【完結*R-18】あいたいひと。

瑛瑠

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足りないから全部全部欲しい※

一緒に夢をみよう

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ーーーーーside  Takamiya


彼女にメモをもらい、再びこのホテルに戻ってきた時、彼女とのそういう関係に期待をしていたのは確かだ。
ラウンジで彼女の抑えていた気持ちと、彼女の体温を感じ、その期待は確信に変わる。
俺は彼女を抱きたかった。

そして実際に彼女と身体を合わせ、こんなにも幸福で、愛情が溢れる行為に体が震える。
肌が合うというのだろうか。
この歳になって、ここまでに求め、求められて、体がついていく自分が怖いほどだ。

目の前にいる彼女も俺を求めてくれている。
色々な顔をみせては、どんどん綺麗になっていく。
それが自分の与えたものへの答えかと思うと、とても嬉しい。


俺の腕を抱きしめる彼女に、ちゅっとキスをして、ベッドにうつ伏せに寝かせた。
体重をかけないように彼女の上にのり、そっと背中をさする。
マッサージのように背中から肩、腕。腰からお尻、腿をやさしくなぞる。

吸い付くような滑らかな肌。
少し汗ばんでる。
所々赤くなっているのは、俺の指の跡だろうか。
それを嬉しく思う独占欲が見え隠れする。


「高宮さんのおっきな手、きもちー…寝ちゃいそーになる。」
「寝ててもいいよ。俺、好きにしてるから。」
「ぜったい、やだ。起きてるもん。朝になったら、夢が覚めちゃう。高宮さん、いなくなっちゃう…」
「大丈夫。ここにいるから。」


そう、この関係は夢みたいなものだ。
今この時、この瞬間、目の前のことだけしか考えていない。先の事なんて考えていない。
朝になったらどうなるかなんて、左手の薬指に互いにはまっている銀色リングが教えてくれる。
考えたくないのは2人とも同じだ。


手を回して潰れた胸を包む。
べちゃっとつぶれた柔らかい膨らみの先端を刺激すると、次第に主張し、大きくなる蕾。

彼女の体に頬擦りしながら、
そっとお尻の割れ目から、指を這わす。
予想通り、既にたっぷりと潤い、滴らせている。
ゆっくり指を挿し入れてナカをほぐす。
いや、やっぱり必要ないな。


「少し足開いて。」

そう言って、両手でお尻を割り開き、
開いた足の奥にある泉を、既に準備万端になっているモノの先っぽで、グチュグチュと刺激する。

「高宮さん、熱い…もしかしてそのまま当たってる?」
「はい、ごめんなさい。味見のつもりでした。反省しています。」
「もぉ、、味見でお腹いっぱいになること、あるんだからね。」

サイドテーブルに手を伸ばし、準備する。
そして一番最初の時みたいに、ゆっくり。味わうように後ろから挿し入れる。

「んっ、あっ…」

奥まで挿れて、そのまま彼女の上に覆いかぶさって、抱きしめる。

「ゔぇっ!高宮さん、重い…
わたし、っ、ペタンコになっちゃっ…」
「大丈夫、ペタンコでもかわいいから。」

彼女全部の体温を体で感じつつ、時々少しだけ腰を動かし刺激する。

「んっ、んー……っ、はぁっ、
これっ、気持ちいっ…、
なんかしあわせ?感、はんぱないよー。」

「おれも。
お前とギュッとしてるだけで、こんなに気持ちいいなんて、なんなんだろうな…」

満たされている。
その一言だ。


「…ね、高宮さん。…お願いがあるの。
わたしの独り言と思ってもらっていいから、
今だけ、口にしてもいいかな?
今だけ、わたしにくれないかな。
今だけにするから、すぐ忘れるから。」

顔をまくらにうずめたままの彼女。
くぐもった声で、そう、言う。
空気で感じる、彼女の気持ち。
何のことかはわかる。

「いいよ。言って。聞かせて。」

俺は、彼女の気持ちごと包み込むように、ギュッと小さな背中を抱きしめる。


「…すき。
高宮さん、好きなの、大好きっ…!
ずっとずっと好きだった。ほんとに好きだった。高宮さん、高宮さん、会いたかった。会えて本当に嬉しかった。好き、好きなの…大好き、大好き、ほんとに好き、好きだよぉ…」

涙声で一生懸命にそう言葉にする。




好きというこの2文字の言葉が、ここまで重いとは思わなかった。
自分や相手の気持ちとか、状況とか、立場とか、そんなこと気にしないで、自分の気持ちのままに、この言葉を紡げることが、どんなに幸せなことなのか。


