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金木犀
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【夢日記】
ああ、マッチはすらないで。
夢が溶けてしまうから。
夢は眠らずにみるもの──
***
秋になると、どこからともなく芳香が僕を振り向かせる。
金木犀の香り。
僕は好奇心いっぱいに、どこからそれが香るのか、鼻腔を広げて、元を辿る。
ああ、金木犀だ。
ようやくそれを見つけると、すでに散ってしまったあとで、足元が、小さな花たちで真っ赤に埋まっていた。
そう、それは赤かったのだ。
見上げると、可憐な金木犀のような女が立っていた。
これは私の花?
女は赤い唇を動かした。橙の髪が、さわさわ鳴いた。
そうだよ。
僕は答えた。女はそう、と目を伏せた。
私もこんなに香るのね。
女は微笑んで、赤に溶けた。
僕の前には、少し痩せた金木犀の樹があった。
足元には、やっぱり、橙の絨毯……。
ああ、マッチはすらないで。
夢が溶けてしまうから。
夢は眠らずにみるもの──
***
秋になると、どこからともなく芳香が僕を振り向かせる。
金木犀の香り。
僕は好奇心いっぱいに、どこからそれが香るのか、鼻腔を広げて、元を辿る。
ああ、金木犀だ。
ようやくそれを見つけると、すでに散ってしまったあとで、足元が、小さな花たちで真っ赤に埋まっていた。
そう、それは赤かったのだ。
見上げると、可憐な金木犀のような女が立っていた。
これは私の花?
女は赤い唇を動かした。橙の髪が、さわさわ鳴いた。
そうだよ。
僕は答えた。女はそう、と目を伏せた。
私もこんなに香るのね。
女は微笑んで、赤に溶けた。
僕の前には、少し痩せた金木犀の樹があった。
足元には、やっぱり、橙の絨毯……。
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