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222 教材。2
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見た感じも、少し話した時も、何も違和感は無かった。
それこそ、警戒心だって湧く事も無かった。
次に顔を合わせるまでは。
《で、偶然ですね、ってな》
けど、ウチの前で物を落としたのが、偶然なワケが無い。
直感的にそう思った、感じた。
それと同時に、以前には大して感じなかった、ケツがモゾモゾする様な違和感が湧いた。
多分コイツは、マジでヤバい、と。
「レンズ、凄いの引っ掛けましたね」
「それが勘、ですか」
《多分な、けど全員が同じ感じ方じゃないだろうから、意外と気付きにくいのかもな》
「その、私の場合だと、それって凄い緊張した時の感じ。なんですが」
《あぁ、ならシイラの場合はソレだ。違和感だとか、謎の緊張感が出る、本能的に逃げ出したいって感じだな》
「えぇ、単なる緊張、逃げ。だと思ってたんですが」
《まぁ、向こうではどうか分からないが、少なくともココでは野生の勘は役に立つ》
「どうして、なんでしょうね、DV男に何度も引っ掛かるって有るじゃないですか」
《アレは既に本能を抑えろ、と否定された状態、洗脳され易い状態からの始まりだ。だから横柄さだとか横暴さに問題は感じない、当たり前で寧ろ魅力的にすら感じる、本能は単なる自我の我儘でしか無いと既に抑え込まれているからだ》
「成程、確かに」
《シイラ、有るとか言うなよ》
「無いですよ、深い繋がりは、本当に何も無かったですから」
《全部、社交辞令、お世辞か》
「でも、レンズさんなら口説けてしまう」
《金を出させる為、だけな》
「手段と目的、の違いでは」
「あぁ」
ネネはこうして、ホストの本質を微妙に分かってるのがな。
いや、もう良いんだが。
《で、ヒナに追い出したと報告して、そのまま役所に行き。宣言した通り提訴》
「侮辱罪もですか」
「その、次代と知らなくても、可能なんですか?」
《そこは難癖だ、敢えて足した》
「本当に性格が悪いオジサン」
「確かに、性格の悪さが功を奏す場合も有りますが、シイラさんは見習う必要は無いですからね?」
「持ち帰り、検討してみたいと思います」
《ふっ、ヒナ。今回で学んだ事は何だ》
『食べ物と物を粗末に扱う奴はヤバい』
《よし、唖然とした表情》
「はい可愛い」
「ですね、耳を付けたい」
「あ、シイラさんソレ、宇宙猫ですかね」
「そうですそうです、謎過ぎて宇宙が広がっちゃう、アレ天才が過ぎると思うんですよ」
「あの画像からしてもう、つられると言うか、まさしく謎。ですよね」
《あぁ、アレか、クソ間抜けな猫と宇宙の画像》
『何を言ってますか』
《あー、アレだな、画家に描いて貰うか》
「あー、ですけど宇宙描ける画家、ココにいらっしゃいますかね」
「ネネさん、絵は、どんな感じで?」
「あ、妹は画家ですけど、私は全く」
《いや、宇宙こそ抽象画的で大丈夫だろ》
「あぁ、抽象画って宇宙なんですね」
「まぁ、合ってるっちゃ合ってますけど」
《よし、油絵を描くぞ、皆で》
『私は宇宙が良く分かりません』
《じゃあ猫担当だ》
「あ、手で描く手法も有るので、幾つかの手法で分けて描くのはどうかと」
《ネネ、手で描いて誤魔化す気だな》
「はい、筆選びからして迷うので無理です、なまじ知識が有るので」
「羨ましい、描く順番とか、確か有るんですよね?」
「有りますが、素人には素人の良さが有ります、何も知らないまま突っ走って成功した画家も居ます。なので知識は後から、好きな様に描いてから、です」
《よし、画材を買いに行く所からか》
『はい』
シイラさんが居るので、思わず天然って、言葉が思い浮かんだんですが。
天然って、時に畏怖が込められてる場合が有るんですよね。
ヒナちゃん、絵の才能が有るのでは。
「まさに宇宙」
