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ラウンド4

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 私は見た! ジェニファー様の微笑み…
 婚約破棄されて喜んでいるみたい……

 ……

 いや、みたいじゃない
 
 ジェニファー様は喜んでいるんだ!
 

 だって…



「ジェニファー、何を言い出すんだ!!」

「お父様…」

 おっと~、流石にジェニファー様の修道院に行く発言を聞いて、ジェニファー様のお父様の公爵様が慌てて走ってきた

「お父様、お父様がなんと言おうとわたくしは修道院に行きますわ!」
 ジェニファー様と公爵様が言い争っている

「婚約破棄されたからって諦めてはいかん!
 正妃が無理なら側妃や愛人って手があるだろう」

 ん~?? 公爵様何か変な事言ってない?
 婚約破棄で正妃が無理なら側妃って……

「なるほど! それは良い考えだ!!」
 はっ? そういえば私の隣にはなぜか王子がいるんだった
 その王子が公爵様の台詞を聞いてうなずいている

 なんだか嫌な予感がするんだけど…


「俺、カイル=ボン=クラーはスミレを正妃として迎え入れ、先ほど婚約破棄したジェニファーを側妃として迎え入れよう!」

「はぁ!?」
 この馬鹿王子何をたわけた事、胸を張って言うんだ!!
 何故、私を正妃に迎えるって話になっているんだ?
 さっきから何度も言っているけど、私と王子はなんの関係もないのよ!

「ジェニファーも反省しているようだし、スミレは気にしていないようなのでこれで丸く収まるだろう」
 ニヤニヤと馬鹿王子は、俺って良いこと言ったみたいなどや顔をしている

 何が丸く収まるだ~! 全然収まってないから!!
 むしろなぜそれで収まると思ったのか
 流石に私も異議を唱えなくては…

「王子、私とあなたは何も関係のない間柄です! いきなり正妃とか言われても困ります」

 本当に何も関係ないから!! (思いっきり強調)


「ああ、そうかスミレ! 
 いつも一緒に過ごしていて、それが当たり前だと思っていて、俺は大事な事を伝えていなかったな
 俺はスミレを愛している!! 
 結婚してくれ!」
 王子は卒業式で集まっている人々にも聞こえるような大声で叫んだ


「!?」
 はい~~?? 

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