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リクエスト
⑱モテモテ人気者×平凡(美形×平凡)
しおりを挟む中高一貫の全寮制男子校に通う平凡(稔)。彼には、釣り合わないほどハイスペックな恋人(修也)がいる。
イケメンで人柄もよく、勉強も運動もできるその修也とは、中3の終わりごろから付き合っている。向こうからの告白で交際がスタートしたのだが、未だになぜ好きになってくれたのか、正直よくわかっていない稔。関係を公言しているのだが、周囲からも「なんでお前が?」「弱みでも握って脅してる?」「不釣り合いだ別れろ」と幾度となく言われてきた。それでも修也は毎日愛を囁いてくれるし、心も体も満たしてくれており、幸せな日々を送っていた。
そんな高校3年のある日のこと。
クラスに転校生がやってくる。とても可愛い顔をした美少年。彼は修也を見ると「あっ修也!」といって駆け寄ってくる。驚いて2人を見るけれど修也もとても嬉しそうで、なんだかモヤモヤしてしまう稔。後ほど話を聞くと親戚なのだとか。稔にも転校生くんを紹介してくれた。「なんだただの親戚か……」と思ったのも束の間。なんだか雲行きが怪しくなる。
というのも、学校にいる間、修也は転校生くんとべったりになってしまったのだ。学校のことがまだわかっていない転校生くんは、何かと修也を頼ってくるし、修也は修也で、久しぶりに会えた親戚のことを大事にしている。寮に戻ってからも中々2人で話す時間が取れず、稔は段々と不安とか悲しさに襲われる。
それでも毎日送られてくるメッセージでは、『みのり大好きだよ。愛してる』とか、電話で話したり、時にはテレセ()したりと気持ちが繋がっていると分かるのが唯一の救い。
だったのだけど、周りはそうは思わないらしく、「やっぱりフラれたんだあの平凡」とか「あの転校生のほうがよっぽど修也くんとお似合いだもんね!」と言った話が聞こえてくるように。
(大丈夫。フラれてないもん。好きって言ってくれてるもん)
そう自身に言い聞かせてる稔なんだけど、以前に比べてメッセージの量や電話の頻度が減ってきてるのも事実で。
(大丈夫……だよね?まさか、本当に……?)
って嫌な想像で心臓バクバク。
そうしていたら、バッタリ2人が抱き合ってるのを見てしまう。
なんかの事故かも、うっかり転んだのを助けただけかも。そう思いたいのに、心が悲鳴を上げてしまって。
(ーーそう、だよね。元々分かってたことだよ。いつかこうなるって、考えなかった訳じゃない。自分が修也くんに不釣り合いなのは誰が見ても明らかだったし、仕方ないよ……)
そう言い訳をして、そうして稔は恋人と別れることを決める。
幸いもう少しで受験。勉強が忙しいと言って修也との連絡を極限まで減らし、元々出来てなかった接触も、こっちから無くした。それから一緒に行くと言っていた大学も、違う場所へと変更することに。少しでもあの2人の邪魔をしないよう、自分の視界に入れないよう、遠く離れた場所に行こうとする稔。
さて。稔がそんなことになっている間の修也はというと。
「おかしい」
「? 何が?」
「みのりの様子がおかしい。連絡も全然返してくれないし、最近姿見てない」
って、やっとなんかおかしいことに気づく。
修也自身は、転校生くんの面倒を見てて、時間をこっちに割きすぎてる自覚はあるものの、優先順位は恋人である稔が第一だと思ってるし、毎日愛を囁いてるので、自分の想いはちゃんと伝わってるし、向こうも自分のこと好きなのは変わらないと思ってる。だからこそ、稔と距離ができてる感じに違和感とか、不安とか焦りを感じてる。
(なんで?なんかした?アレ??)