《宇宙と言えばカオスだろ、ネネやシイラのは綺麗な宇宙だが、ヒナのは宇宙だ》
私達が宇宙の絵を描いた後、ヒナちゃんが見た事が有る気がする、と。
で、コレですよ。
『向こうで見た写真と違います、コレにはカオスが多い気がします』
《アレは幾つもの加工を経て可視化してるだけ。ヒナ、多分、実際の宇宙はこうだ》
「はい、コレが宇宙です」
「だと思います、はい」
《忘れないウチにネネに描き方を教えてくれ、そこにコツが有ると思う》
「了解です」
『はい、分かりました』
《シイラ、お前が今日の昼飯当番だ》
「えぇ」
《補助してくれるのが居るから好きに作れ、後片付けも食材も心配するな、ただ不味く作ったら全部この場で食わせる》
「厳しい」
《ほれ、行け》
「ふぇぃ」
ちゃんと反論したり、抵抗出来るのって。
レンズだから、ですよね。
私や女性がお願いすると。
多分、断れない。
「シイラさん、女性関係に問題が有ったのでは」
《あぁ、だと思う》
『何で分かりますか』
描きながら話しますかヒナちゃん。
器用。
「レンズにだけ、反論したり反抗したり、それこそ抵抗もする。でも私達女性陣が何か言うか、若しくはコチラに何か言おうとすると、止まったり遠慮した言葉になる」
《だな、言う事に躊躇いが必ず生まれる、けれど言う時は覚悟を持って言ってる。それこそ嫌われても良い、縁が切れても良い、それ位の気負いが有るが。本来、そこまで気負う様な事じゃない、負の学習の影響だ》
「何を言っても否定される、拒絶される」
《若しくは不機嫌になって当たり散らされるか、黙られるか》
『シイラと私は似ています』
《だな》
だから、でしょうか。
私よりヒナちゃんとの距離が近い気がする。
少し、寂しいと言うか。
残念と言うか。
いや、コレこそ合う合わないの問題だとは思うんですが。
少し、羨ましい。
でも反面、いつか、シイラさんが傷付くんじゃないかと怖い。
いや、どう傷付くかは全く分からないんですが。
未知の領域。
未知の可能性。
あぁ、分からない事が悔しいのかも知れない。
やっぱり、負けず嫌いなんですかね、コレ。
『ココです、ココを、こう乱しました』
「あぁ、成程、それは思い付きませでした」
《あぁ、何か勿体無い感じがするからな》
勿体無いの概念が有ると、途端に芸術って伸びないんですよね。
「つまり、ココをこう」
「成程、カオス」
《だよな》
私が料理を終えた頃には、既にネネさんはヒナちゃんの技法を会得していました。
コレはやっぱり、知識が元々有るから。
「凄いですね本当、羨ましい。あ、知識が有る事が、ですからね。私は全然、興味が無かったので」
「興味って余裕が大前提なんですよ」
《だな、それと若さと負けん気、コレはマジで負けん気が強いからな》
「な、何処でそう思ったんですか」
《嵌められたとしてメンチ切りに行くとか、どう考えても負けん気だろうが》
「アレは、面と向かって言う以外に、ストレスの発散が出来無いと思ったからで」
《シイラ、負けん気には陰と陽が有る》
「あぁ、メンチ切りに行くのが陽。陰は、敢えて会わないとか、思い知らせる。それこそ会いに来させる、とか、ですかね」
《そうそう、話が早い。で、コレは思いっ切り、陽の負けん気》
「分かります、羨ましいです、眩しい」
《どう羨ましい》
「すみません、その、言語化し辛いんですが」
《謝らないで良い、何となくは分かるが敢えて聞いた。素敵だとか素晴らしい、それが包括されてないか?》
「はい、してます、凄い」
《大体は分かる。けどお前の親、多分、ハッキリ言わないと分からない部類だったろ》
「あー、いえ、言っても曲解されるかと」
《お前の羨ましいは、100%褒め言葉なのは俺もネネも分かるから、心配するな》
「ですね」
「すみません、ありがとうございます」
「いえ、ただ遠慮は有ります」
《恵まれててサーセン、だろ》
「言い方。けど、はい、何だか申し訳無い気がしてしまいます」
《そこはネネが悪い、自分じゃどうしようも無い事に勝手に萎縮されても困るし、キャラ的に違う》
