嫌われ者は異世界で王弟殿下に愛される

希咲さき

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番外編

ジュードの一日

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※ジュードの日常の、とある一日の話。

          ♢♦︎♢

 ーー彼の朝は早い。
 日が登り始める頃に目覚めて動き出し、身支度を整える。それから厨房に顔を出して軽く朝食を摂ったり、一日の流れを確認したりとあれこれ動いていれば、いつの間にか明るくなっており、そろそろかと思う頃に部屋のベルが鳴った。
 枢の隣にある自身の部屋、そこに備え付けられたベルは主人の部屋と連動しており、彼が紐を引けば鳴る仕組みだ。
 これで、枢が起きたことを知らせるようになっている。

 呼ばれたジュードが部屋を訪れれば、寝ぼけ眼の枢が出迎えてくれる。

「おはよぉジュード」
「はい。おはようございます。私は食事の準備をして参りますね」
「うん、お願い」

 本当ならば朝の身支度の世話をするのも侍従の仕事だが、枢は自分ですると譲らなかったため、こちらに彼が来て以来本人に任せることにしている。ジュードはその間に朝食を用意して部屋に運ぶのだ。
 出来たての食事を摂ったあとは、精霊塔へ出向く枢に付き従う。
 以前は精霊塔へ行かずに部屋で本を読むこともあった枢だが、術師長に就任して以来ほぼ毎日仕事に向かっている。

 就任して間もなく、まだまだ周りのベテラン術師にフォローしてもらいながらではあるが楽しそうに仕事をこなす枢を傍で見て、ジュードは嬉しくなってしまう。
 いつもニコニコとしているので、周囲の人間たちから『かわいい』と思われているのだが、ジュード本人は気付いていない。

 そうして日が暮れる頃まで彼の手伝いをしながら精霊塔で過ごし、城へ戻ってからはすぐに食事の準備に取り掛かる。この時もまたサッと食事を済ませる。
 枢はアシュレイと一緒に夕食を摂るので、二人分の食事を用意して提供し、あとは彼らの会話を聞いているだけだ。
 楽しそうに会話する恋人たちの様子に、またもやニッコリ。

 それから食後はゆったりとした時間が流れる。この時に枢ととりとめもない会話がをするのが、ジュードの一日の楽しみである。

「精霊塔の副術師長様と、随分仲良くなられましたね」
「うんそうなんだ! こんな若輩者の僕にも優しく教えてくれるし、一緒に仕事しててとっても楽しいんだ~」
「それはようございました! たくさん笑ってらっしゃるカナメ様を見て、私も嬉しいです」

 ニコニコニコニコ。互いに笑いあって、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
 枢が入浴するというのでその間に寝室の準備をする。それから翌日の衣類の準備や、風呂上がりに飲むレモン水の用意など手際よく済ませていく。
 彼が部屋に戻ってきて水分を摂らせたら、髪を乾かしてオイルを付ける。こちらに来た時より随分と手触りも艶も良くなった髪の毛に、また小さく笑みがこぼれた。

 そうしてあとは寝るだけの状態の枢と、また穏やかな時間を過ごす。

「そろそろ寝ようかな」

 枢のその言葉が合図で、彼がアシュレイの部屋に入っていくのを見送ってから、枢の部屋の明かりを消す。それから自室に戻って自分の身の回りの事を片付け始める。

 風呂に入って翌日の衣類をハンガーにかけて準備して。
 それから日記をつける。内容は『カナメ様が今日も可愛らしかった』というもの。この時の枢がどうだったか、アシュレイと話していた時の枢がどうだったか……など。ジュードの日記は毎日の枢の観察日記と化していた。

「……っよし! はー。今日も楽しい一日だった」

 書き上げた日記をパタリと閉じると、それからすぐにベッドへ潜り込む。

 ーーこうして主人の幸せな姿を見ることが、何より楽しい若き侍従の一日は更けてゆく。
 そうしてまた朝日が昇れば、楽しい一日が幕を開けるのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ということでジュードくんの一日です。
日がな一日枢をニコニコ眺めて、後方彼氏面っぽいことしてますね???

ご主人様大好きなジュードくんでした。
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