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245 レンズの1日目。
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ヒナを送って行った日は、先ずは紹介所に行き。
そのまま、ココで初めての理容室に行ったんだが。
「貴族の方でしたら、やはり最低限、後ろ髪は長くすべきかと」
《いや、アレは歴史の有る》
「新興貴族でしたら、確かに行うべきでは無い事。ですが、悪魔貴族に連なるですよね?」
《まぁ、そうだが》
「であれば、悪魔貴族の格を下げぬ為にも、是非とも伸ばすべきかと。ですが、ソレを頑なに維持する確固たる拘りが有り、幾人からも同じ質問をされても全く問題が無いのでしたら。はい、このまま、仕上げさせて頂きますが」
正直、拘りは無い。
ただ向こうの者だ、と認識して貰う為だけ、なんだが。
《ココの者だ、と偽る気は無いんだが》
「でしたら、向こうでの髪型を維持させて頂きつつ、後ろ髪を伸ばさせて頂いても?」
《あぁ、けどコレ、俺が適当に》
「お切りになった部分も考慮し、整えさせて頂きます」
《出来るのか》
「はい、ですが万が一にもお気に召さなかった場合、再度伸ばし変更させて頂きます」
《そうか、頼んだ》
魔法が有る世界の理容室は、失敗しても修正出来る。
だが、修正は必要無かった。
向こうで良くしていた髪型、そのままが再現された。
「如何でしょうか」
《ワックスも有るのか》
「はい、勿論。コチラ繊維と泥入りの無香料ですが、お好みで繊維や泥無しも御座いますよ」
《繊維》
「植物由来の繊維、シルクや蓮、灰や泥等を配合させて頂いております」
正直、頭髪用ワックスの種類の多さに驚いた。
繊維の配合量は勿論、混ぜ込んである植物油の多さに、正直脱帽した。
《開発者は、本当に、凄いな》
「ありがとうございます、先祖も喜んでいるかと」
《代々なのか》
「はい、その配合は一子相伝、この理容室をご利用になった方にだけお売りさせて頂いております」
だから、そこらじゃ見なかったのか。
《そうか》
「あぁ、香りをお付けになるのでしたら、香水屋へどうぞ。宜しければご案内致しますが」
《あぁ、いや、香水屋は大丈夫だ》
「そうでしたか、ではお包みは如何なさいましょうか」
《コレで、先ずは頼んだ》
「はい、では、コチラで少々お待ち下さい」
《あぁ》
カット台から移り、幾つか鏡の有る応接室に通され、茶と茶菓子を出されたんだが。
本が置かれている事に気付き、手に取ると自伝だった。
出すかよ普通、と思ったんだが。
読んでみると意図が分かった。
理容師でも何でも無い、ただただ、平凡な引き籠りだと書いて有った。
庶民をするには家事の経験が無い、だが特段の知恵も経験も無い。
そこで思い付いたのが、頭髪用のワックスらしい。
先ずは身なりを整える為にと連れ出された先に、ポマードや手入れ用の油は有れど、ワックスが無かった。
そこでそのまま尋ねると、ココには未だ存在していない、と。
「あぁ、お読みになられましたか」
《先代は来訪者様、だったんだな》
「いえいえとんでもない、来訪者様と呼ばれる様になれただけだ、だそうです」
悪魔に、いや精霊が味方になったのかも知れないが。
それだけで、ココまで行けるのは。
《だとしても、資質が有ったからだろうに》
「ご本人様は、ソレだけしか無かった、縋る思いで開発に挑んだだけ。全ては皆様の支援により、実現する事が叶った、そうで」
だとしても、悪魔や精霊に気に入られたからこそ。
いや、俺もそうなんだが。
《だとしても、助かった》
「いえいえ、お会計はコチラです」
料金は明瞭。
シャンプー代にカット代、セット代にワックス代、それと髪を伸ばした代金。
