エイトゲヘナ~出会って秒で食べられました、けど今は凄く幸せです~

中谷 獏天

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247 3日目。

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 ネネさんの提案により、先ずは3日だけお世話になる事にしました。
 なので今日は最終日です。

 朝食は昨日と同じ、色々朝食セットでした。

 そして食後は向日葵の確認です、カピカピだったので水を上げました。
 土しか見えません。

 それから文字の練習をし、音読を済ませてから、海辺で遊びました。

《コレはヒトデの欠片、コレはブルードラゴン、アオミノウミウシ》
「ちょっ、猛毒種じゃないですか」

《大丈夫、コレは聖獣だから》

「聖獣」
『ドラゴンだからですか』
《うん、ドラゴンが付くと聖獣なんだって》

「聖獣」
『何故ココに来ましたか』
『話の通じる人種が居ると聞いた、海にも助けを求めて欲しいと伝えて欲しい』

「あぁ」
『分かりました、機会が有れば伝えておきます』
『あぁ、頼んだ』

 小さくて青い生き物は、そのまま海に戻りました。

「あの、カツオノエボシ等は」
《ココには来ない、来たら魔獣だと思って良い》
『そうですか、では話せば退いてくれますか』

《うん、用事が無いなら退いてくれる》
「エイも、ですかね?」

《エイは偶に居るから気を付けて》
『はい、分かりました』

 囲いが無く、まだ私が海に慣れていないので、今日は海に慣れる練習です。
 本格的に遊ぶには、泳げる様になってから、です。

「こう、泳ぐコツとかって」
《何で泳げないか分からない》

「あぁ、そうですよね」
《前とは泳ぎ方が違うけど、入ったら出来た》

 貝も蛸も、水かきをせずに泳ぎます。
 飛び込んだ姿のまま潜り、そのまま帰って来ます。

「不思議よねぇ、潜水だけで何とかなっちゃう」
「泳げない身としては、寧ろ会得したいです」
『はい、簡単そうに見えます』

「海ではダメね、離岸流もそうだけど、浮力とか流れが有るから。先ずは真水で練習」
『はい』
「はい」

 私もシイラも泳げません。
 シイラは学校で習っていたのに、泳げないんだそうです。

「じゃあ、そろそろ、釣りをしてみましょうか」
『はい』
「はい」

 シイラやクラム夫人は腰の位置まで入り、そのまま竿を投げました。
 貝は補助です、餌が凄いからです。

 私は蛸に担いで貰い、海の中に入ったまま釣りをしました。

『釣れますか』

『カノンは、偶に釣ってはいる』

『あまり釣れませんか』
『直ぐに引くと相手にバレる、少し泳がせた方が良いらしい』

『分かりました、堪えてみます』

 蛸が良いと言うまで我慢しました。
 何度か逃がしましたが、何とか連れました。

「わぁ、凄い、こんなに大きいのが釣れるのね」
「ヒナちゃんと同じ位」
『蛸にも手伝って貰いました』
《あのままだったら危なかったから》
『竿が折れかけた』

「もう少し、ちゃんとした竿を。あ、魚拓を作りましょ」
「有るんですか、魚拓の文化」

「有るのよ、多分、美食国の方だと思う」
「あぁ、成程」
『魚拓は食べ方ですか』

「あぁ、いえいえ、標本みたいなモノよ」
「字は、こうです。お魚のハンコ、ですかね?」

「そうそう、それから食べるの」

『分かりました、見てみます』
「そうね、見てみないとね」

 漁師の小屋に行くと、お爺さんが居ました。

《へぇ~、どんだけ飛ばしたの》
『糸の限界まで風の魔法で飛ばしました』

《あぁ~、だからねぇ~、そうかそうか。よし、じゃあやるかね》

 魚に墨を塗って、紙を貼りました。
 綺麗に形が取れましたが、魚は真っ黒です。

『このまま食べますか』
《あぁ、いやいや、良く洗えば大丈夫。アレだ、生で食べるなら、ちゃんと皮は剥くんだよ》
「それから内臓も取って、良く洗って、ですよね」

《本当に、火を通した方が美味しいだろうに》
「そうなんですけどね、偶には、ね?」
「ですよね」

《はぁ、腹壊さんでくれよ》
「はいはい、どうも、ありがとうございました」

《あいよ》

 今日はお刺身かも知れません。

『この魚拓はどうしますか』
「お家に飾るか、お店に飾らせて貰えるかしら?」
「客寄せ用、ですかね?」

「そうそう、釣りも売りなんだけれど、興味を示してくれる方が少なくて」
「買えちゃいますからね」
『釣るのは楽しいと思います、初めての感触で驚きました』
『魚の様に跳ねていたからな』

『はい、何度か失敗しました』
「けど釣れたんだもの、凄い」
「ですね、私達はボウズですから」

『ハゲてはいません』
「釣れなかった時の形容詞、ですよね?」
「そうね、実質、ハゲ」

『ハゲですか』
「そうなのよー」
「こう見ると、確かにちょっと悔しいので、もう1度位はしたいですよね」
『そうやってカノンは釣りが気に入ったらしい』
《あんまり釣れないのにね》

