2 / 15
2 アントワネット・マリー伯爵令嬢。
しおりを挟む
《何故、民を助けたいのですか》
私が疑われるのも無理は無い。
いえ、寧ろ疑って当然の事。
私は母国への侵略を促す売国奴、1度の裏切りで済むと思うのは、あまりにも安易が過ぎる事。
「私は民の誰にも期待してはおりません、ですが子供には未来が有る。未来には期待しております、より良い未来に、私は期待しております」
幾ら貧困者に金を配ろうとも、コチラの思惑とは別の動きをする。
食料の補助金は主食や野菜に使われず、嗜好品へと流れ。
栄養よりも味、味覚と言う名の娯楽へ流れ。
果ては賄賂として使われる、個の利益のみが追求される事になる。
勉学に於いても、そもそも教える者が教育の重要性を理解しておらず、時にサボり時に偏りを招く。
それは親とて同じ事、直ぐにも成果が出なければ全く諦めるか、過剰に期待し子を歪ませ。
その果ては、例え重職に就いたたとて、道徳心が欠けた有害な働き者となるのみ。
このままでは芯を、根本を理解出来る者は僅か。
けれど、そうした有益な者は国を出てしまう。
評価が正しく行われず、愛国心が無意味となるなら。
だれが国に尽くしましょう。
《過剰に落胆されているだけでは》
「民草なら、末端であれば許されましょう。ですが、その根腐れは深部にまで及んでいる」
《何故、そうお知りになり得たのでしょう》
完璧な王妃では無かった。
けれど、追い落とす必要は無かった。
国を思えばこそ、私を追い落とす必要は微塵も無かった。
けれど、家臣は止められなかった。
あんな愚か者に容易く国を崩されてしまった。
根本からして既に、崩れ易い状態。
もう既に綱渡りだった。
けれど、こうした内情を王太子妃でも無い私が知っている。
それはあまりにもおかしな事。
どうか、この言葉で誤魔化されては頂けないでしょうか。
「王太子妃をお知りになれば、ご理解頂けるかと」
賢き者として、誤魔化すしか無い。
私の言葉に疑いを持たれては、あの国は再び、燃え尽きてしまうのですから。
《何処の愚かな領主の事かと、改めて王族教育の大切さを思い知らされました》
《ふふふ、全く知らなければ、そう思っても無理は無いわね》
『だが、知った、お前は何を思う』
怠惰国の情報は明るみに出て問題の無いモノのみ、開示されていたに過ぎず。
現状は、あまりにも酷い有り様だった。
《何故、あの様な国を放置なさっていたのでしょう》
『何故だと思う』
いつ滅んでもおかしくは無い状況。
民は愚かにも不満を国へ向け、貴族は不満を向けられる事を当然とし、悪役を仕立て上げ一時的に溜飲を下げさせるのみ。
そして王族は、お飾りに成り下がっている。
《悪しき見本、でしょうか》
『あぁ、そうだ』
《だけ、ですか》
『あぁ、そうだ』
分からない。
あんな国を放置していては良き来訪者様、星の子は呆れ、見放すか滅ぼすか。
《まさか、星の見定めに国をお使いに》
《では上手に演技の出来る者が、この国にどれだけ居ますか。コチラの持つ知恵以上を有してらっしゃる方を騙せる者が、どれ程居りますか。そして、悪しき来訪者様を操れる者が、どれだけ居りますか》
怠惰国は、来訪者様の叩き台。
そして周辺諸国にとっては、悪しき見本。
《でしたら彼女を、どうなさる》
『お前は、どうすべきだと考えている』
侵略を行わなければ、いずれは民の鬱憤を抑えきれず内乱が始まり。
王族は処刑、文化文明は民により焼き尽くされ。
例え統治者が決まろうとも、直ぐにも首は挿げ替えられ。
国として落ち着くまでは、50年は掛かるだろう。
そして王族と言う名の指標を失った国は、果ては信仰と言う名の共通認識を失い、民意と言う名の勝手極まりない法により自らを縛るに至り。
分裂を起こすか外部を敵と看做し、敵対の果ては孤立か、傀儡国となるか。
《侵略を行うべきであり、指針の1つに、使うべきかと》
『それだけ、か』
《まぁまぁ、まだジャンはモールパ次期侯爵となったばかり、それに結婚もまだなんですもの》
『お前は男色家か』
《いえ、相応しい方を相応しい者に沿わせている間に、時期を逃してしまったに過ぎません》
《はいはい、ウチの子達のお相手を見繕ってくれた事には、確かに感謝するわ。けれど、だからこそ次はアナタがお手本となるべきだ、とは思わないかしら》
《王妃様もまた、ご賢明であらせられます》
『アレの事はお前に任せる、期待を裏切ってくれるな』
《御意》
つまりは口説き落とせ、懐柔しろとの命も受けた、と解釈したらしいが。
『何で俺に?』
