
両脇には、魔王軍の兵士たちが整列していた。
全員の視線が、二人に注がれる。
美咲の手が、また震えている。
拓海が小さく囁いた。
「大丈夫だ」
「……うん」
美咲が頷く。
二人は幹部たちの前で立ち止まった。
ゼノスが口を開く。
「蒼井拓海、白石美咲」
冷たく、しかし明瞭な声が空間に響く。
「君たちの功績を称え、ここに正式な幹部として任命する」
バルトスが黒と銀の外套を手に取った。
重厚な布地が、光を反射する。
「これを纏え」
拓海の肩に、外套が掛けられる。
ずっしりとした重みが、肩にのしかかった。
美咲にも、同じものが。
彼女が小さく息を呑む音が聞こえた。
セレスティアが冷たく微笑む。
「よく、ここまで来たわね」
「これからは、魔王軍の中枢として働いてもらうわ」
ゼノスが宣言した。
「全員、敬礼」
一斉に、兵士たちが敬礼する。
整然とした動作。
統一された視線。
拓海の胸が、詰まった。
見捨てられた。
囮にされた。
嘲笑われた。
それが今、こうして敬礼を受けている。
美咲の目に、涙が浮かんでいた。
「拓海くん……」
「ああ」
拓海が答える。
「俺たち、ここまで来たんだな」
会場から、拍手が起こった。
-----
式が終わり、案内された場所。
最上階の執務室。
広々とした空間に、大きな机が二つ並んでいる。
窓からは、魔王軍領土が一望できた。
「ここが、あなた方の専用オフィスです」
副官が説明する。
若い男性だった。
「五名の優秀な部下も、既に配属されています」
「よろしくお願いします」
五人の職員が頭を下げた。
拓海と美咲も、慌てて頭を下げる。
机の上には、分厚い資料が積まれていた。
拓海が一番上のものを手に取る。
「転移者戦闘訓練プログラム・指導官任命書」
眉をひそめる。
「戦闘訓練……?」
「はい」
副官が頷いた。
「転移者の皆さんの安全確保のため、基礎戦闘訓練を実施することになりました」
「拓海様には、指導官として参加していただきます」
拓海の胸に、嫌な予感が走った。
安全確保。
本当にそれだけの理由だろうか。
なぜ今、このタイミングで。
四ヶ月間、一度も実施されなかった訓練を。
「分かりました」
とりあえず、そう答えるしかない。
副官が一礼して退出する。
五人の部下も、それに続いた。
部屋に、拓海と美咲だけが残された。
美咲が不安そうに尋ねる。
「拓海くん、これって……」
「本当に自衛のためだけなのかな?」
「……分からない」
二人は、不安を抱えたまま窓の外を見つめた。
いつか、何かが起こるような――そんな予感がした。
運命の歯車が、また動き始めていた。
「でも、嫌な予感がする」
拓海が資料を見つめた。
「魔王軍は、何か隠してる」
美咲が拓海の手を握った。
「私、怖い」
「俺もだ」
拓海が答える。
「でも、今は様子を見るしかない」
二人は、不安を抱えたまま窓の外を見つめた。
運命の歯車が、また動き始めていた。
拓海は分厚い報告書をバルトスの机に置いた。
「ルミナとノクスのダンジョン、魔力生産効率42%向上」
表紙をめくる。
「これで五つ、全て完了しました」
バルトスが資料に目を通す。
その目が、徐々に見開かれていった。
「黒鉄の要塞、深淵の穴、雷鳴の塔、毒沼の迷宮、光と闇の神殿……」
彼が立ち上がり、窓の外を見た。
「全てのダンジョンが、お前たちの手で生まれ変わった」
振り返る。
その顔には、深い感銘が刻まれていた。
「素晴らしい。本当に、素晴らしい」
美咲が不安そうに尋ねた。
「私たち……本当に、幹部になれるんですか?」
バルトスが力強く頷く。
「当然だ」
彼が二人の目を真っ直ぐに見つめた。
「約束通り、明日正式な昇格式を行う」
「お前たちの功績は、誰もが認めている」
拓海が静かに答えた。
「ありがとうございます」
「礼を言うのは、こちらだ」
バルトスが二人の肩に手を置いた。
「もう後戻りはできない」
