職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ

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【第17章】衝撃の真実

エピソード.78

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# 第17章② 動揺と否認

「三つの道だ」

 拓海の言葉に、全員が耳を傾ける。

「一つ目、魔王軍を裏切り、人間側につく」

 何人かが顔を上げた。

「二つ目、魔王軍に残り、故郷とは戦わない道を探す」

 橋本が拓海を見つめる。

「三つ目……」

 拓海が一呼吸置いた。

「魔王軍に協力し、侵略に参加する」

 静寂。

 誰もが自分の選択を考えている。どの道を選べばいいのか。どの道なら生き延びられるのか。

 橋本が震える声で尋ねた。

「蒼井くんは……どうするの?」

 拓海が答える。

「俺は、魔王軍に残る」

 ざわめきが起きる。

「でも、故郷とは戦わない」

 田中が驚いた表情を浮かべた。

「どうやって?」

「分からない」

 拓海が正直に答える。

「でも、道を探す。美咲とリリアと一緒に」

 美咲が頷いた。リリアも微笑む。

「あなたたちが選んだ道を、私は尊重する」

 リリアの言葉に、何人かが頷いた。

 しかし、一人が立ち上がる。

「ふざけんな!」

 怒声が響いた。

「お前は幹部だ!魔王軍の幹部なんだぞ!」

 拓海が彼を見る。

「そうだ。だから俺は、内側から変えようとしてる」

「変える?そんなこと可能だと思ってんのか!」

 別の一人が叫ぶ。

「お前は魔王軍に利用されてるだけだ!」

 拓海は何も言い返せなかった。

 その通りかもしれない。利用されているだけかもしれない。

 橋本が立ち上がった。

「やめて!蒼井くんは私たちのために……」

「黙れ!」

 その声に、橋本が怯む。

「お前もだ、橋本!お前は定住派だろ!魔王軍で働いて、のうのうと暮らして!」

 橋本の目に涙が浮かぶ。

「私は……」

「お前たちは裏切り者だ!」

 田中が割って入った。

「いい加減にしろ!」

 その声の大きさに、一瞬静まる。

「誰も裏切ってなんかいない。みんな必死に生きようとしてるだけだ」

 中村も頷く。

「そうだ。拓海は、俺たちに真実を教えてくれた。それだけで十分じゃないか」

「でも……」

 一人が呟く。

「でも、どうすればいいんだよ……」

 力なく座り込む。

「人間側についても、受け入れてもらえるかわからない」

「魔王軍に残っても、侵略に参加させられる」

「逃げたって、どこにも行けない」

 絶望が、食堂を支配していく。

 一人がすすり泣き始めた。

「家族に……会いたい……」

 その声が、また涙を誘う。

「お母さん……」

「もう帰れないの……?」

 拓海が拳を握った。

「帰れる」

 その声に、全員が顔を上げる。

「必ず、帰れる道を見つける」

「どうやって!」

 一人が叫ぶ。

「どうやって帰るんだよ!魔王軍は俺たちを兵士にしようとしてる!人間国家は俺たちを敵と見なすかもしれない!」

 拓海が答えられずにいると、美咲が前に出た。

「分からない。でも、諦めたくない」

 その言葉に、何人かが目を向ける。

「拓海くんは、ずっと私たちのことを考えてくれてた。今だって、こうして真実を教えてくれた」

 美咲の目に涙が浮かんでいる。

「だから……だから私は信じる」

 橋本が頷いた。

「私も……信じる」

 田中が立ち上がる。

「俺も、拓海を信じる」

 中村も頷く。

「俺も」

 しかし、まだ半数以上が迷っていた。

 表情は暗く、希望の光は見えない。

 一人が呟く。

「考えさせてくれ……今すぐには決められない……」

 拓海が頷いた。

「わかった。明日の夜まで、時間をやる」

 彼が続ける。

「それぞれ、自分の道を選んでくれ。俺は誰の選択も尊重する」

 食堂がゆっくりと解散していく。

 重い足取りで、一人また一人と去っていく。

 最後に残ったのは、拓海、美咲、リリア、田中、中村、そして橋本だった。

 橋本が拓海に尋ねる。

「本当に……道は見つかるの?」

 拓海が答える。

「見つける。必ず」

 しかしその声は、どこか自信がなかった。

 美咲が拓海の手を握る。

「大丈夫。一緒に探そう」

 リリアが微笑む。

「あなたたちなら、きっと」

 拓海が窓の外を見た。

 夜空に、星が瞬いている。

 あの向こうに、故郷がある。

 家族がいる。

 守りたい人たちがいる。

 でも、俺は今、その人たちを攻める準備をしている。

 拓海の心に、重い石が沈んでいくようだった。
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