なみだあめ

ゆるふわ詩音

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なみだあめ

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しとしと

しとしと

やまないあめのなか

キミはうずくまる


おやおやないているのかい?

まっくらなやみのなかからうまれたぼくは

きみのうしろからこえをかける

どうしたんだい? おじょうちゃん

おかあさんは?

キミはおおきくぶんぶんとくびをふる

おとうさんは?

キミはもっとぶんぶんぶんとくびをふる

ひとりぼっちなんだ

ぼくとおなじだね

ぼくはキミのうえににカサをさした


ポタポタ

ポタポタ

あめなのか

キミのなみだなのか

それとも

ぼくがあびた“ち“なのか

 ぼくのうちにはね

おいしいごはんも

あったかいおふろも

 ふわふわのふとんもあるんだ

キミはやっとかおを上げてぼくをみてくれた

ぼくはくちもとでほほえむ


よかったらぼくのうちにこないかい?

 なんなら

 キミがいたいだけいればいいさ

 ぼくはキミにてをさしだした

キミはいいの? ときくから

ぼくはいいよとてんしのほほえみをささげた

キミははじめてほほえんでてをとってくれる


トントン

トントン

ぼくとキミはあるきだした



きょうはあめでよかった

ヤイバのようなぎんいろのかみも

 ちばしったまっかなめも

そして

そのうちキミにささるキバも

キミにはみえないのだから
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