《私が口説き落とすには立場上無理が有る、だが誰かしらのモノになれば、他の者も安心するだろう》
『多分、王妃様のお考えは違うと思うけどね。ジャンにも相手を、それだけだと思うよ』
《無理が有り過ぎるんだが》
『何で』
《例え好意が無かろうとも、あの女史は婚姻を呑むだろう、それ程に肝が据わっている。仮にだ、そうした手を使う低俗な国、そうした者として認識されるにはあまりに損が大きい》
『上位の者には上位者としての相応しい扱いを、相応しい者を宛がうべきだ、で俺』
《人に取り入るのは上手いだろう、出来れば友人となり情報収集を行って欲しい》
『男に耐性の有る来訪者様ならまだしも、この国の、まさか宿星』
《あぁ、私はそう考えている》
『成程』
そもそも、来訪者様とは、ココとは異なる世から突然に現れる者を指し。
善き者は星の子、悪しき者は星屑と称される。
そして宿星とは、宿命を既に宿した星。
既に世を知る者、転生前の記憶を宿した者を指す。
《ただ、明けの明星か、宵いの明星かは分からない》
宵いの明星とは、善き転生者を指し。
明けの明星とは、悪しき転生者を指す。
この世を闇とする者か。
陽を灯す前触れとなる者か。
『勘は』
《宵いだが、宿星となれば上手だろう事に疑いの余地は無い、勘は当てにならないだろう》
『だとしても、俺は次期宰相でも何でも無い、ただの次期騎士爵。繋がりを作るには』
《案内の際、私の友人として紹介する、良ければ娶ってやってくれ》
『俺に選ぶ権利は』
《選べるのか、基準の緩過ぎるお前に、互いに相応しいと思う相手を》
幼い頃に適当に相手を決めてしまったせいで、とんでもない相手に成長してしまい、その尻拭いをジャンにもして貰った為に。
今でも、全く頭が上がらない。
と言うのは建前。
《そうですね》
当然、私は城に留め置かれる事となり。
改めて違いを思い知らされた。
我が国では、侍女は表情を崩さぬ者こそ、最も優秀であるとされている。
けれどココの侍女は、時に愛想笑いを浮かべる。
最初は嘲笑いかと思ったけれど、誰しもが去り際に微笑みを浮かべ、冷たさを感じさせず親近感を湧かせる。
そして扱いは勿論、態度も一律。
媚び諂う事も無く、一定の距離を保ちながらも、提供されるもてなしに過不足は無い。
コレこそ、教育の賜物。
《お嬢様、どうかしら》
「お止め下さい、めが」
《私は今ルイーズ、アナタの侍女、誰かに何かを見られて困るのはアナタよ》
「はい」
《ココは随分と違うわね》
その言葉へ何かを返すよりも先に、ドアがノックされた。
《失礼しても構いませんでしょうか》
声の主は見張り役であり補佐とされている、モールパ次期侯爵。
『お通し下さい』
《はい》
女神様を顎で使うなど、本来あってはならない事。
けれど、女神様は。
《失礼致します》
『どうぞ』
《お邪魔致します》
礼節を弁えた次期宰相候補。
なのに何故か、結婚してらっしゃらない。
『どの様なご要件でしょうか』
《現時点で、何かご不満は有りますでしょうか》
コレは、私は試されているのでしょうか。
何か、不満を持つべき点が有った、と言う事なのか。
若しくは、どれだけコチラが落ちぶれているのかの、確認か。
「侍女の教育も素晴らしく、過不足無く、十分に過ごさせて頂いております」
《では、向こうでは、どうでしたでしょうか》
あぁ、どれだけ不出来な国かのご確認でしたか。
「態度ももてなしも一律に行えず、側妃となるべく画策する者、それらに協力する者が存在し。有能なれど気に入らない者を排除し、国の益を考えず利己的な行いをし、周囲もまたそれらを許してしまう」
向こうでは陰湿な虐めは勿論、私利私欲に走る者が多く。
中には側妃になろうと企み、時には成功させた者さえ居た。
それが最初にやり直す前の、王の側妃。
《何故、その様になったとお考えですか》
「全ては教育かと」
金は使えば減る、決して苦も無く無限に湧き続けるモノでは無く、王族の血肉は民の血税。
敬いを忘れては、いずれ敬われる事は無くなり、果ては遺棄される事になる。
礼節、道徳、立場の差異の必要性。
それらを無くせば無法地帯となってしまう事は道理。
けれども道理の基礎を知らなければ、人は獣以下となる。
その事すら、学の無い者、大局の見れない者には分からない。
《ご不満が有れば、いつでも仰って下さい》
「はい、ありがとうございます」
《では、失礼致します》
「はい」
もし不満が有るとするなら。
何も不満が無い、そうした部分でしょう。
私が疑われるのも無理は無い。