ってなってるある日、クラスメイトが話してるのをたまたま耳にする。
「修也くんと篠懸、別れたんだってね?」
「みたいだねー。だって不釣り合いだったじゃん」
「確かにー!次の恋人は転校生くんでしょ?あの2人ならお似合いだし……ってか、そもそも転校生くんが本命で、篠懸は会えない間の遊びとかだったんじゃ?」
「なにそれ!修也くんヤバ~!」
……修也は訳が分からなかった。
(俺とみのりが別れた?疾風(転校生)が新しい恋人?何言ってんだ?なんでそんなことになってんだ?)
頭の中にハテナが沢山浮かぶが、それより何より、この状況がヤバいということだけは分かる。
とりあえず稔に会って弁解しないと!と思って走り出そうとするんだけど、教師に呼び止められる。
「っ今急いでるんですけど!?」
「あースマンスマン。それより篠懸見なかったか?」
「みのり、ですか?」
出てきたのは稔の名前。なんだか嫌な予感がして、詳しく話を聞けば。
「なんか急に進路変えるとか言い出したからな?願書とかーー」
そこまで聞いて修也は走り出す。教師の呼び止める声が聞こえるが無視。
寮まで走って稔の部屋に行くと、驚いたように出てきた。
「っ、修也くん。どうしたの……」
「進路、変えるって何?なんで俺たち別れたとか言われてるの?ねぇ、なんで」
グッと室内に踏み込むと、稔は修也を押し返そうとする。
それでも引かず、どんどん室内に押し入って、そんで壁に稔を縫い止めて問いつめる。
「そ、んなのっ。僕が知りたいよ!」
「は……」
「僕より転校生を優先して、楽しそうにしてたのは修也くんの方だろ?! 誰が見ても僕を捨ててそっちに走ったって、そう思うに決まってる!」
「そんな……」
「逆にそんなことにも気づかなかったの?僕がどんな思いでいるとか、そんなことも……」
そう言って稔はボロッと涙をこぼす。それから泣き崩れる稔を見て、修也は自分がいかに愚かだったかを悟る。
長く付き合ってて、想いを伝えていれば、関係が崩れることは無いと思い込んでいた自分がどれほど馬鹿だったか。
「ごめん……ほんとにごめん!そんなつもり無かったんだ、そんな……。そんなに傷つけてるなんて、気づいてなかった」
「っふ、もぅ、いいよ……っ。もう、終わりにしよ、っ」
「っヤダ!絶対にヤダ!別れないっ!」
大きな声で叫ぶ修也。いつしか彼も泣いていて。それから2人で泣いて詰って縋って謝って。
そんで一通り2人で喚いて、それから抱きしめ合う。
「絶対、別れない。愛してるんだ。もう、間違えないからっ」
「っ嘘じゃない?僕が、1番って約束できる……?」
「当たり前だろっっ!!」
ーーこうして2人の破局の危機は回避されたわけで。
翌日学校で稔にびったりくっつく修也が目撃され、「え、別れてなかったん?」てなるし、転校生くんのとこに行った修也が「お前のこともう面倒みれないから!俺はずっとみのりといるから!」って宣言するしで色々大変。
だけど、宣言通り稔を1番に扱ってくれる修也に、また幸せな笑顔で寄り添う稔がいましたとさ。おしまい。
ちなみに転校生くんは、ただ仲良くしてただけで、全然恋愛感情とかはない。稔が悲しんでたって知って素直に謝ってくれたいい子。
てことでリクエストでした!
モテモテ人気者×平凡のお話。
CP名:秋雨修也×篠懸稔
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竜人×人間+仔竜人の仔の成長課程が見たいです~
おもしろいツイノベがいっぱい!
こんなに短いのに、こんなにおもしろいなんてスゴイ😄
もっと読みたい〜。
短編とか長編になってほしい😆
わーっ!ありがとうございます!
私の好き!をふんだんに詰め込んだ
美形×平凡ばっかりのまとめになります!
楽しんでいただけて何よりです(*^^*)
この中のどれかで長編とか
書けたらいいですね〜!