「良いの、次はもう少し、遠くに飛ばせる様に頑張るわ」

 クラム夫人の趣味は釣りだと初めて知りました。
 もしかしたらレンズにも合うかも知れません。

「あの、このお魚は」
「あ、コレは、後のお楽しみで。次は砂のお城を作りましょう」
『はい』

 学園の砂とは違い、少しサラサラしているので崩れ易かったです。
 シイラが特に熱中していました。

「ぁあ、崩れる」
「固めるのが甘いと、直ぐにそうなっちゃうのよね」
『しっかり作るには大人の手が必要かも知れません』

「大作はね、けれど今日は先ず練習、だから」
「はい、ですね」
『はい、そうしておきます』

 お城は貝を飾って完成させます、なので貝を探して、飾り付けをしてから完成です。
 色が白色に近いので、砂浜のお城は何だか綺麗に見える気がします。

「うん、まぁまぁですかね」
『いつもの砂遊びと違って、少し綺麗に見えます、学園のは土色です』
「あぁ、学園でも砂遊びをするのね」

『はい、放課後に遊びます、形が有るので形も使います』
「あぁ~、砂場セット」

『はい、クラム夫人も使った事が有りますか』
「小さい頃にね、成程、ココにも有るべきよね」
「商品が増えますね」

「ね、頼んでおかないと」
『はい、宜しくお願いします』

 そして今日のお昼は、焼きそばでした。
 半熟の目玉焼きが乗った、鉄板で作った焼きそばです。

「やっぱり、コレ、ですよね?」
「コレかラーメンかカレーで悩んだんだけど、やっぱりコレよね」
『浜辺の定番ですか』

「そうね」

 同じ焼きそばなのに、全く違いました。
 野菜やお肉がいっぱい入っていて、この焼きそばの方が美味しいと思いました。

 それからそのまま、浜辺でお昼寝をしました。
 パラソルは有りましたが、少し暑かったです。

 ですが敷物の下の砂が暖かかったので、気が付くと眠っていました。

「あ、おはようございます」
『おはようございます』
「はい、おはよう、コレも定番よ」

「蜂蜜で作ったレモネードだそうです」
『頂きます』

 冷たくて美味しかったです。
 アンバーやヴァイオレットの家で出されていたのとは、少し味が違う気がしました、コレがクラム夫人の味かも知れません。

「じゃあ、このままお風呂場まで行っちゃいましょ~」
「お~」
『お~』

 途中で競争しました、貝に負けそうになったので飛びました。
 ですが3位でした、1番はシイラでした。

「シイラさん、早い」
「走るのだけは、得意なんですよ、走るのだけは」
『走るのは苦手か』
《うん、海の中でも走らないから》
『ですが泳ぐのは早いです、どちらが早いですか』

《蛸、大きいから》
『貝は小さいからな』
「成程、泳ぐにしても大きさの問題、ですか」
「そう、みたいね」
『クラム夫人は運動は苦手ですか』

「まぁ、あまり、好きじゃないわね」
「私も好きでは無いですよ、自転車の方が早いし便利」

「確かに」

 それからお風呂に入り、釣りの道具の片付けやお洗濯をし。
 お夕飯のお手伝いをしました。

「釜でお米~、凄いですね本当」
「コレばかりはね、家じゃないと」

「難しいのでは?」
「全然、ちょっと柔らかかったりするけど、時間通りにやれば直ぐだから。ほらココ、目印が有るでしょ?」

「本当だ、有るんですね、炊飯用の釜」
「金物屋さんで言ったら取り寄せてくれたの、以来置いてる筈だから、まだ在庫が有ると思うわ」
『レンズもコレです、いきなりおにぎりを作りったりします』

「あぁ~、分かるわ~、小麦が続くと急にお米が食べたくなるのよね」
「ですよねぇ、パンと麺が続くと、猛烈に食べたくなる。特に焼きおにぎり」

「分かる~、冷凍技術には、本当に感謝しかない」
「分かります、マジ感謝」

「あ、今日は酢飯じゃないんだけれど、大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
『お寿司ですか』

「似たモノだけど、他にも有るから、ちょっとだけ我慢してね」

 お夕飯はお刺身でした。
 墨は何処にも有りませんでした。

 それから煮付けと焼き魚、お味噌汁と胡瓜の漬物です。

「贅沢」
『贅沢ですか』

「はい、コレは中々に贅沢です、海の幸に感謝して食べましょう」
『はい、そうします』
「では、頂きましょうか」

『はい、頂きます』
「頂きます」

 お刺身はあまり食べた事が無いので、コレが美味しいのか良く分かりませんでしたが、コリコリして美味しかったと思います。
 煮付けは妙さんの味に似ていて、お米が直ぐに無くなる味でした。

「あ、もしかしてお刺身、あまり食べた事が無いかしら?」
『はい、数える程度ですが、美味しいのだと思います』
「うん、コレは美味しいお刺身です。あの、贅沢を言いますが、海苔とかって」

「あ、待ってて待ってて、直ぐに出すから」
「すみません、ありがとうございます」

 そうして海苔が出ると、シイラがお刺身とお米を海苔で包んでくれました。

『さっきより美味しい気がします』
「成程、手巻き寿司も良いわね」
「次は皆で手巻き寿司にしてみましょう」

『はい』

 美味しいも笑う事も、慣れだそうです。
 もっと色々と食べてみたいと思いました。
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