いえ、寧ろ疑って当然の事。
私は母国への侵略を促す売国奴、1度の裏切りで済むと思うのは、あまりにも安易が過ぎる事。
「私は民の誰にも期待してはおりません、ですが子供には未来が有る。未来には期待しております、より良い未来に、私は期待しております」
幾ら貧困者に金を配ろうとも、コチラの思惑とは別の動きをする。
食料の補助金は主食や野菜に使われず、嗜好品へと流れ。
栄養よりも味、味覚と言う名の娯楽へ流れ。
果ては賄賂として使われる、個の利益のみが追求される事になる。
勉学に於いても、そもそも教える者が教育の重要性を理解しておらず、時にサボり時に偏りを招く。
それは親とて同じ事、直ぐにも成果が出なければ全く諦めるか、過剰に期待し子を歪ませ。
その果ては、例え重職に就いたたとて、道徳心が欠けた有害な働き者となるのみ。
このままでは芯を、根本を理解出来る者は僅か。
けれど、そうした有益な者は国を出てしまう。
評価が正しく行われず、愛国心が無意味となるなら。
だれが国に尽くしましょう。
《過剰に落胆されているだけでは》
「民草なら、末端であれば許されましょう。ですが、その根腐れは深部にまで及んでいる」
《何故、そうお知りになり得たのでしょう》
完璧な王妃では無かった。
けれど、追い落とす必要は無かった。
国を思えばこそ、私を追い落とす必要は微塵も無かった。
けれど、家臣は止められなかった。
あんな愚か者に容易く国を崩されてしまった。
根本からして既に、崩れ易い状態。
もう既に綱渡りだった。
けれど、こうした内情を王太子妃でも無い私が知っている。
それはあまりにもおかしな事。
どうか、この言葉で誤魔化されては頂けないでしょうか。
「王太子妃をお知りになれば、ご理解頂けるかと」
賢き者として、誤魔化すしか無い。
私の言葉に疑いを持たれては、あの国は再び、燃え尽きてしまうのですから。
《何処の愚かな領主の事かと、改めて王族教育の大切さを思い知らされました》
《ふふふ、全く知らなければ、そう思っても無理は無いわね》
『だが、知った、お前は何を思う』
怠惰国の情報は明るみに出て問題の無いモノのみ、開示されていたに過ぎず。
現状は、あまりにも酷い有り様だった。
《何故、あの様な国を放置なさっていたのでしょう》
『何故だと思う』
いつ滅んでもおかしくは無い状況。
民は愚かにも不満を国へ向け、貴族は不満を向けられる事を当然とし、悪役を仕立て上げ一時的に溜飲を下げさせるのみ。
そして王族は、お飾りに成り下がっている。
《悪しき見本、でしょうか》
『あぁ、そうだ』
《だけ、ですか》
『あぁ、そうだ』
分からない。
あんな国を放置していては良き来訪者様、星の子は呆れ、見放すか滅ぼすか。
《まさか、星の見定めに国をお使いに》
《では上手に演技の出来る者が、この国にどれだけ居ますか。コチラの持つ知恵以上を有してらっしゃる方を騙せる者が、どれ程居りますか。そして、悪しき来訪者様を操れる者が、どれだけ居りますか》
怠惰国は、来訪者様の叩き台。
そして周辺諸国にとっては、悪しき見本。
《でしたら彼女を、どうなさる》
『お前は、どうすべきだと考えている』
侵略を行わなければ、いずれは民の鬱憤を抑えきれず内乱が始まり。
王族は処刑、文化文明は民により焼き尽くされ。
例え統治者が決まろうとも、直ぐにも首は挿げ替えられ。
国として落ち着くまでは、50年は掛かるだろう。
そして王族と言う名の指標を失った国は、果ては信仰と言う名の共通認識を失い、民意と言う名の勝手極まりない法により自らを縛るに至り。
分裂を起こすか外部を敵と看做し、敵対の果ては孤立か、傀儡国となるか。
《侵略を行うべきであり、指針の1つに、使うべきかと》
『それだけ、か』
《まぁまぁ、まだジャンはモールパ次期侯爵となったばかり、それに結婚もまだなんですもの》
『お前は男色家か』
《いえ、相応しい方を相応しい者に沿わせている間に、時期を逃してしまったに過ぎません》
《はいはい、ウチの子達のお相手を見繕ってくれた事には、確かに感謝するわ。けれど、だからこそ次はアナタがお手本となるべきだ、とは思わないかしら》
《王妃様もまた、ご賢明であらせられます》
『アレの事はお前に任せる、期待を裏切ってくれるな』
《御意》
つまりは口説き落とせ、懐柔しろとの命も受けた、と解釈したらしいが。
『何で俺に?』
《私が口説き落とすには立場上無理が有る、だが誰かしらのモノになれば、他の者も安心するだろう》
