旧校舎の少女

チャロコロ

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卒業アルバム

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 高校の図書室の蔵書数は思った以上に多かった。
 町の図書館のようにパソコンで本の検索ができる訳ではないので、縷々子さんに関する事件を探すのは困難を極めた。
 普段から読書とは縁のない生活を送っていた二人が、何十年も前の、しかも事件があったかどうかすら判明していない縷々子さんについての資料を見つけることは容易ではない。
 棚の一部に、1年分だけ抜けていたものの、本校の過去20年分の卒業アルバムを見つけたが縷々子さんという名前の女子生徒はいなかった。
 そもそも、噂が相当に古い時分からあったことを考えると、縷々子さんがその時代にいたはずがない。
 1時間経過しても縷々子さんに関する情報を得ることができなかった。
 「見つからないねえ」
 疲れた様子の笹原が溜息混じりにぼやいた。
 「そうだな。縷々子さんがこの学校の生徒かどうかも分からないし。
  縷々子さんって名前が分かってるだけで名字も分からねえしな。
  そもそも『縷々子』自体が本名かどうかすら怪しいよ」
 「うわあ、そうなると大変だ。
  何十年も前から縷々子さんの話があるってことは、その過程で名前が変わって伝わってしまって いる可能も十分あるね。
  本当の名前は花子だとか幸子さんだったかも知れないね」
 そうなってくるといよいよ大変になってくる、鈴原は気が遠くなる思いがした。
 2人で調べるには人数が足らな過ぎる。
 笹原は携帯電話を出して、インターネットで過去の事件や事故について検索し始めたが、なかなか好資料は見つからなかった。
 時間の経過とともに冷えていた室内に熱気がたちこめ、2人の額から汗がしたたり落ちてきた。
 だが、縷々子さんに関する情報は一切出てこない。
 鈴原が別の方法で調査をした方がいいと考えていた時、本棚の横に小さなドアがあることに気付いた。
 普段なら気にも留めないが、ドアのある場所は二階に繋がる階段下の倉庫になっているはずだ。
 鈴原が「おい、あれ」とドアを眼で指示すると、笹原も同じ疑問を浮かべたらしく、2人は無言のままドアに近づいた。
 鈴原がドアノブをひねってみると、ギィィという不快な音をたてながらドアがゆっくり開いた。  が、すぐに止まってしまった。あまりに古いので開きにくくなっているようだ。
 力いっぱい押してみたがドアは動かないので、体当たりを繰り返して何とか人間一人が通れるくらいの隙間があいた。
 頷き合って中に入ろうとした時、
 「何をしてるんだ」
という声に驚いて振り返ると、担任の佐々木先生が腕組みしながら2人に厳しい眼差しを向けていた。 
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