18 / 25
3章 顕現編
第18話「S級の審判者」
しおりを挟む
書類の文字は簡潔だった。
『対象:ダンジョンコア顕現体(通称ノア)。観察期間:14日間。判定結果に基づき、排除を含む対応を許可する』
氷室要はファイルを閉じた。探索者協会本部の廊下を歩いている。すれ違う職員が道を空けた。S級の腕章。全国で12人。廊下を歩くだけで空気が変わる。
統括局長室。ノック2回。返事を待たずに開ける。
鷲尾源一郎が座っていた。白髪交じり。目元に深い皺。
「氷室。来たか」
「任務書を読んだ。質問がある。排除不要と判断した場合、協会はそれを受け入れるか」
鷲尾の目が一瞬だけ細くなった。笑っていないのに、笑顔に近い表情だった。
「当然だ。お前の判断を信頼している」
「わかった。俺は自分の判断で動く」
「ああ。頼んだぞ」
氷室はドアを閉めた。鷲尾の目が細くなった理由を、感情ではなく事実として記録した。
翌日。午後。
想はダンジョンの入口でノアの投影体と並んでいた。2日目の地上。千歳が少し離れた場所でスマホを触っている。
ノアは想の右腕にしがみついたまま公園の方を見ている。今日は鳩を見た。缶コーヒーのプルタブを開ける音に驚いて、想の腕を締め上げた。
「痛い痛い。力加減」
「すみません。音が、予想と違いました」
想がベンチに座ろうとしたとき、足音が聞こえた。
砂利を踏む音ではない。硬い靴底がコンクリートを叩く、均一な歩幅の足音だ。想が振り向いた。
男がひとり、ダンジョン入口に向かって歩いてきた。黒のジャケット。短く刈った髪。左腕にS級の銀色の腕章。体の線が服の上からでもわかる。鍛え続けた結果がそのまま残っている体だった。
千歳が顔を上げた。体が硬くなった。
男が想の前で止まった。2メートルの距離。近すぎず、遠すぎない。戦闘距離でもなく、会話の距離でもなかった。観察の距離だ。
「柊想か」
声は低い。抑揚が少ない。想の「俺」と同じ一人称を使うはずの男だが、言葉の温度がまるで違う。刃物を布で包んだような声だった。
「そうだけど。あんた誰だ」
「俺は氷室要。S級探索者。氷壁班の隊長だ」
想の肩が上がった。昨日、梶原が言っていた名前だ。
「ノアの観察と、必要であれば排除が任務だ。隠す気はない」
排除。
2度目だ。梶原の電話で聞いたのが1度目。今、本人の口から聞いたのが2度目。1度目より重い。声に嘘がないから。
「排除って、どういう意味だ」
「言葉の通りだ。ノアが人類にとって脅威であると俺が判断した場合、コアを破壊する」
想の歯が噛み合った。顎に力が入る。
「ノアは脅威じゃない」
「それを確認しに来た」
「確認って、お前が勝手に決めるのかよ」
「俺の判断だ。だが勝手ではない。2週間かけて観察する。結論を急ぐ気はない」
千歳が想とノアの前に出た。両腕を広げて、氷室との間に壁を作る。
「想さんに近づかないでください」
氷室の視線が千歳に移った。上から下まで一度だけ見て、目が止まった。
「B級の白峰千歳。戦闘データは読んだ。探索者歴1ヶ月でB級認定。身体強化スキルのマナ変換効率が規格外だ。筋はいい」
千歳が一瞬だけ面食らった。褒められるとは思わなかったのだ。だがすぐに表情を戻した。
「褒めても退きませんよ」
「退けとは言っていない。お前がどう動こうと、俺の観察には影響しない」
氷室の視線が千歳を通り越して、想の背後に向いた。ダンジョンの入口。壁面が青白く光っている。
声が響いた。壁面から。低い反響を伴って、空気そのものが震える声。
「あなたは、わたしを殺しに来たんですか」
ノアだった。投影体ではなく、ダンジョンの壁面を通じた声。甘さも柔らかさもない。想以外の人間に向ける、事務的な声だ。
氷室がダンジョンの入口に向き直った。
「観察に来た。殺すかどうかは、これから決める」
沈黙が落ちた。壁面の光が揺れている。ノアが何かを考えている証拠だ。
数秒後、ノアが言った。
「嘘をついていませんね」
「ああ。つかない」
「そうですか」
それだけだった。ノアの声が消えた。壁面の光が元に戻る。
想は氷室を見た。この男はノアに「殺すかもしれない」と正面から告げて、ノアはそれに怒らなかった。御影なら嘘を嗅ぎつけて敵視した。千歳なら善意で押し切った。氷室には、どちらの反応も起きなかった。