だが、理容師は長く伸ばした髪を一纏めにしているだけ。
と言うか、他も殆どはそうなんだよな。
あぁ、理容師だけじゃ食えないよな。
多分、理容師が何処かで合流し、ココまで来たんだろうな。
《コレで頼んだ》
「はい、確かにお預かり致しました。コチラ、ワックスの保証書と、ご利用代金の領収書となります」
《あぁ》
「ソチラにも記載させて頂いておりますが、ワックスの返品は不可、但し容器をお持ちになって頂ければ同一の中身を有料で詰めさせて頂きます。カットに関しましては、1週間以内のお直しを1度だけ、無料でさせて頂いております」
《そうか》
「はい、後は何か、ご質問は御座いますか?」
《この本は何処かで買えるのか?》
「あぁ、書店でお買い求めは可能ですが、紹介制ですので。どうぞ、コチラの名刺をご利用下さい」
《そうか、助かった》
「はい、では、ご準備が終わりましたらお声掛けを。どうぞ、ごゆっくりご確認下さい」
《あぁ》
「はい、では」
高級店並みの扱いなのに、料金はそう飛び抜けているとは思えないんだが。
やはりワックスの儲けか。
いや、相場の再確認と、自伝をしっかり読むか。
先達の有意義な記録なんだしな。
にしても、俺が適当に切った髪型を、ココまで再現出来るのは。
凄いな、本当に。
《助かった、本当に腕が良いな、ありがとう》
「いえいえ、では」
《あぁ、また》
「はい、またお越し下さいませ」
そのまま俺は香水屋に行き、ワックスに香りを付けて貰おうとしたんだが。
アレが居た。
すっかり失念してたんだが、まだ、諦めて無いとはな。
《おう、邪魔して悪いな》
何処のイケメン、とか思ったら。
あの男だった。
何、ちゃんとすると、ちゃんとイケメンなんですけど。
《あ、えっと》
《コッチに来て初めて理容室を使ったんだが、金額ってこんなもんか?》
『あぁ、うん、そうだね』
《香り付けを頼みたいんだが》
『あぁ、なら雫石の方が良いよ、使われてる素材とも馴染むから』
《あぁ、アレの名前か、良いな》
『売り出すワケじゃないけれど、番号だと味気ないからね』
《じゃあ頼んだ》
『すまないけれど頼まれ物だから、好きに見ていて』
《あ、はい》
《すまんな邪魔して、何か用事か?》
全然、気が回らないし察する能力皆無な男だけど。
コレだったらまぁ、見た目的には全然アリだし。
けど、あのクソな妹が居るんだよなぁ。
やっぱり、無しで。
《あぁ、いえいえ。実は、ちょっとだけ、香水屋さんの事が気になってて》
《あぁ~、無理だろうなぁ~、純粋で優しく控え目な女性が良いって言ってたから。アンタ、全く真逆だろ、天然を装ってるだけの無粋な水商売の匂いがする》
思い出した。
思い出した。
コイツ。
《アンタ、アンタだって》
《認めたも同然だな、黙って消えたら、俺も黙っててやるよ》
訴えられかけたのに、あの子とは違って逃げ切れた男。
私達の天敵。
《何それ、意味分かんない》
《おうおう、じゃあな》
髪型で全然、分かんなかったけど。
あの男が絡んでたなんて。
だから、だから香水屋さんは落ちなかったんだ。
本当、無駄な時間を過ごした。
けど、もう避ければ良い、私だってアイツの弱点を知ってるんだから。
でも、次が。
次の目標が何も。
「あら、お嬢さん、何かお困り事かしら?」
貴族。
しかもお金持ちだ絶対。
《実は、恋心を、弄ばれちゃって》
「そう、とても辛そうね。さ、コチラにいらっしゃい」
《そんな、私なんかが》
「構わないわ、一緒にお茶をしましょう」
向いて来た、向いて来た。
運が向いて来た。
そうよね、だって私、向こうでもココでも何も悪い事はしてないもん。
いつか、絶対に誰かが助けてくれる。
だって、ココは良い世界、なんだから。
