嫌われ者は異世界で王弟殿下に愛される

希咲さき

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番外編

もふもふの日

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※アシュレイをもふもふする話。

          ♢♦︎♢

「アシュレイお願い!」
「……まぁ、いいが……」

 ーーこれは寝室での話。
 枢が部屋にやってきたと思えば、そうアシュレイに頼み込む。彼はと言えば、なんだか複雑そうな顔をしつつも了解してくれた。

 そして。

「っ、あぁぁ……!! もふっもふ!!」
「……うん。喜んでいるようでなにより……」

『今日は思う存分狼姿のアシュレイをもふもふさせて欲しい』
 そう言った枢の願い通り、狼姿になったアシュレイはベッドの上に座っている。それを正面から抱きしめるようにして、枢はその全身で撫で回していた。

「このピンと立った耳! ふわふわの毛! ふさふさのしっぽ!! っはぁ~~!! かわいい~!」
「ん、んん……」
「あったかい、かわいい。はぁ……すき」

 もふもふなでなですりすり。頬を擦り寄せ手を動かし、全身で狼姿のアシュレイを堪能している。

「このまま寝ようねアシュレイ~」
「このままか!? もう戻っても……」
「ダメ! 結局付き合う前一回もこの姿のまま朝までいてくれなかったし! その後もなんだかんだで寝たことないもん!」
「たしかにそうだが……。だが、これではカナメを抱きしめられないではないか……」
「僕がぎゅってしてあげるからいいでしょ? ね、ほら!!」
「んん~……」

 納得していないようだが、枢に押し切られてしまい、結局そのまま横になることに。
 ウキウキした顔の枢の隣に寝そべれば、すぐに隣から抱きしめられた。

「絶対朝までこのままだからね?」
「う、わかった……」
「約束ね!?」
「わかったといってるだろ……」
「んふふふ! やったぁ!!」

 アシュレイの首元に鼻先を埋める枢。

「はぁ……。なんだか複雑だな」
「ん? なんで?」
「普段より今の方が、お前は嬉しいようだ。このような姿なら私でなくともいいのかと思ってな」

 ふすん、と鼻を鳴らすアシュレイ。すると顔を上げて枢が言う。

「ひどい。そりゃあわんちゃん大好きだけど、でもだからってなんでもいいわけじゃないよ?」
「……本当か?」
「本当!! アシュレイだから、どんな姿でも大好きなの」

 鼻と鼻をくっつけ、至近距離で瞳を覗き込まれる。その輝きに嘘はない。

「ッ、んぶ!」
「私も、どんな姿だろうがカナメを愛している」

 ベロンと枢の顔を舐めると、それからピッタリと体を擦り寄せる。彼がパチクリと瞬きをする間に、アシュレイは寝る体勢になった。

「アシュレイ?」
「ほら、寝るんだろう? 早くしないと元に戻るぞ?」
「っだめだめ! 寝る! おやすみっ!!」
「ああ。おやすみ」

 アシュレイの頭を自分の胸に抱き寄せ、枢は目を閉じる。それからしばらくして穏やかな寝息が部屋に落ちる。

「……この私を、ペットのような扱いをするのはお前くらいだよ」

 そう言って笑うと、それからすぐに目を閉じたのだった。

 ーー翌朝、隣に狼姿のアシュレイがいることに喜ぶ枢は、その後すぐにペット扱いのお礼とばかりに彼に襲いかかられることをまだ知らない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

枢、アシュレイをもふもふする。
ネオブランジェで狼は神聖な生き物なのに、
枢にとっては可愛いわんわんと変わらないのです……。
それが愛しい人なら尚更もふられずにいられない……。

段々アシュレイに対して遠慮がなくなってきた枢でした。そしてアシュレイは拗ねるような態度が増えてきたような?
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