「なぎさ…」
泣いてる彼女のこめかみにキスをする。
耳元に口を寄せてささやく。
「おれも、愛してるよ。」


この先、俺たちの先に続く道はないけど、
今だけ、気持ちを言葉にしても許されるような気がした。今しかないのだから、全部彼女に伝えたい。


「高宮さんばっかり、こんな時ばっかり、なまえ、いっつもずるい。」
「じゃ、呼んで。おれの名前。」

「知らないもん。」
「うそ、、ほんとに?それは…ちょっと、ショック…」

「うそ。知ってる。
…まさきさん。

まさきさん大好き。
わたし、まさきさん、大好き。」

ちっちゃな声でもう一度彼女が告げる。


「ね、顔みたい。
お願い、なぎさ、顔見せて。」


俺の体で潰されてる彼女は、首だけ俺の方に向けて、

「あいしてる。」

そう言った。


脳みそから体に溶ける。
言葉の威力を思い知らされる。
今までで一番彼女をかわいいと思う。

「おれも、なぎさのこと、すき、だいすき。
ずっとずっと、愛してる。」

精一杯の愛を込めて口づけをする。
忘れないで。俺が君を大切に思っていることを。


「なぎさっ…なぎさ、、」
彼女の名前を口にしながら、腰を動かす。
さっきまでの緩い刺激に慣れてしまった体に、再び鞭を与える。
彼女の腰を浮かせて、後ろから突く。

すぐに快感に染まる彼女の体。
上半身は既に力が入らないのか、胸と顔で体を支え、お尻だけ高くあげた女豹のポーズだ。

奥まで入って、
繋がってるところ、やらしい音とともに、出し入れしているのがまる見えになっている。視覚からクる。


目に入るのは最初に攻めた彼女の後ろの窪み。
ヒクヒクとさわって欲しそうになってる。
彼女の秘裂から垂れている愛液を指にまぶして。小指の腹を少しずつ埋めていく。こっちは経験があるのだろうか。嫌がる様子はない。


愛してると口にしながら、彼女にこんなひどいことをしている自分がいるなんて、理解できない。
ここまでに全てを欲しいと思ったことはない。
でももしかすると彼女を愛せるのは今日が最後かもしれない。大切だからこそ全部欲しい。
俺だけの跡を刻みたい。


「まさき、さん、なんかへんなの。」
「ん?どんな?
よくわからないけど変なかんじ、、」

「こんな感じかな?」
埋まってた小指を第一関節まで埋める。

「あっ、やらっ!おしりっ!やだっ!」
彼女の嫌は当てにならない。

そのまましばらくゆっくりと、両穴とも出し入れを繰り返す。

「あっ、はっ、んんっ、あぁ…」

次第にお尻から強張ってた力が抜けていき、気持ちよさそうな声を出すようになった。
キュウキュウ締まる彼女のアソコと反対に、こちらは窪みも緩く弛緩してきたような気がする。
小指が入るようになり。抜いて、中指で秘裂から漏れる愛液をすくい、中指をぐぐっと埋める。
少しきつくなったが、彼女は快感の声を上げる。
さらに進めると、さすがにいつものと違う感覚で、
俺もココは初めてで、これ以上はさすがにちょっと怖い。

「おしりっ、お尻も気持ちよくなってっ、
あたしっ…どうしよっ…もうへんたいになっちゃうっ…!」

「なぎさ、上手だな。お尻でも気持ちくなれたんだね。すごいすごい。かわいいよ。
でも、こっちはまた今度ね。」

今度があるのかはわからないけれど。
ちゅぽんっと指を抜いて、彼女を背後から抱きしめる。

「嫌わないで、ごめん。嫌いにならないでねっ…」
「嫌いにならないよ。
俺、欲しがりで、インランで、ドMなお前、スッゲー好き。」

わざとに、弱い耳元で、いやらしい言葉で彼女を溶かすと、溢れる泉。


「なぎさっ…かわいい。
お前の全部、好きっ、かわいい…。」

耳や首や背中、彼女の性感帯にキスをする。
白い肌に吸い付きたい衝動に駆られるが、間違っても跡はつけられない。
愛おしい。かわいい。

「まさきさん、まさきさん、うしろっ、やっ。
顔みたい…」

そう言う彼女を抱き起こし、背面座位の状態から彼女だけぐるりと持ち上げて、またそのまま挿入させる。

「うっん…」
奥に当たったのか彼女の中がピクッとなる。


「はぁっ…やっとかおみれたー…」
「そういえば、お風呂からずっと後ろだったね。寂しかったの?」
「うん、まさきさんの顔、見えないし…寂しかったし、怖かった。気持ち良すぎてこのままどうにかなりそうで。」