《じゃあ、少しだけ、お言葉に甘えさせて頂きます》
「まぁ、見事なカーテシーね。さ、いらっしゃい」
いつ、彼女を罠に落とすのか。
その時まで、ひたすらに耐えるだけの日々だったけれど。
まさか、今日がその日だとは思わなかった。
《おう、アレなら帰ったぞ》
『あぁ、ありがとう、助かったよ』
悪しき見本を学習する為。
とは言えど、演技臭い媚びた態度を見聞きし続けるのは、正直苦痛で堪らなかった。
《と言うか、もう、来ないだろうな》
『そこまで言ってしまったんだね』
《もう十分に学習したろ》
『まぁ、けれど』
ウチに鳥が迷い込む事は、万が一にも無い。
けれど声の良い小鳥がテラスに来ると、綺麗な声で歌い始めた。
《珍しいな、迷い鳥か》
『いや、合図、知らせだよ』
時が動き出した合図、その知らせ。
やっと、例の女性から解放される。
《知り合いの鳥か》
『そうだね、もう少しで終わるんだけれど、少し待ってて』
《おう》
その小鳥の為の水、それと餌を少し。
それだけで、僕が了承した事を向こうは知る事になる。
『お待たせ、後は詰めるだけだから、お茶でも居る?』
《あの女の事か》
『そうだね、高貴な方に気に入られたんだよ』
《そうか、なら酒だな、祝杯を挙げよう》
『そうだね』
《と言うか俺の髪型に何で何も触れないんだよ》
『作業を終えてからと思って、彼女の前で褒めたら、今度はどんな噂を流されるか分からないだろう?』
《実は男が、ってか》
『そうそう』
《どうだ、ちゃんとしたぞ》
『はいはい、後でね』
彼もだけれど、僕も浮足立っている。
コレが、久し振りの解放感、なのかも知れない。
《折角だ、店に行くか、店番はどう頼むんだ?》
『お店は任せるよ、けど羊が有る所が良いな』
《分かった、ちょっと紹介所に行ってくるわ》
『ありがとう、それまでに全て終えておくよ』
お酒はそう好きでは無いけれど、今日の様に飲むお酒は。
きっと美味しく、楽しい筈。
《よし、行ってくる》
『じゃあ、また後で』
そのまま、ココで初めての理容室に行ったんだが。
「貴族の方でしたら、やはり最低限、後ろ髪は長くすべきかと」
《いや、アレは歴史の有る》
「新興貴族でしたら、確かに行うべきでは無い事。ですが、悪魔貴族に連なるですよね?」
《まぁ、そうだが》
「であれば、悪魔貴族の格を下げぬ為にも、是非とも伸ばすべきかと。ですが、ソレを頑なに維持する確固たる拘りが有り、幾人からも同じ質問をされても全く問題が無いのでしたら。はい、このまま、仕上げさせて頂きますが」
正直、拘りは無い。
ただ向こうの者だ、と認識して貰う為だけ、なんだが。
《ココの者だ、と偽る気は無いんだが》
「でしたら、向こうでの髪型を維持させて頂きつつ、後ろ髪を伸ばさせて頂いても?」
《あぁ、けどコレ、俺が適当に》
「お切りになった部分も考慮し、整えさせて頂きます」
《出来るのか》
「はい、ですが万が一にもお気に召さなかった場合、再度伸ばし変更させて頂きます」
《そうか、頼んだ》
魔法が有る世界の理容室は、失敗しても修正出来る。
だが、修正は必要無かった。
向こうで良くしていた髪型、そのままが再現された。
「如何でしょうか」
《ワックスも有るのか》
「はい、勿論。コチラ繊維と泥入りの無香料ですが、お好みで繊維や泥無しも御座いますよ」
《繊維》
「植物由来の繊維、シルクや蓮、灰や泥等を配合させて頂いております」
正直、頭髪用ワックスの種類の多さに驚いた。
繊維の配合量は勿論、混ぜ込んである植物油の多さに、正直脱帽した。
《開発者は、本当に、凄いな》
「ありがとうございます、先祖も喜んでいるかと」
《代々なのか》
「はい、その配合は一子相伝、この理容室をご利用になった方にだけお売りさせて頂いております」
だから、そこらじゃ見なかったのか。