『多分、王妃様のお考えは違うと思うけどね。ジャンにも相手を、それだけだと思うよ』
《無理が有り過ぎるんだが》
『何で』
《例え好意が無かろうとも、あの女史は婚姻を呑むだろう、それ程に肝が据わっている。仮にだ、そうした手を使う低俗な国、そうした者として認識されるにはあまりに損が大きい》
『上位の者には上位者としての相応しい扱いを、相応しい者を宛がうべきだ、で俺』
《人に取り入るのは上手いだろう、出来れば友人となり情報収集を行って欲しい》
『男に耐性の有る来訪者様ならまだしも、この国の、まさか宿星』
《あぁ、私はそう考えている》
『成程』
そもそも、来訪者様とは、ココとは異なる世から突然に現れる者を指し。
善き者は星の子、悪しき者は星屑と称される。
そして宿星とは、宿命を既に宿した星。
既に世を知る者、転生前の記憶を宿した者を指す。
《ただ、明けの明星か、宵いの明星かは分からない》
宵いの明星とは、善き転生者を指し。
明けの明星とは、悪しき転生者を指す。
この世を闇とする者か。
陽を灯す前触れとなる者か。
『勘は』
《宵いだが、宿星となれば上手だろう事に疑いの余地は無い、勘は当てにならないだろう》
『だとしても、俺は次期宰相でも何でも無い、ただの次期騎士爵。繋がりを作るには』
《案内の際、私の友人として紹介する、良ければ娶ってやってくれ》
『俺に選ぶ権利は』
《選べるのか、基準の緩過ぎるお前に、互いに相応しいと思う相手を》
幼い頃に適当に相手を決めてしまったせいで、とんでもない相手に成長してしまい、その尻拭いをジャンにもして貰った為に。
今でも、全く頭が上がらない。
と言うのは建前。
《そうですね》
当然、私は城に留め置かれる事となり。
改めて違いを思い知らされた。
我が国では、侍女は表情を崩さぬ者こそ、最も優秀であるとされている。
けれどココの侍女は、時に愛想笑いを浮かべる。
最初は嘲笑いかと思ったけれど、誰しもが去り際に微笑みを浮かべ、冷たさを感じさせず親近感を湧かせる。
そして扱いは勿論、態度も一律。
媚び諂う事も無く、一定の距離を保ちながらも、提供されるもてなしに過不足は無い。
コレこそ、教育の賜物。
《お嬢様、どうかしら》
「お止め下さい、めが」
《私は今ルイーズ、アナタの侍女、誰かに何かを見られて困るのはアナタよ》
「はい」
《ココは随分と違うわね》
その言葉へ何かを返すよりも先に、ドアがノックされた。
《失礼しても構いませんでしょうか》
声の主は見張り役であり補佐とされている、モールパ次期侯爵。
『お通し下さい』
《はい》
女神様を顎で使うなど、本来あってはならない事。
けれど、女神様は。
《失礼致します》
『どうぞ』
《お邪魔致します》
礼節を弁えた次期宰相候補。
なのに何故か、結婚してらっしゃらない。
『どの様なご要件でしょうか』
《現時点で、何かご不満は有りますでしょうか》
コレは、私は試されているのでしょうか。
何か、不満を持つべき点が有った、と言う事なのか。
若しくは、どれだけコチラが落ちぶれているのかの、確認か。
「侍女の教育も素晴らしく、過不足無く、十分に過ごさせて頂いております」
《では、向こうでは、どうでしたでしょうか》
あぁ、どれだけ不出来な国かのご確認でしたか。
「態度ももてなしも一律に行えず、側妃となるべく画策する者、それらに協力する者が存在し。有能なれど気に入らない者を排除し、国の益を考えず利己的な行いをし、周囲もまたそれらを許してしまう」
向こうでは陰湿な虐めは勿論、私利私欲に走る者が多く。
中には側妃になろうと企み、時には成功させた者さえ居た。
それが最初にやり直す前の、王の側妃。
《何故、その様になったとお考えですか》
「全ては教育かと」
金は使えば減る、決して苦も無く無限に湧き続けるモノでは無く、王族の血肉は民の血税。
敬いを忘れては、いずれ敬われる事は無くなり、果ては遺棄される事になる。
礼節、道徳、立場の差異の必要性。
それらを無くせば無法地帯となってしまう事は道理。
けれども道理の基礎を知らなければ、人は獣以下となる。
その事すら、学の無い者、大局の見れない者には分からない。
《ご不満が有れば、いつでも仰って下さい》
「はい、ありがとうございます」
《では、失礼致します》
「はい」
もし不満が有るとするなら。
何も不満が無い、そうした部分でしょう。
0
あなたにおすすめの小説
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる