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現実 2
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今思い返してみるとかなり幼稚だったが、中学生の時は真剣にそんなことを考えていた。
他の人にはできない仕事をしたいと考えつつ、それに見合う努力は全くと言っていい程していない。
日々は確実に過ぎ去っていくが、自分は永遠に若いままでいられる。
心のどこかであり得ない認識があったと思う。
いや、大人になった自分を想像する力がなかったといった方が正しいのかも知れない。
24歳となった今、法律的には大人になった。
大学を卒業して社会に出ると、甘すぎる考えと思想に包まれていた私は社会の風当たりを真正面から受けた。
社会の厳しさは私の想像を遥かに超えていた。
最初の一年は何をやっても失敗ばかりだった。仕事に対する認識はバイトのそれと相違なかった。先輩や上司からは多くの厳しい叱責がとんだ。
当然だ。何一つ仕事が出来ないうえに、努力をしない人間を誰も救わない。
大卒の約3割が3年以内に離職する。理由は様々あるだろうが社会の厳しさに心が折れてしまったのがほとんどではないだろうか。
もうすぐ社会に出て2年になる。
勤務形態には少しづつ慣れてきた。慣れてきただけだ。仕事が一人前にできるようになるにはまだまだ時間がかかる。
今の仕事が自分に合うかどうか、その答えは出ていない。答えが出ていないのに会社を辞めることには抵抗があった。
未来が見えない。中学生の時は未来を想像できなかった。
似ているようで異なることだと思う。
中学生の時は世間知らずだったから無限の希望があった。
今は無駄だと分かりながらも、只ひたすら濃霧を掻き分けたところでようやく見える仄かな灯りがかろうじて眼に届くだけだ。
生活するために、金を得るために神経と精神をすり減らしている。
ただそれだけのことに寿命を縮めている。
だが、これからはそれも無駄にならないと思うようになってきた。
婚約を決めた私は間もなく結婚をする。子供もできるかも知れない。
妻、子供と養う人数が増えれば増えるほど責任が増え、生活するために身を粉にする。
中学生の時に軽蔑していたスーツ姿の大人は、プライドを捨ててでも泥水をすすりながら家族を守る格好良い大人だった。
しかし、思春期を迎えた大人と子供の中間地点にいる人間は、大人の後ろ姿を理解しようとはしない。私がそうだったように。
不思議だ。今まではそんなことを考えていなかった。
日々の生活を送ることしか考えていなかったのだ。
「佐々木のせいだな」
思わず独り言を口にした。
携帯電話のボタンを押して時間を確認する。
久しぶりの画面から発せられるブルーライトに顔をしかめながら午前一時三十分を越えていることを確認すると、瞼をおろした。
他の人にはできない仕事をしたいと考えつつ、それに見合う努力は全くと言っていい程していない。
日々は確実に過ぎ去っていくが、自分は永遠に若いままでいられる。
心のどこかであり得ない認識があったと思う。
いや、大人になった自分を想像する力がなかったといった方が正しいのかも知れない。
24歳となった今、法律的には大人になった。
大学を卒業して社会に出ると、甘すぎる考えと思想に包まれていた私は社会の風当たりを真正面から受けた。
社会の厳しさは私の想像を遥かに超えていた。
最初の一年は何をやっても失敗ばかりだった。仕事に対する認識はバイトのそれと相違なかった。先輩や上司からは多くの厳しい叱責がとんだ。
当然だ。何一つ仕事が出来ないうえに、努力をしない人間を誰も救わない。
大卒の約3割が3年以内に離職する。理由は様々あるだろうが社会の厳しさに心が折れてしまったのがほとんどではないだろうか。
もうすぐ社会に出て2年になる。
勤務形態には少しづつ慣れてきた。慣れてきただけだ。仕事が一人前にできるようになるにはまだまだ時間がかかる。
今の仕事が自分に合うかどうか、その答えは出ていない。答えが出ていないのに会社を辞めることには抵抗があった。
未来が見えない。中学生の時は未来を想像できなかった。
似ているようで異なることだと思う。
中学生の時は世間知らずだったから無限の希望があった。
今は無駄だと分かりながらも、只ひたすら濃霧を掻き分けたところでようやく見える仄かな灯りがかろうじて眼に届くだけだ。
生活するために、金を得るために神経と精神をすり減らしている。
ただそれだけのことに寿命を縮めている。
だが、これからはそれも無駄にならないと思うようになってきた。
婚約を決めた私は間もなく結婚をする。子供もできるかも知れない。
妻、子供と養う人数が増えれば増えるほど責任が増え、生活するために身を粉にする。
中学生の時に軽蔑していたスーツ姿の大人は、プライドを捨ててでも泥水をすすりながら家族を守る格好良い大人だった。
しかし、思春期を迎えた大人と子供の中間地点にいる人間は、大人の後ろ姿を理解しようとはしない。私がそうだったように。
不思議だ。今まではそんなことを考えていなかった。
日々の生活を送ることしか考えていなかったのだ。
「佐々木のせいだな」
思わず独り言を口にした。
携帯電話のボタンを押して時間を確認する。
久しぶりの画面から発せられるブルーライトに顔をしかめながら午前一時三十分を越えていることを確認すると、瞼をおろした。
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