「キャラ的に」
《スタンス、立場の問題だ。もういっそ、お嬢様キャラで良いだろ、シイラは嫌味を感じないよな?》
「はい、多分、嫌味を言われても嫌味だと感じないと思います」
《ほれ、試しに言ってみろ》
「勿体無いの概念が有ると、子供の芸術性は途端に伸びなくなるので、習い事や道具は惜しげもなく与えられましたの」
最後だけ、お嬢様。
《そもそも嫌味が言えないのも、嫌味かどうか心配するのも、具体的に何をどう言えば嫌味となるか自分でも良く分かって無いからだ。シイラ、嫌味に思えたか?》
「いいえ、寧ろ素晴らしい教育方針だと思います」
《で、羨ましい》
「はい、正直羨ましいですが。でも、何かしたいとか、嫉妬とかは無いんですが」
《そもそも、コレはコレで羨ましい、への知識不足。はい、宿題》
「先生」
「叔父」
叔父、と言うかもう。
「お爺ちゃん先生」
「ふふっ、確かにレンズはお爺ちゃん先生でしたね、失礼しました」
《しかも理解有る良い教師だろ》
「はい、ですね」
「こんな、やる気の有る良い教師って、本当に居るんですか?」
「居ますが多くは無いですね、ウチは金払いが良く教師の時間にも余裕が有ったので、競争率の高さからもやる気が有る教師が殆どでしたが。そこは、それこそ勉強だけ、だったので。コレはもう本当に、祖父母の範囲内なんですよね」
《しみじみ言うな、今の俺はまだ20代だ》
「最早30代の方が近いのでは」
「そこは見栄なんでしょうかね?何でですかね?」
《実際、若い》
「そしてハゲて無い」
《お前》
「レンズってハゲてたんですか」
「はい、もう」
《はー、コレだから女子は。俺は寝る》
嘘の不貞寝。
ヒナちゃんの為と言えど、私なんかを相手にして、本当に大変ですよね。
「いつもありがとうございます」
「いえいえ、コチラこそ、私達も少しお昼寝してしまいましょうか」
「はい」
こんな風に、ちゃんと無難に過ごせれば良いんですが。
どうしたら良いのかも、出来る自信も無いんですよね。
いつか、私は必ず、誰かを傷付けてしまうから。
それこそ、警戒心だって湧く事も無かった。
次に顔を合わせるまでは。
《で、偶然ですね、ってな》
けど、ウチの前で物を落としたのが、偶然なワケが無い。
直感的にそう思った、感じた。
それと同時に、以前には大して感じなかった、ケツがモゾモゾする様な違和感が湧いた。
多分コイツは、マジでヤバい、と。
「レンズ、凄いの引っ掛けましたね」
「それが勘、ですか」
《多分な、けど全員が同じ感じ方じゃないだろうから、意外と気付きにくいのかもな》
「その、私の場合だと、それって凄い緊張した時の感じ。なんですが」
《あぁ、ならシイラの場合はソレだ。違和感だとか、謎の緊張感が出る、本能的に逃げ出したいって感じだな》
「えぇ、単なる緊張、逃げ。だと思ってたんですが」
《まぁ、向こうではどうか分からないが、少なくともココでは野生の勘は役に立つ》
「どうして、なんでしょうね、DV男に何度も引っ掛かるって有るじゃないですか」
《アレは既に本能を抑えろ、と否定された状態、洗脳され易い状態からの始まりだ。だから横柄さだとか横暴さに問題は感じない、当たり前で寧ろ魅力的にすら感じる、本能は単なる自我の我儘でしか無いと既に抑え込まれているからだ》
「成程、確かに」
《シイラ、有るとか言うなよ》
「無いですよ、深い繋がりは、本当に何も無かったですから」
《全部、社交辞令、お世辞か》
「でも、レンズさんなら口説けてしまう」
《金を出させる為、だけな》
「手段と目的、の違いでは」
「あぁ」
ネネはこうして、ホストの本質を微妙に分かってるのがな。
いや、もう良いんだが。
《で、ヒナに追い出したと報告して、そのまま役所に行き。宣言した通り提訴》
「侮辱罪もですか」
「その、次代と知らなくても、可能なんですか?」
《そこは難癖だ、敢えて足した》
「本当に性格が悪いオジサン」
