入れ替わった彼女

チャロコロ

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彼女の意図 3

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 私が仕事を増やしたのは結婚のためだったはずだ。課長の言い方は、他に理由があったかのようだった。
 「お前が本当に大変だったのは仕事じゃない」 
 課長の言葉を繰り返す。他に大変なことがあったと考えるのが普通だ。
 だが、課長は最後に結婚の話を持ち出した。これから一家の大黒柱になるという重責のことを言いたかっただけなのだろうか。
 いずれにしても、私の考え過ぎなのだろう。
 ここ最近で、余計なことを考える癖がついてしまった。失笑しながら遥に今の話を伝えようと顔を見て心臓が大きく動いた。
 遥は眼を見開いて私を見つめていた。遥のカバンを漁っていた時に見つかってしまった時と同じ眼をしている。
 「なっ……何?」
 気後れしながら訊いてみる。
 「何話してた?」
 彼女は瞬きをしていない、忘れているのか?
 「大した話じゃないよ。ゆっくり休めって」
 「それだけ……それだけ?8月が何やらって話したんじゃないの?」
 「ああ……。ああ、結婚おめでとうだって。このタイミングで祝いの言葉はおかしいだろうと思っ てな」
 「そう」
 遥は興味なさげに応えた。いちいち眼を見開くなよ。まあ、言えないが。
 「そんなことより……」 
 そんなことかよ。
 「明日にでも不動産会社を回ってみようよ」  
 「悪い、明日は無理だ」
 「何で?当分休みなんでしょ?暇じゃん」
 「遥にはもっと早く言わなきゃいけなかったんだけど。
  明日中学のクラス会に行ってくるんだ。報告するの遅れてごめん」
 「えっ、クラス会?何で?」
 「懐かしい顔見たいしな」
 「でも……」
 「俺と遥が婚約したこと、誰も知らないだろ?」
 「そんなこと言わないでよっ」
 彼女の声が突然大きくなった。
 私が驚いていると、彼女もはっとした顔をする。
 「ああ、ええと、ちゃんと結婚の日取りを決めてからにした方が良いと思うわよ」
 「まあ、そうだな」
 「どうしても明日行くの?」
 「何だ?行って欲しくない?」
 子供をあやすように訊いてみた。
 「そういう訳じゃないけど……。私も仕事が忙しい時期だから、中々時間が取れないのよ」
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 頭を掻きながら説明した。申し訳ない気持ちは十分にある。
 「でも……」
 「不動産巡りもそんな急ぎじゃないだろ?必ず行くから」
 「……分かったわ。でもあんまり遅くならないでね」 
 遥はわざとらしく溜息をついた。
 「分かってるよ」
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