嘘がないから。正直に殺意を告げる人間を、ノアは処理できなかった。
「柊」
氷室が想に向き直った。
「明日から、お前たちの日常を観察する。邪魔はしない。だが、嘘はつくな。嘘をついた時点で、観察は終了する」
「嘘なんかつかねえよ」
「ならいい」
氷室は踵を返した。来たときと同じ均一な歩幅で、駐車場の方に歩いていく。背中を見せることに躊躇がない。攻撃されるとは思っていないのか、されても対処できるのか。おそらく後者だ。
想は氷室の背中が見えなくなるまで動けなかった。怒りはある。だがそれ以上に、噛み合わない感覚があった。御影のような嘘がない。財前のような悪意がない。あるのは信念だけで、その信念が間違っているとは言い切れなかった。
「想さん。あの人、本気ですね」
「ああ」
「私、負けませんから。想さんとノアさんは、私が守ります」
「お前は自分の体を先に守れ」
「それは二番目です」
想は額に手を当てた。味方が全員命知らずだ。
夕方。梶原が小型の計測器を持ってやってきた。
「ノアさんの地上顕現データを取らせてください。投影体の安定性を数値化しておけば、万が一のときに対処が早くなります」
想は頷いた。梶原はいつも先回りして動いてくれる。
「ノア。梶原さんがデータ取りたいって。いいか」
「はい。想さんがいいなら」
梶原がタブレットを開いた。計測項目の一覧が並んでいる。投影体維持時間。マナ消費レート。活動半径。コア演算負荷率。
その下に、もう一行。最大マナ出力。
想の目はタブレットの画面を見たが、その項目に注意は向かなかった。安全のためのデータだ。項目が多いのは当然だろう。
計測は10分で終わった。
「氷室さんのこと、心配ですよね」
「心配っていうか、ムカつくっていうか」
「あの方は実直な人です。私も全力でサポートしますから」
「ありがとな」
梶原が帰っていった。
想はダンジョンの入口に座り込んだ。壁面に背中を預ける。冷たい石の感触が背骨に伝わった。
「ノア」
「はい」
「あいつ、どう思った。氷室」
壁面の光苔が、色を変えずにゆっくりと明滅した。ノアが考えている。
「嘘をつかない人間は、初めてです」
「千歳もつかないだろ」
「白峰さんは嘘をつけない人です。氷室さんは嘘をつかないと決めている人です。違います」
想は黙った。その区別は正しかった。
「氷室さんは危険です。でも、嫌いとは言えません」
「嫌いじゃないのか」
「御影さんにはすぐに嫌悪がありました。氷室さんには、それがない。殺されるかもしれないのに」
想は壁面を見上げた。ノアが混乱している。殺意を持った人間を嫌えないという矛盾に、ノア自身が戸惑っている。
「それは、わたしがやっていることと同じだからかもしれません」
ノアも見てから決める。千歳を見て、排除しないと決めた。御影を見て、排除すると決めた。氷室は同じことをしている。
鏡だ。
ダンジョンを出て、自宅に向かって歩いた。スマホが振動した。
ノアからのメッセージ。DunCast経由ではない。スマホ本体への直接通信。
「想さん。氷室要。28歳。S級認定は24歳。歴代最年少記録。実戦経歴87件。判定後の排除執行率100%。脅威と判定した対象を、一度も見逃していません」
経歴データだ。探索者協会のデータベースから引き抜いたのだろう。ノアにとっては造作もない作業だ。
続けてもう一通。
「この人は、本当に殺します」
8文字。句読点を入れても9文字。それだけの文面が、スマホの画面に表示されている。
想はスマホをしまった。夜道を歩きながら、氷室の顔を思い出した。あの男は嘘をつかない。そしてノアも嘘をつかない。
嘘つき同士の戦いなら、嘘を暴けば勝てる。だが正直者同士の対立は、どちらかが折れるか、どちらかが消えるまで終わらない。
───────────────────
草:ソウの配信にS級映ってなかった?
†漆黒の剣†:氷室要だろ。氷壁班の隊長だぞ
しろくま_22:なんでS級がソウの配信にいるの
DJケンタ_B級:コアの地上顕現が問題になったんだろ。協会が調査に動いたとしか
深層好き_A:氷壁班はコア関連事案の専門部隊。つまりノアの調査
推しが重い:ノアちゃんが殺されるかもってこと?