「確かに、性格の悪さが功を奏す場合も有りますが、シイラさんは見習う必要は無いですからね?」
「持ち帰り、検討してみたいと思います」
《ふっ、ヒナ。今回で学んだ事は何だ》
『食べ物と物を粗末に扱う奴はヤバい』
《よし、唖然とした表情》
「はい可愛い」
「ですね、耳を付けたい」
「あ、シイラさんソレ、宇宙猫ですかね」
「そうですそうです、謎過ぎて宇宙が広がっちゃう、アレ天才が過ぎると思うんですよ」
「あの画像からしてもう、つられると言うか、まさしく謎。ですよね」
《あぁ、アレか、クソ間抜けな猫と宇宙の画像》
『何を言ってますか』
《あー、アレだな、画家に描いて貰うか》
「あー、ですけど宇宙描ける画家、ココにいらっしゃいますかね」
「ネネさん、絵は、どんな感じで?」
「あ、妹は画家ですけど、私は全く」
《いや、宇宙こそ抽象画的で大丈夫だろ》
「あぁ、抽象画って宇宙なんですね」
「まぁ、合ってるっちゃ合ってますけど」
《よし、油絵を描くぞ、皆で》
『私は宇宙が良く分かりません』
《じゃあ猫担当だ》
「あ、手で描く手法も有るので、幾つかの手法で分けて描くのはどうかと」
《ネネ、手で描いて誤魔化す気だな》
「はい、筆選びからして迷うので無理です、なまじ知識が有るので」
「羨ましい、描く順番とか、確か有るんですよね?」
「有りますが、素人には素人の良さが有ります、何も知らないまま突っ走って成功した画家も居ます。なので知識は後から、好きな様に描いてから、です」
《よし、画材を買いに行く所からか》
『はい』
シイラさんが居るので、思わず天然って、言葉が思い浮かんだんですが。
天然って、時に畏怖が込められてる場合が有るんですよね。
ヒナちゃん、絵の才能が有るのでは。
「まさに宇宙」
《宇宙と言えばカオスだろ、ネネやシイラのは綺麗な宇宙だが、ヒナのは宇宙だ》
私達が宇宙の絵を描いた後、ヒナちゃんが見た事が有る気がする、と。
で、コレですよ。
『向こうで見た写真と違います、コレにはカオスが多い気がします』
《アレは幾つもの加工を経て可視化してるだけ。ヒナ、多分、実際の宇宙はこうだ》
「はい、コレが宇宙です」
「だと思います、はい」
《忘れないウチにネネに描き方を教えてくれ、そこにコツが有ると思う》
「了解です」
『はい、分かりました』
《シイラ、お前が今日の昼飯当番だ》
「えぇ」
《補助してくれるのが居るから好きに作れ、後片付けも食材も心配するな、ただ不味く作ったら全部この場で食わせる》
「厳しい」
《ほれ、行け》
「ふぇぃ」
ちゃんと反論したり、抵抗出来るのって。
レンズだから、ですよね。
私や女性がお願いすると。
多分、断れない。
「シイラさん、女性関係に問題が有ったのでは」
《あぁ、だと思う》
『何で分かりますか』
描きながら話しますかヒナちゃん。
器用。
「レンズにだけ、反論したり反抗したり、それこそ抵抗もする。でも私達女性陣が何か言うか、若しくはコチラに何か言おうとすると、止まったり遠慮した言葉になる」
《だな、言う事に躊躇いが必ず生まれる、けれど言う時は覚悟を持って言ってる。それこそ嫌われても良い、縁が切れても良い、それ位の気負いが有るが。本来、そこまで気負う様な事じゃない、負の学習の影響だ》
「何を言っても否定される、拒絶される」
《若しくは不機嫌になって当たり散らされるか、黙られるか》
『シイラと私は似ています』
《だな》
だから、でしょうか。
私よりヒナちゃんとの距離が近い気がする。
少し、寂しいと言うか。
残念と言うか。
いや、コレこそ合う合わないの問題だとは思うんですが。
少し、羨ましい。
でも反面、いつか、シイラさんが傷付くんじゃないかと怖い。
いや、どう傷付くかは全く分からないんですが。
未知の領域。
未知の可能性。
あぁ、分からない事が悔しいのかも知れない。
やっぱり、負けず嫌いなんですかね、コレ。
『ココです、ココを、こう乱しました』
「あぁ、成程、それは思い付きませでした」
《あぁ、何か勿体無い感じがするからな》