《そうか》
「あぁ、香りをお付けになるのでしたら、香水屋へどうぞ。宜しければご案内致しますが」
《あぁ、いや、香水屋は大丈夫だ》
「そうでしたか、ではお包みは如何なさいましょうか」
《コレで、先ずは頼んだ》
「はい、では、コチラで少々お待ち下さい」
《あぁ》
カット台から移り、幾つか鏡の有る応接室に通され、茶と茶菓子を出されたんだが。
本が置かれている事に気付き、手に取ると自伝だった。
出すかよ普通、と思ったんだが。
読んでみると意図が分かった。
理容師でも何でも無い、ただただ、平凡な引き籠りだと書いて有った。
庶民をするには家事の経験が無い、だが特段の知恵も経験も無い。
そこで思い付いたのが、頭髪用のワックスらしい。
先ずは身なりを整える為にと連れ出された先に、ポマードや手入れ用の油は有れど、ワックスが無かった。
そこでそのまま尋ねると、ココには未だ存在していない、と。
「あぁ、お読みになられましたか」
《先代は来訪者様、だったんだな》
「いえいえとんでもない、来訪者様と呼ばれる様になれただけだ、だそうです」
悪魔に、いや精霊が味方になったのかも知れないが。
それだけで、ココまで行けるのは。
《だとしても、資質が有ったからだろうに》
「ご本人様は、ソレだけしか無かった、縋る思いで開発に挑んだだけ。全ては皆様の支援により、実現する事が叶った、そうで」
だとしても、悪魔や精霊に気に入られたからこそ。
いや、俺もそうなんだが。
《だとしても、助かった》
「いえいえ、お会計はコチラです」
料金は明瞭。
シャンプー代にカット代、セット代にワックス代、それと髪を伸ばした代金。
だが、理容師は長く伸ばした髪を一纏めにしているだけ。
と言うか、他も殆どはそうなんだよな。
あぁ、理容師だけじゃ食えないよな。
多分、理容師が何処かで合流し、ココまで来たんだろうな。
《コレで頼んだ》
「はい、確かにお預かり致しました。コチラ、ワックスの保証書と、ご利用代金の領収書となります」
《あぁ》
「ソチラにも記載させて頂いておりますが、ワックスの返品は不可、但し容器をお持ちになって頂ければ同一の中身を有料で詰めさせて頂きます。カットに関しましては、1週間以内のお直しを1度だけ、無料でさせて頂いております」
《そうか》
「はい、後は何か、ご質問は御座いますか?」
《この本は何処かで買えるのか?》
「あぁ、書店でお買い求めは可能ですが、紹介制ですので。どうぞ、コチラの名刺をご利用下さい」
《そうか、助かった》
「はい、では、ご準備が終わりましたらお声掛けを。どうぞ、ごゆっくりご確認下さい」
《あぁ》
「はい、では」
高級店並みの扱いなのに、料金はそう飛び抜けているとは思えないんだが。
やはりワックスの儲けか。
いや、相場の再確認と、自伝をしっかり読むか。
先達の有意義な記録なんだしな。
にしても、俺が適当に切った髪型を、ココまで再現出来るのは。
凄いな、本当に。
《助かった、本当に腕が良いな、ありがとう》
「いえいえ、では」
《あぁ、また》
「はい、またお越し下さいませ」
そのまま俺は香水屋に行き、ワックスに香りを付けて貰おうとしたんだが。
アレが居た。
すっかり失念してたんだが、まだ、諦めて無いとはな。
《おう、邪魔して悪いな》
何処のイケメン、とか思ったら。
あの男だった。
何、ちゃんとすると、ちゃんとイケメンなんですけど。
《あ、えっと》
《コッチに来て初めて理容室を使ったんだが、金額ってこんなもんか?》
『あぁ、うん、そうだね』
《香り付けを頼みたいんだが》
『あぁ、なら雫石の方が良いよ、使われてる素材とも馴染むから』
《あぁ、アレの名前か、良いな》
『売り出すワケじゃないけれど、番号だと味気ないからね』
《じゃあ頼んだ》
『すまないけれど頼まれ物だから、好きに見ていて』
《あ、はい》
《すまんな邪魔して、何か用事か?》
全然、気が回らないし察する能力皆無な男だけど。
コレだったらまぁ、見た目的には全然アリだし。
けど、あのクソな妹が居るんだよなぁ。
やっぱり、無しで。
《あぁ、いえいえ。実は、ちょっとだけ、香水屋さんの事が気になってて》
《あぁ~、無理だろうなぁ~、純粋で優しく控え目な女性が良いって言ってたから。アンタ、全く真逆だろ、天然を装ってるだけの無粋な水商売の匂いがする》
思い出した。
思い出した。
コイツ。
《アンタ、アンタだって》
《認めたも同然だな、黙って消えたら、俺も黙っててやるよ》
訴えられかけたのに、あの子とは違って逃げ切れた男。
私達の天敵。
《何それ、意味分かんない》
《おうおう、じゃあな》
髪型で全然、分かんなかったけど。
あの男が絡んでたなんて。
だから、だから香水屋さんは落ちなかったんだ。
本当、無駄な時間を過ごした。
けど、もう避ければ良い、私だってアイツの弱点を知ってるんだから。
でも、次が。
次の目標が何も。
「あら、お嬢さん、何かお困り事かしら?」
貴族。
しかもお金持ちだ絶対。
《実は、恋心を、弄ばれちゃって》
「そう、とても辛そうね。さ、コチラにいらっしゃい」
《そんな、私なんかが》
「構わないわ、一緒にお茶をしましょう」
向いて来た、向いて来た。
運が向いて来た。
そうよね、だって私、向こうでもココでも何も悪い事はしてないもん。
いつか、絶対に誰かが助けてくれる。
だって、ココは良い世界、なんだから。
《じゃあ、少しだけ、お言葉に甘えさせて頂きます》
「まぁ、見事なカーテシーね。さ、いらっしゃい」
いつ、彼女を罠に落とすのか。
その時まで、ひたすらに耐えるだけの日々だったけれど。
まさか、今日がその日だとは思わなかった。
《おう、アレなら帰ったぞ》
『あぁ、ありがとう、助かったよ』
悪しき見本を学習する為。
とは言えど、演技臭い媚びた態度を見聞きし続けるのは、正直苦痛で堪らなかった。
《と言うか、もう、来ないだろうな》
『そこまで言ってしまったんだね』
《もう十分に学習したろ》
『まぁ、けれど』
ウチに鳥が迷い込む事は、万が一にも無い。
けれど声の良い小鳥がテラスに来ると、綺麗な声で歌い始めた。
《珍しいな、迷い鳥か》
『いや、合図、知らせだよ』
時が動き出した合図、その知らせ。
やっと、例の女性から解放される。
《知り合いの鳥か》
『そうだね、もう少しで終わるんだけれど、少し待ってて』
《おう》
その小鳥の為の水、それと餌を少し。
それだけで、僕が了承した事を向こうは知る事になる。
『お待たせ、後は詰めるだけだから、お茶でも居る?』
《あの女の事か》
『そうだね、高貴な方に気に入られたんだよ』
《そうか、なら酒だな、祝杯を挙げよう》
『そうだね』
《と言うか俺の髪型に何で何も触れないんだよ》
『作業を終えてからと思って、彼女の前で褒めたら、今度はどんな噂を流されるか分からないだろう?』
《実は男が、ってか》
『そうそう』
《どうだ、ちゃんとしたぞ》
『はいはい、後でね』
彼もだけれど、僕も浮足立っている。
コレが、久し振りの解放感、なのかも知れない。
《折角だ、店に行くか、店番はどう頼むんだ?》
『お店は任せるよ、けど羊が有る所が良いな』
《分かった、ちょっと紹介所に行ってくるわ》
『ありがとう、それまでに全て終えておくよ』
お酒はそう好きでは無いけれど、今日の様に飲むお酒は。
きっと美味しく、楽しい筈。
《よし、行ってくる》
『じゃあ、また後で』
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