草:まてまてまて
しろくま_22:ソウ大丈夫なの
†漆黒の剣†:氷室って排除執行率100%の人じゃなかったか
DJケンタ_B級:S級vsダンジョンの少女。これはやばいぞ
N_o_a:想さんは、わたしが守ります。
推しが重い:ノアちゃん……
草:今日のノアちゃんのコメント重いな
───────────────────
登録者数の通知が画面の隅に小さく表示されていた。30万人。S級の出現が新しい燃料を投下した形だ。
だが今の想には、数字はどうでもよかった。
部屋に帰って、ベッドに倒れ込んだ。天井を見つめる。
排除執行率100パーセント。脅威と判定した対象を、一度も見逃していない。
あの男がノアを脅威だと判断したら。
想は目を閉じた。明日から氷室が日常を観察する。嘘はつくなと言った。つかない。ノアとの日常をそのまま見せる。
それで足りるのか。答えは氷室が持っている。
スマホが光った。ノアからの3通目。
「おやすみなさい、想さん。明日も隣にいます」
「おやすみ」と返した。スマホを枕元に置く。
ノアは想のスマホの中にいる。氷室の経歴を調べ、通話記録を引き出し、報告する。便利だ。心強い。だがノアのやっていることを正確に言えば、探索者協会のデータベースへの不正アクセスだ。
想はそのことを、まだ深く考えていなかった。
『対象:ダンジョンコア顕現体(通称ノア)。観察期間:14日間。判定結果に基づき、排除を含む対応を許可する』
氷室要はファイルを閉じた。探索者協会本部の廊下を歩いている。すれ違う職員が道を空けた。S級の腕章。全国で12人。廊下を歩くだけで空気が変わる。
統括局長室。ノック2回。返事を待たずに開ける。
鷲尾源一郎が座っていた。白髪交じり。目元に深い皺。
「氷室。来たか」
「任務書を読んだ。質問がある。排除不要と判断した場合、協会はそれを受け入れるか」
鷲尾の目が一瞬だけ細くなった。笑っていないのに、笑顔に近い表情だった。
「当然だ。お前の判断を信頼している」
「わかった。俺は自分の判断で動く」
「ああ。頼んだぞ」
氷室はドアを閉めた。鷲尾の目が細くなった理由を、感情ではなく事実として記録した。
翌日。午後。
想はダンジョンの入口でノアの投影体と並んでいた。2日目の地上。千歳が少し離れた場所でスマホを触っている。
ノアは想の右腕にしがみついたまま公園の方を見ている。今日は鳩を見た。缶コーヒーのプルタブを開ける音に驚いて、想の腕を締め上げた。
「痛い痛い。力加減」
「すみません。音が、予想と違いました」
想がベンチに座ろうとしたとき、足音が聞こえた。
砂利を踏む音ではない。硬い靴底がコンクリートを叩く、均一な歩幅の足音だ。想が振り向いた。
男がひとり、ダンジョン入口に向かって歩いてきた。黒のジャケット。短く刈った髪。左腕にS級の銀色の腕章。体の線が服の上からでもわかる。鍛え続けた結果がそのまま残っている体だった。
千歳が顔を上げた。体が硬くなった。
男が想の前で止まった。2メートルの距離。近すぎず、遠すぎない。戦闘距離でもなく、会話の距離でもなかった。観察の距離だ。
「柊想か」
声は低い。抑揚が少ない。想の「俺」と同じ一人称を使うはずの男だが、言葉の温度がまるで違う。刃物を布で包んだような声だった。
「そうだけど。あんた誰だ」
「俺は氷室要。S級探索者。氷壁班の隊長だ」
想の肩が上がった。昨日、梶原が言っていた名前だ。
「ノアの観察と、必要であれば排除が任務だ。隠す気はない」
排除。
2度目だ。梶原の電話で聞いたのが1度目。今、本人の口から聞いたのが2度目。1度目より重い。声に嘘がないから。
「排除って、どういう意味だ」
「言葉の通りだ。ノアが人類にとって脅威であると俺が判断した場合、コアを破壊する」
想の歯が噛み合った。顎に力が入る。
「ノアは脅威じゃない」
「それを確認しに来た」
「確認って、お前が勝手に決めるのかよ」
「俺の判断だ。だが勝手ではない。2週間かけて観察する。結論を急ぐ気はない」
千歳が想とノアの前に出た。両腕を広げて、氷室との間に壁を作る。
「想さんに近づかないでください」
氷室の視線が千歳に移った。上から下まで一度だけ見て、目が止まった。
「B級の白峰千歳。戦闘データは読んだ。探索者歴1ヶ月でB級認定。身体強化スキルのマナ変換効率が規格外だ。筋はいい」
千歳が一瞬だけ面食らった。褒められるとは思わなかったのだ。だがすぐに表情を戻した。
「褒めても退きませんよ」
「退けとは言っていない。お前がどう動こうと、俺の観察には影響しない」
氷室の視線が千歳を通り越して、想の背後に向いた。ダンジョンの入口。壁面が青白く光っている。
