職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ

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【第17章】衝撃の真実

エピソード.77

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 食堂の空気が凍りついていた。

 拓海の手にある資料を、全員が見つめている。橋本の呼吸が浅い。田中の拳が震えている。中村は唾を飲み込んだ。誰も声を出さない。出せない。

 拓海が資料を開いた。

「これから読み上げるのは、魔王軍機密書庫から入手した公式文書だ」

 ページをめくる音だけが響く。

「転移者召喚計画、帰還条件に関する項目」

 拓海の声が震えた。

「技術的には全員帰還可能」

 誰かが息を呑んだ。

「しかし政治的理由により、帰還枠を5名に制限する」

 静寂が破裂した。

「え……?」

 橋本の声が裏返る。

「全員、帰れるの……?」

「待って、じゃあ」

 中村が立ち上がった。

「じゃあ私たちが争わされてたのは……」

 拓海が頷いた。

「競争させて、成果を最大化するためだ」

「そんな……」

 一人が椅子から崩れ落ちた。膝をつき、床を見つめる。

「嘘だろ……」

「全部、茶番だったのかよ……」

 ざわめきが広がる。拓海は資料を握りしめた。

「まだある」

 声を張り上げる。

「召喚の真の目的について」

 再び静まり返る。

「召喚の主目的はダンジョン攻略ではなく、魔力結晶の大量生産」

 田中の目が見開かれた。

「え……」

「転移者の特殊スキルはダンジョン効率化に極めて有効。特に生産系スキル保持者は貴重」

 拓海が自嘲的に笑った。

「外れ職なんて、最初から存在しなかった」

 中村が呟く。

「じゃあ……」

「ああ」

 拓海が頷く。

「全ての職業に、魔王軍にとっての価値があった。俺の分析官も、美咲の掃除係も……全部、計画通りだ」

 橋本が震える手で口を覆った。

「私たちの職業も……」

「計画されていた。最初から」

 誰かが机を叩いた。

「ふざけんな!」

 怒声が響く。

「利用されてたってことかよ!」

「落ち着け」

 拓海が手を上げる。しかし声は震えていた。

「まだ、ある」

「まだあんのかよ……」

 田中が呻く。

 拓海が最後のページを開いた。手が震えている。

「3年間で転移者を訓練し、春に人間国家への侵略を開始する」

 時間が止まった。

「俺たちは、その中核部隊として使われる」

 誰も動かない。息をしているかすらわからない。

 やがて、一人が泣き出した。

 すすり泣きが、次々と伝染していく。

「嘘だ……」

「家族を攻めるなんて……」

「私たち……どうすれば……」

 橋本が両手で顔を覆う。肩が震えている。

「嘘だよね……蒼井くん……」

 拓海は答えられなかった。

 美咲が拓海の隣に立ち、静かに頷いた。リリアも頷く。

「本当です」

 美咲の声は震えていた。

「私たち、笑顔で訓練してた……侵略のために……」

 一人が叫んだ。

「信じられない!」

 立ち上がり、拓海を指差す。

「そんなの嘘だ!改竄かもしれないだろ!」

 拓海が資料を差し出す。

「嘘じゃない。これが証拠だ」

「お前が俺たちを混乱させるために作ったんだろ!」

「やめて!」

 橋本が割って入る。

「蒼井くんはそんなことしない!」

「どうしてわかる!?あいつは幹部だぞ!魔王軍の!」

 食堂が騒然となる。

 怒号、すすり泣き、絶望の呻き。

 田中が静かに立ち上がった。

「拓海」

 その声に、会場が少し静まる。

「本当なんだろうな」

 拓海が真っ直ぐに田中を見た。

「ああ。俺も信じたくなかった。でも、これが現実だ」

 田中が頭を抱えた。

「じゃあ、俺たちの訓練は……」

「侵略のための準備だった」

 橋本が涙を流す。

「私たち……笑顔で訓練してたのに……」

 拓海が拳を握る。

「すまない。もっと早く気づくべきだった」

「謝って済む問題かよ!」

 一人が机を蹴り飛ばした。

「家族を攻めろだと!?冗談じゃない!」

 別の一人は絶望に沈んでいた。

「もう……どうすればいいの……」

 泣き崩れる。

 拓海が声を張り上げた。

「落ち着いてくれ!」

 少しずつ静まっていく。

「俺たちには、選択肢がある」

 全員が拓海を見た。

「三つの道だ」
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