なんでこんなにかわいいことを言うんだろう。
わざとか?計算か?
どこまでも俺のツボにはまる。

お互いの熱い視線が絡まり合い、どちらからともなく舌を絡ませる。
少し照れた顔がかわいい。

「…なぎさの好きに動いていいよ。」
「あたし、まさきさんみたいに体力お化けじゃないよー。とっくに動けないよー。」
「そっか。じゃあまた俺の好きにしていいんだな。」

おもむろに下から腰を突き上げる。

「あっ、それダメっ、深いっ、んっ!!やっ!」

いいベッドなんだろう。
スプリングのきしみ音が静かだ。
水音と彼女の声が、響く。

「んっ、やっ、ああっもう、ぉ、ねがいっ!」
首に手を回してた彼女が、ぎゅううっと俺の体を抱きしめて動きを止める。

「おねがいっ、たかみやさんっ!
それ、だめなのっ…変になる、から。」
「好きに動いていいって言ったの、なぎさだからな。
それにお前、何しても、変になっちゃうでしょ?」
「ひどい…いじわる。でも、そうだけど…。
じゃ、上からギュッてして。お願い。あれ、好き。」
「お前また潰れちゃうよ。」
「いいの。
わたし、重いのがいいの。
まさきさんの体重全部体に乗って、なんか幸せなの。」
「やっぱりヘンタイだな。」


ゆっくり彼女の背中をシーツにおろし、小さな彼女を頭ごとギュッと抱きしめる。
俺の体でギュッとつぶれているおっきな胸がかわいそうだ。


「なぎさが、
あのもりなぎが、こんなに乱れると思ってなかったよ。俺のこと殺す気でしょ?」
「わたし、自分がこんなにえっちだったなんて、知らなかったよ…
高宮さんと一緒にいると、声聞いてると、勝手に体が熱くなって、、濡れちゃうの。あんなに濡れたのも…あんなところ、責められたのもされたのも、気持ちよくなったのも、全部全部高宮さんが初めてだったの。」
「それについては本当にごめん。
止まらなくて全部欲しくて…。でも俺も初めてで…いっつもそんなセックスしてるわけじゃないから、それは誤解しないで。
なぎさの体に夢中だった。びっくりしたね?ごめんね。」
「ううん。わたしも全部、まさきさんにもらってほしくて、むしろあの時は、、最後までって。今、冷静になるとやっぱり迷うけど…
でもそれくらいわたしも全部まさきさん欲しかった。
…あの頃もね、高宮さんが欲しくて欲しくてたまらなくて、でも、何もできなかった。ただ高宮さんと一緒にいて、普通に話ができるだけで良かった。気持ちがバレたら一緒にいられないと思ったの。
だからもう信じられなくて、今高宮さんと一緒にいること。多分10年分爆発して、えっちなわたしになっちゃったのかな?
恥ずかしいけど、今日のこと、今のわたしの全部、忘れないで。高宮さんのこと、好きな気持ちも忘れないで。」
「うん、ずっとずっと忘れないよ。
ありがとう。もりなぎ。」

10年前のタイムカプセルを開けたような、そんな感覚だ。あの頃の出来事や想いを鮮明に思い出す。
そして、10年後に、それを一緒に掘り出し共有した時の喜び。
埋めていたあの頃を変えることはできないけれど、掘り出したこれからをどうするかは未来の話だ。自分の意思でどうとでも変えることができる。
俺は、彼女を。


「あっ…はぁ…っ、しあわせ。」
両手を絡ませ合い、キスを交わしながら、さすがにもう、これが最後かと、ゆっくり味わいながら腰を動かす。

「まさきさん、あたしのなかにずっといてね。
ギュッとして。
そのまま幸せな気持ちで夢を見させてね。」
「ずっといるよ。
目が覚めても、なぎさのそばにいるから。」

















結局最後と言いつつ、あの後、何度したかは覚えていない。
最後は、意識のない彼女を揺さぶり、それでも声を漏らす彼女に興奮した。
俺も、さすがにここまでしたのは初めてと言っていいほどで、最後に彼女のカラダを汚したのは透明色だったのを覚えてる。


隣で寝息を立てる彼女の顔はあどけない子供のようで。
昔、旅行の帰り道、他の奴らが寝てしまってる中、助手席で、俺が退屈しないように必死でいっぱい話をしてくれて、でも、いつの間にか寝てるという、あの時の無防備な顔だ。

同じように顔にかかる髪を耳にかけ、愛おしい彼女の額にキスをした。

おやすみ。
また、明日な。
脱力感の残る体で、彼女を抱きすくめ、俺も夢を見る。
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