声が響いた。壁面から。低い反響を伴って、空気そのものが震える声。
「あなたは、わたしを殺しに来たんですか」
ノアだった。投影体ではなく、ダンジョンの壁面を通じた声。甘さも柔らかさもない。想以外の人間に向ける、事務的な声だ。
氷室がダンジョンの入口に向き直った。
「観察に来た。殺すかどうかは、これから決める」
沈黙が落ちた。壁面の光が揺れている。ノアが何かを考えている証拠だ。
数秒後、ノアが言った。
「嘘をついていませんね」
「ああ。つかない」
「そうですか」
それだけだった。ノアの声が消えた。壁面の光が元に戻る。
想は氷室を見た。この男はノアに「殺すかもしれない」と正面から告げて、ノアはそれに怒らなかった。御影なら嘘を嗅ぎつけて敵視した。千歳なら善意で押し切った。氷室には、どちらの反応も起きなかった。
嘘がないから。正直に殺意を告げる人間を、ノアは処理できなかった。
「柊」
氷室が想に向き直った。
「明日から、お前たちの日常を観察する。邪魔はしない。だが、嘘はつくな。嘘をついた時点で、観察は終了する」
「嘘なんかつかねえよ」
「ならいい」
氷室は踵を返した。来たときと同じ均一な歩幅で、駐車場の方に歩いていく。背中を見せることに躊躇がない。攻撃されるとは思っていないのか、されても対処できるのか。おそらく後者だ。
想は氷室の背中が見えなくなるまで動けなかった。怒りはある。だがそれ以上に、噛み合わない感覚があった。御影のような嘘がない。財前のような悪意がない。あるのは信念だけで、その信念が間違っているとは言い切れなかった。
「想さん。あの人、本気ですね」
「ああ」
「私、負けませんから。想さんとノアさんは、私が守ります」
「お前は自分の体を先に守れ」
「それは二番目です」
想は額に手を当てた。味方が全員命知らずだ。
夕方。梶原が小型の計測器を持ってやってきた。
「ノアさんの地上顕現データを取らせてください。投影体の安定性を数値化しておけば、万が一のときに対処が早くなります」
想は頷いた。梶原はいつも先回りして動いてくれる。
「ノア。梶原さんがデータ取りたいって。いいか」
「はい。想さんがいいなら」
梶原がタブレットを開いた。計測項目の一覧が並んでいる。投影体維持時間。マナ消費レート。活動半径。コア演算負荷率。
その下に、もう一行。最大マナ出力。
想の目はタブレットの画面を見たが、その項目に注意は向かなかった。安全のためのデータだ。項目が多いのは当然だろう。
計測は10分で終わった。
「氷室さんのこと、心配ですよね」
「心配っていうか、ムカつくっていうか」
「あの方は実直な人です。私も全力でサポートしますから」
「ありがとな」
梶原が帰っていった。
想はダンジョンの入口に座り込んだ。壁面に背中を預ける。冷たい石の感触が背骨に伝わった。
「ノア」
「はい」
「あいつ、どう思った。氷室」
壁面の光苔が、色を変えずにゆっくりと明滅した。ノアが考えている。
「嘘をつかない人間は、初めてです」
「千歳もつかないだろ」
「白峰さんは嘘をつけない人です。氷室さんは嘘をつかないと決めている人です。違います」
想は黙った。その区別は正しかった。
「氷室さんは危険です。でも、嫌いとは言えません」
「嫌いじゃないのか」
「御影さんにはすぐに嫌悪がありました。氷室さんには、それがない。殺されるかもしれないのに」
想は壁面を見上げた。ノアが混乱している。殺意を持った人間を嫌えないという矛盾に、ノア自身が戸惑っている。
「それは、わたしがやっていることと同じだからかもしれません」
ノアも見てから決める。千歳を見て、排除しないと決めた。御影を見て、排除すると決めた。氷室は同じことをしている。
鏡だ。
ダンジョンを出て、自宅に向かって歩いた。スマホが振動した。
ノアからのメッセージ。DunCast経由ではない。スマホ本体への直接通信。
「想さん。氷室要。28歳。S級認定は24歳。歴代最年少記録。実戦経歴87件。判定後の排除執行率100%。脅威と判定した対象を、一度も見逃していません」
経歴データだ。探索者協会のデータベースから引き抜いたのだろう。ノアにとっては造作もない作業だ。
続けてもう一通。
「この人は、本当に殺します」
8文字。句読点を入れても9文字。それだけの文面が、スマホの画面に表示されている。
想はスマホをしまった。夜道を歩きながら、氷室の顔を思い出した。あの男は嘘をつかない。そしてノアも嘘をつかない。
嘘つき同士の戦いなら、嘘を暴けば勝てる。だが正直者同士の対立は、どちらかが折れるか、どちらかが消えるまで終わらない。
───────────────────
草:ソウの配信にS級映ってなかった?
