エイトゲヘナ~出会って秒で食べられました、けど今は凄く幸せです~

中谷 獏天

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216 5日目。

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『今までありがとうございました、もう大丈夫です』

「コレが、プチ子離れ」
『寂しいですか』

「はい、少し。でも元気になってくれた事の方が嬉しいので、コレは、徐々に収まるかと」
『また、元気でも、いっぱいお話をしてくれますか』

「はい」
『ハグをどうぞ』

「はい、ありがとうございます」
『いえ、もう遠慮は要りません、もっと話して下さい』

「良いんですかね、本当に」
《消化器官成長の為に、シイラが嫌じゃない範囲でだ》
『はい、無理はしないで下さい』

「そこは、それこそ問題無いんですが。遠慮しないは、徐々に、ですかね」

『はい、お互いに無理をしない様にしましょう』
「はい」
《さ、お見舞いの品を見に行くか》

『はい』

 血が繋がっていないから、可愛く思えるんだろうか。
 他人だから、無責任だから、こうして可愛がれるんだろうか。

「あ、許可が出たんですね」
『ネネさん、もし降りて来なかったら、ネネさんは帰っていましたか』

「ですね、様子次第でした」
『ありがとうございます、お手数お掛けします』
《本当に、何処で覚えるんだか》

『紹介所です、言っていました』
《かなり前か》

『はい、ですがココでも応用出来るかは分かりませんでした』
「あぁ、アリですよ」
《だな、引き出しは多い方が良い、色々と使ってみるしかないな》

『はい』
「先ずはですね……」

 ヒナちゃんはネネさんに案内され、その後ろにはレンズさん。

 どう、ココに馴染めば良いんだろうか。
 どう中に入って、どう。

『シイラ、大丈夫』

 本当に、レヴィアの言葉に甘えても良いんだろうか。

 少しでも、馴染める様に何か努力すべきじゃないだろうか。
 私は、本当にコレで良いんだろうか。



『ありがとうございます、日記にも一緒に貼り付けておきます』

 ネネからはケーキとリボン。
 シイラからは祝いの品、押し花と生花。

「あ、はい、いえいえ」

 無意識の手の汗の確認。
 あぁ、4人対応は無理か。

《すまん、シイラ、お前は集団行動が苦手だったな》

「あ、はい、すみま」
《大丈夫だ、何も違和感は無かった。ただ緊張して手汗を拭いてたのが引っ掛かっただけだ》

「すみません」
《いや配慮が足らなかった、けどこのままで大丈夫だからな、心配要らない》

「あの、一体、何処まで」
《何も知らない》

「本当に怖い」
『私も分かりませんでした』
『病み上がりだからね、双方への配慮だよ』
「あの、私も」

『謝罪合戦は望んでいないから、そのまま開封の儀をお願い出来るかな』

『はい、分かりました』

 1対1なら、殆ど問題が無い。
 ただ女が絡むと、途端に控え目になる。

 女での問題が有ったのは確実。
 ただ、無許可なのはな。



「群れの個体への配慮が苦手です」

 完全に、失念してました。

「あの」
「下に妹は居ましたが、私よりしっかりしていたので、事実上末っ子同然です」
《要は配慮したかった、だろう》

「はい」
「アレは、少し迷ってただけで」

「分かっているのに、そうした方が居ると知っていたのに、完全に問題は無いと思ってました」
《いやあの指摘はワザとだからな》
『何でですか』

《ネネが完全に終わった後に気付いたら、ネネがもっと衝撃を受けてた。でシイラは、どう対応すれば良いか迷ってた、違うか》

「ですね」
「はい、その通りで」

『レンズ、気配や勘ですか』
《いや、挙動だけだ》

『年の功ですか』
《おう》
「あの、いつでも聞いて下さい、私なりにお答えしますから」

《ヒナもじゃんじゃん聞け、ネネはお姉さん出来て嬉しいんだ》
「はい、バッチ来い」

「馴染もうとしないのって、どう、ですかね」
「出しゃばれば良いってものでも無いですし、正直、微笑ましいな。そう俯瞰しているのかな、でした」
《まぁ、それで正解だけど。なまじ自信が無いから、迷ったり悩んだりするんだろ》

「はい」
『幾つか選択肢が有りましたか』

「会話に加わる、が前提でしたね。いつ加わるべきか、レヴィアがこのままでも大丈夫だと言っていたんですが、本当に良いのか」
《あぁ、甘やかされてるだけじゃないのか》

「はい。すみません、こんな日に」
《いやヒナには重要だし、そもそも大した事じゃない、だろ》
「と言う事にしてくれませんか、私の為にも」
『とても小さな失敗、そうしたいんだよ、彼も彼女もね』

《おう、ちょっとウ〇コ漏らした程度だ》
「小粒です、小豆以下です」

「そんな、具体的に言っちゃいますか」

 本気で驚かれましても。
 私、別にそこまで上品ってワケでは。

《お嬢様が下ネタ言うのがそんなに驚きか》
「はい」
「お嬢様って、どんなイメージですかね」

「お金持ち、良い学校、上品」
《そこはサクサク出るんだよなぁ》
『貴族ですか』

「はい、お嬢様は民間令嬢です」
「いや」
《折角だ、お嬢様の日常を知ろう》
『はい、学校前の慣らし運転です、宜しくお願いします』

 分かりました、イメージを崩す為にも。
 ありのままをお教えしましょう。

「はい」



 ネネさんの事を聞いていたのに、シイラの事が良く分かった気がします。

《お、起きたか》
『はい、ネネさんの事を聞いていたのに、シイラの事が良く分かった気がします。何故でしょうか』

《寝起きから飛ばすな、寝る前の疑問だったか》
『はい』

 今日はもう、シイラもネネさんも居ません。
 私が元気になったので、2人は日常に戻りました。

《居ないと違和感か》
『はい、寂しいと嬉しいが混ざってる気がします』

《極端に居心地が悪いか、逆に居心地が良いと、慣れるのが早いらしい。特に眠いと、物凄い騒音が続けば眠れる、逆に途切れると目が覚めるらしい》

『少し早く起きた気がします』
《だな。で、何でネネの話だったのに、シイラの事が分かった気がするか》

『はい』
《シイラの反応だろうな、音が鳴らない様に小さく拍手してたろ》

『はい、お嬢様の生活に感動していました』
《感じた事がまんま、行動に出る。素直さも勿論だが、途中で手を下ろしたろ、以前に注意されたか何かして自分で行動を改めた》

『アレは注意される様な事でしょうか』
《いや、けど虐める為、それこそあげつらったり注意する為に指摘される事も有る》

『も』

《ふふふ、無意識に無自覚に、相手の行動を指摘する場合も有る》
『シイラは嫌な目に遭いましたか』

《そこは分からない。遭ったかも知れないし、そうした行動を非難する会話や何かを聞いただけ、かも知れない》

『何処がとは言えませんが、優しくてきめ細かいと思います』
《俺もそう思う、だから扱いは多少は難しいが、そこまで虐められる様にはは思えないんだよな》

『虐められるには理由が有りますか』
《容姿が他と同じなら、後は生活水準。貧相な物ばかりだったり、清潔さ、行動。そうした違いが無くても、起きる時は起きるし、起きない時は起きない》

『運ですか』

《だな。家庭環境や、そもそも、虐める方が他とは違う個体の場合も有る。自分と言う異物に気付かせない為に、他を異物に仕立て上げる、スケープゴートってヤツだな》

『馴染みたいのでしょうか』
《大概はそこしか無いと思い込んでるか、若しくは本当にそこしか無いからな、異物も通常個体もその所属に馴染もうとする。そう簡単に向こうは転校が出来無かった、もっと前は、特にな》

『何でですか』
《学校や教師が評判を気にするから、もっと言うと、金が関わるからだ》

『お金は悪ですか』
《そこがなぁ、俺は違うと思うが、中には金が悪派も居る》

『学校で学べますか』
《そう、しかも議論も出来る、色んな考えが学べる》

 学校は気付きの場です。
 学び気付く為の場所です。

 ですが私は気付けませんでした。
 知恵熱が出ていると気付いたのは、お昼寝から起きて少ししての事です。

『気が付いたら熱が出ていました、自分で気付けるか自信が有りません』
《だよな、分かる。今回の改善点は有ったか?》

『シイラに遠慮されていました』
《そら自分が熱を出させたかも知れない、大事だ、そう思ってた面も有るからな》

『だけでは無いと思います』
《今回の様に自信が無いのがシイラだ、慣れて貰うにはコツが要る》

『何個要りますか』
《引き出しいっぱいだな、手数は多い方が良い、足りなそうなら補う》

『はい、集めてみます』
《おう》

『個人を知るには、歌を教えて貰うと良いかも知れない、そう聞きました』
《誰にだ》

『シイラです』

《俺が音痴だったらどうする》

『個性だと思います』

《童謡だけだ、良いな》
『はい、今は我慢しておきます』

 大きな古時計、と言う歌を歌って貰いました。
 最初は恥の匂いがしましたが、音痴では無いと思います。
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