「お前たちは、魔王軍の中枢に立つことになる」
その言葉の重みが、じわりと拓海の胸に沁みた。
中枢。
四ヶ月前、囮にされて見捨てられた自分たち。
それが今、魔王軍の中枢に立つ。
美咲の手が、わずかに震えていた。
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翌日、魔王軍本部の大広間。
天井の高い、荘厳な空間だった。
赤い絨毯が中央を貫いている。
その先には、三人の幹部が立っていた。
中央にゼノス。
右にバルトス。
左にセレスティア。
拓海と美咲は、絨毯の上を歩く。
靴音が、静寂の中に響く。
両脇には、魔王軍の兵士たちが整列していた。
全員の視線が、二人に注がれる。
美咲の手が、また震えている。
拓海が小さく囁いた。
「大丈夫だ」
「……うん」
美咲が頷く。
二人は幹部たちの前で立ち止まった。
ゼノスが口を開く。
「蒼井拓海、白石美咲」
冷たく、しかし明瞭な声が空間に響く。
「君たちの功績を称え、ここに正式な幹部として任命する」
バルトスが黒と銀の外套を手に取った。
重厚な布地が、光を反射する。
「これを纏え」
拓海の肩に、外套が掛けられる。
ずっしりとした重みが、肩にのしかかった。
美咲にも、同じものが。
彼女が小さく息を呑む音が聞こえた。
セレスティアが冷たく微笑む。
「よく、ここまで来たわね」
「これからは、魔王軍の中枢として働いてもらうわ」
ゼノスが宣言した。
「全員、敬礼」
一斉に、兵士たちが敬礼する。
整然とした動作。
統一された視線。
拓海の胸が、詰まった。
見捨てられた。
囮にされた。
嘲笑われた。
それが今、こうして敬礼を受けている。
美咲の目に、涙が浮かんでいた。
「拓海くん……」
「ああ」
拓海が答える。
「俺たち、ここまで来たんだな」
会場から、拍手が起こった。
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式が終わり、案内された場所。
最上階の執務室。
広々とした空間に、大きな机が二つ並んでいる。
窓からは、魔王軍領土が一望できた。
「ここが、あなた方の専用オフィスです」
副官が説明する。
若い男性だった。
「五名の優秀な部下も、既に配属されています」
「よろしくお願いします」
五人の職員が頭を下げた。
拓海と美咲も、慌てて頭を下げる。
机の上には、分厚い資料が積まれていた。
拓海が一番上のものを手に取る。
「転移者戦闘訓練プログラム・指導官任命書」
眉をひそめる。
「戦闘訓練……?」
「はい」
副官が頷いた。
「転移者の皆さんの安全確保のため、基礎戦闘訓練を実施することになりました」
「拓海様には、指導官として参加していただきます」
拓海の胸に、嫌な予感が走った。
安全確保。
本当にそれだけの理由だろうか。
なぜ今、このタイミングで。
四ヶ月間、一度も実施されなかった訓練を。
「分かりました」
とりあえず、そう答えるしかない。
副官が一礼して退出する。
五人の部下も、それに続いた。
部屋に、拓海と美咲だけが残された。
美咲が不安そうに尋ねる。
「拓海くん、これって……」
「本当に自衛のためだけなのかな?」
「……分からない」
二人は、不安を抱えたまま窓の外を見つめた。
いつか、何かが起こるような――そんな予感がした。
運命の歯車が、また動き始めていた。
「でも、嫌な予感がする」
拓海が資料を見つめた。
「魔王軍は、何か隠してる」
美咲が拓海の手を握った。
「私、怖い」
「俺もだ」
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「でも、今は様子を見るしかない」
二人は、不安を抱えたまま窓の外を見つめた。
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