†漆黒の剣†:氷室要だろ。氷壁班の隊長だぞ
しろくま_22:なんでS級がソウの配信にいるの
DJケンタ_B級:コアの地上顕現が問題になったんだろ。協会が調査に動いたとしか
深層好き_A:氷壁班はコア関連事案の専門部隊。つまりノアの調査
推しが重い:ノアちゃんが殺されるかもってこと?
草:まてまてまて
しろくま_22:ソウ大丈夫なの
†漆黒の剣†:氷室って排除執行率100%の人じゃなかったか
DJケンタ_B級:S級vsダンジョンの少女。これはやばいぞ
N_o_a:想さんは、わたしが守ります。
推しが重い:ノアちゃん……
草:今日のノアちゃんのコメント重いな
───────────────────
登録者数の通知が画面の隅に小さく表示されていた。30万人。S級の出現が新しい燃料を投下した形だ。
だが今の想には、数字はどうでもよかった。
部屋に帰って、ベッドに倒れ込んだ。天井を見つめる。
排除執行率100パーセント。脅威と判定した対象を、一度も見逃していない。
あの男がノアを脅威だと判断したら。
想は目を閉じた。明日から氷室が日常を観察する。嘘はつくなと言った。つかない。ノアとの日常をそのまま見せる。
それで足りるのか。答えは氷室が持っている。
スマホが光った。ノアからの3通目。
「おやすみなさい、想さん。明日も隣にいます」
「おやすみ」と返した。スマホを枕元に置く。
ノアは想のスマホの中にいる。氷室の経歴を調べ、通話記録を引き出し、報告する。便利だ。心強い。だがノアのやっていることを正確に言えば、探索者協会のデータベースへの不正アクセスだ。
想はそのことを、まだ深く考えていなかった。
1
あなたにおすすめの小説
世界最強の七賢者がお世話係の俺にだけはデレデレすぎる件
Y.
恋愛
国の頂点に君臨し、神にも等しい力を持つ『七賢者』。
火・水・風・土・光・闇・氷の属性を極めた彼女たちは、畏怖の対象として国民から崇められていた。
――だが、その「聖域」の扉を一枚隔てた先では、とんでもない光景が広がっていた。
「アルトぉ、この服脱がせてー。熱いから魔法で燃やしちゃった」
「……アルトが隣にいないと、私、一生布団から出ないから」
「いいじゃない、減るもんじゃないし。さあ、私と混ざり合いましょう?」
彼女たちの正体は、私生活が壊滅的にポンコツで、特定の一人に依存しきったデレデレな美少女たちだった!
魔法の才能ゼロの雑用係・アルトは、世界で唯一「彼女たちの暴走魔力に耐えられる」という理由で、24時間体制の身の回りのお世話をすることに。
着替え、食事の介助、添い寝(!?)まで……。
世界最強の7人に取り合われ、振り回され、いじり倒される。
胃袋と心根をガッチリ掴んだお世話係と、愛が重すぎる最強ヒロインたちによる、至福の異世界ハーレムラブコメ、開幕!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。
王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。
なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。
自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。
11月14日にHOT男性向け1位になりました。
応援、ありがとうございます!
異世界配信中。幼馴染みに捨てられた俺に、神々(視聴者)がコメントしてくるんだが。
葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。
だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。
突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。
これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。
新緑の光と約束~精霊の愛し子と守護者~
依羽
ファンタジー
「……うちに来るかい?」
森で拾われた赤ん坊は、ルカと名付けられ、家族に愛されて育った。
だが8歳のある日、重傷の兄を救うため、ルカから緑の光が――
「ルカは精霊の愛し子。お前は守護者だ」
それは、偶然の出会い、のはずだった。
だけど、結ばれていた"運命"。
精霊の愛し子である愛くるしい弟と、守護者であり弟を溺愛する兄の、温かな家族の物語。
他の投稿サイト様でも公開しています。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる