入れ替わった彼女

チャロコロ

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彼女の意図 2

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 「将来結婚して子供ができたことを考えると、早めに家やマンションを買った方が良いと思うの。  どちらにしろ買うんだったら早めにローン払いたいじゃない?」
 「それは分かるけど、まだ早いんじゃないか?」
 「早いに越したことはないわよ。いずれ買うなら、今の賃貸マンションの家賃は掛け捨て同然だ 
 し」
 「まあな……、でも金がな」
 「高いところに住みたい何て思ってないわ。休んでる間に物件だけでも見に行きましょうよ」
 眼を輝かせながら顔を近づけてきた遥に、つい首を縦に振ってしまう。
 「……まあ、見に行くだけなら」
 「私も少しは蓄えがあるから、ねっ?」
 「分かった、結婚の準備もしないとな」
 「あらっ、忘れてなかったのね」
 「忘れてた……」
 「何だとコラッ」
 「冗談だよ、今すごい顔してたぞ。めちゃくちゃ眉間に皺寄ってた」
 テーブルに食事が運ばれてきた。
 腹も減ってきたところだし、ちょうど良いタイミングだ。
 二人でいただきますをすると焼き魚に手をつけた。
 食事を終えたところで、携帯電話が鳴った。画面を見ると課長からだったので急いで電話に出る。
 「お疲れ様です、本田です」
 「おお、お疲れさん。もう家には着いたのか?」
 「ええ、少し前に。あの……仕事の方は?」
 「思ったより早く進んでな。もうすぐケリが着く」 
 「そうですか」
 「……まあ今は仕事のことは気にせずに休むんだ。
  はははっ!なあに、クビになることはないさ。心配するな」  
 「ありがとうございます」
 「悪かったな」
 「え?何がですか?」
 「仕事のことだ」
 「謝るのは私の方です。私が勝手に仕事量を増やしたから……」
 「違うんだよ。お前が心身とも限界にきていたのは分かっていた。
  それを分かって止めることができなかった俺が悪いんだ。
  正直、お前が成績を上げるおかげで課長の俺自身の評価も比例して上がっていった。俺は汚い大 人なんだよ」
 「そんなことはありません。それよりも社長と喧嘩して大丈夫でしたか?」
 「そんなことお前が気にしなくていい。
  俺だってたまには社長と喧嘩してみたかったんだよ。おかげでいい運動になった」
 「はい……」
 電話越しに課長の笑い声が響いた。
 「落ち着いた頃にまた電話するからな」
 「すいません。ご迷惑をかけます」
 「良いんだ。お前が本当に大変だったのは仕事じゃないからな」
 「えっ?」
 課長の言葉の意味が理解できなかった。
 「じゃあな」
 「課長!」
 「ん?どうした?」
 「私は8月に何かあったんですか?」
 「……今度結婚するんだってな。君が可愛がっている後輩から訊いたぞ。おめでとう」
 「ありがとうございます」 
 ツーツーという電話を切った後の不通音が響いた。
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