勿体無いの概念が有ると、途端に芸術って伸びないんですよね。
「つまり、ココをこう」
「成程、カオス」
《だよな》
私が料理を終えた頃には、既にネネさんはヒナちゃんの技法を会得していました。
コレはやっぱり、知識が元々有るから。
「凄いですね本当、羨ましい。あ、知識が有る事が、ですからね。私は全然、興味が無かったので」
「興味って余裕が大前提なんですよ」
《だな、それと若さと負けん気、コレはマジで負けん気が強いからな》
「な、何処でそう思ったんですか」
《嵌められたとしてメンチ切りに行くとか、どう考えても負けん気だろうが》
「アレは、面と向かって言う以外に、ストレスの発散が出来無いと思ったからで」
《シイラ、負けん気には陰と陽が有る》
「あぁ、メンチ切りに行くのが陽。陰は、敢えて会わないとか、思い知らせる。それこそ会いに来させる、とか、ですかね」
《そうそう、話が早い。で、コレは思いっ切り、陽の負けん気》
「分かります、羨ましいです、眩しい」
《どう羨ましい》
「すみません、その、言語化し辛いんですが」
《謝らないで良い、何となくは分かるが敢えて聞いた。素敵だとか素晴らしい、それが包括されてないか?》
「はい、してます、凄い」
《大体は分かる。けどお前の親、多分、ハッキリ言わないと分からない部類だったろ》
「あー、いえ、言っても曲解されるかと」
《お前の羨ましいは、100%褒め言葉なのは俺もネネも分かるから、心配するな》
「ですね」
「すみません、ありがとうございます」
「いえ、ただ遠慮は有ります」
《恵まれててサーセン、だろ》
「言い方。けど、はい、何だか申し訳無い気がしてしまいます」
《そこはネネが悪い、自分じゃどうしようも無い事に勝手に萎縮されても困るし、キャラ的に違う》
「キャラ的に」
《スタンス、立場の問題だ。もういっそ、お嬢様キャラで良いだろ、シイラは嫌味を感じないよな?》
「はい、多分、嫌味を言われても嫌味だと感じないと思います」
《ほれ、試しに言ってみろ》
「勿体無いの概念が有ると、子供の芸術性は途端に伸びなくなるので、習い事や道具は惜しげもなく与えられましたの」
最後だけ、お嬢様。
《そもそも嫌味が言えないのも、嫌味かどうか心配するのも、具体的に何をどう言えば嫌味となるか自分でも良く分かって無いからだ。シイラ、嫌味に思えたか?》
「いいえ、寧ろ素晴らしい教育方針だと思います」
《で、羨ましい》
「はい、正直羨ましいですが。でも、何かしたいとか、嫉妬とかは無いんですが」
《そもそも、コレはコレで羨ましい、への知識不足。はい、宿題》
「先生」
「叔父」
叔父、と言うかもう。
「お爺ちゃん先生」
「ふふっ、確かにレンズはお爺ちゃん先生でしたね、失礼しました」
《しかも理解有る良い教師だろ》
「はい、ですね」
「こんな、やる気の有る良い教師って、本当に居るんですか?」
「居ますが多くは無いですね、ウチは金払いが良く教師の時間にも余裕が有ったので、競争率の高さからもやる気が有る教師が殆どでしたが。そこは、それこそ勉強だけ、だったので。コレはもう本当に、祖父母の範囲内なんですよね」
《しみじみ言うな、今の俺はまだ20代だ》
「最早30代の方が近いのでは」
「そこは見栄なんでしょうかね?何でですかね?」
《実際、若い》
「そしてハゲて無い」
《お前》
「レンズってハゲてたんですか」
「はい、もう」
《はー、コレだから女子は。俺は寝る》
嘘の不貞寝。
ヒナちゃんの為と言えど、私なんかを相手にして、本当に大変ですよね。
「いつもありがとうございます」
「いえいえ、コチラこそ、私達も少しお昼寝してしまいましょうか」
「はい」
こんな風に、ちゃんと無難に過ごせれば良いんですが。
どうしたら良いのかも、出来る自信も無いんですよね。
いつか、私は必ず、誰かを傷付けてしまうから。
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